地元紙「洛南タイムス」電子版(Rakutai On The Web ) 2008/01/06~2009年01月18日 (日) 18時47分58秒最終更新

洛南タイムス2008/11/30
きょう告示、舌戦火ぶた 市政の継続か転換か、3氏が構え 久保田、宮本、片岡氏が臨戦体制 3党激突の市議補選もゴング

   任期満了に伴う宇治市長選挙と欠員(1)補充による市議補選のW選挙は、きょう30日に告示される。来月7日の投開票日まで、1週間の師走決戦に入る。市長選は、4選を目指す久保田勇氏(60)=自民・民主・公明推薦=に2新人が挑む前回と同じ対決構図。元市議の宮本繁夫氏(62)=共産推薦、新社会支持=と市議片岡英治氏(73)が多選阻止を掲げ、前哨戦で活発な舌戦を展開してきた。従来の市長選パターンと同様に、非共産連合対共産の事実上の一騎打ちの様相が日に日に増してきている。市選挙管理委員会は、きょう30日午前8時半から午後5時まで、市役所8階大会議室で立候補届けを受け付ける。
   前回1万5千票差、久保田氏の得票率が63%を超えるダブルスコアで惨敗した共産陣営が、さきの善戦した京都市長選や勝利を得た京都市南区市議補選の勢いを持続させながら、宇治でも僅差の大勝負にまで持ち込んでくるのか、大きく注目される。
   前哨戦の山場として設定された2陣営の決起集会では、宮本氏陣営が過去の市長選にはなかった勢いを印象付けた。本番の戦いにも勢いを加速させる集会となった。翌28日の久保田氏の決起集会では、大動員を成功させた。市議補選でバラツキの懸念された大所帯の結束を見せつけたが、「油断大敵」と危機感を各弁士がこぞって煽る集会となった。
   これら両陣営の組織選挙に隠れる格好となっているが、片岡氏は告示前日の29日もマイクを握り、街宣で独自の動きを見せた。組織に頼らない選挙戦を期間中も通すが、過去3回の市議選で叩き出してきたトップ得票の3000票を超える得票に政党や現職批判票をどの程度積み上げるのか、低調の予想される選挙だけに、影響は大きいと両陣営が注目する。
   3予定候補とも30日朝の立候補届けとともに、久保田氏は朝8時40分からJR宇治駅に近い事務所で出陣式に臨み、宇治橋商店街、近鉄大久保駅、小倉、木幡、JR六地蔵といったコースで、駅前や商店街を中心にスポット演説に入る。宮本氏は朝9時に府道宇治淀線沿いの事務所で第一声を放った後、穀田恵二党国対委員長の応援を得て、午後2時には近鉄小倉駅東で街頭演説に入る。片岡氏は、日常的にも駅頭宣伝を重ねている近鉄大久保駅前で午前9時半から第一声のスポット演説を予定している。
   一方の市議補選は、保育士真田敦史氏(32)=民主推薦=、元会社員藤原元幸氏(62)=共産公認=、元職で衆院議員秘書荻原豊久氏(42)=自民公認=の3氏が立候補の構えをみせており、こちらも活発な前哨戦を駅頭や住宅地で展開。ただ、3氏とも全市的な知名度はなく、本番の1週間でどこまで浸透し切れるか。各陣営とも死力をつくす。
新社会党、宮本氏を支持
   宇治市長選挙で、21宇治市民ネットが擁立する宮本繁夫予定候補と新社会党府本部(鳥居隆太郎委員長)が29日に4項目での覚書を締結。宮本予定候補の支持を決めた。共産推薦に加え、新社会支持で市長選挙に臨む。覚書には、首長の多選弊害をなくすことや宇治小の小中一貫校の見直し、開浄水場の休止見直し、天ヶ瀬ダム再開発の反対などを盛り込んでいる。
選挙時登録者15万3783人 宇治市選管まとめ
   宇治市選挙管理委員会は29日に市長選挙・市議補欠選挙の選挙時登録者数をまとめた。男7万4087人、女7万9696の計15万3783人で、前回4年前の市長選挙時登録者数より約2400人増えている。

