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  《お茶目だね、きらきーさん》1


私のお姉ちゃんを紹介するね。
名前は、雪華綺晶と書いて、きらきしょうって読むの。
最初から、そう呼んでくれた人は、だーれもいないんだけど。

名は体を表すっていう諺があるけど、お姉ちゃんは、正にソレ。
雪のように白い肌と、流れるような美しい髪。
物腰も優雅で、常に、華やいだ雰囲気をまとっているの。
瞳は綺麗な琥珀色で、水晶のように透き通ってて、とっても魅力的よ。
ちょっと、右眼が不自由って点が玉にキズ……かな。
だけど、私にとっては、自慢のお姉ちゃん♪

  ~  ~  ~

ある日曜日、私たちは久しぶりに、近所の公園へと散歩に来ていた。
ポップコーンを摘みながら、穏やかな日射しの下を、のんびり歩いていると――

「うほっ。いいハトの群」
「お姉ちゃん……その言い方はダメ」

子供みたいに瞳を輝かせるお姉ちゃんと、苦笑する私の頭上を、
ドバトの一群が羽音を響かせ、飛び過ぎていった。
そういえば、この公園はハトが多いことで有名だったっけ。
お姉ちゃんは、手にしていたポップコーンを指差して、私に言った。

「や ら な い か?」
「? ああ……ハトに餌をやるのね。うん……いいよ。行こっ!」


広場に着くなり、お姉ちゃんは自分のポップコーンを、ホイホイ投げ始めた。
思い思いの場所で羽を休めていたドバト達が、それを目敏く見つけて、
足早に歩いてくる。そして、我先にと、啄み始めた。

「うふふふっ。いいのですか? そんなにホイホイ食べちゃってぇ」
「…………」

時々、お姉ちゃんが解らなくなるけど――
『気にしたら負け』って、お父様も言ってたから、これで良いのよね。
うん…………多分。

暫くすると、お姉ちゃんがブツブツと呟きだした。
ハトに向かって、何を話してるのかと思って、近付いてみると――

「唐揚げ、水炊き、親子丼、手羽先、ハツ、レバー、ボンボチ……」


聞かなかった方が、良かったみたい。
お姉ちゃんてば、ホントにお茶目さんなんだからなぁ、もー。

ポップコーンを全部ハトにあげちゃうと、お姉ちゃんは立ち上がって、
ニコニコと幸せそうに微笑んだ。
両手には、いつの間に捕まえたのか、ハトが1羽ずつ。

「薔薇しーちゃん。今夜は焼き鳥ですわ」

ちょっと食いしんぼさんだけど、私はお茶目なお姉ちゃんが大好き♪



  《お茶目だね、きらきーさん》2


今日は、近くの大型ペットショップで開催されていたワンニャンフェスタに、
お姉ちゃんを誘ってみたの。
かわいい子犬や子猫がいっぱいで、ぬこ好きの私は、もう堪りませんなぁ。
ロシアンブルーの子猫を抱くなり、速攻でナデナデもふもふスリスリしちゃった。
はしゃぐ私の隣で、お姉ちゃんは柴犬の仔を両手で抱き上げ――


「……美味しそう」

念のために断っておくと、お姉ちゃんの言う『美味しそう』は、
『可愛い』って意味なの。ホントだよ?
食べちゃいたいくらい可愛いって、言うでしょ。つまりは、アレと一緒。

「うふふふっ。ホイホイ捕まっちゃって、よかったのかしら?
 私は、美味しそうなものなら何でも食べちゃう女なのよぉ~」
「だから、お姉ちゃん……その言い方は、誤解を招くからダメだってば」
「えぇー? でも、深い意味はありませんのよ?」

あったら余計に悪い。
ちょっと、これは早めに撤収した方がよさそう。
名残惜しいけれど、ロシアンブルーのおチビちゃんに別れを告げて、
お姉ちゃんの方に向き直ると――

「あむあむあむ…………ウマー」
「お姉ちゃん……なんで子犬の耳を甘噛みしてるの?」
「ミミガーですわ。私なりの、愛情表現ですのよ」

……はいはい。訊いた私がバカでした。
それにしても、なんだってイキナリ、沖縄料理なのかなぁ?
首を傾げていたら、今度は子犬の足をパクッと銜えて、幸せそうに目を細めた。

「足ティビチ~」
「だーかーらー。よしなさいって、お姉ちゃん。
 その足でトイレの砂とか掻き回したかもしれないんだよ?」
「……ゴブファ――――!?!?」

どうやら、食いしんぼのお姉ちゃんでも、アッチの趣味は無いみたい。
ああ、変態さんじゃなくて、ホントによかったぁ。


ゲンナリしているお姉ちゃんの手を引いて、のんびりと家路を行く。
さっきのことが余程ショックだったのか、お姉ちゃんは一切、口を利かない。
ちょっと可哀相だけど……ま、たまにはいい薬になったかもね。

