第3話 若き錬金術師(アルケミスト)の憂鬱

今回予告

「力を貸してほしい――」
 死神と揶揄された青年は、四人の若者達にそう告げた。
 アルカナの手掛かりを掴むべく、ミラ達は旅をすることとなる。人と魔が共に生きる地にて、男は待っていた。己と同じく、若くして過酷な運命を背負わされた少女を――
 そして、アルカナを求めて暗躍する二人の冒険者の姿があった。彼らの目的とは?
 アリアンロッド・アルカナ第三話『若き錬金術師(アルケミスト)の憂鬱』
 冒険の舞台が君を待つ!

登場人物


PC


砂嵐(ハムシーン)メンバー

  • グレイ(ドゥアン(天翼族)、男性、年齢不詳)
 後ろめたい気持ちに苛まれながらも、ミラに運命を託した。
 団員の朝食やお弁当は、彼が作っている。PIYOPIYOエプロンが似合う家庭的な男。
 しっかりと栄養バランスを考えているらしい。たまに、火をつけっぱなしで出かけてしまう。

  • リーゼロッテ(ヒューリン、女性、15歳)
 カルロスのお弁当作りに夢中なグレイを呼びに行った。
 つけっぱなしの火を消すなど、細かい気配りができる、頼れる妹。

メアンダール住人

  • ササメ・ユウナギ(エルダナーン、女性、年齢不詳)
 敏腕メイド長。倉庫に忍びこんだ二人の冒険者を圧倒し、フィールを襲った何者かを一瞬で消し炭にした。
 デッキブラシを持たせたら、右に出る者はいない。絶対にササメさんを怒らせてはならない。

  • カイツ・レガイン(ドゥアン(有角族)、男性、57歳)
 ルクスに、彼の父親が持っていた古びた剣を託す。どういうわけか、剣は抜けないらしい。
 ルクスに店のことを心配されるが、凄腕の神官戦士であることを告げる。

アマル住人

  • シユウ・セイエン(ヒューリン、男性、27歳)
 アマルを統べる若き錬金術師。街の財政は、彼の錬金術によって支えられている。
 アルカナの捜索を手伝う代わりに、『プチイズモたん』の捜索と『あるかなしーかー・はいぱーイズモたん』の護衛をミラ達に依頼する。
 チラリと見える鎖骨がセクシーなイケメンであるが……

  • イズモ・ソ=バー(エクスマキナ、女性、稼働7年)
 シユウのパートナー的存在。度々暴走するシユウに向けて、錬金馬で《ラッシュ》をぶちこむ。
 うどんよりもそばの方が美味しいデス。そばがベストに決まってマス。

  • ペペロンチーノ(エクスマキナ、女性、稼働6年)
 シユウのもとで働いているエクスマキナの少女。ゴスロリ服が似合う女の子。
 語尾に「~なのです」をつける。パスタ派なのです。うどんは許さないなのです。

  • カルボナーラ(エクスマキナ、女性、稼働6年)
 シユウのもとで働いているエクスマキナの少女。ゴスロリ服が似合う女の子。
 語尾に「~ですの」をつける。パスタ派ですの。うどんは許さないですの。

  • マイケル(魔族、男性、年齢不詳)
 シユウのもとで働いているハゲンティ。グレネードの可能性を追求している。

  • ボブ(魔族、男性、年齢不詳)
 シユウのもとで働いているザガン。シユウの薬でドーピングをしている。

  • ユージェン(魔族、男性、年齢不詳)
 街の財政を支えるべく、他の街に出向いては焼きそばを作っている。
 うどんも好きだけど、焼きそばの方がもっと好きだよ。

その他

  • アーラ(魔族、女性、年齢不詳)
 アルカナの一人で、塔を司っている。第一話に出てきた壺に封印されていた。
 不完全な状態で解放されるが、ミラ達によって撃破され、シユウによって再封印された。
 名前を出せなかったのが心残りである。

  • アステール(ヒューリン、男性、20歳)
 星を司る青年。まだ力に目覚めたばかりのため、アルカナとしては未熟である。
 水系統の魔法を得意としており、ある程度の神聖魔法も身につけている。
 水使いだが、熱い性格。名前を出せなかったのが(ry

  • レイシャ(ヴァーナ(兎族)、女性、16歳)
 女教皇を司る少女。アステールと共に旅をしている。彼女もまた、アルカナとしては未熟である。
 弓の扱いに長けており、弱点を確実に射抜く才能がある。……が、ダイス運で残念なことに。
 アステールとは対照的で冷静。クーデレ。名前を(ry

  • アジシオ(ヒューリン、男性、37歳)
 サヌキに手紙を渡した神官。出番はもうないと思う。

セッションまとめ

 ミラ達が ロリコン 悪魔のロレンツォと戦っている頃、ディアマンテ商会の地下倉庫に二人の冒険者が潜入していた。彼らは、目当ての物である壺――以前、盗まれたものである――を手に取り、そのまま立ち去ろうとしたが、はち合わせたササメによって叩きのめされる。しかし、彼らの心情を悟ったササメは、アルカナの力におぼれないように忠告すると、壺を二人に託した。