洛南タイムス2008/11/29
浄水場存続で意見聞く集い 開地区自治連など主催 市長選3予定候補が出席    

   宇治市の開浄水場の存続に向けた活動を展開する開地区自治連合会など主催の「宇治市長選―候補予定者の主張を聞く集い」=写真=が28日夜、開地域福祉センターであり、住民ら約60人が出席した。
   集いには市長選挙への出馬を予定する片岡英治、宮本繁夫、本郷弘の3氏が出席した。
   本郷氏は開浄水場の廃止問題について「山田府政から(宇治市が)水を買うための意図がありあり。僕としては反対」とし、市長になれば府を相手に契約改訂訴訟を起こしたいと述べたが、大山崎町の事例を引き合いに出すつもりが「長岡京市のように」と述べ、出席者から間違いを指摘されるひと幕も。
   片岡氏は開浄水場の廃止に反対するとし、近隣市町に比べ宇治市の地下水(自己水)比率が低く、災害対策からも新たに地下水を開発して地下水比率を上げるべきと指摘。そのことで土木業者も潤うとした。
   宮本氏は災害問題もふまえ「多水源化と給水のループ化が全国的な流れだ」と指摘し、開浄水場の廃止に反対の立場を表明。大久保小の建て替え問題などを例に「行政は効率や無駄を省くことも大事だが、防災の問題や開地域の人たちの気持をきちっと考えることが求められている」とした。
   席上、第二次水道対策問題委員会の木村正孝委員長が、出席を差し控えるとした現市長の久保田勇氏の書面で送られてきた理由を読み上げ、「市長は住民の前で説明する義務があるはずだ」と批判。
   出席者から「きょうは市長が来ると思って期待してやって来たのに、とても悔しい」と述べる住民もいた。
■「係争中で協議再開困難」 宇治市、開地区自治連合に回答
   浄水場休止問題で、開地区自治連合会などが宇治市長と市水道事業管理者に12日に話し合いの再開を申し入れていた問題で、係争中でもあり、話し合いの再開は困難との文書回答を28日、地元に示した。

洛南タイムス2008/11/28
市長、不参加理由地元に伝える 開浄水場問題で主張聞く集い    

   宇治市の開地区自治連合会など4団体が28日夜、開地域福祉センターで、市長選挙予定候補に出席要請して、開浄水場の休止問題についての主張を聞く集いを開くが、立候補予定する現職の久保田勇市長は27日、同集いに参加しない理由3点を付記した文書を地元に伝えた。
   ▽司法に判断を委ねている原告と被告(市長)が法定外で議論するのは差し控える▽賛否両論の公平な場でなく、反対運動の主体が主催者では、公平な議論が損なわれる恐れが強い▽研究機関が恐らく発ガン性があると指摘している物質を発ガン性なしと判断しておられる団体とは、論議が平行線をたどる――としている。

洛南タイムス2008/11/28
「市政転換」掲げ、支援結集 宇治市長選宮本氏陣営 決起集会に1千人、必勝目指す    

   30日告示の宇治市長選挙で、「21宇治市民ネット」(山崎彰代表)が擁立した元市議、宮本繁夫氏を励ます「市政転換・市民のつどい」が27日夜、市内のパルティール京都で開かれた。支援者約1千人(主催者発表)が集まった。会場にはかつての市長選では少なかった若い支援者の姿も目立ち、今回にかける陣営の意気込みのほどを伝える集会となった。
   山崎代表が「市民の要求や願いを実現する市長の実現を目指そう」と挨拶。同時執行される市議補選予定候補の藤原元幸氏が「槙島保育所廃園を推進する政党候補には負けられない」と決意を述べた。
   陣営が市長選の争点に据えている宇治小への小中一貫校設置、開浄水場の休止問題をクローズアップさせ、宇治小の一貫校反対運動に立っている保護者3人が人形劇で問題提起したほか、開浄水場問題では裁判闘争などの先頭に立っている地元の木村正孝氏が「地下水を守る地域の取り組み」について説明。「小さな力が大きな力と権力を変える時、新たな未来が生まれる。新たな市政実現に頑張る」と連帯の挨拶を述べた。
   続いて、宮本氏支持を表明している議会社会議員団を代表して浅見健二市議が、以前問題となった大久保小への消防施設の合築計画などを取りあげ、「この4年間、議員として辛抱できない市政の問題点が多く、私達議員は忙しい」と会場を笑わせながら、「市民の力が政治を動かす。皆さんの意見を聞いてくれる市長が必要」と、支援のエールをおくった。
   穀田恵二共産党国対委員長、さきの京都市長選に立ち、善戦した中村和雄弁護士が宮本氏の人間性を高く評価。「試され済みの人」との言葉で即戦力の市長候補と話し、支援を求めた。
   会場の大きな拍手に迎えられ、壇上に立った宮本氏は「今の市政、市民の暮らしを守っているのか、市民の声をしっかり聞く市政となっているのか。おおもとから市政を変える必要があると決意した」と、出馬理由を改めて伝えた。
   続けて「市内では5年間で、事業所や商店が11・3%なくなった。市民の暮らしの危機を守る役割発揮ができてるか、今市政が問われている」と訴え、問題視している就学援助問題や公約の1つの子ども医療費の無料化拡大問題、「強引な市政」と厳しい批判を行っている宇治小への一貫校設置や開浄水場の休止問題、後期高齢者医療制度の廃止などの国政課題にも言及しながら、「市政転換を皆さんといっしょに進めたい。暮らしの叫びに何としても応えたい」と支援の拡大を求めた。

