★ 河村市長、来月辞職、再出馬へ ◆ 名古屋市選管の暴挙!⇒過去のリコール署名では氏名や住所などの一部に誤字・脱字があっても本人が書いたと推測できれば有効としてきた。しかし名古屋市選管は署名活動終了後に「本人が署名していれば書き間違いはあり得ない」として誤字・脱字がある署名は無効にする方針を明らかにした。◆ダイヤモンド・オンライン世論調査⇒82.9%が「名古屋市選管が下したリコール署名再審査の決断は間違っている」
2010年12月11日 (土) 15時31分46秒最終更新
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★【ニュース探求ラジオdig】「11/29(月)「N検 Digノート」地方自治
混迷あいち・なごや:リコール署名届かず(その1)河村市長「泣けてくる」毎日新聞2010/11/25中部朝刊
 ◇「後出しじゃんけん」 市議側改革へ「努力」
 名古屋市議会解散請求(リコール)で、有効署名が法定数を約1万2000人下回ったことを受け、河村たかし市長は24日夕、報道陣の取材に「泣けてきます」と述べ、市や区の選管への怒りをあらわにした。署名集めの中心となった市長の支援団体「ネットワーク河村市長」も同日、記者会見を開き「46万人の民意が踏みにじられていいのか」(鈴木望代表)と選管を痛烈に批判。署名した市民に縦覧期間中に異議申し立てをするよう呼びかけ、法定数の確保を目指すことを強調した。【高橋恵子、加藤潔】
 過去のリコール署名では氏名や住所などの一部に誤字・脱字があっても本人が書いたと推測できれば有効としてきた。しかし名古屋市選管は署名活動終了後に「本人が署名していれば書き間違いはあり得ない」として誤字・脱字がある署名は無効にする方針を明らかにした。
 市長は「後から基準を変えてもいいのか。後出しじゃんけんだ」と主張。4人の市選管委員のうち3人が元市議であることに触れ「議会のことだからといって自分たちで(基準を)決めるとは恐ろしい。独立行政委員会は市民の政治的自由を守るため中立にやるものだ」と語った。
 解散請求代表者の三宅功さんは「我々の手で政治を動かすチャンスが選管委員の暴走で踏みにじられようとしている。有効な署名を掘り起こすため、(署名した人は)異議申し立てに行ってもらいたい」と呼びかけた。ネットワークの福島啓氏弁護士は「(選管が)審査基準を非常に厳格に解したことが問題」として損害賠償請求訴訟も検討することを明らかにした。
 伊藤年一・市選管委員長は「追加審査の調査票に77%の回答をいただき、民意は反映された。審査に間違いがあったとは思えない」と語った。河村市長や支援団体が審査方法を問題視していることについて「署名を集める側がきちんと説明をして署名をもらっていれば、相手は正しく認識しているはずだ。説明していないから無効が増えた」と批判した。
 一方、横井利明議長は「届かなかったとはいえ、35万人を超える人がリコールに意思表示したことを極めて重く受け止める。日本一改革の進んだ議会といわれるよう努力したい」と語った。一方、ある市議は24%もの無効が出たことに「基準がどうという話ではない。リコール運動が混乱を招いたことは言い訳のしようがなく、市長の政治責任が問われる」と指摘した。
 ◇「正確な説明あれば」「対立でなく対話を」--市民の声
 市議会リコールを望んでいた名古屋市民からは、落胆の声が上がった。
 熱田区の主婦、桜井良子さん(72)は「無効になる場合について、署名を始める段階で市民にきちんと説明されていれば、結果は違ったかもしれない」と指摘。選管からの署名調査を受け取った桜井さんは「回答しなかったらどうなるかを選管に問い合わせたが『24日まで分からない』と言われた。これでは後出しじゃんけんだと思った」と憤った。
 市長が掲げる市民税減税恒久化に期待する中川区のパート、田宮麻利さん(38)は「河村市長に頑張ってもらうしかない」。中村区の会社員、藤井潔さん(60)は「議員は仕事をしていると思うが、人数が多く報酬も高すぎる。リコールで新議会にすべきだった」と話した。
 一方、千種区の男性会社員(63)は河村市長の政策に理解を示しながらも、「議会解散は強引すぎる。リコールがなくて良かった。市長は議会と対立するだけでなく、もっと話し合いをしてほしい」と注文した。【黒尾透、福島祥】
11/25中日新聞署名縦覧者相次ぐ 名古屋市議会リコール
各区役所の縦覧会場には、午前9時ごろから入れ代わり立ち代わり署名を確認する人が訪れた。「選管は議会に有利になるようにしている」と詰め寄る人もおり、会場は緊張した空気に。名東区では請求代表者の男性が開始時刻と同時に訪れ「なんでこれが無効なのか」と早速異議申し立ての手続きに入った。

