以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 00:29:18.39 ID:qU5Qi0mi0<> 女「わ、私だって男くんが好きなんだから! あなたに遠慮なんてしないからね!」
嬢「素直になれるのは良いことですわ。恋敵を励ますのもおかしな話ですけれど、
がんばってくださいね」
女「止めても無駄なんだから! ……え? えっと……な、何よその余裕は!?」
嬢「余裕などありませんわ。予定が重なった場合、彼には私との約束を
優先していただきますから、そのつもりでお願いしますね」
女「ず、ずるい! いいよ、それでも負けないから!」
嬢「……勝ち負けの問題かしら?」
女「うう……挫けそう」 <>新ジャンル「強気お嬢様」Part3.5 NINA ◆8N49P25/v2 <><>2006/10/14(土) 00:29:39.29 ID:Tf4wpXtC0<> パートか・・ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2006/10/14(土) 00:29:45.56 ID:D6A6wB3u0<> よっしゃいい感じで2げとおおおおおおおおおおおおお <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 00:30:26.20 ID:D6A6wB3u0<> うわああああああああああああああああああああああああああああああああ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 00:30:58.22 ID:qU5Qi0mi0<> 帰って覗いてみたらスレが落ちていたので、立ててみた。
神職人の来臨まで、カキコを続けてみようと思う。 <> NINA
◆8N49P25/v2 <><>2006/10/14(土) 00:31:44.73 ID:Tf4wpXtC0<> >>4
ごめええええええええええええええええん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 00:32:46.79 ID:qU5Qi0mi0<> 弟「やっと着いたよー。最初は観覧車だね!」
妹「何それ、つまんない。まずは絶叫系でしょ。お姉ちゃん、走って!」
女「せっかくの連休なのに子供のお守り……。約束だから仕方ないけど、
男さんと一緒に過ごしたかったなぁ……」

嬢「あら、女さん。ここでお会いできるなんて奇遇ですわ」
女「嬢! 何故ここに……え、男くん?」
男「ああ、俺も誘われてさ。女は誰と来てるんだ? もしかしてあの子供達かな。
よかったら俺達と一緒に回らないか?」
女「ひ、酷い……二人で私のことバカにして!!」
男「お、おい待てよ! どうかしたのか、アイツ」
嬢「お待ちなさい。今、あなたが声を掛けても彼女には届かないわ」
男「嬢まで何言ってんだよ。あいつ、様子がおかしかっただろ。心配だ」
嬢「私が様子を見てまいりますわ。男さんはあの子達が迷子にならないように
追いかけてください。後で女さんをお連れして合流しますから」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 00:34:32.57 ID:qU5Qi0mi0<> 女「うっえぐ……嫌だよ……私、こんなの……酷い……」
嬢「お隣り、よろしいかしら」
女「……やだ」
嬢「どうぞ、涙を拭いてください。お洋服が汚れてしまうわ」
女「いい。自分のハンカチ使うから。何しに来たの……?」
嬢「誤解を解くために。聞いていただけますね?」
女「知らない。私なんか放っといて、男くんと楽しんできなよ」
嬢「愛情よりも、友情を選びたくなる時がありますわ」
女「構わないで……お願いだから」

弟「お姉ちゃん、どうしたの?」
女「ごめんね、少し疲れたからお休みしてたの」
妹「まだ着いたばかりなのに〜」
女「あれ? 自分のお小遣いでアイス買ったの?」
弟「違うよ。お姉ちゃんの友達が奢ってくれたんだ」
女「そっか……ちゃんとお礼を言った?」
妹「うん! それでね、わたしたちと一緒に遊ぼうって……
お姉ちゃん、まだ気分が悪いの?」
女「うん、平気。だけどもう少しここにいたいから、行ってきてもいいよ。
その代わり、男くんと嬢さんに迷惑掛けたらダメだからね?」
弟「え〜!? お姉ちゃんは?」
妹「お姉ちゃんは一人で考え事してるんだから、邪魔しちゃダメでしょ!」
女「ありがと。たくさん遊んだら、男くんに頼んで私に……えっと、男くんの携帯を借りて連絡してね」
弟「うん、分かった!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 00:37:37.72 ID:qU5Qi0mi0<> 女「はぁ……何やってんだろ、私。あの子達の面倒も見ないでこんなところで……」」
女2「あ、いたいた! おーい、女さん!」
女「え? 何でアンタもここにいるの?」
女2「嬢さん達と一緒に来てるんだよ。連休前に参加者募って、女さんにも声掛けたよね」
女「あ、うん。今日は妹たちをこの遊園地へ連れてくって約束してたから。
  あれ? でも男くんが来るなんて言ってなかったよね……あ、ええと、別に意味はないよ!」
女2「男は他の友達に誘われたみたいだね。二つのグループがジェットコースターの乗り場で
   遭遇したってわけ。私は陰謀じゃないかと思ってるけどね〜」
女「そうなんだ……やだ私、あんな恥ずかしいこと言って……」
女2「あの子達、女さんの弟さんと妹さんも凄く心配してたよ。女さんも来ようよ。ね?」
女「うん。でも私……」

女2「それに嬢さんも男も心ここにあらずって感じでね。ほら、いつも騒がしい人が暗いと、
   雰囲気もアレだし」
女「!」

女「私のこと気にしてくれてるんだ……お節介。でも私、バカだ。ホントにバカだ……!」
女2「あんまり自分のこと悪く言わないで。けど元気が出たみたいだね」
女「もう大丈夫。急ごう! 文句言わなきゃ……余計なお世話だって!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 00:41:12.14 ID:qU5Qi0mi0<> 弟「あ、お姉ちゃん! もういいの?」
女「うん。心配かけたけど、解決したから。皆もありがと。二人の面倒みてくれて」
嬢「礼には及びませんわ。お二人とはお友達になりましたから」
女「嬢、さっきはごめんなさい! でも言っとくけど、今日は負けないから!」
男「ここで勝負って、何するつもりだおまえら。迷惑かけんなよ。
  遊園地の裏の顔なんて見たくないからさ」
妹「男先輩はそこの噴水に飛び込んで、よく考えてください!」

弟「待ちくたびれた〜」
女「もう少しだから我慢して。ほら、私達の順番が来たよ。
  多分皆で乗れると思うけど……」
係員「あと二名様までご乗車できます」
嬢「では男さん、ご一緒しませんか?」
男「あ、うん、そうするか。ごめん、先に行くから」
女「ず、ずるい!」
妹「ほら、お姉ちゃんがんばって!」
係員「申し訳ございませんが、他のお客様のご迷惑にならないようお静かに、
   次の順番までお待ちください」(ニコリ)

弟「えっと……何だかよく分からないけど、負け犬ってやつ?」
妹「こら! ホントのこと言わないの!」
女「泣いてもいい……?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 00:43:29.03 ID:qU5Qi0mi0<> 糸冬 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 00:47:19.74 ID:Ie00EMLi0<> `ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 00:50:54.51 ID:JyxZknmvO<> 前スレ保守しようとした瞬間に落ちた… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 00:54:39.81 ID:Ie00EMLi0<> >>13
嬢「どんまいですわ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 01:00:56.98 ID:pFXO88GI0<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 01:00:57.24 ID:qU5Qi0mi0<> 担任「席替えもしたので、日直と掃除当番は窓側の列から順番にお願いしますね」
男「ということは、嬢さんと同じ班か」
嬢「宜しくお願いしますね、男さん」

男「……(しかしこの子に机を運ばせたりゴミ箱を持たせるのか? 想像できないな……)」
嬢「何かお悩みごとでもあるのかしら?」
男「いや、そうじゃないよ」
嬢「では机を運ぶのを手伝っていただけませんか?」
男「なるほど、一人で運ぶと服に皺ができるもんな。そう考えればよかったのか」
嬢「まさかとは思いますが、私が掃除も手伝えないなどと思っていらしたの?」
男「正直言うと、箒を持ってる嬢さんのイメージが湧かない」
嬢「前の学校でもこれくらい当然でしたわ。勿論仕事を放棄して班の方々に
  迷惑をかけるなんて許しませんから、皆さんもそのおつもりで」

男「ゴミは集めた。問題は誰がチリトリを持つかだが」
嬢「さっさと終わらせましょう。私がチリトリを持ちますから、男さんが箒で塵を寄せてくださいませ」
サッサッサッサッ
男「……」
男「やっぱ替わる。箒持って」
嬢「?」
男「……(中腰の姿勢で静かに動く姿に見蕩れてたなんて言えない……それじゃ俺が変態みたいじゃないか)」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 01:06:23.39 ID:Ie00EMLi0<> `ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 01:09:15.24 ID:qU5Qi0mi0<> 職人は助けを乞う者を助けたりしない
慈悲を乞う者を救ったりしない
それは祈りではなく 職人に陳情しているだけだ

カキコとは祈りそのものだ
あきれかえる程の祈りの果てに職人は訪れる
神職人は訪れる!!



……期待してます <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 01:14:12.99 ID:rp6Sj/mJ0<> アニソン当てスレで時間つぶしてたら復活してた。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 01:27:52.48 ID:pFXO88GI0<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 01:37:04.80 ID:qU5Qi0mi0<> 男2「ここにいたのか。嬢さんが探してたよ」
 男「なんだ、おまえか。驚かせないでくれ」
男2「友人に向かってその言い草はないんじゃない? 嬢さんが来たらよかったね」
 男「……話がおかしい」
男2「嬢さんに告白されたっていうのは本当のようだね」
 男「な、何で知ってるんだ!? ///」
男2「今朝から君の様子がおかしかったから。君が嬢さんを見る目も変に……ねえ?」
 男「俺が変態みたいな言い方するな! はぁ……気付いてるのはおまえだけ?」
男2「嬢さんは普段どおりに見えるけど、君の態度が不自然過ぎた。
   勘は良いけど空気の読めない子達が、今朝から嬢さんに質問してたよ。
   ちなみに嬢さんはあっさり答えてた。
   君は一日中嬢さんから逃げ回っていたから知らないだろうけど」
 男「マジで? じゃあもう知れ渡ってるのか……。午後の授業サボろうかな」
男2「彼女に連れ戻されるのがオチじゃない?」
 男「……白状してるなんて予想外だ。これじゃあお互い晒し者じゃないか」
男2「というか朝から今まで皆の視線に気がつかないなんて、驚きだよ。
   悩める少年、うん、何というか……青春ってやつ? ワクワクするね」
 
 男「///……他人事だからと思いやがって。からかうつもりならさっさと教室に戻れよ。
   きっと俺の安息は今だけなんだからさ」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 01:55:36.15 ID:pFXO88GI0<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 02:04:57.89 ID:Ie00EMLi0<> ホシュ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 02:16:28.54 ID:NgZuYxXmO<> あの長編が終わらないとすっきりしないよなぁ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 02:19:17.64 ID:+wx2vY4a0<> 新ジャンル「強気お嬢様」
第三部

職人の帰還
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 02:31:43.42 ID:Ie00EMLi0<> ‘ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 02:37:05.70 ID:+wx2vY4a0<> 女2「そういえば嬢さん、まだ部活に入ってなかったよね。家の用事や習い事で忙しいとか?」
嬢「それも理由ですが、男さんと一緒に過ごす時間が欲しいので、部活動は遠慮していますのよ」
女2「言い切ったよこの人!」

陸上部「嬢さんって体力測定の時のタイム凄かったよね! ね、ウチに入部してみない?」
嬢「家の都合であまり放課後の時間を取れないの。残念だけれど」

バスケ部「ドリブルもシュートも巧いね。どこで身に着けたの? 経験者なら大歓迎よ」
嬢「先輩のお誘いを断るのは心苦しいのですが、ごめんなさい。やはり時間が合わなくて」

合唱部「綺麗な声ね。羨ましいわ。入部の件、もう一度考えてほしいの。
    ウチは実績のある部だし、吹奏楽部や邦楽部でも一緒に活動する機会はあるわ。
    あなたは高校生レベルの活動では不満かもしれないけれど……」
  嬢「いいえ、皆さん熱心に練習されていますし、素晴らしい歌でしたわ
    それにここはとても心地良い場所ですし」
合唱部「うん。あなたも歌いたくなったらいつでも来てね」

女2「嬢さんの気持ちは分かったけど、茶道部に入って! 嬢さんともっとお話したいよ〜」
嬢「近いうちに我が家へご招待させていただきますわ。両親も皆さんにお会いしたがっていますから」

ハ○ヒ「逸材発見! 正真正銘のお嬢様なんてレアだわ! 四の五の言わずこの入団届けにサインしなさい!」
嬢「楽しそうね。けれど部外者を迎えては調和を乱してしまうのではないかしら? 
    それに貴女は……どうやらあちらにおられるお友達にご執心のご様子。さぞや魅力的な方なのでしょうね」
ハ○ヒ「あなたの勧誘は早すぎたわ! この学校を支部に変えた後でもう一度来るから!
    それとあいつは、ええと……とにかく大事な団員だから手を出さないように!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2006/10/14(土) 02:44:25.93 ID:rp6Sj/mJ0<> ハルヒw <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 02:57:02.12 ID:NgZuYxXmO<> やっぱもうだいぶ人少なくなってんのかな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 02:59:59.19 ID:rp6Sj/mJ0<> 保守がてらにチラシの裏の落書きならぬレシートの裏の落書きうp.
vipろだ小物 viploader79038.zip passはojou <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:11:00.74 ID:NgZuYxXmO<> なんかここも落ちそうだな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:12:54.43 ID:rp6Sj/mJ0<> 人少ないよなぁ。
あの長編が終わるまではもってほしいんだが。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 03:16:09.36 ID:+wx2vY4a0<> 男「これは……?」
嬢「ゆで卵ですわ」
男「俺にこれをどうしろと?」
嬢「殻を剥いて召し上がってくださいな」


担任「あちらにいる少年少女は何してるの?」
女2「嬢さんが調理の勉強して、その成果を試してるんじゃないですか?」
担任「そりゃゆで卵は結構難しいけど……塩を忘れてるじゃない」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:17:58.79 ID:q1H0F91p0<> >>1乙!
part3が落ちた時、終わったかと思った。
誰が読むんだ長すぎSSの続き投下します。
前回までの話(+本編の最後にアナザーストリー)はこちら↓
http://www.uploda.org/uporg547284.txt

噴水・・ベンチ・・・木々・・・
公園・・・紅い夕焼け・・・

???「・・・!・・・!」
震える、小さい背中

???「・・・・ん!・・・さん!」
横たわる・・・

???「・・ぁ・さん!・か・・さん!」
全てが紅い、夕焼けの世界

???「か・・さん!・ぁ・・さぁぁああーーん!!」


ガバッ!
嬢「はあ、はあ・・・はぁ・・」

夢・・?
呼吸が荒い。背中が汗でびっしょりだ。喉が、渇く。
まるで悪夢にうなされていたかのように、シーツが乱れている。
あの夢は・・・? <> 1<><>2006/10/14(土) 03:20:00.93 ID:+wx2vY4a0<> 良かった……職人が舞い降りた。
一人でSS投下してたから不安だったが、絵師もSS神も訪れた。