洛南タイムス2008/11/27
開浄水場問題で主張聞く集い 市長選予定候補に要請、28日夜開催    

   開浄水場休止の宇治市方針に反対、差し止め請求訴訟を起こしている地元の開地区自治連合会など4団体は28日夜8時から9時半まで、開地域福祉センターで、市長選挙予定候補4氏に出席を要請して、開浄水場問題についての主張を聞く集いを開く。
   地元によると、3氏から出席意向の返事があったという。現職久保田勇氏は、出席しないものとみられる。

洛南タイムス2008/11/20
年末の水需要への対応で要請 開地区住民が宇治市水道部に    

   市の開浄水場の休止方針に対し、撤回を求めている宇治市の開地区自治連合会などの住民20人あまりが19日、市水道部を訪れ、年末に井戸水の水需要が集中するため、揚水量不足による断水などの不測の事態がないよう申し入れた。
   水道部からは「日常的監視体制を取っており、そのような兆候があれば連絡する。不測事態にならないよう努力する」との回答が住民にあった、としている。

洛南タイムス2008/11/20
社会議員団2市議、宮本氏支持 宇治市長選、4項目で覚書に合意  

   宇治市議会社会議員団の浅見健二、池内光宏の両議員は宇治市長選挙(12月7日投開票)で、21宇治市民ネットが擁立した予定候補の新人宮本繁夫氏の支持と、同氏との間で4項目について合意し、覚書を交わしたと、19日発表した。 
   合意した具体項目では、▽憲法9条と25条を生かしたまちづくり▽開浄水場の休止や宇治小学校の小中一貫校計画の見直し、天ヶ瀬ダム再開発の反対▽市長は1党1派に偏せず、住民本意と公正・公平の堅持▽市町村合併については、住民の自治と自立、地方文化と伝統を守る立場から慎重に対処する――など。
   支持によって、街頭での宮本氏の支援演説などもする。同議員団が市長選で共産推薦候補の支持を打ち出すのは初めて。

洛南タイムス2008/11/13
住民20人、水道部などに抗議 開浄水場問題の議会答弁で撤回要求

   宇治市の開浄水場の休止方針に対し、撤回を求めて、市と裁判で係争中の開地区自治連合会(海老温信会長)など、地元4団体の住民約20人が12日、市と市水道部を訪れ、桑田静児水道事業管理者らに抗議文を提出した。
   今月6日の議会決算委での水道部答弁で「発がん性物質があり、環境基準を超えているので休止を決めた」との答弁を問題視。「原水に含まれる揮発性有機物質は発がん性でないことは確認済の話。休止の正当性を図ろうとした答弁である」などと指摘、撤回を申し入れた。一部、回答を求めた要求も含め、3点で抗議したほか、再度の住民側との話し合いの再開についても申し入れ、桑田管理者からは「協議の上、回答したい」と返事があったという。

洛南タイムス2008/11/07
19年度一般会計決算など9議案認定 宇治市議会決算特別委

   宇治市の19年度一般会計歳入歳出決算などを審査する決算特別委員会(堀明人委員長)は6日、最終日の総括質疑のあと、付託9議案を賛成多数で認定した。総括質疑では、社会、自民、民主、公明、共産、新世会、無会派の順で質疑。野党会派は、12月市長選の前哨戦でも争点として、白紙撤回を訴えている宇治小の小中一貫校計画と開浄水場の休止問題を取りあげ、再度、市の姿勢を追及した。
   社会・浅見健二委員は、小中一貫校と開浄水場で質問した。一貫校問題では、グラウンド面積の確保問題に加えて、「一部中学生による問題行動の小学生への波及が懸念される」などと質問。石田教育長は「小学生が中学生をみて、あこがれの気持ちを持ち、行動に責任を持つようになったりと、一貫校だからこその特色がでてくるものだ。問題行動を繰り返すとなると、それまでの指導の積み上げも含めたあり方に課題があるといえる」と答えた。
   開浄水場問題では、15年に日産が市に用地を無償寄付した経緯を述べ、「(浄水場の井戸水から府営水への切り替えをすれば)日産に市がうそをついたことになる」と質問したが、杉村部長は「貴重な申し出を頂いたものだが、その後の施設老朽化や原水の基準悪化のため…。今後も他への転用は考えてない」とした。
   共産は川原一行委員が開浄水場について質疑した。
   川原委員は、開浄水場の休止計画の撤回を求め、「立派な施設を一気に廃止するに矛盾がある。住民意識を市は甘くみていた」として、市長の見解を質した。市長は「都市経営の観点から休止は理にかなっている。議会議決は、重いものと受け止めている」とし、撤回意思のないことを伝えた。