「お姉ちゃん、今日は楽しかったね~。ペットを飼うのもいいなぁ」

重たい雰囲気を変えようと、そんな話題を振ってみた。
私としては、わりと本気で、猫とか飼ってみたかったし。
お姉ちゃんは「そうですわねぇ」と、なぜか真剣な顔で考え込んで――

「今夜、お父様にお願いしてみましょうか。三匹ぐらい、非常食として……」

まーた、私を笑わせようとして、お姉ちゃんの悪い冗談が始まっちゃった。
ふふっ……しょーがないなぁ、もー。

でも私は、そんな茶目っ気たっぷりのお姉ちゃんが大好きっ♪



  《お茶目だね、きらきーさん》3


ちょっと気分を変えて、お父様に連れられ、温泉宿にやってきた私たち。
旅館の窓から身を乗り出し、緑萌ゆる山々を見渡す。
風光明媚で、空気もおいしいなぁ。たまには、こんな所で命の洗濯するのも良いよね。
感激に心おどらせる私の横では、お姉ちゃんが夢中で、双眼鏡を覗き込んでいる。

「お姉ちゃん。なにか、面白いもの見える?」
「ええ。露天風呂とか丸見え。ちょうど、お父様が入ってますわよ」
「ふぅん…………って、覗きっ?! だ、ダメだよ、そんなことしちゃあ!」
「うほっ! イイおいなりさん」
「なっ、なに見てるのぉっ!? お姉ちゃんのえっちっ!」

ああ、また始まっちゃった。もぉ、しょうがないなぁ。
これ以上、大好きなお姉ちゃんに痴女の真似事をさせるわけにもいかない。
私は手にした大理石の灰皿で、お姉ちゃんの頭をブッ叩いた。

  ~  ~  ~

「なんだか……頭がガンガンしますわ」

目覚めるなり、お姉ちゃんは後頭部をさすりながら、眉間に皺を寄せた。
当たり前だよね。一撃で気絶するほど、強烈に叩いたんだもの。
まずは、賽の河原からの生還、おめでとう。

「どうして、頭痛がするのでしょう?」
「それ……きっと、高山病。この辺って案外、標高があるでしょ。
 温泉にでも入って、気を紛らせば治ると思うよ、お姉ちゃん」


折角、温泉宿に来たんだもの。湯治を楽しまなきゃ損よね~。
そんなワケで、お風呂の支度をして、大浴場に向かう道すがら。

「うわぁ、すごぉい。お姉ちゃんっ。この廊下、庭の池を跨いでるー」
「まあ、本当。あらあら……美味しそうな錦鯉が、あんなにたくさん♪」
「……女中さんに誤解されるから、あんまり大きな声で喋らないでね」

“可愛い”の意味で言ったんだとは思うけど、どこまで本気なのか判然としない。
一応、釘を刺しとかないと――

渡り廊下の上から、群泳ぐ錦鯉を眺めた後、私たちは貸し切り状態のお風呂でくつろいだ。
夏休みが終わり、紅葉シーズンには少し早い時期だからこその快適さなのよね。
んー! 広いお風呂って、思う存分、手足を伸ばせるから気持ちいいなぁ。

お姉ちゃんと、私。ふたり並んで湯船に浸かり、マタ~リと過ごす時間。
しかし、その時、予期せぬ出来事が――

「う~~食べたい食べたい……」

お姉ちゃんが、禁断症状を訴え始めちゃったの。
温泉でサッパリした後で、おいしい夕食を頂くつもりだったから、
おやつとか食べてなかったのよね。それで、小腹が空いちゃったみたい。

「ここは急場しのぎに、薔薇しーちゃんの『うにゅー』ふたつを……食 べ て も い い?」
「え? ちょっ……イヤぁ――っ!」

アホなこと口走って、私の胸に飛びかかってくるお姉ちゃんの頭を、手桶でブン殴る。
湯船にプカリと浮かんだ彼女を残したまま、私はさっさと、お部屋に引き上げたのでした。
最近、お茶目レベルが更にアップして困りものだけど、やっぱり私は、お姉ちゃんが大好きっ♪



  《お茶目だね、きらきーさん》4


今日のおやつは、ワッフルを焼くことになった。
発端は、お姉ちゃんの一言。

「焼 か な い か?」

なんと言っても、焼きたてのワッフルは、しっとり柔らかくて美味しいもんねー。
焼きたてワッフルに目がない私は、誘われるままに、ホイホイ賛成しちゃったの。

「それでは、薔薇しーちゃん。道具の準備もできたことですし、
 ホイホイ作っていきましょうか」
「うんっ! えぇっとぉ……ぢゃーん。森永ホットケーキミックスぅ!」

本当なら、薄力粉にベーキングパウダーやグラニュー糖を混ぜて生地を作るんだけど、
メンドくさいから手抜き。焼いちゃえば、似たようなものだし。
とりあえず、用意した巨大なボウルに、お徳用800gの粉を、ふたつ入れる。
合計1600gって凄い量だけど、このくらいでないと、お姉ちゃんのお腹を満たすには足りないから。


「全部…………入りましたぁ」
「うふっ……次は卵と牛乳ですわ」

なーんとなく妙な会話を交わしつつ、せっせと卵を割り、牛乳を入れ、
泡立てていく。お菓子づくりって、こういう過程も楽しいんだよね。
お姉ちゃんも鼻歌混じりに、トッピングのホイップを作ってる。
でも、油断は禁物。よーく見張ってないと、お姉ちゃんてば『味見』と称して、
全部たべちゃうんだもの。ホントだよ?