これで報われる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:23:19.42 ID:q1H0F91p0<> >>34

時計を見ると、朝の六時五分前。いつも私が起きる時間だ。
私は目覚ましのアラームを六時にセットし、大抵は音が鳴る前に起きる。
そんな習慣がついているから、目覚ましをセットしない土日でも、平日と同じ時間に起きることがよくある。
今朝はもっとぐっすり眠るつもりだったが、目が覚めてしまった。

・・・もし、目が覚めなかったら?
あの公園、震える背中は、私の思い出と一致する。
夢には、自分の体験した記憶を再生することもあるらしい。
せっかく思い出す機会があったのに、目が覚めてしまう自分の習慣に苛立つ。

だが、汗でぐっしょり濡れた乱れたシーツと、鏡の中のやつれた自分の顔を見ると、
まるで悪夢にうなされて目が覚めたようだった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:28:16.79 ID:NgZuYxXmO<> おーktkr!!
これが終わらないとスレが完結しないよな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:30:03.05 ID:q1H0F91p0<> >>36

私にはまだ思い出さなければいけないことがある。
彼の優しい瞳を見たときの、言い様のない不快感。
それは不快感と言うのは生易しい。頭痛、吐き気、呼吸の乱れ、喉の渇き。
それらが一斉に私に襲い掛かる。
私と彼の間にはまだ何か、私の知らない『因縁』とも呼べる何かがあるはずだ。
彼に聞けば分かるかもしれない。けど彼にとっても古い記憶だから、あまり期待できないだろう。
それに私は・・・彼に見つめられただけで苦しくなる私は、
彼の口から真実を聞くのが堪らなく、怖い。
・・・私はこんなに弱い人間だったのだろうか。

あの夢の事を考える。あの夢が私の記憶と完全に同じものだと言う証拠はないが、
真実に近づき、私の中で変化が起き始めた真っ只中に見た夢だ。
信じる価値は十分にある。
夢の舞台はいつもの公園だったが、二つ、新たな情報がある。

一つは、辺り一面を真っ赤に染める夕焼けだ。これから時間帯は夕方だとわかった。
とは言え、季節によって空が暗くなるまでの時間は異なるが。
そしてもう一つ、あの男の子は何かを叫んでいた。何と言ったかはよく聞こえなかった。
・・・肝心な所が抜けているのは、思い出も夢も同じだった。
それでも新しい事を思い出したのは、いい傾向だ。
今日の夜、またあの夢を見れないだろうか。

たとえ悪夢にうなされるとしも。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:36:04.54 ID:q1H0F91p0<> >>38

あの記憶を思い出す事、彼と私の間にある因縁を知る事は、怖くもあったが、
逃げる事だけはしたくなかった。
今までの(彼が思い出の男の子だと確信するまで)私はただ、
初恋だったかもしれない男の子の顔を思い出したいだけで、本気ではなかった。
けど今は、何としてもあの公園での思い出を、私は知りたい。
だから私は今日も、あの公園を調べようと思う。
明るい午前中から暗くなる夕方まで公園を調べ、その後彼を見舞いに行く。
今日一日の予定がたった。私は今日も習い事をキャンセルした。

−公園−
昨日は公園で目に付き易い物を中心に、過去の痕跡を探し回った。
噴水、ベンチ、自販機、ゴミ箱、水飲み場、電灯、など。
今日はそれらとは別に、公園に生い茂る樹木を中心に調べている。
この公園は、子供が遊ぶ遊戯具は無いが、代わりに噴水周りの広い広場あり、
そして緑が多い。森林とまでは言わないが、生い茂る木々の奥の方まで行くと、
公園の広場が見えないくらいだ。

私は樹木の一本一本を調べまわっている。
何かを思い出すかもしれないし、何か痕跡の様な物があるかもしれない。
例えば、木の幹に何か彫った後があるとか。
そんな痕跡を期待して調べていると、ある木の根元近くに、奇妙な物を見つけた。
地面に一つ、大きな石が縦に刺さり、その周りを小さな石が支えるように置かれている。
自然にこんな風にはならない、人の手で配置したのだろう。
これはもしかして・・・お墓?
誰かが飼っていたペットのお墓、そんな所だろうか?
まあ他の意味があるのかもしれないが、もしこれが墓標だとしたら、触らぬ方がいいだろう。
見ても特に何も思い出さないから、私の興味はすぐ別の所へと移った。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:43:32.66 ID:q1H0F91p0<> >>39

夏の遅い夜が近づいて来て、私は今日の調査を終えることにした。
そして、彼、男の見舞いに行こうとセバスに車を走らせている。
途中、取り寄せた高級な果物を取りに自宅へ戻り、
今は病院へと真っ直ぐに向かっている。
最初は花でも贈ろうかと思ったが、男には果物の方が喜ぶだろうと思って、
朝に使用人に頼んでおいたのだ。

彼の事を考えると、告げねばならぬ真実がある事を、思い出す。
昨日は言えなかった。私と彼の、血縁を。それを今日、彼に話そうと思う。
彼に嫌われるかもしれない可能性は、拭えない。正直に言えば怖い。
けれど彼のことを想うのであれば、話すべきだ。
それに彼なら、皆が余所余所しくする中、私を唯一人受け入れてくれた男なら、
関係が変わってもまた私を受け入れてくれる、そう期待してもいる。
彼の優しさを当てにしているだけなのだが。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:51:38.51 ID:q1H0F91p0<> >>40

コンコン、と2回ドアを叩く。彼の返事を聞き、病室へと入った。

男「よう。今日も来てくれたのか。ありがとな」

そう言って、私を迎えてくれた。
私は胸の苦しみを隠し、ベッドの隣の椅子へと腰掛けた。

嬢「御機嫌よう、男さん。ご機嫌はいかがですか?」
男「相変わらずだ・・・けど、退屈してたんだ。
  自分じゃ新聞も読めないからな」

そう言う彼の両腕を見る。巻かれたギプス包帯は、骨折を意味している。
彼の怪我は、内臓破裂、両腕骨折、右脚骨折、肋骨四本骨折、さらに背中と腰も強く打ったらしい。
よく、生きてくれた。

嬢「今日は果物等を持って来ましたの。いかがですか?」
男「お、美味そうなの沢山持ってきてくれたな。
  じゃあそのリンゴ頼むよ」
嬢「分かりましたわ」

籠の中から、リンゴを一つ取り出した。使用人に適当に高級な果物を用意しなさい、と言ったから、
何処の産地の物かは分からない。だが形も色もいいこのリンゴは、確かにいい物そうだった。
ナイフで皮を剥こうとしたところで声がかかる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 03:57:21.21 ID:q1H0F91p0<> >>41

男「いや、待て。ちょっと待て。やっぱりそっちのバナナにしないか」
嬢「?男さんはリンゴがお嫌いでしたか?」
男「いや、大好きなのだが、一つ大きな問題がある」
嬢「何ですの?」
男「嬢がまともに皮を剥けるはずが無い」
嬢「な、それはどういう意味ですの!私が包丁を握ったことも無いと、そうお思いですか!?」
男「・・・違うのか?」
嬢「むううぅ!その意外そうな顔はどうしてですの?心外ですわ。
  見てなさい。私の手にかかればリンゴくらい・・・」

そう言って、私はリンゴの皮を剥き始める。私は粋なお嬢様ではあるが、
男性が料理の出来る女性を好むことを知って、彼のために料理を習っている。
リンゴの皮を剥いたのはこれが初めてだが、ジャガイモや大根などで皮を剥く練習はしたことがあるし、
包丁にも慣れている。
程なくして、綺麗に皮の剥けたリンゴを適当な大きさに切って、持ってきた皿に並べる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 04:04:12.49 ID:q1H0F91p0<> >>42

男「・・・お前は誰だ?」
嬢「は?」
男「本物の嬢だったら慣れない包丁で指を切って、『痛っ!私の指を傷付ける生意気なナイフはこうですわ!!』
  と言って窓から投げたナイフが外を歩いてる人にグサッと刺さる、病院内だから大事には至らなかったが当然訴訟を
  お越し、それを金の力で解決する・・・それくらいのクオリティがあるはずだ」
嬢「そんな事しませんわよ!まったく、普段どんな目で私を見ているんだか・・・」

いつも通りの彼のからかいに、私の不安と苦痛は何処かへ行ってしまったようだった。

男「さて、このリンゴをどうやって食えばいいんだ?」
嬢「え?・・あっ!・・えーと、その・・・」
男「・・・」
嬢「・・・・あ、あーんして下さい・・」
男「・・あーん」

少し照れた顔で私が差し出したリンゴを頬張る彼を見ると、少しは仕返し出来たかな?と考える。
・・・その代償は大きく、私の顔の方がリンゴの様に真っ赤だったが。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 04:13:46.31 ID:+wx2vY4a0<> >>43
お嬢様の健気さに、悶えるほどにGJ!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 04:14:15.58 ID:q1H0F91p0<> >>43

リンゴを食べ終わってからは、取留めのない話をしていた。
普段と変わらない、彼が私をからかって、私はそれに真っ赤になって怒る。
そんないつもの会話をしている時、あの不快感も私は忘れることが出来ていた。
けれど男が私のために、普段どおりの会話をしていることに気づくと、また胸が苦しく、頭が痛くなった。
この不快感を彼に悟られないように、私も普段どおりを装う。

そうしていると、時刻は面会時間の終わりに近づいていた。
ちょうど会話が途切れた瞬間、私は覚悟を決めて、深呼吸をし、居住まいを正す。
私の雰囲気が変わったのを彼も気づいたのか、彼は黙って私の言葉を待つ。

嬢「男さん・・・突然かもしれませんが、あなたに伝えなくてはならない事があります」
男「・・・」

私は一呼吸おいて、次の言葉を発した。

嬢「男さん。真に勝手ながら、私は男さんの素性について調べました。
  あなたのプライバシーを侵害したこと、深くお詫びします。
  ・・・男さんは、両親が誰だか分からない、孤児ですわね?」
男「・・ああ、そうだよ。俺自身はあまり気にしないが、それを話すと変に気を使われるかと思って黙ってたんだ。
  今まで誰にも話してないし、話さないことに決めてたんだ。
  でも、如何して俺のことを調べたんだ?」

当然の質問だ。私は用意していた答えを返す。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 04:26:27.90 ID:+wx2vY4a0<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 04:31:49.31 ID:q1H0F91p0<> >>45

嬢「説明すると長くなりますが、順を追って説明します。きっかけは、あの日の事故に遡ります。
  男さんは出血が多く、輸血の必要がありました。しかし男さんの血液型は非常に珍しい型で、
  この病院の輸血用血液ストックは全て輸血適合試験をクリア出来ませんでした。
  普通血液型と言いますと、A・B・AB・O型の4種類に分類されますが、それは大きく分類しただけで、
  現実にはそれ以上の多くの因子によって細かく分類されます。
  そのため、男さんの場合同じA型でも、輸血の適合試験をクリア出来ないことがあるらしいのです。
  しかし、偶然にも私の血液が適合試験をパス出来たので、
  あなたに私の血を提供しました」
男「その話は医者から聞いたよ。嬢が俺を助けてくれたって。礼を言い忘れてたな、
  助けてくれて、ありがとう」

彼は自由に動かせる首だけ使って、私に礼をする。
私は当然の事をしただけだ。人として当然であり、また彼の事を好きである私の心情から考えても、当然だ。

嬢「私は当然の事をしただけですわ。
  それで、先ほど言いましたが、あなたの血液型は非常に珍しいのです・・・つまり、あなたに輸血が
  出来る私の血液型も。医師の話では、私達の血液型は遺伝的に受け継ぐものらしくて、家族か
  親戚などの親類でない限り、日本中を探しても見つかることがないくらいのようです。
  けど、私はあなたの事が親類であると知りませんでしたし、あなたも何も言ってくれなかったから、
  不審に思い、男さんの正体を知る必要があると考えたのです」
男「そうだったのか。けど施設で保護された俺の親は不明だし、親類かどうかなんて分からないだろ?
  まさか親戚全員のDNA鑑定でもしたのか?」

そう、彼は冗談交じりに言う。
確かに、私の親族は多い。それこそ遠い親戚であったなら、もっと時間がかかっただろう。
こんなに近くに居るなんて、誰が予想出来たであろうか。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 04:33:47.76 ID:rp6Sj/mJ0<> >>43
嬢皮むきできたのか。

もう一回保守代わりにレシートの裏の落書きうp
ttp://up2.viploader.net/mini/src/viploader79070.zip.html
passはさっきと同じojouで。

嬢「私は全てにおいて頂点に立つ女!
  皮むきにおいても頂点に立ってみせますわ!」
男「それは天の道を往き総てを司る男のポーズなんだが。」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 04:43:54.66 ID:q1H0F91p0<> >>47

嬢「最初は、何故親族でありながら私にその事を隠しているのだろう、と思いました。
  あなたが孤児であり、産みの親も分からないなんて、思いもしませんでしたから。
  孤児だと知った今、私は自分のためだけでなく、あなたのためにも両親を見つけてあげたいと思います。
  嬢家の親戚全員とDNA鑑定をして、でも。けれどその必要はなかったのです。
  とても近い所に、答えがありましたから」

ここまで、冷静に話しを進めることが出来た。あの日の公園からもう何度も感じてきた、
原因不明の頭痛も、吐き気も、渇きも、彼には気づかれてはいけない。
辛いのは、彼の方なのだ。親の愛を知らずに施設で育った、天涯孤独な身の上であった彼の方。
言わなくてはならない。大丈夫、私なら言える。私は嬢家の娘として生きてきた。
幼き頃から腹黒い大人達相手に、表情を偽り、心にも無い社交辞令をこなして来た。
一片の曇りも見せず、言えるはずだ。

ここまで話しても顔色一つ変えないのは彼の方で、私にはそれを不審がる余裕も残されていなかった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 05:00:51.70 ID:PFzumA1OO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 05:00:59.97 ID:+wx2vY4a0<> ho
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 05:06:44.90 ID:uGAQ/aXf0<> >>1
http://218.219.242.231/~kuroneko/imgboard1/img-box/img20061014050515.jpg

何故か女支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 05:18:02.62 ID:+wx2vY4a0<> GJ!!
イメージなかたけど、ktkr <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 05:19:44.94 ID:q1H0F91p0<> >>49

嬢「男さんの御尊母様は、残念ながらこの短期間では見つける事が出来ませんでした。
  男さんが望めば勿論、引き続き調査を致します。
  しかし・・・御尊父様は、DNA鑑定の結果から、御尊父様かと思われる方が、
  見つかりました・・・」
男「・・・」

私なら言える、私なら言える、私なら言える私なら言える私なら言える・・・

嬢「男さんの御尊父様は・・・私の父、嬢家の現当主、嬢父でありました。
  つまり・・・私と男さんは・・・同じ父を持つ、異母兄妹と言う事に、なります・・」

私は、最後まで言った。
普段私が学校の授業で当てられた時のような、スラスラとした物言いではなかったが、
最後まで言えた。彼の言葉を待つ。

男「・・そうか。俺とお前が兄妹、か。世界は狭いんだな」

その言葉は、冗談を鼻で笑う風でもなく、驚きに二の句が告げない訳でもなく、
ただ、興味のない事を聞いて相槌を打っただけのようだった。
私はそんな彼の態度に、何故か微かな憤りを感じて、突き掛かる。

