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  『貴女のとりこ』


今年もまた、六月が訪れてしまいました――
英語で言うところの、June。
以前に付き合っていた男の人と、語感が似ているのは、何かの因果でしょうか。

まあ…………それは、さておき。
私には、毎年、六月が来ると思い出す事があるんです。


それは――とてもとても悲しい思い出。
そして――とてもとても恐ろしい記憶。

本当は、あまり思い出したくないこと。
本当は、誰にも話したくないこと。

でも…………独りで抱えているには、余りにも重い記憶。
重くて重くて、今にも足の上に落としてしまいそう。
辛くて辛くて、つい皓々たる月に喋ってしまいそう。


お願いです。人助けだと思って、私の話を聞いて貰えませんか?
どんな悩みも、人に聞いて貰うだけで、少しは楽になると言いますから。

え? 本当ですか?! 本当に、聞いて下さるんですね!?
…………あぁ……良かったぁ。断られたら、どうしようかとハラハラしてました。

ああ、どうぞ、おくつろぎになって下さい。少しばかり、長いお話ですので。
今、お紅茶を煎れますね。今朝、上質の葉っぱが手に入ったんですよ。