ホイップ完成。生地も混ぜた。あとは焼いて、食べるだけ。
市販のワッフルメーカーを火に掛けて、おたまで掬った生地を流し込んでいく。
すると、エプロン姿のお姉ちゃんは、やおら左腕をスイングさせて……。

「薔薇しーちゃん。ワッフルワッフルぅ♪」
「? なにそれ」
「おまじないですわ。こうすると、美味しく焼けますのよ」

なんか胡散臭いけど、しょうがないから、二十分ほど一緒に「わっふるわっふる」してあげた。
その結果――――

「お姉ちゃん…………焦げちゃったよ」
「……すごく……悲しいです」

その言葉どおり、メソメソと泣き出すお姉ちゃん。ホント……お茶目な食いしんぼさんだなぁ。
一枚くらい焼くのを失敗したぐらいで、そんなに悲しむことないのにね。


その後は、失敗もせずに何枚も焼いて、お腹いっぱいワッフルを食べまくった。
ホイップだけじゃなく、マーガリンにハチミツとか、いろいろなトッピングを楽しみながら。

「あらまあ、お行儀の悪い。ホイップが付いてますわよ」
「ん? わひゃぁ!」

言うが早いか、お姉ちゃんは顔を近付け、私の口元をペロリと舐めた。
んもぅ……いきなり、そんなコトされたらビックリしちゃうよぉ。
いまだにドキドキが収まらず、焦りまくりの私を妙な眼差しで見つめながら、お姉ちゃんは舌なめずりした。
お姉ちゃんのことは大好き…………なんだけど。その目つきは、な~んかコワイなぁ。
私、明日の朝まで無事でいられるのかしらん?



  《お茶目だね、きらきーさん》5


今日は珍しく、ふたりでお買い物。でも、服とかお化粧品を買いに来たんじゃないのよ。
お夕飯の材料を、ちょっと……ね。
実は、今夜の献立って、ハヤシライスの予定だったの。
ところが――

 『くんくんくん……あらぁ、美味しそうな に ほ ひ♪
  ちょっと味見してみましょうか…………ウマー♪』
 『あああああっ!?!? お姉ちゃんっ! なんで一人で全部たべちゃうのぉっ!』
 『しーましぇーん』
 『……全っ然、反省してないでしょ』

――というワケなの。やれやれ……だよ、ホント。
お姉ちゃんのお腹の中には、ナゾの宇宙生物でも棲んでるんじゃないかしら。


さ~てさて、商店街に到着したけど、何を買おうかなぁ。
お父様は、好き嫌いなく何でも食べる人だから、あまり苦労しない。
問題は、こっちのヒトね。美味しくて、ボリュームがないとダメなんだもの。

「ねえ、お姉ちゃん。さっき食べたばかりだから、お腹すいてないと思うけど――
 なにか、食べたいものって、ある?」
「そうですわねぇ…………人肉とか」
「えぇっ?!」

や、やだなぁ……まーた、お茶目な冗談が始まっちゃったよぅ。
きっと、ニンニク料理が食べたかったんだよね。うんうん。
とりあえず、そういうコトにしておこうっと……。


ところが、八百屋さんに行って、ニンニクを買おうとした途端――

「……コレジャナイ」
「えっ? じゃあ、お姉ちゃんは何が食べたいの?」
「だーかーらー、お肉がいいと」
「それなら、たまには東坡肉(トンポーロウ)でも作ろうかな。
 お肉屋さんでバラ肉を買わなきゃね~」
「?!?! ばっ、薔薇肉ぅぅぅ――――っ?!」

なにやら興奮気味の、お姉ちゃん。よっぽど、お肉が食べたかったみたい。
飢えた眼差しで私を見つめて、ハァハァ言ってるんだもの。
…………あれ? あはは……考えちゃダメ。『気にしたら負け』だもんね、お父様。

  ~  ~  ~

お買い物を終えてから支度しなおしたので、いつもより遅めの、お夕飯。
煮込みが足りないかと思ったけど、東坡肉は程よく味が浸みて、いい出来だった。
お父様が「美味しい」って食べてくれたから、私、とっても幸せ。
作った甲斐があったなぁ。