嬢「・・それだけ、ですか?私は冗談ではなく、本当の事を話してましてよ?」
男「お前の顔を見れば冗談かどうかなんてすぐ分かるよ。
  ん、・・まあ、そうだな。そりゃあ、自分が嬢家の御当主様の隠し子だったなんて驚きだし、
  クラスメイトのお嬢様が妹だったなんて驚きだが・・・それだけ。そんなもんじゃないのか?
  今まで、親と兄妹とかいないのが当然だったし、今更言われてもな、と」

彼の言葉に私は今度ははっきりとした憤りを感じて、立ち上がり、捲くし立てる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 05:30:10.16 ID:+wx2vY4a0<> 朝までほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 05:42:11.77 ID:+wx2vY4a0<> ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 05:42:15.14 ID:rp6Sj/mJ0<> 保守。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 05:56:47.30 ID:S0xPELqXO<> 捕手 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 05:58:02.78 ID:SMn8Mqib0<> 放課後の補習 <> chrno
◆akane/.16E <><>2006/10/14(土) 06:00:50.41 ID:jKR0xsPeO<> 久々に本気で保守しようかと思う良スレ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 06:10:20.12 ID:rp6Sj/mJ0<> さすがにもう眠いのでラスト保守。ノシ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 06:17:46.34 ID:q1H0F91p0<> >>54

嬢「あなたは!あなたは捨てられたのですよ!私のお父様に!
  お父様が憎くはないのですか!?
  そしてあなたは・・・
  方や財閥の令嬢、恵まれた環境で親の愛情を受けて育ち、
  方や親の愛情を知らず、施設で育つ天涯孤独な身・・・
  同じ父親を持ちながら、私だけが嬢家の娘として育てられたのですっ!
  もしかしたら、今私が立っている場所は、あなただったかもしれないのですよ!
  私がいなければ、あなたが嬢家の跡取りとなれたかもしれないのですよ!
  私が生まれてこなければ・・・
  あなたは、私を憎くないのですか!
  同じ父親から生まれた子なのに、何故こんなにも不公平なのか、私を憎まないのですか!」

一気に、捲し立てる。私は何を言っているのだろう。彼に、憎まれたいのか。

嬢「あなたが寂しい思いをしている時、私はお父様に可愛がられてた、
  あなたが欲しい物があっても手に入らない時、私は何でも買ってもらえた、
  あなたが行きたい場所があっても行けない時、私は何処にでも連れて行ってもらえた、
  あなたが、あなたが、あなたが・・・
  私は、あなたの辿って来た人生がどれだけ辛いことだったのか、想像も出来ません。
  けれど私はこんなにも恵まれていて・・・
  何故、私とあなたはこんなにも違うのか、何故、私は、私は、私は・・・・・・」

私は泣いていた。涙を拭いもせず、彼の顔を見る事も出来ず、下を向いて、
怒りと、悲しみと、寂しさと、罪悪感と、色々な感情で心をごちゃ混ぜにして、泣いていた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 06:34:06.22 ID:q1H0F91p0<> >>62

男「・・・お前が俺の今までの人生を分からないように、
  俺にもお前がどんな人生を歩んできたのか、分からないよ。」

そっと、彼の言葉が、癇癪を起こしている私の耳に届く。

男「お前は嬢家の娘だからさ、恥をかかないよう習い事を沢山したり、
  頭も良くなるために勉強を頑張ってるんだろ?
  嬢家と聞くだけで余所余所しくなる人もいるし、あらぬ誤解の目で見られたりもする。
  嬢家のお嬢様としての責任を背負って生きて来たんだろ?」

どうしてだろう?彼の優しい瞳を見ただけで苦しくなるはずなのに、
今は彼の優しい言葉が、私のごちゃ混ぜの心を落ち着かせる。

男「それに施設だって悪いところじゃない。血の繋がりとは関係なしに、
  優しくしてくれた人がいた。弟や妹のように俺に慕ってくれる子もいた。
  一人娘として育てられたお前には出来ない経験だろ?
  決して悪い人生じゃなかったさ」

その声に嘘は感じられない。私は涙が止まり、やっと彼の方を向き、眼が合う。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 06:59:51.81 ID:IwJ2YDjtO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 07:16:37.02 ID:rEzXXsVu0<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 07:26:10.36 ID:q1H0F91p0<> >>63

男「確かに育った環境は違う。けれどそれだけで幸か不幸かなんて、分からない。
  それともお前は15年間生きた俺の人生を、出会って半年もたたない内に、
  それこそ俺達が兄妹だって知ったのは昨日か一昨日だろ?
  そんな短い時間で、俺の15年全部を理解して不幸だなんて決めつけるのか?」
嬢「・・・そんな事はしませんわ。
  ただ、私は・・・」
男「罪悪感が、あるんだろ?」
嬢「!」
男「それだけじゃあ、ないよな。
  クラスメイトの事故を目の前で見て傷つき、
  自分の父親に隠し子がいたなんて、裏切られて傷つき、
  何も知らず恵まれて生きてきた自分に怒り、兄に対する罪悪感でまた自分を傷つける。
  お前は人の痛みを考える事が出来る。自分の痛みのように。
  でもな、自分の事、傷つけ過ぎなんじゃないか?ただでさえ、お前の周りの世界は、
  お前に優しくない。自分を憎んで欲しい、なんて思うなよ。
  それにな、お前の人生は、お前だからこそ、嬢家の娘として生きて来れたんだ。
  他の誰かだったら、こんなに純粋で、強く、優しい心なんて、持てなかったんだよ」

私は純粋じゃない。彼に好かれたくて、邪な事を考える。
私は強くなんてない。今だって彼の前で泣いている。
私は優しくなんてない。自分の事しか考えていないから。
けれど彼の目を見ると、私が言葉にする前に「そんな事言うなよ」、とでも言われたのか様に、
私は言いとどまる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 07:45:37.63 ID:cqclHvIqO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 07:52:15.64 ID:DEJIz+ngO<> しゅ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 08:03:04.60 ID:q1H0F91p0<> >>66

男「俺とお前の関係は確かに変わる・・・変わるけど、今までの俺達も嘘じゃない。
  憎むとか憎まないとかの関係じゃなかっただろ?
  まあ、憎たらしいと思うことはあったかもしれないがな」
嬢「・・・ええ、そうですわね。あなたが私をからかう時、
  何度憎たらしいと思ったことですか」
男「からかうと可愛いんだよ、お前は」
嬢「!な、何を馬鹿な事を言っていますの!」
男「そんな関係でいいんじゃないか?まあこのままってわけにはいかないかもな。
  変化ってのあるだろう。けど―――」

 「変化なら変化で、それも受け入れればいいさ」

 「お前は、俺と兄妹だと知った時、悩んだだろ?」

 「それでも隠さずちゃんと俺に話したって事は、受け入れ始めてるんだよ、この関係を」


彼の病室を出た時刻は、面会時間を軽くオーバーしていた。
私は・・・この関係を受け入れ始めているのだろうか? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 08:28:41.45 ID:q1H0F91p0<> >>69

セバスの運転する車の中で、彼の言葉を考える。
彼は受け入れているのか。あんなにも、簡単に。
私は彼と兄妹である事を知った時、あんなにもショックを受けた。
彼と結ばれる事のない、運命であると知って。
そこで私は気付く。きっと彼は・・・最初から私の事を、好きではなかったのだ。
あの時ごちゃ混ぜになった私の心には、真実を簡単に受け入れる彼を責める気持ちがあったのかもしれない。
そして、憤りを感じたのも、私が思っていたより、彼が私の事を好きでない事が分かったから、
爆発したのかもしれない。

何だ、異母兄妹でなくとも、最初から望みがなかったのか。

その結論にたどり着くと、また涙が零れそうになったが、すぐに指で拭う。
昨日は、私と彼は決して結ばれる事のない、悲痛な運命が悲しくて、涙を流したが、
今の涙は違う。ただ振られた、恋に破れた少女が流す涙だ。
私は嬢家のお嬢様だ。振られて涙を流すなんて、そんな格好悪いことは出来ない。
唇を噛んで涙を堪えた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 08:35:34.16 ID:q1H0F91p0<> >>70
とりあえず切のいい所まで書けたので、もう寝ます。

あとちょっと、あとちょっとで第二部が終わる。あとちょっとなんだよ!
俺、遅筆すぎorz

神様、俺が目を覚ます頃には明るいSSが沢山あることを願います・・・ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 08:42:00.69 ID:Ie00EMLi0<> 全力で保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 08:59:22.08 ID:Q3xvgesHO<> ほっしゅ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 09:08:54.65 ID:WwKmu3McO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 09:16:46.43 ID:rEzXXsVu0<> >>71

楽しみにしてるお <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 09:51:02.75 ID:S0xPELqXO<> 捕手 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 10:22:49.40 ID:+5rBlzVHO<> し <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 10:32:12.65 ID:cqclHvIqO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 10:49:04.91 ID:NgZuYxXmO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 11:02:41.89 ID:bYghHGorO<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 11:14:58.63 ID:NgZuYxXmO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 11:33:36.68 ID:tt8lh6x+O<> ほしゅ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 11:33:57.19 ID:rp6Sj/mJ0<> >>71
続きに期待しつつ保守。
残ってて良かった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 11:56:03.04 ID:QUF53Ely0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 12:04:42.69 ID:Ie00EMLi0<> 飯前保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 12:20:04.01 ID:rp6Sj/mJ0<> ほしゅ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 12:24:47.06 ID:RnCs8drv0<> 今ss書いてるんだが完成したら投下してもおk? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 12:27:53.33 ID:rp6Sj/mJ0<> おk
どんどん投下してほしい。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 12:29:24.90 ID:Ie00EMLi0<> wktkして待ってるぜ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 12:43:09.16 ID:QUF53Ely0<> wktk保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 12:57:36.09 ID:cqclHvIqO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 13:01:27.49 ID:WyEu1IeM0<> 新ジャンルがパートになるスレってイミフに載るからだよね


死ねよ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 13:17:12.03 ID:pFXO88GI0<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 13:17:54.18 ID:cqclHvIqO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 13:27:27.14 ID:rp6Sj/mJ0<> hosyu <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 13:33:44.77 ID:Kra6dDEB0<> 長文書き溜め中 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 13:51:34.42 ID:sUJCOjatO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 13:54:10.51 ID:RnCs8drv0<> まだ終わらない、かなり長くなりそうだw
とりあえず少し投下しておく <> 出会い1<><>2006/10/14(土) 13:54:41.41 ID:RnCs8drv0<> 今日は学校が休み、せっかくの休日だからと買い物に出かける約束をした。
準備を整え部屋を出る
部屋の前には白髪が少し目立ち始めた44,5の男性が立っている
私は男に
「用意出来たわ。車を」
そう告げると男は
「はい、すでに玄関前に停まっております」
そう、この男は私専用の執事である。
それ故、私の前では愚痴をこぼさず、私の事を第一に考えてくれる尊敬できる存在だ。

車を走らせしばらく経つ、と視界に見慣れた町並みが見えてくる。
窓から外の世界を覗いて見る。どこを見ても日本家屋が並ぶ美しい町並み
見惚れていると執事から声がかかる
「お嬢様着きました」
そういわれ、反射的にいつもはセバスが開けてくれるドアを自ら開き車から降りる。
セバスにお礼をいい待ち合わせの場所に向かう。
街中から外れのほうに歩いていく、と徐々に紅葉に囲まれた待ち合わせ場所が見えてくる
とても都会の中とは思えない静けさ、
目の前には少し大きなめな川が流れ漆塗りの橋が架かってとても印象的だ。
あたりを見回してもあの人の姿が見えない、時間にルーズらしい。
この橋から見える景色が好きでよく歩いてここに来る、思いでのある場所でもある。
景色を眺めていると思い出が甦る


あの人が来るまで少し思い出してみよう <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 14:13:05.70 ID:Ie00EMLi0<> ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 14:27:55.51 ID:NrRWY0LY0<> `ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 14:44:16.03 ID:cqclHvIqO<> 保守 <> 出会い2<><>2006/10/14(土) 14:44:33.29 ID:RnCs8drv0<> 今日もつまらない日常が始まる
朝から夜まで家の中で専門の一流家庭教師が勉強を教えてくれる。
私が生まれてから、この屋敷を出た事があまり無い。
それこそ、買い物をしに出掛けるくらいだ。
・・・だから私には本で見るような友達というものはいない
けど、寂しいと感じた事は一度もない。だから逆に幸せかも。
でも、時折切なさを感じる、メイド達と接していても切なさは消えない
買い物のときに窓から見える世界はとても楽しそうで興味があった。
楽しそうに笑いながら歩く男女、町をはしゃぎながら歩く小学生。

(今日も退屈な時間が過ぎていく・・・。)
そう思いながら家庭教師の話をボーっとしながら聞き流していると
扉をたたく音が部屋み響き渡る。うんざりしながらも
「どうぞ」
と声をかける。
ガチャっと扉が開かれるとそこに立っていたのは
久しぶりに見た私のお父様だった。
「お、お父様?!なぜここにいらっしゃるのですか?」
私は少し動揺していた、お父様に勉強に身が入っていないと怒られると思ったからだ。
だが私の予想とは反して ニコッっと笑う笑顔があった
「少し、話があるんだが・・・いいか?」
お父様は忙しい人で家にいる事なんてめったにない、
だから今日しばらくぶりにお父様に会えた事は本当に嬉しい、しかも親子水入らず
「はい、大丈夫です」
私は家庭教師に目をやると
静かにこの部屋から立ち去って行った。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 15:00:49.17 ID:WpzxBXqo0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 15:11:48.07 ID:13q60CmV0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 15:25:09.21 ID:13q60CmV0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 15:27:59.47 ID:WpzxBXqo0<> きまぐれ保守 <> 出会い3<><>2006/10/14(土) 15:29:17.50 ID:RnCs8drv0<> お父様の話はいつも唐突だでも、今回は1番驚かされたかもしれない
「学校に行ってみないか?」
・・・言葉にならない声で躊躇していると、お父様は喋りだした
「お前も大人になる前に世間というものを学んできなさい」
私は、深呼吸をして落ち着きを取り戻して聞いてみた
「何故、突然そんな事をおっしゃられるのですか?今まで私を家から出そうとしなかったのに」
父は癖なのか顎鬚を触り始める
「・・・家庭教師からお前が勉強中に遠い目をして勉強に身が入っていないと聞いてな
私は思ったのだ、お前が寂しがっているのではないかと」
私は何も言えなかった、黙ってお父様の話を聞いていた
「私は父親失格だな、娘にそんな思いをさせていたことに気づきもしなかった・・・すまん」
お父様の手が頭の上に乗せられ優しくなでてくれる。なんだかとっても落ち着く。
「わかりましたわ。・・・私も興味がありましたの、外の世界に。」
お父様は私の頭をなでながら
「そうか、手続きは済ませてあるから明日にでも通いなさい。」
そう言ってお父様は私の部屋を後にした
1人取り残された私はベッドの上に身を投げ、うつぶせに寝転がる
「学校・・・か・・・」
とつぶやきながら目を閉じた