 ミラはグレイとともに訓練をしていた。グレイへのダメージはまるで通らなかったものの、彼の言葉を聞いて、ミラは自分の腕が上がりつつあることを知った。
 訓練を終えて、ミラは一枚のタロットカードを託される。「アルカナの力に溺れるな」という言葉を、彼女は胸に刻むのだった。そして、「内に眠る人格を目覚めさせてはならない」という言葉を怪訝に思うのだった。
 そう、ミラはまだ気付いていないのだ。自分の中に眠る、どす黒い殺意の衝動に。

 ルクスがいつものようにならず者達を相手にしていると、いつも以上に真剣な顔立ちのカイツに呼び出される。カイツはルクスに対し、彼の父の形見である古びた剣を託す。彼は剣について思い当たる節があったのだが、未だ思い出せずにいた。そして、ミラという少女と一度剣を交えてみたいと胸を躍らせていた。
 また、店のことを心配するルクスであったが、カイツがかつて名を馳せていた神官戦士であったことを知り、安心して旅の準備をすることが出来た。

 フィールはディアマンテ商会の中庭でササメと話していた。そこに、フィールの命を狙った何者かが襲いかかるが、ササメはデッキブラシで刺客を一蹴する。フィールは、その刺客がかつてフィールが生まれた家の者達に雇われた者であること、そしてフィールの産みの母親がルネスで療養していることを知らされる。
 いつか母親と再会したい――そう思いながらも、明日の旅に支障が出てはならないと、フィールは寝室へと向かった。

 その夜は、普段よりも冷え込んでいた。そのためか、サヌキの屋台にはいつもより多くの客でにぎわっていた。 《フライト》をかけたインチキだが 食べると空を飛べるうどんは、すっかりメアンダールの名物となっていた。
 そんなサヌキのもとに、一通の手紙が届く。差出人は書いていなかったが、手紙にはそばのことが書かれており、差出人が誰かを悟り、ぶちのめすと心に決める。また、血文字で書かれたサヌキに対する愛のこめられた怪文章も同梱されていたのだが、こいつキモいドーンとスルーするのであった。

 そして、旅立ちの朝。アルカナ・フォースの面々は、エプロン姿のグレイに唖然としながらも、「アマルに住む友人のシユウ・セイエンに力を貸してほしい」と依頼される。アマルという街は、サヌキに届いた手紙にも書かれていた。そば派のアイツをブッ殺すドーン、とサヌキは意気込む。
 いざ旅立とうというところで、ルクスはミラに剣を向ける。お前の力を見せてほしい、簡単に倒れるようなら従う気はない、と。メアンダールのはずれにある街道で、二人は刃を交えた。ルクスの剣はミラに軽々とかわされ続け、ミラの二振りの短剣は徐々に鋭さを増して、ルクスにダメージを与えていった。勝負は圧倒的で、ルクスの完敗だった。しかし、やり遂げた男の表情で、彼は地面に大の字になり大笑いするのだった。この戦いで、フィールの中でミラの株が急上昇し、ルクスの株がガタ落ちしたのは言うまでもない。
 二人が戦っている頃、サヌキははるか先でラクダのスパゲッティ・ミートソースちゃんと屋台を開いていた。

 アマルへの旅路は順調だった。通行手形を砂嵐に巻き上げられるも、ミラとサヌキがそれに気づいてキャッチ、無事に街の入口へと辿り着く。アマルの入口には、ヒューリン恐怖症のセラトス、邪悪化が進んでいるようにしか見えないフィルボルのようなもの、肩に鳥を乗せた浮浪者のようなエルダナーン、デュワデュワ言いながら何かを放っている光の巨人がいたが、難なく入ることができた。
 一行は途中で以前敵対したアラストル、ユージェンと再会する。どうやら、今は街の財政を支えるべく、カルカンドで焼きそばの屋台を開いているらしい。サヌキはうどんの方が美味しいと敵意をむき出しにし、対決をすることとなる。しかし、フィールが味見をした結果、「それぞれにいいところがあるわね~」とのことで、結果は引き分けに終わる。
 シユウ・セイエンの研究所に足を踏み入れると、ゴシック・ロリータの衣装に身を包んだ二人のエクスマキナの少女が襲いかかってきた。二人の少女はサヌキを見るや否や、「うどん派は許さないなのです」「うどん派は許さないですの」と敵意をむき出しにした。フィールは思わず叫んだ。「こいつらキャラ作っててウザいわ! ミラ姐さん、ぶちのめしてよ」と。
 華麗な踊りで戦うペペロンチーノもミラの回避力の前には敵わず、神聖魔法の使い手のカルボナーラもうどんには敵わなかった。ザガンのボブもルクスの剣の前に倒れ、ハゲンティのマイケルは「やっぱグレネードはダメじゃん」と絶望するのだった。パスタが第三勢力となることは敵わなかったのである。
 戦いが終わると、錬金馬に乗った少女が奥にあった鋼鉄の扉をぶち破って、現れた。彼女こそが、サヌキに手紙を出したイズモ・ソ=バーである。敵意をむき出しにするサヌキの前に、イズモはそばの方が美味しいと言い張っていた。二人が口論をしていると、ファイアスロウワーを背負った青年、シユウ・セイエンが現れた。シユウはサヌキを見て暴走し出してしまったため、感動の再会とは至らなかった。
 イズモの何度かのツッコミで正気に戻ったシユウは、協力する代わりに『プチイズモたん』の捜索と『あるかなしーかー・はいぱーイズモちゃん』の運搬を依頼する。彼の残念なイケメン具合に呆れながらも、一行は引き受ける。そして、フィールは巨大なイズモの像を見て、シユウについて思うのだった。こいつイケメンなのにキモいと。