「うふふふ……バラ肉…………ウマー♪」

お姉ちゃんは、お買い物の時からずっと、こんな感じ。
バラ肉と呟くたびに、私をチラ見して、じゅるるっとヨダレを啜ってるの。
よっぽど東坡肉を気に入ってくれたのね。よかったよかった嬉しいなぁ。
私は、お父様とお姉ちゃんが大好きっ♪

その夜、寝惚けたお姉ちゃんが「薔薇肉ぅ!」と叫んで部屋に乱入してきたから、
トンファーキックで寝かしつけてあげた。ホントに世話が焼けるんだからなぁ、もぉー。



  《お茶目だね、きらきーさん》6


今日は町内の夏祭りー。
私たち姉妹は浴衣に着替え、日が暮れてから近所の公園に来て、仲良くお祭り見物していたの。
まあ、お姉ちゃんは屋台で買い食いしてばっかりだけどね。
今だって、本日15杯目のかき氷を、シャクシャクとかき込んでいる。

「お姉ちゃんてば、食べ過ぎー。お腹こわしちゃうよ?」
「平気ですわよ。うふふ……胃の中に、どんどん入ってくるのが分かりますわ。
 しっかりお腹の栓を閉めとかないとね」
「……そのネタ、もう止めようよぉ」

いつもながらの、お茶目な冗談に辟易していると、
不意にお姉ちゃんは身震いして――モジモジと肩を窄めた。

「ちょっと……お……お手洗いに」
「んもぅ、だから言ったのに。とにかく、早く行こっ」

お姉ちゃんの手を引いて、公園のトイレへと向かう。
電灯は点いているけど、トイレの周りは真っ暗な林や茂みで、すっごく不気味。
そういえば、ここってオバケが出ることで有名なところだったっけ。
まあ、取るに足らないウワサ話だとは思うけど、この雰囲気は確かに――

「で……出そう」
「あら。薔薇しーちゃんも、おトイレ我慢してましたの?」
「違うからっ! もぉっ! とにかく、さっさと済ませてきてよ」

お姉ちゃんは笑いながら、至るところにクモの巣が張ってるトイレへと姿を消した。


「ひぃぎゃあぁぁ――――っ!!」

数秒と経たない内に、トイレの中から闇を切り裂いて飛んできた、乙女の悲鳴。
心の準備などしていなかった私は、ビックリして5センチほど飛び上がっちゃった。
尋常ならざる事態に、慌てて問い質したけれど、お姉ちゃんからの返答は無い。
意を決してトイレに飛び込むと、お姉ちゃんは個室の前で、棒立ちになっていた。

「ど、どうしたのっ! ナニがあったの、お姉ちゃんっ!」
「あわわわ…………で、で、で、出た出た出たっ!」
「ちょっ……落ち着いてよ。一体、出たって何が――」

宥めつつ、お姉ちゃんが戦慄く手で指差す方に眼を向けた私は、とてつもない悪寒に襲われた。
だって、個室の床には大きなカマドウマが、ざっと見ても十匹以上、蠢いてたんだもん。
お姉ちゃんが扉を開けた途端、アレが一斉に飛び跳ねたんだって。
うう……あんまり想像したくない。ある意味、オバケより気色悪いよぉ。
イナゴ・ハチノコ・ザザムシなどの昆虫料理すら涼しい顔で食べちゃうお姉ちゃんでも、
流石にカマドウマの大群は、生理的に受け付けなかったみたい。まあ……当然の反応かしらん?

  ~  ~  ~

結局、お姉ちゃんは家まで我慢すると言って、顔面蒼白になりながら家路に就いた。

「あの……薔薇しーちゃん。待って…………早い」
「知ーらない。ちんたら歩いてると、くすぐりの刑に処しちゃうよ?」
「ちょ…………お願い、ヤメテ。それ、洒落になりませんわ」

涙目で、懇願するお姉ちゃん。こんなにも弱々しく、しおらしい姿は珍しくて、意外にかわいい。
これに懲りて、ちょっとは過食癖が治ると良いんだけど。明日になったら忘れてるよね、きっと。
やっぱり……くすぐりの刑を実行しちゃおっかなぁ♪



  《お茶目だね、きらきーさん》7


なにげなく観ていた週末の釣り番組に触発されて、磯釣りに来た私たち。
画面の中ではホイホイ釣れていたんだけど……。

「ちっとも釣れないね、お姉ちゃん」
「仕方ありませんわ。餌ではなく、ルアーを使っているんですもの。
 薔薇しーちゃんが『青イソメなんて触るのもイヤッ!』なんていうから、やむなく――」
「はいはい。ごめんなさい」

そんな理由があったワケだけど、まさか、ここまで不漁だなんて思わなかった。
シーバスとか、アイナメとか、アオリイカとか、簡単に釣れそうだったのに……。
やっぱり、潮の流れや干満にも留意しないとダメなのかなぁ。
暫く粘ってみたけど、結局、釣果はゼロだった。