洛南タイムス2008/10/24
宇治市長選挙での対立点の様相に 開浄水場休止問題報告集会に、市長の対抗馬2氏の姿  

   宇治市の開地区自治連合会(海老温信会長)など住民4団体は23日夜、開地域福祉センターで開浄水場の休止差し止めを市に求めている裁判の経過報告会を開いた。住民約35人が出席。裁判の経過などについてついて、担当弁護士の説明を受けた。
   開浄水場問題は、来月30日告示予定の宇治市長選挙で、久保田勇市長の対立候補として名乗りを挙げた共産・宮本繁夫市議と無所属・片岡英治市議ともに市方針の休止の撤回を求めており、野党陣営としては選挙戦の1つの争点と位置付ける構えを見せている。両予定候補とも、この日の集会に顔を見せ、集まった住民の激励を受けていた。池内光宏、中路初音議員も参加。21日にあった決算委でのやり取り内容など報告した。
   林猛雄開ヶ丘自治会長が「市長の驕りが惹起。これを正していかないと、問題解決にならない」と挨拶。片岡市議が防災上から市の地下水比率を確保する視点で、宮本市議が一部の声のために税は使えないというのが市長の姿勢だと、挨拶で話した。
   木村正孝対策委員長が、裁判所に準備書面として提出した開浄水場の土地を日産が市に寄付した経過を示す平成15年当時の書面写しの内容について説明。弁護士が裁判経過のなかで、本訴とは別に仮処分を申し立てている高裁から、原告住民側にあった和解の打診についても改めて報告した。地域で水道事業を運営することが可能かどうかを探る提案だが、弁護士は「市は和解に前向きではなく、現段階ではしんどい」との見通しを伝えた。

洛南タイムス2008/10/23
裁判の今後について報告会 開地区自治連合会が今夜    

   宇治市の開地区自治連合会(海老温信会長)など4団体は23日夜7時半から開地域福祉センターで開浄水場の休止撤回を市に求めて提訴している裁判の報告会を開催する。裁判の今後の方向性などについて、弁護士の説明などを聞く。 

洛南タイムス2008/10/22
「ポンプ停止となれば、府営水に」 決算委 開浄水場休止問題で改めて、質疑

   水道部の審査では、府営水への切り替えに反対し、地元住民が市を提訴している開浄水場の休止問題を取りあげた。市は、老朽化している開浄水場分として更新のために購入しておいた揚水ポンプを、神明浄水場のポンプが故障したことで、緊急策としてこれを神明に充当したものだが、市の一連の対応について、浅見委員が追及した。
   市は開浄水場を休止するとの方針決定に基づいて、老朽化している開でのポンプ交換を行っておらず、その後に揚水量が落ち込んでいることで、同委員は「なぜ、当初に予定された交換をしなかったのか」と不満と疑問をぶつけた。
   さらに、同委員は「現状のポンプが停止したら、開地区への給水はどうなるのか」と質したのに対し、杉村水道部長は「断水させることは出来ず、府営水へ切り替える話となる」と答えた。同委員は「なぜ、水道部は住民が納得できる説明をできないのか。裁判中は少なくとも、現状の(井戸)水を確保するとの姿勢が大事だ」と指摘、質問を打ち切った。

洛南タイムス2008/10/19
「目指す市政転換」へ決意伝える「21宇治市民ネット」から出馬の宮本氏    

   12月予定の宇治市長選にむけ、選挙母体の「21宇治市民ネット」(山崎彰代表)=共産党、宇治市職労、宇城久地区労など49団体で構成=の候補者として17日に出馬の名乗りを挙げた共産党宇治市議の宮本繁夫氏(62)が18日午後、同ネットの山崎代表、佐藤京子副代表ら役員4人とともに記者会見に臨み、目指す「市政の転換」への決意を口にした。

   具体的公約については、同氏は「早急にネットに参画する各種支援団体との協議の中で詰めていきたい」としているが、▽福祉教育を大切に、安心して暮らせる市政への転換▽市民の意見を斬り捨てず、市民とともに歩む市政▽格差問題などについても地方から国にしっかり声をあげ、発信していける市政の実現――を3本柱として掲げた。
   また、現市政を「強引な市政運営だ」と批判。以前に断念、見直した中消防署の移転問題や大久保小の消防施設との合築問題、現在市と地元とで裁判に至っている開浄水場の休止問題、宇治小で24年度開校を目指している小中一貫校の開設などを取り上げ、「市政批判の声がでると一部の人の声、要望には一部の人たちのために税の投入はできないと斬り捨てている」と指摘、久保田市政への批判トーンを上げた。
   さらに、「市役所内でも強引な手法が目立つ。庁内の風通しを良くして市民の暮らしを守るのが自治体職員本来の姿だ」と話し、元市職員出身の宮本氏は職員像について、自身が市職労副委員長をしていた当時の状況について言及した。
   同氏は「市財政の逼迫で、赤字再建団体転落ぎりぎりの状態にあり、職員給与の1号俸切り下げを組合として提起したところ、90%を超す職員から賛成が得られた。職員とはこうした熱意のあるものだ」と話し、庁内の徹底行革の断行を掲げる現職久保田勇市長とは、市職労を巡って選挙戦での大きな対決軸となってくることから、早速の攻勢をかけた。