◆ナゴヤ革命   毎日jp記事検索過去1年:《名古屋市議会 河村たかし》

NHKオンライン 市長の支援団体 選管を提訴へ 11月5日 6時5分
◆相川俊英:名古屋の既成勢力は何を読み誤ったのか?46万人超の市議会リコール署名が促す二元代表制の再起動    DIAMOND online   相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記
名古屋市議会リコール署名数43万人突破 2010年10月1日 02時00分 中日新聞
名古屋市議会の解散請求(リコール)に向けた署名の回収を進める河村たかし市長の支援団体「ネットワーク河村市長」は30日、目標とした43万人分の署名数を同日夕に突破したと発表した。さらに回収を続けて署名数を上積みし、10月4日に市内16区の選管に署名簿を提出する。   
    目標数は15%の無効署名があってもリコール手続きに必要な36万5795人分以上の法定数を確保できるとの設定。未回収の署名用紙(1枚12人分)が約7万5千枚あり、最終的に45万人分程度まで伸びる可能性がある。   
    ただ今後の集計作業で不備な署名を除外するほか、選管の審査で無効となる署名がどれぐらいあるかも不透明。有効署名数の確定は10月下旬以降となる見通しで、ネットワークの平野一夫広報担当は「まだ安心できる数字ではない」と話している。   
    1998年に神戸市で行われた神戸空港建設の是非をめぐる署名集めでは、選管に提出された約35万3千人分のうち約13%に当たる約4万5千人分が同一人物の重複や記入の不備などで無効と判断された。   
    河村市長は30日夕、報道陣の取材に「ここまで集まったのは、市民の心の中に議会は本当にこのままでいいのかとの思いがあったから。住民投票の実施までいけると思う」と自信を見せた。一方、市議会の横井利明議長は「率直に多いなと思う。選管で適正な署名簿の審査が行われることを期待する」と述べた。
★【ニュース探求ラジオdig】「9/28(火)「名古屋市で何が起きているのか?」神保哲生×河村たかし
ナゴヤ革命.pdf   河村たかしの名古屋政策   庶民革命・脱官僚
☆地域委員会モデル実施の概要(名古屋市HP)
☆河村たかしのホームページ





河村市長、恒久減税再提案へ 名古屋市6月定例会で
    名古屋市議会の議会運営委員会は7日開かれ、河村たかし市長は6月定例会を14日に招集すると伝えた。市は、これまで議会で再三にわたり否決されるなどした恒久減税、議員報酬半減の条例案をあらためて提案するほか、地域委員会の事業費を盛り込む一般会計補正予算案など計19議案を提出する。   
    市政の指針となる「中期戦略ビジョン」案も提出。事前に議会側の修正意見を反映しているが、市長の選挙公約を色濃く反映する内容だけに、細かな文言をめぐってせめぎ合いとなる可能性もある。   
    市民税10%減税の条例は昨年12月臨時会で成立後、2月定例会で議会が財源不足を懸念し「1年限り」と修正。市長が恒久化を目指した再修正案は4月臨時会で否決されたばかりだが、「1年限りでは減税と言えない。選挙公約に忠実でありたい」(河村市長)と再提案する。   
    議員報酬半減は年額1633万円(現在は特例で1513万円)を816万円とする内容。議会側は市長提案に対抗し、独自の削減案の議員提案を準備中。6月定例会での可決を目指している。   
    職員の賞与削減などに伴い、24億8000万円を減額する本年度一般会計補正予算案も提出した。市内8カ所でモデル実施する地域委員会が要望した防犯や防災などの事業費約7500万円も含む。(2010年6月7日 16時01分 中日新聞)
    二元代表制をとる日本の地方自治において、議会の役割は大きい。議会は自治体の最終意思決定の場であり、執行機関をチェックする機能を持つ、いわば地方自治の根幹をなす存在である。だが、その重要性に相応しい働きをしている地方議会は残念ながら、皆無に近い。税金のムダ使いや行政の暴走を防ぐどころか、議会そのものが民意から遊離し、ムダ使いの温床となっているケースが多い。議員はお手盛りで決めた高額報酬とさまざまな特典を平然と享受し、税金を貪り食う存在になり下がっている。