「お腹……空きましたわぁ」

お姉ちゃんが、さも気怠そうに呟く。でも、残念。豪華なお弁当なんて無い。
家から持ってきたのは、タッパーに詰めた酢飯だけ。
釣った魚をお刺身で食べたり、お寿司を握る予定だったの。勿論、お姉ちゃんのアイディア。

「酢飯でも良ければ、白むすび作ってあげるけど?」
「ヤダー。あ~ぁ、青イソメさえ買ってあったら、青イソメゴカイ丼を試せましたのに」

なにその裏メニュー? 不服そうに頬を膨らませてるお姉ちゃんに訊くと、
曰く、椎名誠さんの著書で紹介されてたとか……早い話がゲテモノ料理。
そんなアヤシイ物を、よく食べる気になるよね。

鼻白んでる私なんか気にも留めず、お姉ちゃんは瞳を輝かせて、ポンと手を叩いた。

「そうそう! こんな岩場には、アレが居たじゃあーりませんか」
「アレ?」
「フナムシですわっ!!」

その名を耳にしただけで、私は危うく失神しそうになった。
お茶目すぎだよ、お姉ちゃん。いくら空腹だからって、正気の沙汰じゃないわ。

「お姉ちゃん、本気なのっ?! あんなの食べられっこないよぉ!」
「あら……でも、北寺尾ゲンコツ堂の著書では、食べられるって――
 女は度胸! 何でも試してみるものですわ。きっと美味しいですわよ」
「それ、絶対にウソだからっ! 早まっちゃダメぇっ!」

私は猛然と反撥したけど、お姉ちゃんは取り合わない。
その辺に落ちてた木の棒を二本拾って、獲物をホイホイ捕まえ、ビニール袋に入れ始めた。
すばしっこいフナムシを、お箸で摘めるお姉ちゃんって、正直スゴイと思う。
実は、宮本武蔵みたいに、飛んでるハエも摘めちゃったりして……。

  ~  ~  ~

――で、家に帰って、誰が調理するのかと言えば…………私。('A`)
指で摘み上げたビニール袋の中には、フナムシがウジャウジャ蠢いている。
これダメ! 絶対ムリ! 触れもしない物を、どう料理しろって言うの?
捨てちゃおう。そう思った矢先、やおらビニール袋が裂けて、良からぬモノがジョジョビジョバァ。

「ひゃあぁぁっ!?!? お、お父様ぁぁぁ――っ!!」

私は脱兎の如く台所から逃げ出して、初めてのゲテモノ料理体験は、クソミソな結果に終わったのでした。




参考文献・資料

「全日本食えば分かる図鑑」 椎名誠 著
「ゲテ食」大全  北寺尾ゲンコツ堂 著

グロ注意 食前には見ちゃダメ!
 http://www1.odn.ne.jp/setsuna/za_insect.html



  《お茶目だね、きらきーさん》8


中秋の名月って知ってる? 世間一般に、お月見を楽しむ日なの。
例によって、お姉ちゃんがノックもせずに私の部屋に踏み込んできた。
ベッドに寝そべり、ヘッドホンでレベッカの「Moon」を聴いていた私は、
ドアの前で薬物中毒者さながらにハァハァ言ってる彼女に目を転じて、ジットリと見つめた。

「薔薇しーちゃん。その目は、なぁに?」
「どーせまた、お月見『や ら な い か』って言うんでしょ?」
「今回は違いますわよ」

言うが早いか、お姉ちゃんは似合わないサングラスをかけて――

「月 は 出 て い る か」
「……出てるワケないじゃん。まだお昼だもの」 
「うぅっ……夜まで待ちきれなくって、平成狸合戦○ンポコですわぁっ!」

ハッキリ言って理解不能。微妙なところを伏せ字にしてるし……。
最近、私はこう考えるようになった。
お姉ちゃんは、お茶目というより、ただ単に頭のネジが抜けてるだけじゃないかって。
このまま放っておくとNGワードを連呼しかねない。なんとかしなきゃ。

「ねえ、お姉ちゃん。今から、お月見団子……作ろっか?」
「柔らか胸肉キタ──────(゚∀゚)───────!!!!」
「いや、あの…………どうしたら、そう聞こえるワケ?」

お団子づくりは、至って簡単。上新粉(お米の粉)を捏ねて、適当な大きさに丸めるだけ。
でも、ただ丸いだけじゃ味気ないし、イマイチ面白みに欠ける。
私は爪楊枝を使って、お団子に耳を付け、ケーキのトッピングで目鼻を加えていった。

「ぢゃーん! らぷらす団子の完成~。なかなか……巧くできた」
「へえぇ。本当に、上手ですわね」
「でしょでしょ。ふふっ……私って、和菓子職人になれちゃうかも♪」

「私だって、負けませんわよ!」と、やおら対抗意識を燃やすお姉ちゃん。
目にも留まらぬ早業で作り上げたのは、牙を剥いたナマハゲみたいなウサギ団子だった。
なんて奇抜なデザイン! むむ……奇人と天才って、紙一重。