洛南タイムス2008/10/11
「ダブル選」大いに意識、演説会開く 共産党 宇治で衆院選と市長選勝利に向け気勢    

   解散・総選挙が迫る中、京都6区で自民、民主の現職に挑む共産の浜田良之氏の勝利とダブル選挙の可能性も強まってきた宇治市長選挙の勝利を掲げた共産党演説会が10日夜、宇治市文化センター小ホールで開かれた。約320人が集まった。
   党洛南地区委員会の田村和久委員長が「アメリカ言いなりの自民、民主政治から国民が主人公の政治に」と挨拶。党宇治市後援会の平井勝会長が「近くある総選挙で浜田さんの勝利を勝ち取ろう。『太郎』から『一郎』の政治に替わっても暮らしは変わらない」と訴えた。
   予定候補の浜田氏は「8年ぶり3度目の挑戦。この2年数ヵ月、府南部を駆け回って見て、小泉構造改革の傷跡が広がっている。怒りの審判を」と求め、産科・小児科の医師不足問題や働くルールを確立して時給1000円以上の確立――などの公約を訴え、「比例代表6万1500票の目標に上乗せすれば、小選挙区でも風穴が開けられる」と話し、支援を求めた。
   総選挙とのからみで、繰り上げ実施も予想される宇治市長選挙(11月30日子告示)について、宮本繁夫市議が「最短だと、11月16日告示。(21宇治)市民ネットでは候補者擁立を急いでいるが、残念ながら発表に至っていない。必ず擁立して戦うことを確認した。宇治市政を変えるため、全力で取り組んでいく」と話し、同ネットが実施した市民アンケートから寄せられた就学援助制度の見直しや子ども医療費の問題など、市の施策の状況を報告。「久保田市政は、自治体本来の役割を果たしていない」と指摘。「開浄水場の廃止に伴う住民提訴でも、一部の声だとして斬り捨てる市政だ」として、批判トーンを上げた。

洛南タイムス2008/10/08
市側答弁、次回12月に持ち越し 宇治市開浄水場休止差止請求   

   住民らが市の休止方針に反対して提訴した宇治市開浄水場の休止差し止め請求訴訟の第2回公判が7日午後、京都地裁で開かれた。原告住民側が提出した証拠書類に対する被告市側の答弁が予定されていたが、次回12月2日に持ち越された。
   なお、住民側は開浄水場の地下水を飲み続けたいとする思いを個々の訴えにまとめ、計50人分の意見書を1次、2次分に分けて、来週にも裁判長に提出するとしている。

洛南タイムス2008/09/05
10月7日に第2回公判 宇治市開浄水場休止差止請求   

   住民らが市の休止方針に反対して提訴した宇治市開浄水場の休止差し止め請求訴訟の第2回公判は、10月7日午後1時半から開かれることになった。4日に地裁で原告、被告双方が出席して行われた次回口頭弁論の打ち合わせで期日が決められた。


府営水への切り替え「契約違反」,開浄水場休止差し止め請求訴訟の初公判
   宇治市が市営開浄水場(神明宮北65)を休止して、府営水の供給に切り替えようとするのは「給水契約の変更にあたり、違法」などと、市に対して、ことし1月16日に同浄水場からの給水を受けている開地区自治連合会と地区の第2次水道問題対策委員会委員長の木村正孝さん(62)ら住民10人が休止の差し止めを求めた裁判の初公判が15日午後に京都地裁で開かれた。住民46人をはじめ、市側を含め50人余りが傍聴した。
   差し止め請求と平行して、住民らは同様の趣旨で1月に仮処分申し立てをしたが、4月に地裁は「昭和53年当時の覚書は、開浄水場の井戸水の供給責務を負うとまで合意したと言えない」と、覚書に基づいて、開浄水場の井戸水を今に飲み続ける権利を有するとする住民主張を却下。仮処分決定を不服として、住民らは高裁に即時抗告を申し立てている。即時抗告の申し立て結果は、まだ出ていない。
   同浄水場は、日産車体の社宅向けの簡易水道だったが、昭和53年に市と同社、地域の合意で市に施設が移管・譲渡された経過がある。切り替えには、合意が必要と主張する原告住民に対し、被告の市は「地下水と府営水のどちらの水を供給するかは、水道事業者の裁量行為」と反論している。
   この日の初公判の口頭弁論で、原告弁護人が、切り替えるのは市と住民との個々の給水契約の違反にあたると主張。開浄水場の歴史的経緯にも言及しながら、単なる水道水の供給義務に止まらず、開浄水場の地下水を供給する責務があると主張。市が休止理由に挙げている水質や施設の老朽化についても、合理的理由はないとした。
   また、原告住民を代表して太田孝さん(90)が地域が開の地下水とともに発展してきたとの歴史や、地元説明に先行して浄水場休止を提案し、議決を得たことについて、覚書の精神に反する行為にあたるなどと、市水道部の対応を厳しく指弾。法廷で意見陳述した。次回公判は、9月4日午後4時に開かれる。

