「これが、俺の今日からの家かぁー」 男はしみじみと言った。 その中にはちょっとした期待があった。 その家は見た感じ小奇麗なアパート、2階建て5部屋くらいの小さな建物である。 家賃2万3千円、激安価格な割には綺麗なものであった。 しかし、そこには人の気配は無い。 なんでも、「とある事情」で住んでいた者はすぐに転居していくらしい。 そういうことを気にしないので詳細は聞いていない、 「ま、一人のほうが気楽で良いやw」 ポジティブな思考なのかはともかく、男はそんな性格だった。 肩にかけているのはボストンバック1つ。 それが男の所有物全てである。 カンカンッ、と階段をのぼる 「204、204っと。。」 ドアに貼られた番号を見つけ、男はもらった鍵を使って戸を開けた。 「・・・・これは格安すぎるだろ」 1DKのセパレート8畳、床は使われてそう時間の経っていない畳 棚など、家具はないものの、押入れはある。 物もそれほどないので収納に困ることは無いだろう 物件としては美味しすぎて、逆に怪しい、 だが、そこも「ラッキーw」この一言で済まされてしまった。 ここが、自分のスタートライン、ゴールの見えているスタートだったが、 正真正銘、ここが自分の始まりなのだ。 そう思うと少々気持ちも高ぶってくる、まずは、掃除だ。 それがおわったら買出しに行って、目の前の神社の大学のなじみに会いに行こう。 これから始まる生活に心躍らせ、鼻歌まじりに靴を脱ぎ、踏み入れた瞬間、 カタッっと何も無い部屋から音がした 「ん?」 キョロキョロと部屋の中心で辺りを見回す。 なにもない。ま、気のせいか ボストンバッグを置いて、空気を入れ替えるために窓を開け、そして、ガララッと押入れを開ける。 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 そこには、非日常が待っていた。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 スーッ、パタン ん、何も見なかった。 「あ、あぅ!?」 ん、何も聞いて無い。 「よし、掃除でもするか!」 腕をまくり、男は意気揚々と掃除に取り掛かろうとする 「ちょ、ちょっとー!?」 幻聴、幻聴 「聞いてますかー!?もしもーし!」 ん。女の子の声は幻聴、気のせい気のせい 「絶対聞こえないフリしてるでしょー!!こらーっ!!!!」 「だぁー!もう、やかましいわ!!!」 バンッ!っと押入れを開ける 「うひゃぁ!><」 そこには、おどけた着物の女の子が居た。 「時代錯誤もいいかげんにしろ!今の世の中着物のヤツなんていねぇ!!!!」 「つ、ツッコミどころ、そこっ!?」 「とにかく、ここは俺が住む場所なんだからかくれんぼしてないで出て行け!!」 細く、白い少女の手を?もうとする スカッ 「はぁっ!?」 細く、白い少女の手を?もうとする スカッ 「・・・・・・・・」 細く、白い少女の手を?も スカッ 「あ、あのー、私、幽霊なんで、つかめませんよ?」 スーッ、パタン 「あ!だからぁ!!無視しないでくださいよぉー!!!」 「俺は何も見て無いよー、何も聞こえて無いしー」 「こらぁー!!」 閉めたはずの押入れのふすまから、にゅーっと少女が生えてくる 「うわ!壁抜けするな!!」 「いや、私、幽霊ですし、ふすま開けられませんからー」 「じゃぁ出てくるな!」 「なんか突っ込みどころずれてるー!!><」 透明感にあふれる肌に、紅い着物の霊と男の最初の争いはさらに1時間続いたという 「で?霊、あんたはここの自縛霊なんだな?」 「は、はい・・」 持ってきた雑巾で畳の目に沿って丁寧に拭く男とその上を浮遊する霊 男は霊に尋問しながらテキパキと掃除を進めていた。 部屋は、どんどん綺麗になっていく、 「自縛霊が俺に何の用だ?」 「貴方が勝手に押しかけてきたんじゃないですかー!!出てけー!!!」 「いや、今この部屋借りてるの俺だし」 ジャーっと雑巾を絞り、手を拭きながら戻ってくる。 「むぅー!私はずっとここに縛られてるんですから私が先住者ですよー!?」 「道理でこの家、安いはずだな」 「そんなの知ったこっちゃないですぅー!!とにかく出て行ってくださいー!!!」 ぶーっと頬をふくらませる幽霊、良く見ると、、、結構かわいいのだった。 「お、あんた結構可愛いんだなw」 「そ、そうですか?」 意外なことを言われてちょっと唖然、 「いいねw俺カワイイ子好きだよ!」 