いろんな顔のウサギ団子を作っている内に日は暮れ、綺麗な満月が夜空に浮かんだ。
私はお姉ちゃんと並んで縁側に腰掛け、お月様を眺めつつ、ジュースで乾杯する。

「それじゃあ、お姉ちゃん。早速、お団子たべよーよ」
「それでは、レッツ、ラプラスィドリ~ム♪ 私のお腹を満たしておくれ。甘ぁいお菓子で満たしておくれ」
「……なんか、激しく聞き憶えがあるんだけど?」
「薔薇しーちゃん。気にしたら負けですわよ」

そのセリフで、さらりと切り替えされては、二の句が告げなくなってしまう。
お姉ちゃんは微笑んで、黙りこくる私の髪を撫でてくれた。ちょっと変わり者だけど、包容力のある人なのよね。
引っ込み思案で、口数の少なかった私が、ここまで変われたのは……お姉ちゃんのお陰かも知れない。
――ありがと、お姉ちゃん♪



  《お茶目だね、きらきーさん》9


『天高く馬肥ゆる秋』とは、よく言ったもの。
秋も深まると、果物とかお野菜とか、いろいろ美味しいモノが増えるよね。
お姉ちゃんが買ってきた旅行雑誌でも、温泉宿のキノコ料理を特集していた。
あ……このページ、シワが寄ってる。お姉ちゃんってば、ヨダレ垂らしたのね。
しょうがないなぁ、もぅ。今夜はキノコ料理にしてあげようっと♪

……と、自室のベッドに寝そべって考えてた時、廊下の方でゴトンと大きな音が鳴った。
なんだろう? 倒れるような植木鉢は置いてないし、壁に額縁も飾ってないのに。
誰か、足を滑らせて転んだのかしらん。
ベッドから起き出して、部屋のドアを開いてみると――

「?!?! お、お姉ちゃんっ!」

そこには、廊下に突っ伏し、苦しげに呻くお姉ちゃんの姿がっ!!
ビックリした私は、慌ててドアを潜り、お姉ちゃんを抱え起こした。
姿勢から見て、お姉ちゃんは自室を出てすぐに倒れたみたい。

「しっかりしてっ! どうしたの? 何があったのっ?」
「や……やられ……ましたわ」
「やられたって――襲われたのね?! 一体、誰に!」
「……て…………ん……ぐ」
「て・ん・ぐ……って、まさか、天狗?! 天狗じゃ! 天狗の仕業じゃ!」

なんてボケてみたけど、お姉ちゃんは眉間に皺を刻んだまま、噴き出しもしない。
どうしよう! いつものお茶目なイタズラじゃないみたい。
まさか…………ホントに、お姉ちゃんの部屋に天狗が現れたの?

私はお姉ちゃんを仰向けに寝かしつけると、彼女の部屋に向かった。
現場に踏み込んだ途端、ほわぁんと香るお味噌の匂い。お姉ちゃん流のアロマテラピーだ。
見れば、部屋の真ん中に据え置かれたコタツの上に、湯気の立つ土鍋が……。

まさか……この匂いが、実は幻覚を見せる毒ガスだったり?
手で口元を覆って土鍋を覗き込むと、味噌仕立ての汁に、けばけばしい紅色のキノコが浮いていた。
これって、ベニテングタケ。お姉ちゃん……毒キノコ鍋を食べたのね。
なんて無茶するんだろう。今日という今日は、頭きたっ!
私は廊下に飛び出ると、横たわるお姉ちゃんの胸ぐらを掴んで、ガクガクと揺さぶった。

「バカ! バカ! お姉ちゃんのバカぁっ! 死んじゃったら、どうするの?
 お姉ちゃんが居なくなったら、私やお父様が、どれだけ悲しむか分からないのっ?」

涙ながらに訴える私に、お姉ちゃんは――
「うぅ…………死ぬなら…………薔薇しーちゃんの、うにゅーで……死にたい」
「きゃぁっ! イヤァっ! どこ触って――ヤダぁっ!」

いきなり飛びかかって来ると、お姉ちゃんは私の胸でもにゅもにゅし始めた。
さんざん心配させといて、お茶目な冗談ブチかますなんて信じらんない!
例によって、私のトンファーキックが炸裂。お姉ちゃんは涅槃へと旅立った。
え? お姉ちゃんの、その後? ……知ーらない。



  《お茶目だね、きらきーさん》10


突然ですが、私――風邪をひいてしまいました。
昨夜の晩、お風呂からあがった後、生乾きの髪もそのままに、
コタツで微睡んでしまったのが原因らしい。
目覚まし時計に叩き起こされた途端、激しい頭痛に襲われ、ベッドから抜け出せなかった。
うぅ……油断したなぁ。