洛南タイムス2008/07/15
購入府営水量、策定ビジョンで検討 宇治市水道事業懇談会

   宇治市水道事業懇談会(中田淳会長、11人)が14日に開かれ、市水道部が事業概要と18年度決算、20年度予算ならびに現在の中・長期整備計画を見直し、年度内に策定する地域水道ビジョンについて懇談会に報告した。市の給水人口は徐々に伸びているものの、節水意識の浸透や節水タイプの家電機器の普及から配水量の落ち込みが定着。収入の柱となる給水収益の増が今後も見込めないなか、施設拡張の時代から施設の維持管理時代を迎え、経営のあり方の検証が求められている」などと、ビジョン策定の意義について、冒頭挨拶で桑田水道事業管理者が説明した。
   説明の中で、市は自己水比率33%、府営水の依存度が67%となっていることで、府営水の料金によって大きな影響を受けることになるとし、。18年度決算で支出総額37億円のうち、12億8600万円が府営水購入費で占めていると伝えた。1日あたりの府営水の受水量は6万2800㌧で、最大の自己水源を持つ宇治浄水場の3倍の量を府営水に委ねている。開発などにかかる加入金収入についても、新築戸数の減少から収入減の状況にある。
   女性委員から、府営水の購入量を減らせないのかといった質問があり、桑田水道事業管理者は「協定水量の問題だが、年々水需要が減っている」として、課題となっていることの認識を伝えた上で、「府が施設整備する際に、受水市町の将来の水需要について各市町が回答し、府が施設拡張を図ってきた経過があり、すぐに府との協定水量を減らすことは難しい。策定する水道ビジョンで、将来の水需要を検討することにしており、協定水量のあり方についても考える必要がある。関係市町村との協議も必要」とした。   別の委員からは「よその自治体では府とけんかしてでもやっている。やっていただいていると思うが、宇治市としても、はっきりとした対応を」と指摘。
   桑田水道事業管理者は「平時には、できる限り府営水を使い、何かあった緊急時には自己水で対応できるように考えている」と伝えた。
   また、ペットボトルの水需要が伸びていることで、委員から質問があり、安全・安心、安価な水道水をPRするために、市水道部として今年度にはホームページを立ち上げることも伝えた。
   このほか、ことし1月に開地区住民らが、開浄水場を休止して府営水に切り替えるとの市方針に対し、差し止めを求めた裁判(本訴)の第1回口頭弁論がきょう15日に京都地裁で予定されており、この間の経過を水道懇委員に説明した。「市が裁判で負けるようだと、市民全体に影響が及ぶことにもなる」などの意見があった。
   なお、水道事業懇談会委員の辞令が委員11人に桑田水道事業管理者から交付された。任期は2年。会長に中田淳・元京都市水道事業管理者、副会長に武久征治龍谷大学法学研究科長を決めた。正副会長を除く委員9人は次の通り。(敬称略)伊藤弘子、太田敏子、小長谷敦子、下岡安一、高辻滋、中野昭仁、早瀬茂、樋口始郎、堀田直子。

洛南タイムス2008/07/06
本訴開始、15日に第1回公判 報告集会も準備

   宇治市が老朽化と水質悪化を理由に市営開浄水場(神明宮北65)を休止、府営水供給に切り替えようとするのは「給水契約に違反する」などとして地元の開地区自治連合会(海老温信会長)と市が反発。住民が市を相手に提訴するという異例の事態になっているが、第1回公判が今月15日に決まった。
   同連合会、開ヶ丘自治会、一里ヶ丘自治会の各会長、第二次水道問題対策委員会委員長の連盟で地域に配布した文書によると、「午後1時半 近鉄伊勢田駅に集合して、電車で裁判所へ」と、浄水場存続に向けた参加を呼びかけ。
   住民らの仮処分は4月に却下されたが、提訴後に市の公文書で「市長は、地下水を半永久的に継続することを明確に約束していた」「日産車体は、過去の経緯をふまえ、水道用地として寄付していた」「断然安い開浄水場の費用」とPR。地元住民たちの主張の正当性を訴えている。
   文書では、あわせて裁判費用のための住民カンパ総額が98万5000円になったことを報告、公判日の15日午後7時半から開福祉センターで報告集会を開くことも伝えている