ふと目を覚ますと執事の顔が飛び込んできた。
どうやら眠っていたらしい、少し肌寒い。
窓に目をやるとすでに日は落ちかけていた
「お嬢様お夕飯の時間です」
私は無言のままベッドから降り部屋を出た <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 15:36:56.08 ID:wAtkh5m90<>  海外のオタクすご杉ワロタ 
http://ex16.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1160804403/

ここの>>150のIDが「OTAKU」
記念カキコしようぜwwwwwww <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 15:41:42.03 ID:cqclHvIqO<> >>109
うっせ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 15:42:24.61 ID:Kra6dDEB0<>   /⌒ヽ
  / ´_ゝ`)すいません、ちょっと連投しますよ・・・
  |    /
  | /| |
  // | |
 U  .U
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 15:43:42.66 ID:Kra6dDEB0<> 女「はぁ……今日も男くんを昼食に誘えなかった。でも私がいきなり男くんに
  一緒にお弁当食べよう、なんて声掛けても不自然だし……」
女「考えてると、皆とお喋りする元気もなくなるし」

女「あれ、見かけない子がいる……ピンの色は私と同じ学年だけど、あんな子いたっけ?」
?「……」
スタスタスタ
女「え、こ、こっちに来る?」
ピタ
?「こんにちわ」
女「え、えと、こんにちわ」
?「なるほど、あなたが女さんですか。想像していた通り、お優しい方ですね」
女「ええっ!? いきなり何言ってんの? ていうか何で私の名前知ってるの?」
?「お静かになさいませ。奇異の視線を集めてしまいます。宜しければご一緒にお弁当をいただきませんか?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 15:45:33.02 ID:Kra6dDEB0<> 女「そっか、嬢の前の学校の友達なんだ」
?「はい。本日は創立記念日なので、この機会に様子を見に来たというわけです」
女「でもウチの制服まで用意するなんて気合が入ってるね」
?「嬢さんに気付かれてしまうのは面白くないので。露見したら困ったことになるので、
  秘密にしておいてください。お願いします」
女「分かった。二人だけの秘密だね」
?「ありがとうございます。嬢さんはお元気そうですね」
女「うん、とても。私からも質問いいかな? 嬢さんって前の学校ではどんな感じだった?」
?「おそらく今とあまり変わらないと思います。公正を重んじ、理を尊ぶ。友には手を差し伸べ、
  敵は正面から打倒する。向上心が旺盛で努力を惜しまず、けれど結果を第一となさる」
女「そ、そうなんだ。やっぱり凄いね、あの人。羨ましい」
?「同感です。ですが貴女が遠慮なさる必要も、ご自分を卑下される理由もありません」

女「え?」
?「貴女も素晴らしい長所をお持ちです。短い会話の中にも、貴女の優しさや気遣いを感じ取ることができる。
  私これでも人を見る目はあるつもりです」
女「そ、そんなことないって! あ、ごめん! 今のは?さんの悪口じゃなくて、えっと、褒めすぎというか……」
?「そうでしょうか? 無自覚も貴女の良いところなのでしょうね」
女「///…………?さんの学校の人って、そんな恥ずかしい台詞を平気で言えるの?」
?「いいえ。私がお喋りなだけです。嬢さんの傍にいると言葉が止まらなくなる癖がついてしまって」
女「?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 15:47:13.58 ID:Kra6dDEB0<> ?「ごちそうさまでした。私は帰ります。午後の授業もがんばってください」
女「あれ、嬢さんに会わなくていいの? これから探して呼んでくるつもりだけど」
?「ここへ来たことを彼女に知られたくないのです。お心遣いは嬉しく思いますが」
女「分かった。でもその、最後に一つだけ聞いてもいい?」
?「どうぞ」
女「嬢は何で転校したのかな。男くんを追ってきたって説明だけだと……嬢なら納得だけど、その、もしかしたら他にも理由があるのかなって」
?「彼女は貴女の敵だというのに心配なされておられるのですか。そのような質問を私にぶつけるとは、勇気も持ち合わせておられるようですね。
  ご忠告申し上げると、際限のない優しさはお人好しと変わりません。気をつけてください」
女「ごめん、会ったばかりの人に変な質問して。ホントは嬢に直接聞かなきゃいけないんだけど、あんまり前の学校のこと話さないから」
?「それは多分、今の環境に馴染もうと努力なさっているからでしょう。貴女が想像するほどに私達が暮らす環境は特殊ではありません。
  それに彼女が誰に遠慮なされるというのですか?」
女「そうだね、心配してたら嬢に失礼だよね。ありがとう、流石は嬢さんの友達だ」
?「……。それ故に、思い定めたことにはひたむきに邁進する手強い方です。負けないでください」
女「///………えっと、思ってることが顔に出やすいのかな、私?」
?「とても分かり易いと思います。貴女も一途な方ですね」

女「忘れてた、次は化学室に移動だっけ。早く準備しなきゃ」
女「それにしても、何だか怖い感じの人だったなぁ。優しいのに……やっぱりオーラが違うのかな。
  うぅ……応援してくれたけどプレッシャーかも」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 15:48:19.63 ID:Kra6dDEB0<> 糸冬 <> 出会い4<><>2006/10/14(土) 15:52:52.00 ID:RnCs8drv0<> チュンチュンと朝日と共に鳥のさえずりが聞こえる
昨日夕飯を食べ終え、風呂に入り自室に戻った。
それから朝までは興奮と、お昼寝で目が冴えて寝付けなかった。
執事が起こしに来るまで時間がある、その間に着替えようと
クローゼットを開く、さまざまな衣装がぎっしりと詰まっているがきちんと整理されている
「どれにしよう」
登校初日ということもあり洋服選びは肝心だ。
ふと、一着の服に目がいき、手を伸ばし取り出した
手にとった服はいろいろな装飾で彩られ綺麗な白地の服だ。
「よし、これにしましょう」

車に乗り向かった先は進学校として有名な高校だった
目的地に到着すると執事が車の戸を開ける
「ここが・・・学校」
周りを見回すと同い年ぐらいの子がこちらを怪訝そうな顔をしながら校門を潜り抜けていく
校舎を見上げていると前のほうから声がかかる
目線を下げると小太りの中年男性がたっていた
「お嬢様ですね?お待ちしてました」
私穂校長室に通されソファーに腰掛ける
どうやら小太りの男は校長のようだった
「話は聞いていますよ
早速ですがあなたの担任を紹介します」
そういって隣の部屋に消えて行きしばらくすると
若い女生徒と共に姿を現した
「この人がお嬢様の担任の先生です」
と紹介された女性が一歩前に出て微笑む
「初めまして、担任と言いますよろしくね」
担任は右手を前に差し出す
「あぁ、よろしくお願いしますわ」
私はそう言いながら握手を交わした <> 出会い5<><>2006/10/14(土) 15:53:35.69 ID:RnCs8drv0<> キーンコーン
鐘の音が校舎に響き渡る、私は始めて聞く
この音に驚きながら担任の後ろに着いていく
階段を上り一つの教室に前に止まる、と担任が
「しばらくここで待っててね」
そう言い残し担任は教室の戸を開け中に入っていった
訳も分からず残された私は少しため息を付く
それと同時に教室内から悲鳴に近い歓声が聞こえた
するととが開き担任が手招きをし
「さぁ入って!」
と促されるままに教室の中に足を踏み入れる
同時に痛いくらいの視線を感じ視線の先に目線をやる
目を輝かせながらこちらを見る男子生徒
若干物珍しそうに見つめる女子生徒
様々な視線が向けられている
「じゃあ自己紹介をお願い」
恥ずかしくて目線が落ちそうになるのを我慢して口を開く
「初めまして、嬢と申します、これから皆様と共に
勉強させていただきますわ、何卒よろしくお願いします」
と丁寧に挨拶をすると
一瞬、教室が静まり返り、今度はどっと笑い声がこだまする <> 出会い6<><>2006/10/14(土) 15:54:10.22 ID:RnCs8drv0<> わけがわからず困惑していると担任が
「あそこの席に座って」
と言われ見てみると1つ空いた席があった。
とりあず席に座ってみる
・・・すわり心地が悪い、椅子が気で出来ているせいか、お尻が痛い
突然隣の生徒が肩をたたいてくる、ふりむくと男子生徒が
「これからよろしくなww」
と挨拶をしてきた
「ええ、よろしくお願いしますわ」

お昼になりいろいろな生徒が嬢の回りに集まりはじめ
いろいろと質問されていた
質問の内容は他愛のないものだった
困り果てていると教室の後ろの戸が開き
1人の生徒が入ってきた
どうやらこんな時間に登校して来たらしいほかの生徒が
その生徒の元に駆け寄り何かを喋っている
しばらくするとその生徒が嬢の席に近づいてきて話しかける
「転校生でしょ?よろしくな、俺は男って言うんだヨロシクな!」
と屈託のない笑顔で微笑む
私も笑顔を作り挨拶を返す
「初めまして、嬢と申しますわよろしく」
その言葉を聴き男は笑い始める
「あはは、本当にお嬢様なんだなww」
その言葉を聞いて思わず苛立ち
立ち上がり男の頬を平手で叩いていまった
重い空気が教室に立ちこめる <> 出会い7<><>2006/10/14(土) 15:54:40.83 ID:RnCs8drv0<> 男は何が怒ったか分からない表情でこちらを見ていた
男も頭が整理されてきたのか目つきが鋭くなり
「何すんだよ!殴ることないだろ!」
「なぜ、言葉遣いで笑わなければいけないのですか?
決して私はおかしな言葉は使っておりませんわ!!」
そういって嬢は、怒りに任せて椅子に思いっきり座った
男も怒りが収まらず自分のどかっと席に座った
その雰囲気を気にして男の席に数人の生徒が集まり
怒りを静めようとしていたが嬢の席には誰も近づこうとしなかった

そのまま放課後を向かえ嬢は腹の虫が収まらないまま
迎えに来ていた車に乗り込むと発信を促した
「もうなんですの!あの男と言う者は!」
その言葉を聞きセバスが話しかける
「お嬢様、気持ちが落ち着かないのですか?
ならば私がいい場所に案内いたしますが、どうなされますか?」
嬢は少し考えた
久しぶりに出た外の世界を堪能すれば落ち着くかもしれないと
「お願いしますわ」
それを聞くとミラー越しのセバスの顔がにこやかに笑い
「かしこまりました、ではご案内いたします」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 16:09:14.23 ID:pFXO88GI0<> ほ <> 出会い8<><>2006/10/14(土) 16:20:25.78 ID:RnCs8drv0<> そういわれ車は街中から少し外れた川沿いに車を止めた
「あそこに橋が見えますか?あの紅い橋です」
そう言いセバスは指を指す
その先にはまだ緑の葉に囲まれた紅い漆塗りの橋があった
「あそこですか?」
「はい、あそこの空気を吸い景色を眺めるだけで落ち着きますよ
・・・ではご案内します」
と歩き出すセバスを制して
「いえ私一人でいきますわ、今は一人でみてみたいのです」
そう言うと嬢は歩いて橋に向かった
距離が近づくほど回りの景色のすばらしさが伝わってくる
が橋の上を見ると既に一人先客がいるようだ
嬢は気まずいと思いつつも足取りを速めた。早く景色を眺めたかったからだ
途中川からポチャンと音がする、どうやら橋の上にいる先客が石を投げ込んでいるようだ
橋の上の先客を気にしながらようやく橋にたどり着いて橋の上の人物に目をやる
どこかでみた事のある服装・・・そう、嬢と同じ学校の生徒のようだ
どこか安心した近づくと荒れた声が聞こえてきた
「・・だよ・・・あの・・!!」
どうやら彼もなにか感情が抑えきれないでいるらしいことがわかった
「あなたもここが好きなのですか?」
少し不安になりながらもおもいきって声をかけてみた <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 16:30:27.91 ID:P0/+j1RaO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 16:45:56.28 ID:NgZuYxXmO<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 16:51:39.06 ID:Kra6dDEB0<> >>121
GJ!!

投下します <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 16:52:17.51 ID:WpzxBXqo0<> wktk <> 出会い9<><>2006/10/14(土) 16:59:11.87 ID:RnCs8drv0<> 先客が振り返る
同時に嬢は「あっ・・・」と声を漏らす
目の前にいるのは学校初日に嫌味を言ってきた男だった
男も嬢の姿におどろいているようで固まっている
私はまた頭に血が昇ってきて
「なぜあなたがここにいるんですか・!?」
と叫んだ
「うるせぇな、俺はここが好きなんだよ!」
男もまた昼間のように目が鋭くなり怒りを露にしていた
2人の間に重苦しい空気が流れ始めるが
「ごめん・・・俺が悪かったよ」
嬢は少し驚き動揺した、まさか謝ってくるとは思わなかった
「いえ・・・私の方こそついむきなってしまって・・・」
二人の間にまた沈黙が流れ始める
「男サンはよくこちらにいらっしゃるのですか?」
「あぁ、ここは俺のお気に入りの場所でな、なにかあるたびにここにくるんだよ」
と、男は皮を見つめながら答えた
「そうですか、私は今日初めてここを紹介されて足を運びましたの」
「そうなのか?ここは綺麗だから密かに穴場なんだよ」



2人はしっかり話しこみ辺りも暗くなり始めた <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 16:59:15.44 ID:Kra6dDEB0<> 教頭「嬢さんのご様子はどうですか?
担任「すっかりクラスに馴染んでます。今では毎日に欠かせない存在です」
教頭「それは良かった」
担任「勉強も運動も熱心だし。礼儀正しくて優しいけど、ルールに厳しく遠慮はしない。
   我侭な子だと聞かされてましたが、彼女、気配りも行き届いているし」
教頭「強気というのは悪いことではありません。卑屈になることも知恵ですが、
   その負債を君達の世代に背負わせてしまったことは申し訳ないと思います」
担任「連中の回し者は校長と先生が一掃したじゃないですか。先生は努力して結果を出してます」
教頭「そうだとよいのですが。話を戻しますが、彼の件についてはどうなっていますか?」
担任「それが……あっさり告白してました。現在は男の方が嬢を避けてますね。
   彼女を嫌ってるからではなく、戸惑っている様子でした」
教頭「ふむ……それが却って良い結果を招いたか」
担任「転入直後は変な噂がいくつも出たけど、今は一つだけです。嬢本人が理由を公言してるし」
教頭「では先生は指導を続けてください。マスコミ対策は校長先生と彼女の実家が担当されます。
   それと本校では不純異性交遊は厳禁です。彼女のご両親も心配しておられます」
担任「余計な心配だと思いますけどね。嬢は雰囲気に流される子じゃないし、男はチキンだし」
教頭「万が一に備えるのが、保険ですよ。本当は保険など掛けたくもないのですが」
担任「はい。私も生徒の不祥事でクビなんてごめんですから。まあ嬢の実家の人達も目を光らせているし。
   だけど目につくと鬱陶しいので、先生から注意してください。私が近付くと逃げるんですよ」
教頭「承知しました。対応は任せてください」
担任「それでは失礼します。ああ、そういえば一つ気になることが」
教頭「何事ですか、深刻な顔で」
担任「男、あれで結構モテるんですよ。本人には自覚ないけど。嵐が訪れる予感、しませんか?」 <> 出会い10<><>2006/10/14(土) 17:00:33.72 ID:RnCs8drv0<> 「本当にきょうはごめんな?うらやましかったんだよ
お嬢様のお前がさぁ・・・」
嬢は不思議に思い聞き返そうとしたが
「じゃあ俺は帰るわ。また明日学校でな」
そう言って男は手を振りながら橋を渡って
嬢が来た方向とは逆へ歩いて行った。