「薔薇しーちゃん、早く起きないと学校に遅刻してしまいますわ」

ドアをノックして、顔を覗かせるお姉ちゃん。
私が二度寝していると見たのか、室内に滑り込み、足音忍ばせて近付いてくる。
そして……。「お寝坊さんには、おしおきが必要ですわね」

くすくすと笑いを堪えながら、ベッドの側まで来たところで、異変に気付いてくれた。
苦しそうに唸る私の前髪を掻き分けて、雪のように白く冷たい手が、額に当てられる。
ちょっと気持ちよかったけど、その手はすぐに離れてしまった。

「……大変! すごい熱ですわ。お薬と氷枕を用意しないと!」

お姉ちゃんの足音が遠ざかっていく。独りにされるのは、なんとなく心細かった。
その後、お姉ちゃんが用意してくれたカゼ薬を飲んで、氷枕に頭を乗せていたけれど、
頭がガンガンと痛んで、なかなか寝付けない。
何度も寝返りを打ちながら、悶々と時を過ごしていた。


――お薬が効いたのか、少し眠っていたみたい。時計の針は午後1時を指していた。
全身の気怠さは相変わらずだけれど、頭痛は収まってる。
今はただ、喉が渇いて仕方がなかった。かなり汗かいちゃったもんね。
水が飲みたい――そう思った直後、部屋のドアが静かに開き、お姉ちゃんが入ってきた。
手には、水差しと薬のビンと小さな鍋を載せたトレイを持っている。

「起きてましたのね。具合はいかが?」
「だいぶ……良くなった」
「……そう。喉乾いたでしょう? スポーツドリンクを持ってきましたわ。
 食べられるようであれば、お粥も作ってきたから」

こんな時間に居るってことは……私の看病のために、学校を休んだのね。
迷惑かけてゴメンナサイ。心から申し訳なく思う。
でも……とっても嬉しい。ホントだよ?
私はスポーツドリンクで喉を潤してから、お姉ちゃん特製のお粥を食べた。
なんかミョーな後味だったけど、きっとカゼで味覚が狂ってるのよね。
お粥を完食後、スポーツドリンクでカゼ薬を流し込んだ私を、お姉ちゃんはそっと横たえてくれた。

「ありがと。私、優しいお姉ちゃんが……大好きだよ」
「うふふ……嬉しいこと言ってくれますわね。
 元気になったら、とことん悦ばせてあげますからね♪」

こんな時でも、お茶目な冗談を忘れないお姉ちゃんに感謝しながら、私は眠りに就いた。

後日、あのお粥はイモリの黒焼きで出汁を取っていた事が判明。
私が三日ほど落ち込んだことは…………言うまでもないよね?



  《お茶目だね、きらきーさん》11


冬の訪れも間近になって、この頃は朝夕どんどん冷え込んでいる。
もうじき、毎朝ベッドから出るのがイヤになるんだろうなぁ。
でも、お姉ちゃんは冬が大好きみたい。

「この時期になると、お魚も脂がのって美味しいですよねぇ♪」

うん……好きな理由なんて、こんなもの。
雪の字を名前に持っていることなんて、全く関係なかったりする。
お姉ちゃんらしいと言えば、まあ、そうなんだけどね。

「お姉ちゃん、お魚が食べたいの?」

今夜はお父様がいないから、私たち二人だけの食事。
折角だから、ちょっと羽目を外してみようかなーと思っていた私にとって、
お姉ちゃんの真面目な反応は、正直、意外だった。

「そうですわねえ、薔薇しーちゃん。今夜は、お魚にしましょう」
「うん、いいよ。とりあえず、最近めっきり寒くなってきたし、鱈ちりにしようかな。
 あ、お鍋ならアンコウ……いやいやいや、やっぱり寒ブリの方が美味しいよねー」

なんて独り言を呟いていると、横で涎をすする音が……。
はしたないけど、自分の気持ちに素直なお姉ちゃんって可愛い――と、思った刹那。

「でもぉ――私、アツアツの鍋物は苦手ですわ」
「あ、そっか……お姉ちゃんって猫舌だったっけ。じゃあ、無難にお刺身にするね」
「それがイイですわ」

言って、やおらポン! と手を打ち鳴らすと、お姉ちゃんは突拍子もないコトを口にした。
「いいこと思いつきましたわ。私の身体で、女体盛りを試してみましょう」
「え――っ!? それ、お茶目のレベルを超越してるよ!」
「女は度胸! 何でも試してみるものですわ。お刺身が人肌に温められて、きっと美味しいですわよ」

自分の身体にお刺身を盛りつけさせるなんて、なんて人なんだろう……。
しかし、ブラウスに隠されたお姉ちゃんのスレンダーな肢体を想像している内に、
そんな変態じみたことを試してみたい欲望が……。
「おk! じゃあ、お姉ちゃんはシャワー浴びてきて。私、ダッシュでお魚買ってくるから」