 トロッコの軌道が不安定なこともあり、運搬は難航するかのように思えた。しかし、サヌキの提案と一行の幸運が味方し、ほとんど損害を与えることなく運ぶことに成功する。途中、放し飼いになっていたメタルビーストやマジックキャノンといった人造生物が襲いかかってくるが、ミラは彼らの鋼鉄の身体を、まるでバターを切るかのように容易く引き裂いた。また、途中にあった罠も、苦手だと思いながらも解除することに成功する。
 遺跡の奥にあるシユウの屋敷に無事に運搬を終えると、彼の屋敷に何者かが侵入したことに気付く。厳重にかけてあったはずの鍵は原形を留めたままはずされていたのだ。以前のように、様子見のためにサヌキが蹴り飛ばされ、奥へと転がっていった。サヌキからの応答がないことを怪訝に思った三人は、すぐに向かったが、そこにはヒューリンの青年とアウリラの少女が何やら話し合っていた。
 冒険者と思しき二人は、見られたからには倒れて貰うと武器を構える。ルクスは話し合いで解決しようとするも、青年は何やら信念があるらしく、聞こうとしない。一方、少女の方はミラが胸ポケットにしまってあるアルカナの存在に気付く。それを渡すなら見逃すと言うが、当然ミラはこれを拒否する。それならば力づくで奪うまで、と二人と戦うこととなった。
 青年は魔術師で、水系統の術の使い手だった。味方を守るために青年の《コキュートス》の冷気の前に倒れるルクスだったが、彼は青年の内に眠る強い決意を感じ取る。少女は弓の使い手で、確実に弱点を射抜くような腕前を持っていた。ミラの隙を突いて彼女の急所を射抜こうとした時だった。ミラはアルカナを少女に向けて翳した。『運命の輪』のタロットは強い光を放ち、少女が放った矢はあらぬ方向へと軌道を変えていった。その力の前に、少女は思わず膝をついた。
 それから、勝負がつくまでに時間はかからなかった。青年は《プロテクション》で耐え続けるが、度重なる攻撃の前についに倒れる。少女は自分が疲弊していたこと、そして目の前で青年が倒れたのを目の当たりにし、弓を下ろした。
 二人の冒険者――青年アステールと少女レイシャは、ワケあってアルカナを集めているのだという。ある者のために集めているのだが、詳しくは口には出さなかった。刹那、アステールが持っていた壺から黒い影が現れ、二人が持っていたアルカナを奪う。黒い影はミラのアルカナも狙ったが、彼女は華麗な身のこなしでこれを避けることに成功する。
「厚かましいのは解ってる。だが、俺達にはあれが必要なんだ……」
 アステールは奪われたアルカナを取り戻してほしいと、ミラに頭を下げる。戦いで疲弊したアステールとレイシャを介抱している間に、ミラ達は逃げ去っていった黒い影を追うことになった。

 黒い影を追っていく最中、つい先ほどまで道を塞いでいたゴーレムが粉々になっていた。嫌な予感を胸に、ミラ達はその先へと向かう。
 そこにあったのは、奇妙な装置とその前にたたずむ黒い影だった。黒い影はやがて人の形を成し、一人の金髪の少女の姿となって現れた。まるで天使のように美しい少女であったが、何処か様子がおかしい。ただ、アルカナを狙って何か良からぬことを起こそうとしているのは間違いない。彼女は更なるアルカナを取り入れるべく、周囲の精霊達を操り、ミラ達に襲いかかってきた。
 天使を思わせるかのような少女――アーラが司るのは、塔のアルカナだった。崩壊や悲劇を意味するその力は、あらゆる行為を最悪の結果へと導くものだった。その能力と本人の格闘能力も相まってか、ジリジリとミラの体力は削られていった。だが、傷だらけになったミラの内に眠る人格が目覚め、また、彼女の持つアルカナの力により塔は弱まり、サヌキの放った石の弾丸が決定打となった。
 それでも、まだ倒れずにいた塔のアルカナは、何やら装置を操作しようとした。だが、突如背後から錬金馬に乗って現れたシユウの射撃攻撃で、再びカードの中へと封印され、奪われた星と女教皇のアルカナを取り戻すことに成功する。

 シユウ曰く、アルカナを探る装置の完成には、もう少し時間がかかるという。
 それまでは暫く療養を取るといいと言われ、温泉に入りたいというフィールの提案もあってか、ルネスに向かうこととなった。