「そんな、、カワイイだなんて・・・」 霊は頬を手で押さえ、もじもじと照れる 「あはは、ちょっと買出しに言ってくるわw 夕方には帰るからー」 「はいーいってらっしゃいーw」 ギィー、バタンッ 「ハッ!だまされた!?」 なにか部屋から飛んでくる叫び声を背中に受けながら、カンッ、カンッと男は階段を降りていった。 「あんた、あの幽霊アパートに住むことになったの?」 「お、やっぱ有名なのか」 アパートの目の前の神社、男はそこの巫女と話していた。 「そりゃーもう、住む人住む人を追い出す恐ろしいヤツよ?」 はぁーっとため息をつく まぁあんなヤツだしなぁーってか幽霊と同居したい人間はいないだろう むぅーっと頬をふくらませた霊を頭に浮かべながら思った 「確かに恐ろしいヤツだなw」 「その割りにあんた、楽しそうね・・・」 巫女はザッ、ザッと竹箒で玉砂利を慣らしてゆく 「そりゃー一人暮らし始めたばっかりだしなw」 「すでに一人暮らしじゃないけどねー」 一人プラス・・・・・なんだろう・・・・ 「幽霊の単位って何なんだ?」 「しらないわよ、そんなの」 んーっと方向違いなことで悩む男に呆れながら言った 「アレ、祓えないのか?」 「祓えるならとっくにしてるわね」 神社の力ってそんなもんか、とか男がボソッとつぶやくと巫女はキッと睨んだ 「ま、まぁあとで様子見に行くからあんたも早く買い物行ってきたら?」 「そうだな、とりあえず夕飯でも買ってくるか」 フラフラと男は歩き始める 「掃除終わったら行くからーそれまでに帰ってきなさいよー」 男は振り向かず、手を振って応えた 巫女は、そんなふらふらとした男にやっぱり少々呆れ気味にため息をつく 「まっ、私の近くだから、、ちょっとうれしいかな?」 ポツッと独り言をつぶやくと再び境内の掃除を再開した。 「ただいまー」 男はスーパーのビニール袋を手に帰宅した。 8月の終わり、少しずつ日の傾く時間が早くなってきた頃である。 とはいえ6時ではまだまだ外は明るい、部屋の中も明かり無しで十分であった。 「何やってんだ?」 ドサッとビニール袋を置く、男の言葉の先に、紅い着物姿があった。 じーっと壁を向いている、その背中にちょっとした哀愁が漂っていた。 「で、おまえ、なにやってんだ?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・騙されました」 ボソッとつぶやく 「誰に?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰でしょうね」 じーっと向こうを向いたまま男の方を見ようとしない 指でいじいじと「の」の字を描いている 「ま、いっか、土産買ってきたんだがいるか?」 ピクッ あ、反応した 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いりませんよ」 「そうかーそりゃー残念」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・お土産って?」 「線香」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いりません、お断りです。」 それだけ会話すると、男はそんなことを気にせず弁当を開けはじめた 「いただきまーす」 モグモグ・・・・・モグモグ・・・・ すさまじい気まずさなのだが、男はそんなことに鈍いのか、気にせず弁当を食べ始めた 5分経過 10分経過 15分経過 「ごちそうさま」 ペットボトルのお茶を1口飲むと空の弁当のビニール袋に戻す そこで思い出したように男は口を開いた 「そうそう、さっきはゴメンな、あんただって女の子だもんな」 ピクッ、また背中が反応した 「霊はかわいいと思うよ、からかったり騙したりするつもりで行った訳じゃないさ」 おもむろに霊を見ると霊がこちらをじーっと見ていた 「うそ」 「いや、ほんとだから」 「うそ」 「本当だって、かわいいよ?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・むぅ・・・」 そろそろ夕方が近いのか、男には霊の頬がちょっと朱く見えた 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 無言があった。 だがそれは、男と霊の無言ではない、もう一人と、霊の無言であった。 