videonews.com マル激トーク・オン・ディマンド 第470回(2010/04/17)
職業政治家には日本は変えられない ゲスト:河村たかし氏(名古屋市長)
    国政時代に度重なる民主党代表選への出馬などで話題を呼んできた河村たかし氏が、今度は名古屋でひと騒動を引き起こしている。昨年4月に歴代最多得票数で当選、市長に就任したかと思えば、市会議員定数と議員報酬の半減案や、市民税の10%減税、市の権限を地域住民に委譲する地域委員会の設立を定める条例案などを立て続けに提出し、市議会と真っ向から対立しているのだ。   
    3月24日に閉会した名古屋市議会では、市長が提出した議員の定数と報酬を半減する条例案は73対1で否決された。賛成の一票は河村氏の元秘書だというから、市長の提案への事実上全会一致での拒否表明と言っていい。   
    かと思えば、こうした議会の対応を不服とする市長は、支援者らとともに議会の解散請求(リコール)に必要な署名集めの意思を表明するなど、こちらもまた全面対決姿勢を強めている。   
    そこで今週のマル激は、その河村たかし氏を名古屋市役所に訪ね、自らが「庶民革命」と名づける河村流改革の真意について話を伺った。   
    かねてより議員のボランティア化が持論の河村氏は、そもそも議員が税金で身分保障されることに日本の民主主義が成熟しない根本原因があると主張する。議員は身分保障されると長く続けることが目的化し、いつまでも議員を辞めなくなる。新人が当選しにくい状況になるし、二世や三世や国会議員秘書、特定団体の出身者らが議会の多数を占めることになる。市民の政治参加への関心は失われ、投票率も下がる。それをいいことに、議会は民意を反映させるのではなく、自分たちが特権を享受するためのお手盛り予算を通し続けるようになる。つまり議員の職業化が、政治の腐敗を招くというのが、河村氏の主張だ。   
    もともと国王のムダ遣いで重税をかけられるのを防ぐためにイギリスで議会が生まれたように、本来、議会の主要な役割は税金の使われ方をチェックすることだ。しかし、自分自身の身分が税金で保障され、特権化した議員は、税金をチェックする議員ではなく、チェックされる国王の側にいると河村氏は批判する。   
    また、河村氏は無駄を無くすためには減税がもっとも効果的だと説く。民間企業と違い、競争相手のいない行政には、よりいいものを少しでも安くという競争原理が起こらない。そのため減税で人為的に下降圧力をかけない限り、いつまでたっても無駄は無くならないというのだ。   
    しかし、河村氏の庶民市長としての真骨頂は、減税で市民に還元された税金がどう使われるかについての考え方だ。河村氏は、市民の手元に戻ってきた税金が、NPOなどの公益的な事業に使われることを期待しているという。   
    政治のボランティア化も市民税還元も、最後は「自分たちの地域は自分たちでつくる」という、河村氏が考える地域主権の理念に結びつく。そして、その根幹を成すのが、地域委員会だという。地域委員会とは名古屋市を小学校区単位に分け、各地域の市民から選挙で選ばれた委員が市から割り当てられた予算を使って地域の運営を行う制度だ。すでに市内8つの地区でモデル事業が実施されているが、これをさらに拡大しようと市長が提出した条例案を議会は否決している。   
    地域主権は「国のかたちを変える」と宣言して政権の座に就いた民主党が掲げる、重要な政策理念でもある。そして、民主党国会議員から名古屋市長に転じた河村氏が今、名古屋で直面している壁は、もしかすると今後日本が地方分権を進める際に、避けては通れない壁なのかもしれない。河村市長に名古屋プロジェクトの現状を聞いた。

関連番組   
    マル激トーク・オン・ディマンド 第101回(2003年02月21日)   
    なぜ政治は機能しないのか ゲスト:河村たかし衆議院議員(民主党)


テレビ朝日|サンデー・フロントライン 5月23日(日)放送
○“ナゴヤ革命”~「地域委員会」めぐる攻防~(リポート)相川 俊英 (ジャーナリスト)
議会の解散請求運動の先頭に、首長自らが立つ・・・河村たかし名古屋市長と市議会の闘いは異常事態、まさに最終局面を迎えている。