次の日学校に着くと既に男は登校していて
私の存在に気づいた男は私に近寄ってきた
数人の生徒は昨日の事が会ったせいかこわばった顔をしていたが
「嬢おはよう!きのうはあの後ちゃんと帰ったか?」
と話しかけてきた。それを見ていた者はホッと肩をなでおろしていた
「えぇ、あの後しばらく景色を堪能してから帰りましたわ」
そんな話をしていると始業の鐘がなった。
男は「じゃ」と手を振り席に戻って行った」

お昼になり嬢が豪勢なお弁当を口にしていると
隣の席の男子生徒が話しかけてきた
「仲直りしたんだねwよかったw」
彼はとてもよく喋る、彼のお陰で男の話を少し聞く事が出来た
おとこの父親が既に他界していること、そのお陰で生活がつらい事
バイトをしながら学校に通っていること・・・。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 17:02:21.41 ID:WpzxBXqo0<> >>127
嵐wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 17:15:59.79 ID:cqclHvIqO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 17:24:00.74 ID:P0/+j1RaO<> 保守 <> 出会い11<><>2006/10/14(土) 17:25:56.66 ID:RnCs8drv0<> 嬢は昨日男が口にした「うらやましい」
の意味を少しだけ理解していた。
その話を聞きいても立ってもいられず自分のお弁当を抱え男のいる場所に向かった
男は2人の友達と談笑しながらお昼を食べ当としていた
「男君、よかったらこれさいあげますわ」
そう言って自分のお弁当を差し出す
「なんで?自分で食べればいいじゃないか」
「その・・・毎回量が多くて残してしまいますのもったいないので是非」
男はしばらく無言で弁当を見つめると
「そかw悪いな、実はちょっとたりなくてなwwサンキュ!」
そう言って玉子焼きを手でとり口に入れる
「お?!うまいなwwこの玉子焼き絶品だよ!」
そう言ってあっというまにすべて平らげてしまった
「ご馳走様!凄く上手かったよ」
「よかったですわwwもしよろしければまた食べていただけませんか?」
「ああwいつでも歓迎だよ」

それから男と共に過ごす時間が増えていった
昼休みも一緒に屋上で食べるようになった。
そのうち嬢の心の中に今まで感じた事のないような
もやもやとした感情がこみ上げるようになって行った
不思議な事にその感情は男と顔をあわせている時は落ち着く
そんな感じだった。 <> 出会い12<><>2006/10/14(土) 17:27:40.70 ID:RnCs8drv0<> 「おい!嬢!!」
はっとして後ろを振り向くと男の姿があった
どうやら思いでに浸り過ぎて男の到着に気づかなかったようだ
「い、いつのまにわたしにうしろに?!」
「いつってお前がボーっとしてるからきづかなかったんだろ?」
「うぅ・・・そうですけど・・・」
と話していると男は橋の手すりに手を置き川を見つめる
「そういえば嬢も最近よくこの橋でよく見かけるようになったなww」
「そうですか?たまにしか来れませんが」
「ふーん、嬢も大変だなww」
川を見つめながら男は決めたように
「さて!いくぞ!早く行かないとあいつらを待たせちまうぞw」
「そうですね、では行きましょう」

私はあのもやもやがなんなのかよくわからない
けど、男と会えば消えて行くから今はそれどいいと思う
いつかはこの気持ちがなんなのか分かればいいけれど・・・


嬢がこの気持ちを理解するのはまた先の話・・・。
                       終劇 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 17:28:50.65 ID:RnCs8drv0<> 終わった・・・
途中から眠さと格闘しながら書いてた
gdgdな文章でよければまた書きます

ノシ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 17:31:22.13 ID:Kra6dDEB0<> >>134
GJ!
乙彼
また書いてください <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 17:45:29.29 ID:IV0YCpYA0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 17:58:11.95 ID:YlacTs7a0<> ふゃ! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 18:20:39.05 ID:Kra6dDEB0<> ほ
長文考案中 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 18:21:33.00 ID:q1H0F91p0<> >>127>>134
お二人ともGJ!

どんどん投下してください <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 18:40:22.73 ID:+5rBlzVHO<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 18:53:46.44 ID:WpzxBXqo0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 18:53:55.40 ID:NgZuYxXmO<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 19:03:02.10 ID:WpzxBXqo0<> `ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 19:06:45.29 ID:6GmuAr0q0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 19:23:08.25 ID:rp6Sj/mJ0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 19:32:59.80 ID:WpzxBXqo0<> h
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 19:42:32.73 ID:IV0YCpYA0<> きばって保守しよう <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 19:44:27.10 ID:Kra6dDEB0<> 嬢「あら、男さん。宜しければご一緒に帰りませんか?」
男「部活のない日はいつも声掛けられてる気がする。おまえ、実はけっこう暇?」
嬢「そのようなことはございませんわ」

嬢「今日は、男さんは部活動で帰りは遅くなられますね」
女2「嬢さ〜ん、一緒に帰ろ!」
嬢「残念ですが今日はお稽古がありますのよ。また誘ってくださいね」

嬢「車を出して。決して急がず、けれど可能な限り早く自宅へ戻ります」
運転手「承知いたしました」

嬢「華道の講習とバイオリンの自主練習はこれで終り。
  あら、もうこんな時間。この後はお母様のご友人との会食ね」
嬢「帰宅後は食休みを兼ねて宿題と授業の予習・復習を済ませておきましょう」
嬢「館の管理運営も私の仕事。執事や使用人たちから報告を受けて書類に目を通し、
  彼らに訓示を与えなければ。お父様もお忙しい方だから」
嬢「武術の稽古の後に入浴。お友達から勧められたドラマを見ながら、今日の出来事を日記に纏めて」
嬢「十時に就寝。起床予定は4時半だけれど、世話係がドアをノックする前に
  自分で顔を洗い髪を梳いておきたいわ。内緒で購入した目覚まし時計は30分早くセットして」
嬢「朝食の前に軽い運動。両親や親族とテーブルを囲み、その後で使用人を集めて朝の挨拶と激励を」
嬢「時間が掛かるけれど、男さんのご自宅に寄ってから登校しましょう」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 19:51:10.43 ID:Kra6dDEB0<> 嬢「……と、このような具合ですね」
男「おまえ忙しすぎ。習い事止めたら?」
嬢「学ぶのが楽しいから学んでいるので、止めるつもりはありませんわ」
男「じゃあ俺に構ってないで、早く帰れ」
嬢「貴方に構いたいから、予定を詰めているのよ」
男「///……そういう恥ずかしい台詞、教室の中で言わないでくれないか?
  しかも真顔でさ……」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 20:07:28.61 ID:96djkS2Q0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 20:17:33.72 ID:WpzxBXqo0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 20:27:38.41 ID:c/SFg5PY0<> >>148-149
久々に『お嬢様』を読めたきがする。
GJ! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 20:33:29.82 ID:WpzxBXqo0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 20:45:09.90 ID:WpzxBXqo0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 20:54:19.70 ID:WpzxBXqo0<> ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 21:05:22.15 ID:WpzxBXqo0<> ねむい <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 21:14:23.37 ID:P0/+j1RaO<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 21:19:17.48 ID:WpzxBXqo0<> もうzzz <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 21:29:21.82 ID:WpzxBXqo0<> `hp <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 21:39:53.94 ID:WpzxBXqo0<> z <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 21:47:40.68 ID:WpzxBXqo0<> ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 21:57:49.57 ID:96djkS2Q0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 21:58:21.60 ID:WpzxBXqo0<> ひとりなのかな保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 22:05:29.00 ID:WpzxBXqo0<> t <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 22:13:53.16 ID:96djkS2Q0<> 職人カムカム <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 22:14:01.67 ID:Kra6dDEB0<> ほ
書き溜め中 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 22:20:51.33 ID:WpzxBXqo0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 22:29:52.09 ID:WpzxBXqo0<> ほしゅ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 22:39:03.21 ID:WpzxBXqo0<> a <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 22:47:30.22 ID:WpzxBXqo0<> b <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 22:54:52.87 ID:NgZuYxXmO<> c <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 23:02:11.42 ID:Kra6dDEB0<> アルファベット阻止

投下します <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 23:03:32.09 ID:WpzxBXqo0<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 23:03:53.89 ID:Q70VreRr0<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 23:04:38.98 ID:Kra6dDEB0<> 男「暑いな……真夏並みの暑さだ。こんな日に校庭で体育なんてキツい」
男2「早くプールが始まるといいな。まあ女子と交互に使うから、半分は炎天下で過ごすわけだけど」
男「今からへばってたら身が保たないか。ていうか男3、いつまで蛇口に張り付いてんだ」

嬢「男さん、早く校舎に戻らないと日射病になってしまうかもしれませんわ」
男「女子の合同授業も終わったのか。水飲むから順番待ち」
嬢「水分補給をするのでしたら、校舎に入られた方がよろしいでのは?」
男「確かに中の水の方が冷たいけど、今すぐ飲みたいっていうか、そういうものなんだ」
嬢「そうですか。この日差しですもの、その気持ちは分かる気がしますわ」
男「そういえば嬢は水道の水とか飲まない派? いや俺も大嫌いなんだけどさ」
嬢「偏見かもしれませんが、怖くて飲む気はしませんね。缶ジュースの類もあまり好きではないので、
  普段は魔法瓶を持参していますわ。もっとも私の場合は潔癖すぎるのですが」
男「まあそれで問題ないなら、その方がいいんじゃないか? 飲みすぎて気持ち悪くなることもないし」

女2「はいはい、男子はさっさとどいて。後がつかえてるんだから」
女3「いくら暑いからってシャツを脱ぐなバカ。嬢の視界に入らないうちに消えなさいよ。
   アンタたち、命が惜しいでしょ?」
女4「うわ、水浸しじゃない!? 男どもの汗混じりなんて最悪!」
女5「嬢さ〜ん、早く並ばないと」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 23:09:55.49 ID:Kra6dDEB0<> 嬢「あ、はい。今行きますから」
男「無理すんな。飲み慣れてないと腹壊すかもしれない」
嬢「そのときは貴方が介抱してくださいね」
男「俺も命が惜しい……///」

嬢「…………」
女5「あ、あのさ嬢さん。今日は○組の子達も一緒だから、あんまり待たせると悪いよ」
キュッ
嬢「………………(…ゴクゴク……ゴクゴク)」
男2「( ゚д゚)ポカーン」
女2「えっと、もしかして蛇口から水飲んだことないのかな?」
男3「な、なんかエロいな……」
男「///…………」

男「いつまで飲んでるんだ、さっさと教室に戻れ! あ、蛇口閉めろはやく!!」
嬢「……? ……!?」(/////)

女2「あわわ、男くんが急に腕引っ張ったから嬢さん水浸しだよ!」
女3「まったくもう! 嬢、このジャージ羽織って! ライン隠さないと!」
女4「こらおまえら! 見世物じゃないんだからさっさと散れ!」
女5「男のリンチは決定だね。ウチと○組の女子合同で」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/14(土) 23:11:13.32 ID:Kra6dDEB0<> 糸冬 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 23:20:51.80 ID:WpzxBXqo0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 23:21:17.85 ID:P0/+j1RaO<> a <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 23:22:54.09 ID:96djkS2Q0<> b <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 23:31:26.13 ID:ITpolUGp0<> ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 23:34:47.63 ID:q1H0F91p0<> >>177
GJ!

そして保守
まだ長編書き終わらん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 23:47:12.64 ID:WpzxBXqo0<> ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/14(土) 23:55:36.56 ID:WpzxBXqo0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 00:03:23.59 ID:PTM5I/K/0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 00:10:34.16 ID:PTM5I/K/0<> h
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 00:22:30.60 ID:PTM5I/K/0<> hosyu <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/15(日) 00:23:48.51 ID:aK1943ti0<> 神職人を待つために投下 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/15(日) 00:25:42.80 ID:aK1943ti0<> 嬢「雨、か……困ったわ」
男「あれ、嬢。まだいたのか」
嬢「ええ。傘を忘れてしまって」
男「じゃあ執事さんを呼べばいいじゃないか」
嬢「今日は歩いて帰ると伝えていましたのよ。普段はそのことで私に注文をつけていた貴方が、
  わざわざ呼びつけろと仰るのですか?」
男「そうだな、ごめん。俺も騒動に慣れて感覚が麻痺してるのか……」

男「あ、あのさ。駅まで傘、入ってく?」
嬢「あら、嬉しいわ。お願いしますね」
シュバッ
男「傘の骨が折れてる……三本か。これじゃ二人は入りきらないな。荷物もあるし。
  嬢、悪いけど他のヤツに頼んで……」
ヒョイッ
嬢「ではこの傘を私に貸してくださいませ」
男「な、何勝手なこと言ってるんだ!? 返せ!」
嬢「それとも私の肩を寄せてこの身を雨風から守ってくださるのかしら?」
男「///……(訳が分からない!)」

男「勝手にしろ!」
バシャバシャ
嬢「冗談のつもり…………ではなかったけれど。仕方ないわね、今は未だ。
  それに他人の目もあることだし」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/15(日) 00:28:22.18 ID:aK1943ti0<> 執事「ビデオはここまででございます」
父「……少しは漢気があるようだな。しかしあの子を一人で帰らせるとは何事だ!
  『護衛』を配置していたから万が一はないにしても、思慮が足りないのではないか」
ガチャッ
嬢「では二人で傘に入り、窮屈な思いをしてあの雨の中を駅まで歩けばよかったと仰るのですか?」
父「論外だ! まあおまえが学生らしく振舞いたいという気持ちは分かるから、
  家の者を呼ばないことは仕方ない。次はお友達を探して頼みなさい。
  勿論女子生徒にだよ」
嬢「今日はたくさん荷物があったのだから、女性用の傘では無理です。そのお友達も雨に濡れてしまうわ。
  ……(まあ多少は男さんを認めさせることができたから良しとしましょう)」


嬢「男さんはまだ学校へ来ていらっしゃらない。ホームルームが始まってしまうわ」
女2「嬢さんどうしたの、傘なんか持ち歩いて。今日はいい天気なのに」
嬢「昨日男さんが貸してくださったの。お返しするために持ってきたのだけれど」
ガラガラ
担任「はい皆、席について。日直、号令。欠席は……一人だけか。男くんは風邪でお休みするそうです。
   季節の変わり目は風邪ひきやすいから気をつけるように」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/15(日) 00:29:56.70 ID:aK1943ti0<> 糸冬 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 00:34:10.60 ID:LXCJ5lLS0<> GJ
できればこのあと嬢が男のところへ見舞いに行くSSも書いてほしい。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 00:42:20.40 ID:bBcB3GrWO<> GJ
そして>>192に狂おしく同意 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 00:53:01.76 ID:t6JpwSqP0<> 保障 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 01:01:15.30 ID:y/6zciWE0<> >>191
GJ!