宿敵なんだろーなーとかのん気なことを思う男 その両サイドで女2人が無言の激闘を繰り広げている。 ちょっとした女の勘を見ず知らず、男はぼーっとそれを眺めていた。 男は、レールの上に立っていた。 長いレールだが、どこにたどり着くかは分かっている。 そんな、向こうの見える人生に、すこし嫌気が差していたのかもしれない そうして、男は家を出た。 約束は大学2年の夏から大学卒業までの2年半、人生において、最初で最後の「自分の道」だ。 すでに敷かれたレールを渡るのは難しいことじゃない。 いい高校、いい大学、いい会社、 男はそうなるのをもう見ていた。親に逆らう気は無い それが、男にとっていい人生だから。 この、2年半の自由で、自分に何が出来るのだろう。 自分の力で何が残せるのだろう。 ぼんやりと目を開けると、すでにあたりは暗く、霊がその上をふよふよと楽しそうに泳いでいた。 「どうも、俺の非日常」 「ん?どうかしたの?男」 初めて呼ばれる名前にちょっと照れを隠しながらも 「よろしくな、霊」 そういって手を差し出した。 「・・・・・・・・よろしく、同居人さん」 実際に触れはしなかったが、それでもしっかりと握り締めた実感があった。 ----------------------------------------------------------------------------- 霊(あー猫だー♪) 猫「ニャー」 霊(なでなでw) 猫「ニャーニャー♪」 霊(私がわかるんだーいいこw) 猫「にゃ?」 男「野良猫だな、でも飼う事は出来ない、ごめんな」 霊(猫さんも霊になれば一緒に飼えるよー♪) 男「縁起でもないこと言うなw行くぞ」 霊(はぁーい、またねー^^) 猫(にゃーw) 翌日 男「・・・・・」 霊(・・・・・) 男「昨日まで元気だったのにな・・・」 霊(うん、、、、) 男「これが世の常なのかもしれん、仕方ないとはいいたくはないが、、、」 霊(ん・・・・・・グスッ) 男「ほら、泣くな、野良でも、お前が覚えていればこいつは浮かばれるんだから」 霊(うん、、、、) 男「よしよし、死を目の当たりにするのは辛いよな」 霊(男は私を見捨てないでね。。私よりも先に居なくなったら嫌だからね) 男「分かってるよ、お前がこうして存在してるんだから、この猫ももしかすると霊になったりしてな」 霊(うん、、でも、この子はちゃんと成仏して欲しいな・・・霊って楽しいことだけじゃないから・・・) 男「ん、、ちゃんと成仏できるようにお墓つくろうな」 霊(うん、待っててね・・・) オチなし --------------------------------------------------------------------------------- 男「ん・・・・ん!?」 霊(あ、起きちゃいましたか?) 男「い、いや、お前何やってんだ、、って動けねぇ!!」 霊(あ、幽体と身体をちょっとずらしたので動けませんよー) 男「おまwwwwそんなことしていったい何する気なんだよ!!!」 霊(いやぁ、、ね?私だって年頃の女なんですよ?/////) 男「だ、だからどうしたって。。」 霊(知ってますよ?男さん、私と会ってからほとんどしてないの・・) 男「!?」 霊(半分以上は、私に責任がありますから、責任取らせてもらおうかと。。。。) 男「な、何する気だよ!」 霊(・・・・・言わせないでください/////) 文体変更 そうして、金縛りの男に霊は憑依する 男は誰かに身体をのっとられるような違和感を感じながら身を任せた。 男は思うように身体を動かせない。 精神をずらしたとか言っていたが、身体の感覚が2〜3センチ右にずれてる様だ。 「!?」 勝手に腕が動く、霊が動かしているのだろう自分の腕は、そのままジャージを脱がせ下着をずらした。 (んふふwやっぱり、男さんのは大きいw) 耳元で囁かれる甘い声、確かにここ1週間以上はヌいてない、 男のそれは、天井に向かって大きくそそり立っていた。 (クスクス、素敵w) ガクっと腕の力が抜ける、どうやら憑依を止めたらしくひょこっと霊が姿を見せた 綺麗で、妖しい、暗闇で分からないがちょっとだけ朱に頬を染めている。 (男の方って、実際の刺激が無いとイけないんですってね・・・) 「?」 霊は、熱を帯びた熱い目で男を見つめた シュルシュル・・・・ そんな音が上のほうでしていた。 