    これまで両者は、市民税10%恒久減税と議会改革(議員定数・報酬の半減、「地域委員会」の創設)をめぐり激しい攻防を繰り広げてきた。いったん通った市民税10%恒久減税条例だが、2月市議会で巻き返しに遭い1年限定に修正された。議員定数・報酬の半減と「地域委員会」拡大予算も否決された。   
    4月、河村市長は臨時議会を招集。2月に修正・否決された条例案をめぐる雪辱戦だったが、結局すべて否決・・・議員定数の半減を諦め、報酬の半減のみに修正提案した条例案も否決された。   
    完敗を喫した河村市長は、議会解散請求のための署名運動の先頭に立つという”禁じ手”を繰り出す。これは、直接民主制で選ばれた首長の施政を、間接民主制の議会がチェックするという「二元代表制」を自ら否定する暴挙でもあった。河村市長がそこまでしてでも実現したいもの・・・それは「地域委員会」だった。   
    「地域委員会」は、特権と厚遇で半ば稼業化した地方議員による地方自治システムを解体し、ボランティア議員による新たな地方自治のカタチの構築を目指す河村市長の、議会改革の肝だ。   
    我々は、河村市長が理想とする地方自治のカタチが実現した社会を、北欧に見つけた・・・その実像とは。   
    番組では、モデル実施が一部で始まった「地域委員会」の歩みにも密着。   
    河村市長が目指す”ナゴヤ革命”の成否を追跡する。



◆地域主権



住民が自治体の仕事・税を決められる「可変的な税システム」の構築
――国民や民主党の関心は薄れつつあるが、財政面でも地域主権や地方分権の重要性は高まってきているように思う。実現には、何から始めていけばよいのか。   
    今の地方財政のシステムは、“護送船団方式”だ。これは、総務省が枠組みを決め、財源を保障し、予算を確保、借金の面倒みるというやり方で、本来主役であるはずの住民や議会が全く登場しない「異常なシステム」である。   
    地方自治の本質は、自分たちで仕事を決め、それに必要なコストを税として負担するもの。毎年、仕事の量や質は変わるのだから、当然税率も毎年変わるべきである。米国やオーストラリアがそのよい例だ。だが、日本は基本的に税率を固定してしまっている。   
    日本は、そのメカニズムが全く作動しておらず、住民も無関心のため、財政破綻が起きるのだ。財政破綻は、議会や住民による税率調整が働いていれば、基本的に起きない。税率を可変的にさせるだけで物事は解決する。無駄な「箱物」もなくなる。つくるかつくらないか、借金するかどうかは、国ではなく、地元で決めるべきだ。   
    去年の民主党の政策集『インデックス2009』に書かれていたように、借金や税率は住民の代表である議会が決め、大きな金額については直接住民に意見を問う住民投票をするという形が、あるべき姿である。だが、アジェンダとして上がってこない状況だ。   
    それは、総務省にとって財政局、そして地方債課が命だからである。こんな時代になっても、地方債の権限にしがみついているなんて、お粗末だとしか言いようがない。

――そのほか、地域主権を実現するために行なっていくべきことはあるか。   
    現在、財政システム全体が、公共事業などのハード重視になっている。ハード事業は、総務省のお墨付きをもらって起債をするが、多くの場合、後で交付税が上乗せされる。つまり、自己負担が少なくて済み、補助金をもらっているのと同じ状況だ。   
    一方で、福祉や教育のようなソフト事業はそういったことが一切なく、冷遇されている。だからハード事業に勢いが傾く。つまり、地方財政システム自体が「コンクリート重視」なのだ。それを改めて、「コンクリートか人か」という選択を自治体ごとにできるような、イーブンの条件をつくるべきだ。