  ~  ~  ~

というワケで、ビキニ姿で横たわるお姉ちゃんの身体に、お刺身を盛りつけたのでした。
「ぢゃーん! それじゃあ、いっただきまーす…………ウマー」
「……あの、薔薇しーちゃん。いま気付いたんですけど、これじゃ私、お刺身を食べられませんわ」
「いまごろ気付いたの? お姉ちゃんってば、ホントにおばかさぁん」
「ひ、ひどいですわ! お願いっ! 私にも食べさせてぇっ!」

涙目で哀願するお姉ちゃんに「ヤダ」と舌を出して見せ、私は一切れ残らず、お刺身を食べちゃった。
またムチャシヤガッテなことを言い出さないように、たまには懲らしめないとねっ♪



  《お茶目だね、きらきーさん》12


このお話も、いよいよ12回目を数えて、1クール終了だね。
そんなワケで、今回はお姉ちゃんの主催で、打ち上げを兼ねた鍋パーティーなの。
一体、どんなお鍋になるのやら。そもそも、食べられる物なら良いんだけど。
怪しい想像をしていた私の前に、どーん! と豪勢な食材が並べられた。


「……これって、ちゃんこ鍋?」
「ご覧のとおり。具だくさんで美味しいですわよ。ささ、たーんと召し上がれ」
「うん。じゃあ……いただきます」

野菜たっぷり。お肉も山盛り。葛切りも焼き豆腐も、悉く、てんこ盛り。
さすがに、お相撲さんの食べ物だけあるね。
なんかもう、見ただけで『お腹いっぱい』な感じ。
でも、お姉ちゃんなら、このくらいの量でもペロリと平らげちゃうんだろうナー。


――と、思いきや。
お姉ちゃんは菜箸でお鍋を掻き回したり、具をホイホイと放り込んでいるだけ。
料理にお箸を付けるどころか、自分の小皿にすら盛りつけてなかった。

「あむあむ…………お姉ちゃん、食べないの? とっても美味しいよ」
「ふふーん。実は私、鍋奉行だったりして。私のことは気にせず、さぁ食べて食べて」
「う……うん」

なんとなぁく、いつものお姉ちゃんらしくないのは……やっぱり最終回だからかな?
終わりよければ全て良しって言うし、お茶目なお姉ちゃんでも、その辺は解ってるみたい。
この分なら、平穏無事に幕を引けそうね。

しかし、その時、予期せぬ出来事が――

「うっ! な、ナニ? か……身体が…………シビレ……て」
「うふふふっ。どうやら、出汁が効いてきたみたいですわね」

何それ? 出汁が“効いてきた”って、どういうコト?
お姉ちゃんは薄ら笑って、胸の谷間から茶色い小瓶を抜き出した。
「ぢゃーん! 味のモト――♪」

お姉ちゃん、それシイタケ風味の『味のモト』ちゃう! 毒キノコ粉末や!
思うに任せない身体で横たわり、心の中でつっこみ入れるも、所詮は無駄なあがき。
ニタ~リと不気味に前歯を見せて笑いながら、お姉ちゃんはにじり寄ってくる。
そして、耳に手を当てて……。

「なになに? 日頃の感謝を込めて、薔薇肉を召・し・上・が・れ?
 嬉しいこと言ってくれるじゃあーりませんか」

言ってないもん、そんなこと!

「それじゃあ身体の隅々まで、とことん、しゃぶり尽くしてあげますからね」

って……ちょ……待っ…………や……ダメぇっ! た、助けて……誰かぁ――――っ!!


「うふふ……ごっつぁんですわ♪」



  《お茶目だね、きらきーさん》おまけという名のエピローグ


「……ぐすっ……ヒック…………うぇぇん。もう、オヨメに行けないよぅ」
「まぁまぁ、薔薇しーちゃん。誰でも一度だけ経験しますのよ。
 誘惑の甘いワナですわねぇ」

さりげに歌詞のパクリで誤魔化すつもりね、お姉ちゃん!
お茶目メーターはカウントストップ。笑って許せるレベルは、とっくに越えてる。
私は、一向に悪びれないお姉ちゃんを、キッ! と睨んだ。

「こんなコトして、ただで済むと思ってるのっ!」
「この程度なら少年誌レベルですもの。へーきのへーざです♪」

うぅ~……ヒドイ。こんなのって、ヒドイっ! 絶対に許せない。
玩ばれた怨みは、復讐の炎でしか拭い去れないよ。
お姉ちゃんなんか――――地獄に流してやるっ!



と言うワケで、次回から新番組。
《ホラーだね、ばらしーちゃん》 ~乙女の恨み 晴らします~

「うほっ! これはイイ嘘予告ですわね」
「……どうして断言できるの?」
「ホラーだけに、法螺話ですもの♪」
「ガァ――――ン。結局、泣き寝入り…………しくしく……」



《救いがないまま、くそみそに終わる》