勿論続編があるよな、あるよな? <> お見舞い編<><>2006/10/15(日) 01:13:11.63 ID:aK1943ti0<> 投下開始 

のんびりなのでご容赦を。その間に神職人の降臨があればよいが…… <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 01:13:13.86 ID:PTM5I/K/0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 01:14:12.73 ID:2K8u/IVh0<> ho <> お見舞い編1<><>2006/10/15(日) 01:17:20.14 ID:aK1943ti0<> 古文「今日の授業はここまで。帰ったら配布したプリントを熟読しておきなさい。
   文法を覚えたら、次は文章に慣れること。後はその繰り返しです」

男2「嬢さん、男のお見舞いに行くの? 元気そうだったら、
   明日の朝練は中止だって伝えてくれないかな。一応メールは送ったけど」
女3「ただの風邪でしょ? 却って迷惑だと思うけど」
 嬢「ですが私の責任もありますし、ご様子を確かめたらすぐに引き揚げるつもりですから」

女2「だってさ。女ちゃんはどうする?」
 女「……その前に、女2はどっちの味方なの?」
女2「私? どちらも応援してるよ」
 女「ずるい……。あ、嬢! 待ってー!」


嬢「あら、女さん。私に何かご用かしら? 今日はこれから外せない用事があるのですが」
女「はぁ、はぁ……意地悪言わないで。わ、私も男くんのお見舞いに行く! 
  抜け駆けは許さないから!」
嬢「分かりましたわ。お見舞いの品も用意したいので、
  一度自宅に戻ってから駅で待ち合わせということで宜しいですか?」
女「うん。制服のままだと先生達に見つかったら面倒だしね。
  少し遅くなるけど、五時にしよう。あ、おばさんに伝えておいた方がいいかな」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 01:30:23.64 ID:PTM5I/K/0<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 01:40:49.70 ID:LXCJ5lLS0<> wktkしつつ保守。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2006/10/15(日) 01:53:45.96 ID:t6JpwSqP0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 01:54:53.24 ID:PTM5I/K/0<> z <> お見舞い編2<><>2006/10/15(日) 01:55:59.47 ID:aK1943ti0<> 女「ただいま!」
女母「お帰りなさい。随分早いのね。部活はどうしたの?」
女「え、えっと今日は休みだって。それより私、これから友達と待ち合わせだから」
女母「あんまり遅くならないようにね。最近は物騒だから」

弟「あ、お帰りー」
女「ただいま。あ、また勝手に私の部屋に入ってる! 着替えるから二人とも外に出て」
妹「お姉ちゃん、何だか嬉しそうだね」
女「実はこれから男くんのお見舞いに行くの」
弟「え、具合でも悪いの?」
女「ただの風邪だって。だから心配しないで。私が様子見てくるから」

妹「お姉ちゃんのバカ! 何で抜け駆けしなかったの!?」
女「え? ええっ?」
妹「嬢先輩と一緒に行くんでしょ。お姉ちゃん意気地なしだし、
  遠慮する性格だから、自分だけなら迷ってたはずだよね」
女「…………あ、あのね、私は別に……」
妹「男先輩に会いに行くならもっと服を選ばなきゃダメだよ。あ、でも化粧は落とした方がいいよ」
弟「ねえ……よく分からないけど、そんなこと気にするの?」
妹「男先輩が気にしなくても、おばさまはチェックしてると思う。
  万が一に備えるのが用心だってお姉ちゃんの担任の先生も言ってたし」
弟「でも迷惑じゃないかな〜」
妹「弟も風邪で寝込んでるときに皆で優しくしてあげたら喜んでたよね? 
  そういうことだよ。ただの風邪なら男先輩の迷惑なんて気にしなくていいの。
  嬢先輩が相手じゃお姉ちゃんが勝てる見込みなんてないんだから、がんばらないと」

女「えっと……泣いてもいい?」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 02:04:38.00 ID:LXCJ5lLS0<> 妹ひでぇw
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 02:21:05.40 ID:PTM5I/K/0<> nmuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 02:24:16.72 ID:1a/I27Ka0<> >>204
もしかして1943年生まれ? <> 204<><>2006/10/15(日) 02:36:47.83 ID:aK1943ti0<> >>207
そんなvipperがいたら……面白いかもしれない。でも違います。
個人的にはaKに注目。

保守します。徹夜になるかも……。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 02:48:33.67 ID:PTM5I/K/0<> `ho <> お見舞い編3<><>2006/10/15(日) 02:49:30.82 ID:aK1943ti0<> 執事「お帰りなさいませ、お嬢様」
嬢「これからすぐに出掛けるわ。六時の夕食には間に合わないから、お母様に伝えておきなさい」
執事「どちらへ行かれるのですか?」
嬢「女さんと○駅で待ち合わせて、男さんのお家へ。お風邪をめされてるそうだから、お見舞いに行くのよ」
執事「承知しました。奥様にお伝えしてまいります」
嬢「近頃は物騒だというし、お父様の護衛を借りるわ。その手配も宜しくね」

嬢「この屋敷から男さんのご自宅の最寄り駅までは、車でも電車でも時間が掛かるのよね。
  急がないと……遅れてしまったら女さんに申し訳ないわ」
メイド「お嬢様、お召し物の準備を手伝わせていただきます」
嬢「あなたを呼んだ覚えはないのだけれど。お母様も余計な事に気を回して」
メイド「主人には常に万全を以て望んでいただきたいと願っております」
嬢「今日は女さんと競うつもりはないのよ。純粋に男さんの様子が気になるから」
メイド「人を見るということは、人に見られるということです」
嬢「あなたもお節介ね。どうして私にそこまで構うのかしら」
メイド「畏れながら、お嬢様が奥様や旦那様と喧嘩なされたあの日、
    この屋敷の者達はお嬢様にお味方することを選びました」
嬢「ああ、転校の話を伝えた日のことね。でもあなたの忠義の理由を知りたいの」
メイド「言葉にはできないと申し上げる他ありません。お嫌でしょうか……?」
嬢「誰かの忠誠と未来を預かることは、私には荷が重いわ」
メイド「申し訳ございません。私達の勝手な我侭ですから、どうかお気になさらないでください」
嬢「でもあなたの信頼は心地良いから、私も応えたくなるのよ。十分で用意して。
  けれど本当に時間が惜しいから、急いでね」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/15(日) 03:02:21.57 ID:aK1943ti0<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 03:14:35.35 ID:qApKRRA30<> ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 03:22:25.63 ID:y/6zciWE0<> >>210様の続きはどれくらいになりそうですか?
流れを切ることになるなら、全部終わってから投下した方がよいと思って <> 見舞い編4<><>2006/10/15(日) 03:30:50.69 ID:aK1943ti0<> 男(暇だ……こんなあっさり治るって分かってたら、学校へ行ってたのに)
男(夕飯と朝食たくさん食べて、熱い飲み物飲んで、肩と足を温めて、冷たくても部屋の空気を入れ換えて
  ……やれる事はやったわけだけど、もう完治してる。凄いな、人間の回復力ってやつは)
男(午後から授業出るのも面倒だったしな〜。妙に恥ずかしいし)

男「……後悔してる場合じゃない。考えなきゃいけない事がある」
男(昨日のアレだ。いつもの嬢の我侭に違いないけど、あいつ無茶は言っても無理は言わない。
  要求があればそれだけを伝えるヤツだし)
男(そういえば辺りを見回してたよな。誰か見てたのか? でも他人の視線を気にするなんて今更だし。
  ということは学校の誰かじゃないのか。ていうかこの考えは正しいのか?)
男「いや、そんなことはどうでもいい。明日どんな顔で嬢に会えばいいんだ?」

タンタン
男母「起きてる? 具合はどう?」
 男「もう大丈夫だよ。心配かけたから、今日は俺が夕食作るよ」
男母「そう? じゃあ頼もうかしら。ところで学校のお友達がお見舞いに来るから」
 男「え、マジ? 断らないと。誰が来るって?」
男母「女さんと嬢さん。アンタもしかして、二股かけてんじゃないでしょうね?」
 男「……自分の子供にそんな質問するなよ。二人ともただの友達だから。ただ少し……かなりお節介なんだ」
男母「本気で言ってるの? ああそれでね、心配ないって伝えたんだけど、それなら元気な様子を見て安心したいからって。
   すぐに帰るそうだし、断りきれなかったから、そのつもりでちゃんとお出迎えするのよ」 <> 210<><>2006/10/15(日) 03:32:48.78 ID:aK1943ti0<> >>213
あと三回です。ただ、書いてる途中なので遅くなります。
申し訳ありません <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 03:44:59.32 ID:y/6zciWE0<> >>215
書きながらでもこの速さとクオリティ、神レベルだぜ
wktkして待ってます <> お見舞い編5<><>2006/10/15(日) 03:54:06.97 ID:aK1943ti0<> 男「よ、よお……」
嬢「あら、もう動き回っても宜しいのですか?」
男「うん。もともと大した風邪じゃないし。実は午前中に治ったんだけど、面倒でつい……」
女「よかった。でも安静にしてないとダメだよ。治ってると思い込んでるだけかもしれないし、
  体力が落ちてるから。……あれ、どうしたの?」
男「いや、その、仮病だと疑われるんじゃないかと考えてた自分が情けなくて。
  それとありがと。心配してくれて」
女「………///」
嬢「全く貴方という人は。これ、お見舞いの品ですわ。どうぞ」

男「良かったら夕飯食べてくか? 二人の分も作ってみたんだけど」
嬢「そうね。今夜は女さんと一緒にお食事するつもりだったから、貴女が宜しければ」
女「で、でもおばさんも一緒なんだよね?」
男「嫌か? 確かに気を遣うよな。じゃあ駅前で何か奢るよ。
  二人には心配かけたし、夕飯は明日の朝食と弁当に回せばいいから」
女「い、嫌なんてそんなこと全然ない! お邪魔します……!」

嬢「今日はご迷惑をお掛けして申し訳ございません。
  それと夕食の席にお招きいただきありがとうございました」
男母「いえ、とんでもありません。また遠慮せずに家へいらしてくださいね」
嬢「はい。機会があれば是非。そのときは宜しくお願いいたします。
  女さん、貴女もご挨拶を……固まっていらっしゃいますね」
男「母さんが変な質問ばかりするからだよ。それじゃあ俺は二人を駅まで送ってくるから」
男母「気をつけてね」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 03:56:07.99 ID:2K8u/IVh0<> ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 04:14:12.48 ID:6SvmKechO<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2006/10/15(日) 04:14:25.60 ID:c6JNYYljO<> ちょっと恐いので保守 <> お見舞い編6<><>2006/10/15(日) 04:23:05.17 ID:7LYl+ywd0<> 男「でも意外だな。嬢と女さんって仲が良かったんだ」
嬢「あら、意外ですか?」
男「ごめん、気を悪くしたなら謝るよ。けど二人が喋ってるところはあまり見たことがなかったから」
女「言われてみればそうかも。私は……いつも話してる気がするけど」
男「二人とも今日は服装に気合入ってるし、二人で夕食食べに行く予定だったんだろ? 
  だから引き留めて悪いことしたな、って思ってさ」
女「で、でも男くんの料理、美味しかった!」
男「そうか? まあ余計なことしなければ、不味くなるはずけど」
嬢「貴方の手料理だから美味しかったのですよ」

??「…………」

男「駅まであと五分くらいかな。そこの角を曲がって……」

女「え? キャアァッ!?」
男「!」
嬢「!」
ひったくり「!」

男「女、どうした!? くそ、あいつか!」
嬢「怪我はありませんか!?」
女「う、うん、だけどバッグが……」
男「ここで待ってろ!」
嬢「待って危ないわ!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 04:29:24.20 ID:ruIAFzao0<> http://218.219.242.231/~kuroneko/imgboard1/img-box/img20061015042608.jpg

今度はお嬢支援。

強気ぽくねー <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 04:42:55.95 ID:y/6zciWE0<> >>222
GJ!
俺が盾になる <> お見舞い編7<><>2006/10/15(日) 04:49:06.95 ID:7LYl+ywd0<> ドサッ
男「捕まえた! そのバッグを離せ……!」
??「――、――!」

??「……」
??「……」

男「(しまった、こいつらひったくりじゃなくて強盗団か! ナイフまで持ち出して……ここは逃げないと)」
強盗1「――!」
男「(足を掴まれた!? マズい、かわせない――!!)」

トサッ ドサッ

護衛「お怪我はありませんか?」
男「あ、あれ? あなたは確か嬢の家の……」
護衛「以前、お屋敷でお会いしたことがあります。我々の不注意でお嬢様のご友人に
   お怪我を負わせてしまうところでした。申し訳ない」
男「はぁ……ありがとうございます。あ、でも嬢と女は!?」
護衛「私の同僚がお傍についております」 <> お見舞い編8<><>2006/10/15(日) 04:52:02.66 ID:7LYl+ywd0<> 嬢「男さん、ご無事ですか!? 何て無茶をなさるんですか貴方は!」
男「ご、ごめん。カッとなってつい……」
女「うぅ……ごめ…なさい……私の……で……」
嬢「あなた達がついていながらどういうことですか!?」
護衛「お嬢様の身の安全を最優先しました」
嬢「相変わらず融通の利かない……次は私とこの方達を同列に扱いなさい!」
護衛「約束できません」
男「嬢、止めてくれ。俺が後先考えず動いたのが悪いんだし」
嬢「……いいえ。貴方や護衛に落ち度はあっても、罪はないわ。罪があるのは彼らよ」
強盗「――――!」
男「えっと、興奮してるみたいでよく聞き取れないけど、何言ってんだ?」
嬢「少しお待ちください……なるほど、犯罪者の分際で被害者よりも先に権利を主張しているのよ」
護衛「いかがなさいますか?」
嬢「手間を掛けるけれど警察に引き渡しましょう。××署の■さんに連絡して」

女「ごめんなさい……」
男「謝るなよ。嬢にも言われたじゃないか」
嬢「警察の方がこちらに向かっているわ。融通の利く方だから、私達が説明する必要はないでしょう。
  むしろ余計な問題になりかねないから、後は護衛に任せてここから離れてくださいませ」