洛南タイムス2008/06/17
野党、改めて開浄水場問題質疑 市「係争中」と答弁避け、一時紛糾

宇治市6月定例議会一般質問は16日再開され、浅見健二(社会)西川博司(民主)水谷修(共産)菅野多美子(新世会)向野憲一(共産)の5議員が質疑に立った。浅見、水谷の両議員が住民と市で係争中の開浄水場の休止問題(府営水への切り替え)を取りあげた。府営水とのコスト比較や、市に浄水場が移管されるにあたって、昭和53年に地元、市、日産車体の3者で締結に至る覚書締結への前段となる当時の市長と住民らとのやり取りの資料にも言及し、浄水場の井戸水を住民らは今に飲み続ける権利を継承しているとの論点に立ち、市の考えを追及した。/ 浅見議員は「市と住民を含め3者が一体となり、開の地下水を守る努力をしてきた。平成15年に日産車体から市は浄水場用地の寄付を受けたが、日産側には、浄水場として未来永劫にわたり使われることが前提となっていたのではないか」などと、過去の経緯をもとに市に答弁を求めた。/ 桑田水道事業管理者は「日産車体が地域の所有地を整理する中で、水道用地として寄付をいただいたものだが、当時は府営水の供給水量が限界にあるという水需要を考慮するなか、3者3様の負担の覚書を締結したもの」と答えた。/ 同議員は、覚書締結に至る前段としての当時の市長と住民らとのやり取りの資料に触れながら、「孫、末代まで地下水を飲んでいただけると、当時の市長は発言している。市民が何を望んでいるかの視点で、汗をかくのが行政だ」などと指摘した。/ 久保田市長は「係争中の事案であり、私は被告の立場でもあり、答弁は控えたい」としたのに続いて、桑田水道事業管理者が2問目の答弁を避けようとしたのに対し、「1問目に答弁しておきながら、係争中を理由に答弁しない。質問者を馬鹿にするな」として、同議員が激昂する場面もあった。/ 同じく、水谷議員も開浄水場問題を取りあげ、市が府営水への切り替え理由とした水質や府営水と開浄水場を継続することの単価などを詳細に比較しながら「浄水場の廃止方針は白紙に戻すべきだ」と指摘。現有の府営水の水余り状態を数字で指摘した上で「府営水の協定水量減らしても何ら問題がない」と、見直しを求めたが、桑田管理者は「休止差し止めの申し立てに対する地裁の却下決定に対し、高裁へ住民らが即時抗告しており、司法判断に委ねている」との平行線の答弁に終わった。

洛南タイムス2008/05/21
市水道部、即時抗告申立書への反論答弁を提出

宇治市水道部は20日、開浄水場の休止問題で、住民らが休止差し止めを求めて、大阪高裁に即時抗告を申し立てたことに対する反論の答弁書を弁護士を通じて提出した。休止差し止めを求める住民らの仮処分申請を地裁が却下、住民らが4月15日に高裁に即時抗告、地裁決定に異議を申し立てている。/ 大阪高裁から市水道部の桑田静児管理者宛てに、抗告申立書に対する意見・反論の記載書面の提出を20日までに行うよう連絡があり、その手続きを取った。/ 桑田水道事業管理者は、さきの議会委員会答弁で「提出された住民側の即時抗告理由書の内容を弁護士と相談して、決めたい」としていた。水道部が20日に提出した理由書について、基本的には、さきに地裁に提出した答弁書内容に沿ったもので、「内容を検討したが、住民側が即時抗告で提出した理由書においても、さきの地裁への提出内容と差異は少なく、地裁に提出していた水道部側の答弁書に沿った内容の答弁書を提出した。答弁書の概要としては、水道部は「切り替えようとする府営水についても良質な水で、開浄水場の地下水でないといけないとの理由はなく、昭和53年当時の覚書についても、浄水場地下水を供給する債務を今に引き継ぐものでない」などとの意見を中心にまとめ提出した」などとしている。

洛南タイムス2008/05/09
抗告申立書への反論、20日が期日

宇治市開浄水場の休止差し止めを求めた仮処分申請が却下されたことで、住民らは高裁に即時抗告。異議を申し立てたが、大阪高裁から市水道部の桑田静児管理者宛てに、抗告申立書に対する意見・反論の記載書面を20日までに提出するよう事務連絡が8日までにあった。/ 8日の議会委員会で、同管理者は委員の質疑に対して「7日に受理したばかりで、提出された住民からの即時抗告理由書の内容を顧問弁護士とも相談して、今後の行政方針を決める」と答えた。/ 委員会では、共産委員が「仮処分に加えて、本訴も提起されており、休止を強行するな。住民と行政が裁判で対立する歪んだ関係を修復するためにも話し合いの再開やNPOなどが自主的に浄水場を運営する道を探るなど、和解への可能性を行政として骨を折るべきではないか」などと、その考えを改めて打診した。同管理者は「早期の休止が水道部の取るべき道。和解といっても、いつ休止するかといったこちら側の話に乗ってもらうのは、困難である」と、双方が解決への一致点を見いだすのは無理との考えを改めて、伝えた。

