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  『誰より好きなのに』


 いつも、見ていた。
 ずっと、見つめ続けてきた。
 出逢ったときから、片時だって、瞳を逸らさないで。

 ◆前編  瞳を逸らさないで -ごめんなさい-



 抱かれている――と感じたのは、私の本心の表れだったのか。

 ふわり。
 防波堤の突端から、荒れる海へと飛んだとき、私は確かに、そう感じた。

 ◆中編 ささやかな愛情を -ありがとう-



 真紅に――お母さまに、戻れと言われ……私は従った。
 でも、それは本当に、正しい選択だったのだろうか。
 お父さまを襲った悲劇も、知らず、私が持ち帰ったからじゃないの?
 『浦島太郎』の昔話にある、玉手箱みたいな、余計なお荷物を。

 ◆後編 此処を守るのだわ -だいすき-



 閉ざしたカーテンの向こうから、スズメたちのケンカする声が飛び込んでくる。
 私はベッドの中で、朦朧としながら、それを聞いていた。