霊は男の真上で背を向け、自分の幽体の一部ではあるが服を落としていく 掻き揚げた長く、綺麗な髪 細い首 滑らかなうなじ そして、小さな背中 男はその姿に見入ってしまった。 (あまり、いい姿じゃないんですが、ガッカリしないでくださいね?) 服を脱ぎ、生まれた姿に戻った幽霊がちょっとだけ振り向いて言った 「そ、そんな、ガッカリするとか、」 胸の前で腕を組み、霊は恥ずかしそうにこちらを向く 男の視線は、その柔らかそうな、巫女よりもふくよかな胸に釘付けになった。 (。。恥ずかしい) 霊は顔を真っ赤にして視線をずらす。 「ムリ、しなくていいんだからな?」 男は何か言葉をかけたかったが、あまり気の利いた言葉は出なかった それでも霊は、その言葉を聞くと目を細め、幸せそうにする。 (恥ずかしいけど、幸せなんですよ?私) そして、男は地獄を知る (クスクスクスクス) 霊は、何かに取り付かれたように嗤っていた 「なぁ、、霊、、」 (だぁめwまだダメですよー?) 霊は男のものを撫で上げる 霊には実体はない、よって感覚は無いのだが。。。 「ふ、ふぁぁぁ!」 男は苦しそうに喘いだ (男さん、カワイイwクスクスクス) 再び男のものを撫で上げる、優しく、大きく。 男の声が跳ねる 人間の身体と、感覚を良く知っている霊ならではの攻めだった。 人間の身体は、触れていなくても、視覚だけで触覚をイメージして錯覚を起こす場合がある。 眉間に指を指すと触れていなくても圧迫感を感じるように・・・ 男は何も触れられていない だからこそ、絶対にイけない。 そこにあるのは、霊の嗤い声だけである。 「霊、も、もうダメだ・・・・」 男の精神が悲鳴を上げた 3時間、霊はこういった焦らしを続けている 最初は撫で上げるだけだったが、その後、自分の胸、口を使い 感覚を飽きさせない見事な攻めを続けた (まだ序の口ですよぉ?こんなくらいで音を上げられても困ります、クスクス) 人が変わったような霊、これが幽霊の本性なんだろうか・・・ (男さんには可哀想ですけど、私は実体ありませんから。男さんをイかせられないんですよぉ、クスクス) そういいながらも、男のモノを美味しそうに口に差し込む 全く触覚が無いのに、本当に触れられているかのように気持ちがいい 小さな舌で裏スジを舐め、先を舐め、大きく口に頬張る 「げ、限界だ。。頼む、霊!!」 ピタッと霊の動きが止まった (仕方ないでふねぇ・・・) 「?」 口にくわえたまま、呟き、霊が身を起こす 男のほうでなく、横を向き、髪を掻き揚げながら言った 「貴女もそろそろ限界なんじゃないですかぁ?」 男の目線だけが部屋をさまよう 「え!?」 そこには、熱っぽい目をした巫女の姿があった つづかない ---------------------------------------------------------------- 霊「ね〜ね〜」 巫「なんですか、いきなりやってきて」 霊「二人で何処か行かない? 水入らずで」 巫「あなたが何を考えているか分かりませんので、真意を教えてください」 霊「最近秋になっていい季節だから温泉に行こうと思っただけ、日帰りで」 巫「温泉、ですか」 霊「ついでにあなたと私のどちらがプロポーションが良いかも確認したいし」 巫「そっちが本音ですね、というか傍から見ると独り言ブツブツ呟く女の一人旅行ですよ?」 霊「私にはかんけーないしぃー」 巫「いえ、私にも一応築き上げてきたものがありますから」 男「っていうか実体の無いプロポーションって変え放題なんじゃないか?」 霊「チッ・・!!」 巫「ちょっと!!!なんか今舌打ちしなかったっ!?」 男「ま、いいや、二人で戦っておいてくれ、俺は買い物行ってくるわ」 霊「ちょっと!戦火を広げておいて逃げるなー!!!」 男「お、商店街でクジやってんのか。なになに・・・一等はペアの温泉旅行か」 ゴソゴソ 男「一枚か・・・まぁ、やってみるか。一回お願いしまーす」 がらがら・・・ころっ 男「赤色・・・商品は・・・うぇ、マジかよ!?」 からんからんと寒空に鐘の音が鳴り響いた 男「驚け、霊!!」 霊「おかえりって・・・なに?」 男「ktkr!」 ぐわしっと2枚のチケットを霊の目の前に突きつける男 霊「ん、なになに・・・ペア温泉旅行券・・えぇぇぇぇぇ!?」 男「ふっふっふ〜、商店街のクジで当てちまったぜ」 霊「男、すっごーい!」 男「だろー?」 