男「さっきは助けていただいてありがとうございました!」
護衛「感謝なされることはありません。我々は貴方の安全を優先しなかった」
男「あの、あなた達の仕事って、嬢を守ることですよね。アイツ、狙われたりすることもあるんですか?」
護衛「守秘義務です」
男「……すいません」
護衛「……実は貴方が襲われるよりも前の段階で、貴方を助けることができたのですが」
男「え?」
護衛「今回の事を教訓にしてください。周りの他人が巻き込まれるケースは少なくないのです」 <> お見舞い編9<><>2006/10/15(日) 05:02:46.02 ID:7LYl+ywd0<> 男2「おはよう。昨日は大変だったみたいだね」
男「は? 何故おまえが知ってるんだ?」
男2「駅の近くだから、目撃者もいたんだよ。全く無茶をするね。君でなくてもクラスの誰かが怪我したら、
皆が心配するんだよ。そういう雰囲気、僕は苦手なんだ。知ってるでしょ?」
男「ごめん。次は……って次があるのは勘弁だけど、おまえを怒らせる真似はしない。約束する」

女3「何があったのか知らないけど、ご苦労様」
嬢「私としたことが迂闊だったわ。これではまたお父様が大騒ぎしてしまうわ」

女2「あれ、お弁当が二つ?」
女「うん。お礼とお詫びを兼ねて。それじゃ渡してくるね」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/15(日) 05:04:00.06 ID:7LYl+ywd0<> 糸冬
グダグダだorz

吊ってくる。後は頼みます <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:09:20.91 ID:FBPoUH1bO<> いや良かったんだぜ? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:16:53.31 ID:LXCJ5lLS0<> GJ
女が無事男にお弁当を渡せるのかが気になる。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:18:35.28 ID:FBPoUH1bO<> 確かにまたそこで嬢と一騒動ありそうだな <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:35:48.20 ID:y/6zciWE0<> >>227GJ!だったんだぜ?
なんか女に萌えそうだったぜ

では>>70の続き投下します

あれから、六日が過ぎた。
私は毎日彼の見舞いに来ている。彼の姿は私にあの不快感を与えるが、
それでも彼の事が心配だし、退屈だと言う彼の相手をしてあげたかった。
彼のそばに、居たいのだ。私は彼の事が、好きだから。
たとえ、兄妹であっても。好かれていなくても。
彼の経過は順調だ。内臓の手術は完璧だったし、強く打ったらしい背中も、
脊髄に損傷は無かった。骨折は完治するまで時間こそかかるが、命に関わる心配はない。

学校は終業式の今日まで午前だけだった。夏休み直前の授業は自習になるか、
夏休みの課題に関する事を聞くだけで、退屈だった。
そして午後は、あの公園に行く。

彼との事で、私は全ての問題が解決したとは、思っていない。
私と彼の新しい関係、異母兄妹である事を完全に受け入れていない。それも、ある。
私は未だに、あの痛み、不快感の正体が分からないのだ。
彼に何と言われても、罪悪感は消えないし、それが胸の痛みにもなるが、それとは違う。
私が初めて原因不明の痛みに襲われたのは、私が彼と兄妹である事を知る前だ。
あの時点では罪悪感など、無かった。
何か、大きな何かを、私は思い出せないままでいる。
だから私は毎日、あの公園に行く。もう殆ど調べつくした、あの公園に。
思い出せれば、あの不快感の原因も分かるはずだ。
彼と眼が合うだけで苦しくなるのは嫌だった。
それに、あの日から毎晩見続けるあの夢で、うなされるのも懲り懲りだった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:36:05.41 ID:JF0MCspaO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:38:00.47 ID:FBPoUH1bO<> なぜ俺が寝ようとすると作品投下が始まるんだ? <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:41:20.89 ID:y/6zciWE0<> >>231

あの夢は、少しずつだが鮮明になってきた。
男の子の顔は相変わらず、霞がかったように見えないのだが、
夢の時間が長くなり、また背景がもっと明るくなった。
そして私は少し、違和感を覚えるのだ。
今まで私は公園でだけ、男の子と遊んだものだと思っていた。
確かに夢には、今では見慣れてしまった噴水の広場が出てくるのだが、
それは後半の方だ。鮮明になってきた前半の方、一緒に遊んだ場所は、
公園の風景と重ならない。

つまり、何処か別の場所で遊んで、その後公園に来た、と言う事になるのか?
その別の場所とは、見覚えはあるのだが、どうも思い出せないのだ。
その場所を調べてみたいとは思うのだが、思い出せないのでは調べられないし、
そこではただ遊んだだけの記憶しかなく、あの不快感を知る手がかりにはなりそうにない。
やはり夢の最後の方、未だに鮮明になってくれないあの公園での記憶、
背中を震わす男の子が何かを叫ぶ、それが重要な気がする。

この六日間、午前中は学校(日曜日と終業式だけの金曜日を抜かせば四日間か)、
午後は公園、夕方は彼と一緒に居ると襲ってくる不快感と戦い、
夜寝るとあの夢にうなされる。
私はお父様譲りの体力があると思っていたが、相当参っていたらしい。
終業式の今日、校長先生による長話の途中で倒れてしまった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:45:37.44 ID:y/6zciWE0<> >>234

噴水・・ベンチ・・・木々・・・
公園・・・紅い夕焼け・・・

・・・ああ、またあの夢か・・・
夢の中で、私は自分が夢を見ている事に気付く。

???「・・・!・・・!」
震える、小さい背中
何故あんなに震えているのだろうか?

???「・・・・ん!・・・さん!」
横たわる・・・
何か、あるのだろうか?男の子の背中は見えるのに、他がよく見えない。

???「・・ぁ・さん!・か・・さん!」
全てが紅い、夕焼けの世界
今までよりも、はっきりと周りの風景が見える。
この場所・・見たことがある。この木の並びは、確か―――

???「か・・さん!・ぁ・・さぁぁああーーん!!」

嬢「・・はっ!」
目を覚ます。白い天井と白いカーテンが目に入った。
ここは、保健室だろうか。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:50:03.68 ID:y/6zciWE0<> >>235

??「あら、目が覚めたのかしら?」
と、カーテンを開けて30代前半くらいの女性が声をかけてきた。
白衣を着ているその女性は、きっと養護教諭(保健の先生)だろう。
私は高校入学から一度も保健室のお世話になった事がないので、彼女を見たことは無いが、
それ以外の何者でもないだろう。

保「あなた、校長先生の話を聞いてる時に、倒れちゃったそうよ。
  今度あなたの方から校長先生に言ってくれないかしら。話が長すぎですわよ、なんて」
そう冗談を言う。
確かに長話だったが、普段の私なら倒れたりなんかしないだろう。
疲れているのだ、私は。
私がベッドから出ようとすると、声がかけられた。

保「あら、無理しないで休んでていいわよ」
嬢「いえ、お気遣いありがとうございます。私はもう大丈夫です。
  それに今日は、用事がありますので、失礼します」
そう言って、少しだけふらついたが、ゆっくりとした足取りで保健室を出る。
用事がある、と言うのは少し違う。今、どうしても行かなくてはならない場所が出来た。
さっき見た夢・・・あの木の並びは、見覚えがある。
今すぐ、夢の記憶が薄れぬうちに行けば、何か思い出すかもしれない。

昇降口に、傘を差すセバスがいた。いつの間にか、小雨が降っていたらしい。
靴を履き替えた私は彼の持つ大きめな傘に入れてもらい、車へと向かう。
帰宅ではなく、目的地を告げ急ぐようにと、車を走らせた。

夏の激しい夕立と違う、弱い雨の雫が窓ガラスの向こうで流れ落ちる。
雫のせいでガラスに映る私の顔は、泣いてるようにも見えた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:52:14.94 ID:y/6zciWE0<> >>236

○○公園
もう、何度も来た公園。私は車の中にある、私用の小さい傘を取って車を降りた。
セバスには車で待機するように言った。わざわざ隣で傘を差してもらうために
私に付き合う必要はないし、彼には失礼だが隣に立たれると邪魔だったから。

それにしても、と私は思う。
疲労で倒れた時に見た夢で、新しいヒントを得るなんて。
転んでもただでは起きぬ、とでも言おうか。
あの光景・・・あの木々の立ち並びは、見たことがある。
あの時は気にも留めなかったが、あれは、私にとって意味があったのかもしれない。
六日前に見つけた、『石のお墓』のある場所。
そこは夢の最後の光景と、一致していた。

私は今、この『石のお墓』の二、三歩前にいる。そうだ、この光景だ。
私はここから、男の子の背中を見ていたのだ。
そして、ちょうど『石のお墓』が建っている場所に、男の子の背中があった。

私はやっと理解出来そうで、しかしその考えに至ると身震いしていた。
あの『お墓』のある場所・・・つまり男の子の前には、何かあったはずだ。
何かが『居た』と言った方がいいかもしれない。何かが横たわると言うのがもっと正確で・・・
私は無意識に墓標と思われる石に手を伸ばしていた。身体は震えるのに、
頭は痛いのに、胸は苦しいのに・・・夏なのに、とても寒くて鳥肌がたっていた。
いつの間にか傘を手放していて、濡らす雨が私から体温を奪っていた。
右手が石に触れた瞬間、視界が真っ白になった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:56:00.31 ID:y/6zciWE0<> >>237

○○公園・・・○○の字は読めなかったけど、公園は知ってる。
私たちのような子供が遊ぶ場所だ。
今日、初めて公園に来た。
この男の子と、男の子のママと一緒に。

男の子「お母さん、この公園、この前も来た公園だよね?今日は何して遊ぶの?」

男の子の母?「ごめんね、その前に探して欲しい物があるのよ。
  この前ここに来た時に、お母さん大事な物を無くしちゃったの。
  お母さんがいつもしてる指輪、最近つけてなかったでしょ?
  この公園の何処かにあると思うのだけど、手分けして探してくれないかな?」

男の子「いいよ!お母さんの大事なものなんだよね?どこから探せばいいのかな?」

男の子母?「男は、あの噴水の近くから探してくれないかしら。
  嬢ちゃんは、初めてここに来たし、迷子になっちゃいけないからおばさんと
  一緒に森の中を探そうね?」

嬢「・・・うん、わかった」

男の子「じゃあ行ってくるね!」

知らない場所で、あの男の子と離れるのは少し不安だけど、恐くはなかった。
男の子のママが手を握ってくれるから。私のママみたいなすべすべな手ではなかったけど、
嫌じゃなかった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:57:30.44 ID:y/6zciWE0<> >>238

男の子母?「この辺りで、いいかしら」
手を引かれて歩いていると、男の子のママが何か言って、立ち止まる。
ここからじゃ広場の方がよく見えない。背の高い木が沢山生えているせいで、少し暗い。

男の子母?「嬢ちゃん。私はね、あなたの―――・・なのよ。
  だっ―――・・だから」

何かを言っている。けど、よく聞こえない。

男の子母?「でもね―――・・のよ。
  ――――――――――――――」


よく聞こえない。よく見えない。
私は自分が白昼夢を見ている事に気が付いた。
夢の内容を忘れぬよう、心に刻もうとした時、
銀色の鈍い光が見えて――――

気が付くと私は雨の中、傘も差さず公園に膝をついていた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 05:59:15.59 ID:y/6zciWE0<> >>239

嬢「はあ、はあ、はぁ・・はあ、はぁ、はぁ」
私は荒い呼吸を正そうと、胸を押さえていた。
膝をついて、スカートや靴が汚れているのを気にする余裕もない。
今の、白昼夢は・・・
あの女性は・・・
私はまだ呼吸を整える事が出来ない。苦しくて、立ち上がることも出来ない。
だから隣に誰か来たのも気付かなかった。

セ「お嬢様、御気分が優れませんか?」
私の方に傘を傾け、背中をさすってくれた。
道路側からも見えないこの場所まで駆けつけてくれたのは、私が心配で車で待機してなかったからだろう。
セバスのおかげで、少し楽になった。彼の手を借り、なんとか立ち上がる。
肩を支えてもらいながら、車に戻るその最中、私は掠れた声で懇願する。

嬢「セバス・・・今すぐ彼の病院に行きます」
セ「お嬢様、聞くところによりますと、学校でもお倒れになったご様子。
  お体をお休めください」
嬢「私は・・・今すぐ、彼に会わなくてはならないのです・・!
  彼に聞かなくては・・・あの、過去を・・
  それに、病院でなら万が一、また私が倒れても問題ありませんでしょう?
  早く、車を出してください」
セ「・・畏まりました。タオルを用意します、お体をお拭きください」

いつもの後部座席に座り、彼から渡されたタオルで顔を拭く。
タオルのふわふわした触感に、少し冷静になれて、ため息を吐く。

雨は少し強くなっていた。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 06:01:20.36 ID:y/6zciWE0<> >>240

病院に着くと、私は早歩きで彼の病室を目指した。
・・彼は生まれた頃から親に捨てられた。セバスの調査もそうだし、
彼自身がそう認めていた。
ではあの女性は誰なんだろう。児童指導員にはとても見えない、確かな親子の絆があるようだった。
ノックもせずに彼の部屋のドアを開ける。

嬢「男さん!」
男「おおっ!いきなり驚いたじゃないか。
  どうしたんだよ、急に」

いきなりドアが開いたので驚いたようだ。だが彼の抗議に答えている余裕などない。

嬢「今日はあなたに聞きたいことがあります」
男「・・ん、何だ?」

私は落ち着くために、ごくりと唾を飲み込んでから、口を開いた。

嬢「あなたは本当に・・・生まれた時から、孤児なのですか?」
男「・・この前、話した通りだよ」
嬢「本当に、本当ですか?」

彼の目を見て、聞く。酷い頭痛と吐き気がしたが、今は目を逸らすわけにはいかない。
彼に見つめられただけで苦しくなる原因が、分かるかもしれないのだ。
目を逸らして答えない彼の代わりに、私が語る。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 06:06:01.94 ID:y/6zciWE0<> >>241

嬢「私は・・・あの公園で、全てではありませんが、思い出しましたの」
男「・・!」
嬢「あの公園には、あなたと・・・あなたのお母様と思われる女性と一緒でした。
  そして、あなたのお母様と、公園の森の奥へと行きました。
  そこまでは思い出したのです、そこまでは・・・
  でも、それ以上が!それ以上が思い出せないのです!
  何か、とても恐ろしい事が起きたような気がするのに、
  思い出してはいけないかのように頭が痛くなる・・・」

私は自分の痛みを隠せなかった。
二回目にこの病室に来た時と同じように、慟哭していた。
けど今回は、泣きながら叫ぶように詰問していた。

嬢「あの公園で、あなたがあの男の子だと確信した頃から、あなたの目を見るだけで
  頭が痛くなるんです!胸が苦しくて、呼吸が荒くなって、喉も渇いてしまうんです!
  そして夢を見るんです、あれから毎日、あの頃の夢を!
  夢の中でも、あなたは震える背中を見せて、けれど私はあなたが何を叫んでいるのかも
  分からないんです。
  いったい、何があったのですか!あの公園で!あなたと私には、何があるのですか!
  何も知らないで、あなたの目を見ただけで苦しくなるのは嫌なんです!」

彼の前での三度目の涙は、勿論狙ったわけではないが、泣き落としの形になった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 06:12:49.33 ID:y/6zciWE0<> >>242
男「・・・そうか」
そう、短く答えた男の顔は、今まで私は見たことの無い、後悔の念にかられている顔だった。
彼が口を開いてくれたので、私は少し落ち着く・・・本当に、泣き落としをしたみたいだ。

