【骨折の骨折数による分類を説明しなさい】
 骨折個所の数によって以下のように分類する。
   ①単発骨折(単数骨折)…1本の骨が1ヶ所で骨折したもの。
   ②複数骨折(二重骨折)…1本の骨が2ヶ所で骨折したもの。
   ③重複骨折…1本の骨が3ヶ所以上で骨折したもの。
   ④多発骨折…2本以上の骨が同時に骨折したもの。

【骨折部と外創との交通の有無による分類を説明しなさい】
 被覆軟部組織の損傷と骨折部との交通があるかないかで以下のように分類する。
   単純骨折(閉鎖性骨折・非開放性骨折・皮下骨折)…創部と骨折部との交通のないもの。
   複雑骨折(開放性骨折)…創部と骨折部との交通のあるもの。軟部組織に損傷を受けて、それが骨折部と
               交通し、はなはだしいものは骨片が皮膚外に露出するもの。

【骨折の外力の働いた部位による分類を説明してください】
 外力の働いた部位によって以下のように分類する。
    直達性骨折…外力が直接働いた部位で骨折したもの。その際の力を直達外力という。
    介達性骨折…外力が他の部位に誘導されて離れた部位で骨折したもの。その際の力を
          介達外力という。自家筋力によるゴルフの肋骨骨折や野球の投球骨折、
          腕相撲骨折なども介達外力により発生する。

【骨折の外力の働き方による分類を説明しなさい】
 外力の働き方によって分類する。
    剥離骨折(裂離骨折・牽引骨折)
          筋・腱・靭帯などの牽引力によって、その付着部の骨が引き裂かれて骨折するもの。
          膝蓋靭帯付着部の脛骨粗面骨折、肘関節内側の側副靭帯が付着する上腕骨内側上顆骨折、その
          他上前腸骨骨棘、第5中足骨などに発生する。
    屈曲骨折
          骨が屈曲力の作用を受けて骨折したもので、外力の働き方により3型に分類する。
       ①第一型…膝に棒を当てて両手で折るような骨折。骨折線は凸側より長骨軸に対してほぼ直角に進み、
            中央部で二つに分かれ凹側に基底を持つ三角形の骨片を生じる「骨片骨折」となる。
       ②第二型…生木の枝を折るような骨折で、骨の一側が固定されて他側に屈曲力が働き発生する。
            骨折線は凸側に始まり固定された方向へと斜めに走る「斜骨折」となる。
            上腕骨顆上骨折、膮骨遠位端部骨折。
       ③第三型…桶のタガを両手で押しながら左右両壁を接近させると、その上下が屈曲して弾力性の限界を
            超え、上下の1ヶ所もしくは上下2ヶ所で骨折する。
            骨盤や胸郭などの骨輪を形成している部位に、2方向よりの外力が働いて骨折する。
    圧迫骨折
          骨が圧迫によって押し潰されるもので、骨の形状、圧迫の方向によって骨折は様々な形態を呈する。
          骨の長軸に軸圧が加わると縦または横の裂隙が生じ「軸圧骨折」、海綿質に富んだ椎体や腫骨など
          の短骨が完全に圧平され「圧潰骨折」、骨折端が相互に噛み合えば「噛合骨折・咬合骨折・楔合骨
          折」となる。
          椎体の圧迫骨折、腫骨骨折、小児の膮骨遠位端部の竹節状骨折など。
    剪断骨折(引き違い骨折)
          はなはだまれな骨折で、ハサミでものを切る際に二つの力が平行に、しかも互いに反対方向かつ密
          接した力が働いたときに発生し、横骨折となる。
    捻転骨折
          長骨の一方が固定され他方に骨を捻転する力が働いたとき、または両端に相反する捻転力が働い
          たときに螺旋状骨折が発生する。
          上腕骨骨幹部の投球骨折、腕相撲骨折、スキーによる下腿骨骨折など。
    粉砕骨折
          強大な外力が骨に働き多数の小骨片に粉砕したもの。大きな外力や機械力、爆発、銃撃、轢過など
          で「開放骨折」になることが多い。
    陥没骨折
          扁平骨に発生する、外力を受けた部分に円状に骨折線が生じて陥没する。
          頭蓋骨骨折、腸骨骨折など。
    破裂骨折
          頭蓋骨にみられる。強い圧迫を受けて破裂粉砕する。
最終更新:2006年08月08日 12:55