霊「でも誘う相手いないよね」 男「それを言うなそれを・・・」 霊(む、ちょっとアレだけど巫女の人を・・・んー、でもなぁ、うむむ) 男「ああ、巫女さんとか誘ったらくるかな」 霊「・・・」 男「う?」 霊「んー、べっつにぃー?いいんじゃなーい?」 男「間に何かあるような気がしないでもないが・・・期限は無期限だし、今度誘ってみっかな」 霊(うー、男と一緒に温泉は嬉しいけどちょっと複雑な気分かな・・・) 男「ふんふふんふふーん、今夜はごちそーだ」 霊「ごちそうっ!わーい♪」 巫「で?何?」 男「いや、まぁ、その、温泉旅行当たったから一緒に行かないかと思って・・・」 巫「ふぅーん?なんで私なの?」 男「え?」 巫「霊と2人で行ってくればいいのに」 男「いや、まぁそれはそうなんだが・・・」 巫「霊だってその方が喜ぶんじゃない?」 男「むぅ・・・・」 巫(私もバカだなぁー) 男「まぁ正直巫女と一緒に行きたいってのはあるけどな」 巫「えっ?////」 男「いつも世話になってるから、そのお礼だ」 巫「男と一緒の温泉旅行がお礼ねぇー」 男「いや、そういうわけじゃねぇよ!」 巫「ま、せっかくだしねwありがたく頂戴するわ・・・見張りも兼ねて(ボソッ」 男「見張り?」 巫「こっちの事だから気にしないで」 男「はぁ・・・・」 男「準備は終わったのか?」 巫女「そんなの、特に持っていくものも無いわよ。そんな温泉旅行くらいで大げさな・・・」 男「確かに浴衣あるしなー着替えすらも無くていいかもしれん」 巫女「さすがにそれはちょっと・・・・」 霊「男ー私も準備できたよー」 男「って、霊、お前は準備も何もないだろうがw」 霊「そんなことないよぉ?私は土地に憑いている自縛霊ですからぁー土地から離れられないのー」 巫女「それはそれは、大変ねぇw」 男「おいおい、行けるのか?」 霊「だからぁーそのための準備!」 巫女「移動できるの!?」 霊「なに、その不満そうな顔ー」 巫女「・・・・・・チッ」 霊「というわけで、男に憑いてますー離れたくても離れれません/////」 巫女「ちょ!ちょっと!霊っ!!!」 男「そうなのか?俺はべつにいいけど・・・ 霊「では、お言葉に甘えて・・・/////(ニヤニヤ」 巫女「グッ・・・・」 霊(計画通り!!) 男「にしても、見事に普通な温泉街だなー」 霊(そうですね〜なんというか、典型的〜 巫女「温泉街なんてそんなものでしょ?温泉卵に温泉まんじゅう、見たことも無いヒーローの宇宙防衛隊セット・・・ 男「うぉぉ、まだこんなもの置いてあるのか・・・ 巫女「で?今日泊まるところも典型的? 男「だな、調べたら人気上位の温泉宿だった。福引ではよくあることだな」 巫女「んー、クイズ出していい?」 男「えらい唐突だなw」 巫女「あるところにコンピューターおばぁちゃんがいましたw」 男「うぉwなつかしいwww」 巫女「その明治生まれの博識なおばあちゃんを尋ねて、はるばると私は会いに行ってきましたw    家に着いたのはもう深夜もいいところで、家族が留守だったおばぁちゃんの家は真っ暗です。    おばぁちゃんに聞くと、今、一番強い想いを打ち込めばその願望を叶えてくれるそうなのです。    真っ暗な部屋の中、おばぁちゃんのキーボードに必死に打ち込みました。    その後、私が帰る時に、おばぁちゃんの声が頭に響きました。    'あんたの想い、ちゃんと受け取ったよ。「らからのらきちとなのに・・」だね、それじゃw'」 男「はぁ!?」 巫女「さて、私はなんて願ったでしょうかw」 霊(こんぴゅーたーおばぁちゃん???) 女将「ようこそお越しくださいましたー」 男「おぉ、良い部屋だ!」 巫女「ホントw 女将「お風呂はお部屋を出まして廊下のつきあたりにございますので・・・・」 霊(おっふろーおっふろー♪) 女将「あと、露天風呂のほうは一部屋につき1時間だけ貸切にできま」 巫女「ぜひともお願いします!////」 霊(あ、あぁ!!!) 巫女「フフンッw」 女将「承知いたしました(くすくす」 霊(むぅー、) 巫女「ん?何怒ってるんだ?霊」 霊(なんにもないですよー、男ーとにかくお風呂入りに行こー) 巫女「霊、プロポーション勝負するんじゃなかったの?こっちに憑きなさい」 霊(いやぁー、どうせ後で貸切風呂あるんだからいいじゃん、男、早く行こー) 男「お、おう。って今度は巫女、お前がなんで怒ってるんだ?」 巫女「なんでもないですよー」 男「???」 