洛南タイムス2008/04/27
即時抗告理由書を高裁へ提出

   宇治市開浄水場の休止差し止めを求めた仮処分申請の却下に対し、住民らは15日に高裁に異議申し立ての即時抗告をしていたが、26日までに抗告代理人の弁護士が抗告理由書を提出した。提出した抗告理由として、3点を挙げて、「地裁の決定は、誤りや事実誤認がある不当な決定」と述べた。抗告理由のなかで、弁護人は「本裁判で終局判決が確定するまでの間は、浄水場地下水の供給を中止すべきではない」と求め、休止執行を本訴確定まで待つことで、市が著しい損害を被る恐れもないとした。
   この問題では、開浄水場を休止して、府営水に切り替えようとする市の理由に合理性がないとして、休止差し止めの本訴にあわせ、住民らが仮処分を申請。地裁の却下決定に対し、第2次水道問題対策委員会委員長の木村正孝さん(62)ら代表住民10人と開地区自治連合会(海老温信会長)が即時抗告したもの。
   却下決定のなかで、地裁が「開浄水場の井戸水を飲み続ける権利があるとの住民主張は、昭和53年当時の(日産車体、市、住民による)覚書からは今に継続すると類推できる資料もない」とした点については、「事実誤認がある」と理由書で反論。
   当時の資料を新たに提出して「井戸水を念頭に置き、地区住民に市の上水道として供給し続けることを意思表示したもので、市が住民に対し、開浄水施設の水を供給する日産車体の債務の継承を認めたのは明らか」と、昭和51年当時の会議録資料を提出。当時の市長・住民会議での市長発言を根拠に、事実誤認があるとの理由書を提出した。

洛南タイムス2008/04/16
高裁に即時抗告申し立てる 住民10人と自治会が抗告人

   宇治市開浄水場の休止差し止めを求めた仮処分の申請が京都地裁で3日に却下されたことに対し、異議申し立ての即時抗告をすることを決めていた地元の第2次水道問題対策委員会委員長の木村正孝さん(62)ら住民代表10人と開地区自治連合会(海老温信会長)が抗告人となり、15日に大阪高裁に即時抗告の手続きを取った。理由書については後日、抗告代理人の弁護士が提出する。4日夜の住民集会で、弁護士が同席して行われた報告集会で、即時抗告を確認していた。
   市の府営水への切り替えに合理的理由がないとして、開浄水場の休止差し止めを求めた住民の仮処分申請に対し、地裁が「開浄水場の井戸水を飲み続ける権利があるとの主張は、昭和53年当時の覚書からは今に継続すると類推できる資料もない」として、住民の訴えを却下したことに「裁判所の判断には事実誤認がある」として、異議の申し立てを確認していた。

洛南タイムス2008/04/15
10年で200万㌧の給水落ち込み、新たに経営計画見直しへ 

   宇治市水道部は27年度までを計画期間とする水道事業の中期計画の見直しに着手する。見直し内容を具体化させ、今夏までに業務委託を発注する準備を急いでいる。年度内に10ヵ年の中期目標計画を策定する。市の水道は給水人口が増加しているものの、年間総給水量はこの10年間で、市民の節水意識の浸透などから約200万㌧も落ち込み、企業経営の面からは基盤強化や19年度に実施した簡易耐震診断の結果などから、配水池の耐震化や主要施設である宇治浄水場では、建物は耐震機能を保持していたものの、ろ過池や配水池などの浄水施設の耐震化が迫られるなど、大幅な施設改修が迫られているという。
   係争事案に発展している開浄水場の休止方針の決定で、改めて浮き彫りになった自己水の比率は、18年度末データで32%と近隣市町に比べて低く、35%に引き上げるための施設能力の増強についても、検討する。自己水源については、現行では5浄水場から得ているが、人口増が顕著な東宇治地域に送水している宇治浄水場については、水量アップによる対応を図っているが、今後の給水人口の見通しも予想した中で、個々の施設の役割を見直す考え。/ ビジョン策定にあっては、市民意見や水道事業懇談会の意見を求めるが、現行の計画では事業経営についても言及しており、料金収入を支える総給水量の大幅回復が見込めない中、平成10年度の料金改定以降、議論に乗っていない使用料金の問題や水道料の長期滞納問題への対応なども不可欠な要因となってくる。▽経営基盤の強化▽顧客サービスの充実▽安心快適な給水の確保▽災害対策の充実▽環境エネルギー対策の強化を柱に実施方策を策定したい、としている。 
最終更新:2009年01月18日 18:47