男「お前が、そんなに苦しんでいたなんてな。すまない、俺のせいだ」
嬢「・・・あなたのせいって、何故ですの?」
男「俺が、嬢をあの公園に連れて行って、過去に会った事があるなんて言ったからだ。
  それがきっかけだったんだろ?」
嬢「そうですけど、でも・・・」
男「俺は、自分のためだったんだ。自分が納得したいために、嬢をあの公園に連れて行き、
  あんなことを言ったんだ。自分のために、お前を傷付けた」
嬢「でも、私はあなたの御蔭で真実を知ることが出来ました。真実と向き合う心も、
  あなたがくれた・・・」
男「真実と向き合う事、逃げない事は、確かにお前自身のためにもなるだろうな。
  けれど必ずしもそうしなければいけない、ってわけじゃない。
  嬢の為を思えば、嬢にあの過去を突きつけなくてもよかったんだ。
  けど、お前は俺のせいでそんなに苦しんでいたんだな・・・」
彼のせいかもしれない。私の苦痛は。
けれど、私が本当の彼を理解するためには、通過せねばならない、試練なのかもしれない。

嬢「・・・話していただけますか?私の知らない、過去を」
男「知れば、お前の苦しみは消えるかもしれないし、今よりもっと苦しくなるかもしれない。
  お前が真実を求めるのなら、俺も誤魔化さない」

私は、迷わなかった。彼の話す真実がどんな物であれ、受け止める覚悟は出来ている。
・・・そして、私は自分の覚悟の甘さを痛感することになる。
私は彼ほど強くなんて、なれそうにない。

第二部完 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 06:15:09.55 ID:y/6zciWE0<> >>243
途中、矛盾点に気付いて書き直したりして、
とても時間がかかった第二部がやっと終わりました。
読んで頂ければ幸いです。


続きは、まあ、そのうちに・・・ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 06:50:49.92 ID:OZuQBaPW0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 07:09:27.31 ID:xjE7/ZFmO<> >>244
GJ!!続きwktkしながら保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 07:38:21.82 ID:6SvmKechO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:06:00.50 ID:JF0MCspaO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:13:42.57 ID:y/6zciWE0<> >>246ありがとう
でも続き作らず勢いで書いたSS投下します
こういう明るい(?)SSも書きたくなるんです

アナザーストーリー 『入院編』
時間軸とか登場人物の性格とかは深く考えてはいけません。つーか今回下品です。

私は今日も彼の病室を訪れる。
彼とは学校では会えないが、その分病室で二人っきりになれる時間が長い。
彼には悪いが、私は彼を独り占め出来る今が好きだった。

いつものように、彼と他愛無い話で盛り上がる。
そんな風に時間を過ごしていると、彼が少しそわそわしだした。

男「嬢、すまないが、ナースコールを押してくれないか?」
嬢「え!ど、どこか痛むんですか?それとも気分が悪いとか・・」
男「いや、そういうんじゃないんだ。ただ、まあ、少し問題があって、呼んでもらえないか?」
嬢「分かりました、辛かったらすぐに言ってくださいね?」

そう言って、私はナースコールのボタンを押す。
すると廊下の方からドダダダダダダッ!っという誰かが走る音が聞こえてきて、ドアが開く。

看護師「お待たせしましたー!何かお困りですかー男さーーーーん」

と、看護婦、いや今では看護師か、が妙に間延びした声をあげて入ってきた。
廊下の方から「病院の廊下で走るな!」「病院で大きな声を出すな!」なんて声が聞こえるが、
この人にとっては些細な事なんだろう。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:16:10.36 ID:y/6zciWE0<> >>249

男「あれ、今日はいつもの人は?」
看「ああー、先輩は今日は午後から非番なんですよー
  それでー、男さんのお世話は見習い看護師の私、看がすることになりましたー
  よろしくお願いしますー」

と、またあの間延びした声で話す。そういう癖らしい。

看「それでー、如何なさいましたかー?」
男「・・ん、いや、その、だな」
何故かチラリと私の方を見て、小さい声で答える。

男「・・その・・トイレ」
嬢「!」
看「ああー!すいませんー、男さん動けないからー、定期的にお世話しないといけないの、
  先輩から言われてたのに忘れてましたー!
  今すぐ準備しますねー」
男「ああ、でもその前に、嬢」
嬢「えっ、何ですの?」
男「部屋の外に出てくれ」
嬢「な、何故ですか!私が居ると邪魔ですか!」
男「邪魔って言うか・・・普通に恥ずかしいだろ」
看「そうですよねーそれじゃあ嬢さん?でしたかー、は部屋から出てくださいー」
嬢「ちょっ、ちょっとお待ちください!私が居ると恥ずかしいのに、
  看護師さんが居ても恥ずかしくないのですか!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:19:22.25 ID:y/6zciWE0<> >>250

そう言って、彼女を見る。看護師の看さん・・・見習いというだけあって、若い。
大きい瞳で、その言動からも想像できるように、童顔だ。女の私から見ても可愛らしい顔をしている。
ともすれば、私よりも年下なのではいか?そう見えるくらいだ。しかし、首から下を見て、愕然とする。大きい。
何が大きいのかは私の口から言えないが、その童顔と非常にアンバランスだ。ずるい、反則だ。
私が駄目で、こんな若くて可愛いくて大きい(謎)看護師はいいなんて、道理に反する。

男「いや、だって看護師だぞ?」
嬢「そういう問題ではありません!よく見てください、あの看護師を!」
男「・・・看護師、だな」
嬢「むうううぅぅー!あなたの目は節穴ですか!
  あんな若くて可愛い看護師が相手で!恥ずかしくないのですか!」
男「いや・・・看護師だし?」
嬢「むうううぅぅああああー!何故話が通じませんの!?」
男「いや、お前の言ってる意味が分からないからなんだが・・・
  どうでもいいが『むうううぅぅー!』はいいけど『むうううぅぅああああー!』はちょっとなあ・・・」
嬢「ええい!もういいですわ!看護師さん!」
看「はいー?」
私は標的を変えた。

嬢「あなたはまだお若いようですけどっ、若い男性の・・・その、つまり
  そっちの世話をするのに抵抗は無いのですか!?
  勿論ありますわよね?私が代わりに彼の世話を致しますわ!」
男「いや、勝手な事言うn・・」
嬢「男さんは黙っていてください!
  さあ、どうなんですの?」

ここまで言ったのだ。もしこれで譲らなかったら、今後彼女を敵と見做す必要があるかもしれない。
けど、彼女の答えは意外なものだった。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:24:36.49 ID:y/6zciWE0<> >>251

看「うーーん、正直に言いますとー、私も少し恥ずかしいですー、でもー、
  将来立派な看護師なるためにはー、色々な勉強が必要なんですよー
  私ー、こう見えても小さい頃は病弱でーよく入院してたんですー
  その時からー私のお世話をしてくれた看護師さんに憧れてー
  あの人達のような立派な看護師になりたいんですー」

そこまで聞いて私は、自分は何て愚かな人間だろう、と思った。
彼女に他意は無い。私とそう年も変わらないが、彼女は『看護師』なのだ。
病弱な母を持つ私にはよくわかる。看護師の仕事はハードだ。
そして彼女の言う通り、色々な経験を積まなくては立派な看護師にはなれない。
私は、彼女に男を盗られるなんて思ってしまった、自分を恥じた。

嬢「そう、でしたの・・・分かりましたわ、あなたに任せます。
  それと男さん、看さんに・・・変な気を起こしてはいけませんわよ?
  彼女はあくまで看護師だから、あなたの世話をするのですからね?」
男「そんなの、分かってるよ。
  それより早く外に出てくれ」

彼女は、きっと立派な看護師なれるだろう。私は心の中で応援をする事を誓い、
病室のドアを開け、外に出・・・ようとした所で、彼女の唇が小さく動いている事に気付く。

看「・・wktkー、wktkー(///)」
嬢「待ちなさーーいぃ!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:25:48.20 ID:y/6zciWE0<> >>252

嬢「今あなた、『wktkー、wktkー』って言いましたわね!」
看「言ってませんよー」
男「何も聞こえなかったが?」
嬢「いいえ!しっかりと見てました。読唇術で」
男「・・・そんな習い事までしているのか」
嬢「とにかく!どういう事ですか、看さん!」
看「だってー、私もー年頃の女ですからー
  ただでさえーこういうの初めてなのにーこんな格好いい人が相手なんですからー
  ドキドキしますー」
嬢「分かりましたか男さん!これがこの女の正体ですわ!」
男「まあ、理解はしたが・・・とにかく、漏れそうなんだが早くしてくれ」
嬢「男さんの世話は私がします!」
看「いーえー、彼の世話はー看護師である私がしますー」
男「は、早くしろー!」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:27:40.06 ID:y/6zciWE0<> >>253

看「こうなったらー、二人で協力してしましょーそれなら問題無いですよねー?」
嬢「まあ、妥協案ですが、仕方ありませんわ。それで、どうやってするのですか?」
看「この尿瓶を使いますからー、まずはー男さんのズボンのチャックをー、降ろしてくださいー」
嬢「そ、そんなはしたない事、出来ませんわ(///)」
男「尿瓶だけあっても漏らすだけだろうが。早くしてくれ」
看「出来ないでしたらー私がやりましょうかー(クスッ)」
嬢「い、今笑いましたね!で、で、で、出来ますとも!私は嬢家の娘ですから!」

と言って、彼の寝巻きのチャックを降ろす。その際に触れた、私には無い柔らかな感触を意識して、
頭に血が昇る。

嬢「お、降ろしましたわよ(///)」
看「じゃあ次は私の番ですねーこの尿瓶を持っていてくださいー」
嬢「あ、はい、分かりまし・・・!」

私は彼女から尿瓶を受け取って驚愕する。いや、尿瓶にではない。彼女の行動を見てだ。
彼女は何と、私が開けたチャックの中に手を入れているではないか。

嬢「な、な、な、何をしていりますのかあぁぁああー!」
看「何ってーここから出さないとー、チャックを降ろした意味がー、あ、これですねーっと」

ポロリ
そんな擬音が聞こえてきたそうな。

嬢「な、な、な、な、な、(///)」
看「うわー、本で見たのより大きいですねー(///)」
男「・・・どんな羞恥プレイだよ (;_・)」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:30:58.64 ID:eMHv5yEm0<> >>254
最初のほう見忘れてたせい看板娘が喋っているのかと勘違いしてしまったぜ!!!! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:31:42.37 ID:y/6zciWE0<> >>254顔文字変だったorz

男性は外部に性器があって、保健の授業でどんな形をしているかも一応は知っていたが。
それでも、実物は違う・・・あんな大きなものが私の中に入るのだろ・・

嬢「って何を考えていますの!不潔ですわ!(///)」
看「うわー、こんな色をしてるんですかー(///)」
嬢「いけませんわ!私達は異母兄妹!禁断の関係!契りを持つ事はいけませんわ!(///)」
看「これからは毎日こんな事が出来るんですねー(///)」
嬢「で、でも、あなたが望むなら(///)・・・って今何って言いました!?」
看「いーえー、今日から毎日こんな事をしていたらー
  私我慢できないかもしれませんー(///)、何て言ってませんー」
嬢「な、何て事を考えてるんですか!いいですか、これから男さんの世話は・・」

男「(もう・・・我慢できん・・!)」

嬢「・・・と言うわけで、彼の世話は私が致します」
看「いーえー、そう言うわけにはーいきませんー」
嬢「私がっ!!」
看「私がー」
嬢「わた・・」

しーーー

嬢&看「「・・・・・・・・(///)」」
男「・・・何で黙るんだよ(;_・) 」

看「だってー『しーーー』って音が聞こえましたからー(///)」
嬢「し、尿瓶の外側からも、中が暖かくなっているのがわかりますわ(///)」
男「・・・で、終わるとまた騒ぎ出すわけか(;_;)」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:34:20.94 ID:y/6zciWE0<> >>256確かに、童顔で巨乳の彼女は病院の看板娘かもしれん

看「ではー全部出たようなのでー、最後の仕上げに入りまーす」
嬢「まだ、することがあるのですか?」

出来るだけ見ないように尿瓶を持つが、やはり気になってしまう。逞しい、それを。

看「最後はー、少し先端に残ってるかもしれませんのでー、綺麗に拭いてあげますー」
嬢「なっ!ふ、フジコ・・・いえ、拭く!?」
看「ちゃんと拭いてー、衛生的にしなくてはいけませんー当然私がやりますねー(フキフキ)」

男「うっ・・・」
嬢「!!ま、待ちなさい!順番から言って、これは私の役目のはずです!
  貸しなさい!(ニギ!)」
男「ぐあっ!そ、そんなに強く握るな!」
看「駄目ですよー私がやらないとー勉強になりませんしー(グイッ!)」
嬢「私がやります(グイ!)」
看「私ですー(グイ!)」
男「や、やめろ、痛い!引っ張るなっ!ち、千切れる!」
嬢「む、じゃ、じゃあこうですか(///)(フキフキ)」
看「こうですかー(///)(フキフキ)」

男「ま、待て。優しく触る方がむしろやばい気がするぞ。って言うか関係無い所も、お、う、・・・」

ムクムクムク

嬢&看「「・・・あ(////)」」


終われ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 08:41:46.47 ID:y/6zciWE0<> >>257
看護師の性格とかはかなーり適当です。
場所が病院だし、誰も使いそうに無いから適当にやってしまえ、
てな感じで。


俺はこんなのに二時間もかけたのかorz <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 09:12:00.08 ID:WXVFfz9kO<> おっきおっき <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 09:30:29.39 ID:JF0MCspaO<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 09:49:44.61 ID:y/6zciWE0<> 保守して寝る <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 10:13:39.07 ID:MkQhBgaL0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 10:25:13.41 ID:1a/I27Ka0<> >>257
おっきした <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 10:52:16.76 ID:Wnbti7Ma0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 11:07:24.03 ID:FefV0gX50<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 11:18:50.11 ID:Ri99htn2O<> 寝る前に応援保守

ノシ もやすみ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 11:35:11.62 ID:v1JZIL6e0<> ho <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 11:53:45.74 ID:Wnbti7Ma0<> 保守 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 12:08:58.00 ID:MkQhBgaL0<> h <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 12:22:30.50 ID:rAzxtGt5O<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<>sage<>2006/10/15(日) 12:25:34.53 ID:1Q4brq+q0<> カップリングが「強気お嬢様とそのクラスメイトの男」が多いようだが、「強気お嬢様と社会人」があってもいいはずだ
もしくは「強気お嬢様(大学生)と高校生な男」があっても(ry
もしくは「強気お嬢様と中年男s(ry

って事で保守 <> 271<><>2006/10/15(日) 12:27:01.01 ID:1Q4brq+q0<> sageちまったい_| ̄|○ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします <><>2006/10/15(日) 12:41:35.05 ID:UcLlOgeT0<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 12:51:34.81 ID:Ri99htn2O<> ほす

>>272どどんまい! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします<><>2006/10/15(日) 12:54:47.07 ID:LXCJ5lLS0<> >>258
GJ
本編との落差が激しすぎて笑ったw <>