男「おぉー広いなぁーってこっちも貸切だw」 霊(ですねーw) 男「って、霊!おまwいつの間に脱いだ、っていうか脱げるのか!?」 霊「幽霊は精神体だから服装くらい簡単に変えれますよぉー) 男「着替えいらずかw便利だなぁ。」 霊「男さんも幽霊になったら出来ますよ?w) 男「ちょっと遠慮かなぁ、お、良い湯加減だw」 霊(私も入ろー、ふぃー) 男「って、霊は感覚ないだろうがwww」 霊(いえ、男さんの肉体を依り代にしてますからちょっとは感覚あるんですよ?) 男「そうなのかー」 霊(男の人の体の感覚は、やっぱりちょっと慣れませんが////) 男「ん?じゃぁ巫女に憑いたらよかったのに・・・・」 霊(いぇ、男さんに憑いておきます、色々と都合があるんですよ////) 男「ま、いいや、気持ち良いしな」 霊(そうですねぇー一人の巫女さんは可愛そうですねー(ニヤニヤ ) 巫女「・・・・・・・・・男のバカ・・・・」 巫女「・・・・・・・・・はぁー、和む・・・」 巫女「やっぱり一人はいいわねー」 巫女「広い大浴場を一人で占領ってなかなか出来ないわー」 巫女「・・・・・・・・・はぁー」 巫女「・・・・・・・・・・・・・・・グスッ」 巫女「・・・・・・・・・・・・・・・・ハァ」 霊(元気にやってますかぁー?) 巫女「せっかくの一人風呂を楽しんでいたのになんで来るのさ・・・・」 霊(あ、そうですか?じゃ、楽しんでくださいねーw) 巫女「ま、ちょっと待ちなさい」 霊(えぇー?お邪魔しちゃ悪いですしw) 巫女「いいの、別に、霊が増えたところで何も変わらないしね」 霊(むぅー) 巫女「で?どう?向こうの様子は」 霊(ポッ///////) 巫女「ちょ、何よ。言いなさいよ!」 霊(だって、男さんったら私の事ずっと見てるんですよ、恥ずかしくて逃げてきちゃいました/////) 霊(私、男さんの体と今繋がってますから、こう、、違和感がわかるんですよ。) 巫女「い、違和感?////」 霊(なんとも言いがたい違和感です、男さんったら私の身体を見て・・・・/////) 巫女「見たいなら。。言ってくれれば・・(ブツブツ」 男「あいつ、からかいに行ってくるって言ったけど、大丈夫か?」 霊(ただいまー) 男「お、おかえり」 霊(男さん・・・・・・/////) 男「ん?どうした?」 霊(男さんは、大きいのと小さいのとどっちが好きですか?/////) 男「・・・・・・・・・・・はぁ!?」 男「おーい巫女、落ち込んでどうしたんだ?」 巫女「なんでもないわ、なんでもないわよ・・・フフフフ」 男「なんかに取り憑かれてるのか?」 霊(あぁーたしかにある思念に憑かれてるね) 男「ある思念?」 霊(ある思念) 男「・・・・・????」 霊(それ以上は聞いたらダメ、私はいいけど巫女さんがないちゃうからw) 巫女「霊に負けた、霊にすら負けた、、霊に負け・・・(バタッ」 男「おい!巫女、大丈夫か!?逆上せたのか!?」 巫女「ふぇ、男ー、霊が虐めるー」 霊(なっ!誰も虐めてませんー!!!無い人が悪いんですよ!!) 巫女「な、無いわけじゃないもんっ!!!それに!求められるのはバランスだから!!」 霊(負け犬さんの遠吠えですねぇwwクスクス) 男「お、飯がもう付いてる」 巫女「おー、福引にしては頑張ったねー」 霊(おいしそー♪) 男・巫女「いただきますー」 男「おぉ!うめぇw」 巫女「・・・・・」 男「ん?巫女、どうしたんだ?」 霊(・・・・・・) 男「???」 巫女「ねぇ、霊?せっかくだから貴女も戴く?/////」 霊(そ、そうですね、ちょっと憑かせてもらいますよっと/////) 男「???どうしたんだ?」 巫女・霊「な、なんでもないですよ?男さんはいっぱい食べてくださいね?」 男「言われなくても一杯食ってるよ!ん?この黒いのなんていう料理なんだ?」 巫女・霊「ヤモリの黒焼きですよ・・(ボソッ」 男「ヤモリ?また珍しいものをwでも美味いからいいやwお前らもちゃんと食えよ?」 巫女・霊「は、はいっ!!覚悟しておきます////」 男「ただいまー」 霊(ただいまですぅー) 巫女「おかえりwこんなときにメールチェックしなくてもw」 男「いやぁ、PC自由に使えるって言うからちょっと見たくなってなw」 巫女「ソワソワ」 男「ん?巫女、どうしたんだ?」 巫女「べ、べつに?」 男「そうかー??」 女将「男様ー露天風呂の準備が出来ましたー」 男「あ、そういえば忘れてた、はいーありがとうございます」 巫女「あっ・・・」 男「ん?どうした?」 巫女「・・・別に。。なんでもないわよっ」 男「そうか、ほら、早く準備しろ。時間なくなるぞ」 巫女「え?」 男「露天風呂楽しみにしてたんだろ?」 巫女「たしかに楽しみにしてたけど、、、男は入らないんでしょ?(ボソボソ」 男「何言ってんだ?入るに決まってるだろ」 巫女・霊「はい!?」 男「女一人で貸切露天風呂なんてちょっと危ないだろうが、だから、、付き合ってやるんだよ」 巫女・霊 唖然 巫女(ちょ、ちょっと!霊!!男ってあんなに物分り良かったっけ!?) 霊(知りませんよ!!!男さんって絶対にそういうことに鈍感だと思ってましたから!!!) 巫女(なんか変なもん食べたんじゃないのッ!?) 霊(............ヘンなもの?) 巫女・霊「・・・・・あ/////」 男「おいおい、いったい何二人で話してるんだ?俺先に行くぞ?」 巫女「わ、わかったからっ!ちょっとまって!!」 男「おぉー、すげーwwwww」 巫女「///////」 男「っと、巫女、先入れー」 巫女「は、はいっ////」 霊(巫女さん、身体半分乗っ取りますね、悪いことはしませんから・・・・) 巫女(仕方ないわね。。。せっかくの温泉だしね) 男「巫女ー俺ここの端っこでくつろいどくからのんびり浸かっていいぞー」 巫女「ふ、ふぁーい」 霊(絶対おかしいですって!!!男さんじゃないんですよ!中身変わってますよ!!!) 巫女(ま、、まぁ、いいんじゃない?////) 霊(そんなこと言ってたら巫女でいられなくなりますよ?) 巫女(そっそれはそれで責任とってもらうから・・///////) 霊(こらっ!私の男さんに手を出すな!!!><) 巫女「はぁーにしても気持ちがいいなぁ・・・星も見えるし...」 男「だなぁーこうやって3人で温泉入ってるのも不思議な感じだ」 巫女「ね、ねぇ、今日はちょっと優しくない?/////」 男「そうか?いつもと同じ調子だけど?」 巫女「むぅー・・ま、いいや。」 男「なんなんだよw」 巫女「ねぇ。。」 男「んー?」 巫女「い、いつまでも端っこにいないでこっちに来ない?」 霊(おwツンデレ巫女さんの割には大胆な発言wwww) 男「・・・・・」 霊(さぁ、ここで男さん、どこに出る!) 巫女「い、嫌ならいいんだけど・・別に来て欲しいわけじゃないし(ボソボソ」 男「ま、折角だしなwご好意に甘えるとしましょうかw(ザバザバ」 巫女・霊(マジでキタ━━(゚∀゚)━━!!!) 男「お、こっちはほんとに満天の星空だなw」 巫女(わ、私そろそろ限界ッス!!!) 霊(巫女さん!!何テンパッテルんですか!!!) 巫女・霊「そっ、そうですねー」 巫女(あ、あんただってなんか話し方おかしいわよ!!!) 霊(気のせいッス!!!アワワワワワ) 巫女(落ち着けwwwwwww) 男「はぁーーーっやべぇーーーっ」 巫女・霊(ビクッ!!!! 霊(男さん、何がですか?) 男「い、いや、なwあまりに気持ちよすぎて思考がどんどん鈍ってる気がするからなw」 巫女「ま、皆おんなじよww」 男「幸せだ・・・・」 巫女・霊「・・・・・・・」 男「ん?なんかおかしいか?w」 巫女「そんなこと無いと思うわよ?」 霊(私たちも同じですからw) 男「・・・・・そっかw」 巫女「(男の横に移動して)・・・・そうよ、幸せなの////」 霊(土壇場でいい根性してますねwwwww) 巫女(半分くらい取り憑かれてる私たちは、もはや運命共同体なのよ!) 巫女「だから、幸せついでに。。ちょっとだけ目を瞑ってね?」 男「・・・・・ん」 巫女・霊「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・チュッ」 男「!?」 巫女「も、もう時間よ!?早く出ないと次の人来ちゃうんだからっ!!////」 霊(で、でわー私たちは先に出て着替えますね////) 男 「呆然・・・おい、湯船でいきなり立ち上がると立ちくらm・・」 巫女 フラッ・・・・・ザバーン ブクブクブク 霊(きゃーっ!!巫女さーーん!!!!) 巫女「ん.....」 男「お。気が付いたかw」 霊(大丈夫ですか?いきなり無茶するからwww) 巫女「ここは、、、部屋!?」 男「はい、安静安静」 巫女「フラッ・・・・あぅぅ・・」 男「お前、露天風呂でのぼせて倒れたんだぞ?」 巫女「あ、あぁーそういえば。。。って、着替えは?今浴衣着てるけど・・・」 男「・・・・・・・・・//////」 霊(男さんが隅から隅まで身体拭いて着替えさせてここまで連れて来たんですよ(ニヨニヨ) 巫女「ふぁ。へ?はい??////」 男「あのまま放っておいて次の人入って来ても問題になるし他に人手が無かったからな・・・スマン」 巫女「い。いぁ、私が倒れたんだし。別に・・・」 男「そ、、そうか。。」 巫女「べ、別にね・・・・・」 霊(何かのデンパをキャッチしました、身体半分くらい貸してください!) 巫女(・・・・・・・後でね) 巫女「男になら、、、、別にいいよ?身体見られても・・・・」 男「巫女・・・・」 巫女「ヒャウッ・・・・・・・」 男「・・・・・・・・・・・・・・・ま、ダメだなw」 巫女「な。。。なんで???私じゃ、だめ????」 男「ほぃ。ちょっと立ってみれw」 巫女「ん???・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グラッ、バッタリ」 男「こんな身体で言うもんじゃねぇよw」 巫女「あ、、あわ、わわわ、、、、」 霊(さすが巫女さん、土壇場に強くて自爆ww) 巫女「ご、、、ごめんなさい・・・・」 男「いいよ、ま、気長に待ってるから」 巫女「・・・・・・ぅん////」 男「想いと願い、現実と理想。だから、待ってるよ。」 巫女「??・・・・・・・・ウン    ウトウト・・・・」 チュンチュン・・・・・ 巫女「・・・・・・・ふぁ。。良く寝た」 霊(おはよー、回復したみたいねー) 巫女「なんとかね・・・/////」 男「お、起きたかー」 巫女「あ、、、おは、、おはよう。。。」 男「おはよw」 巫女「あ、あぅぅ。。////」 男「どうした!?まだ、体調悪いのか!?」 巫女「そ、、そんんなんじゃないからっ!だ、大丈夫!!」 男「ほんとかー?」 巫女「き、昨日の事なんだけど・・・」 男「あ、昨日なぁwスマンかったなw気が付いたらお前は寝かけてたし、焦ったぞ」 巫女「いや、、私のほうこそ、、、倒れたりしたし・・・」 男「え?お前もか!?」 巫女「ふぇ?」 霊(ご説明しますー) 男・巫女「霊!?」 霊(えっとーまず、昨日の夕飯直後に男さんがメールチェックに行ったじゃないですかぁー) 霊(そのときに男さんがいきなりぶっ倒れましてぇ・・・) 男「あぁ、そういや昨日の記憶そこらへんからねぇわ・・・・」 巫女「はいっ!?」 霊(で、私が騒ぎになる前に乗り移って動かしたんですよー) 男「あ、そうかー道理で。。助かったよ、霊、メールチェック直後にぶっ倒れたのか、俺・・・」 霊(いぇいぇ、、男さんの役に立てたならそれで・・・・////) 巫女「・・・・・・・じゃぁ昨日は、、、、霊が動かしてたの・・・・????」 霊(ニヤリ・・・・いぇーその後巫女さん一人で露天風呂行って帰ってきたと思ったらのぼせてバッタリじゃないですかーw) 巫女「はいっ!?」 霊(あんなに一人ではいるの危険だって言ったのにぃ。(ニヤニヤ) 巫女「・・・・・・・・あんた。。。」 霊「ゆーれい舐めると怖いんですよ?wあと、近距離なら身体を分断するくらいワケないんですよ?w」 男「おーい、帰る準備しろー」 帰り道 〜電車〜 男「にしてもなんか中途半端な感じだったwまた来ようぜー」 巫女「そうねぇ。。ってまた福引?w」 男「今度はちゃんと稼いでこようぜー」 霊(値段下げるなら私が頑張りますよwあの手この手で評判を・・・) 男・巫女「やめれw」 霊(わかってますよwどうせ私は人数に数えられないんですし・・・・フンッ) 男「ま、とにかく、また来よう。。3人でな。」 巫女・霊「うん!」 エピローグ 巫女「で、あのクイズの答えわかった?」 男「・・・・・・あぁ、あのクイズか」 巫女「分かった??/////」 男「絶対言わん、こういうのは2度といわないって思った」 巫女「????」 男「ちなみにあんなベタなのはクイズとは言わん、」 巫女「分かったの!?」 男「秘密だ」 巫女「なんでさっ!」 男「お前が覚えて無いからだ。」 巫女「私、聞いた!?」 男「ちゃんと返事してたからな」 巫女「orz」 男「ほら、何やってんだ、今から飯作ってくれるんだろ?」 巫女「あぁ!ちょっとまってて!支度してくる!!!キャッ!!バターン」 男「あぁー派手に転んでww    ・・・・・そのワガママ、気長に待っとくよ、   その日はきっと幸せよりも悲しい別れの日だろうけどな。」