――国家公務員の見直しが問われている一方で、地方公務員の改革はどのように行なっていくべきか。   
    基本的には、地方公務員の給与の問題は自治体単位で決めるべきだ。だが、今は護送船団的で、国が人事院勧告を出したら自治体も「右にならえ」になっている。   
    地域主権改革が行なわれれば、国家公務員の給与水準と切り離して地方公務員の給与を論じる風潮が出てくる。「地域の給与水準と比較した場合、地方公務員の給与水準はおかしい」と議会が指摘すれば、問題は解消するだろう。   
    ところが、現在の体制下では議会がおぼつかないから、給与水準1つとっても、国に倣って右から左に流されてしまう。総務省が音頭を取るのは、まさに“中央集権的スタイル”と言ってもいい。   
    この問題は、一見地方分権改革と無縁に思えるが、議会改革や草の根ガバナンスを強化すれば、自ずと改まるもの。全く議会改革をやらないでいれば、一律に人件費がカットされることになり、その弊害が生まれることになる。これでは、自治でもなんでもない。   
    鳥取県も議会改革をまず行なうことで、人件費の問題などにメスを入れた。現業(守衛や運転手など)の給与について議案が議会から上がり、25%カットに至ったのだ。議会から一種の圧力がかかると、改革は随分やりやすいものだ。


「根回しはしない」知事と議会の“距離感”から改革を
――議会改革の実行は難しいかと思うが、どのようなことから始めていけばよいのか。   
    今の法制度・仕組みのなかでもできることはある。たとえば、首長が「根回しはしない」と宣言するだけでも大きく変わる。私自身は、最初の議会でその旨を表明した。また、名古屋市による同様の取り組みが、大きな改革につながっていることからも、その効果は明らかだろう。   
    だが、これまではほとんどの議会が対立を避け、「車の両輪」と称しながら首長と一輪車になってきたのが実態だ。   
    首長と議会は決して対決をする必要はないが、二元代表なのだから、本来議会は対抗軸議会になるべきである。議会との間に距離を置けば、議会は自ずと活性化するだろう。   
    また、選挙制度改革も1つの方法だろう。今の議会は、自分の損得ばかりを考える「選挙至上主義的」なところがある。だから、チェックも納税者の視点も感じられない。   
    そういったことを避けるために、市町村レベルの自治体議会では職を持ちながら議員をすることが認められるべきだろう。これは、すでに北欧で導入されている。そうすれば、議員にしがみつく人はいなくなり、次の選挙を気にしないため、納税者の視点で議論に取り組めるようになるはずだ。   
    さらに、国の地方債への関与や交付金の誘導装置をなくし、税率や起債を議会で決めざるを得なくして、議会を活発化させることが非常に重要だ。現在は、税率も借金も最終的には国が決めており、議会はやることがない。だから、「口利き」ばかりが横行するようになるのだ。   
    もし「口利き」が有効でなくなれば、議員はこれまで「口利き」で解決してきた個別の問題を普遍化し、政策課題として議場で論じざるを得なくなる。要するに、個別の問題を解決するのではなく、「システムを解決することによって個別の問題を解決する」ことが、本来の政治の姿である。こうした議会の姿を実現する改革こそ、地域主権改革のために、まず取り組むべきことだろう。

    浜氏は、現在、日本を覆うデフレは需要が供給を下回る通常のデフレとは異なる「ユニクロ型デフレ」とも呼ぶ現象だと言う。これは、グローバル化によって地球規模の安売り競争が起きた結果、モノの値段の低下が人件費を押し下げ、人件費の低下がモノの値段を押し下げるという悪循環を指す。ユニクロ型デフレの下では、経済が成長したとしても、貧富の格差が増し、貧しい人々の生活はますます貧しくなる。貧しくなった人々はますます安い商品に群がらざるを得なくなるため、更にユニクロ型デフレの悪循環の深みにはまっていくのだ。   
    浜氏は、こうした状況の下では、政党が経済成長を公約に掲げ、約束通りの経済成長が達成されたとしても、日本企業が中国などの新興国と安売り競争を続ける限り、人件費は下がり続けるし、格差は広がり続け、現在のユニクロ型デフレ状況は変わらないと言う。各党が今の日本経済の最大の問題と位置づけるデフレは、別の問題から生じている、という主張だ。そうならば、その根本問題に手当をしない限り、いつまでたってもデフレは解決しないことになる。   
    根本問題への取り組みが結果的に経済成長にもつながるだろうと浜氏は言う。そのためにはまず政治が、経済成長を吹聴するだけでなく、根本問題に対する処方箋を提示しなければならない。では、いたずらに経済成長を謳うのではなく、政治が経済や社会に対して本当にできることは何か。   
    浜氏はそこでカギとなるのが地域主権だと説く。まず政府が地域に権限を委譲した上で、地域に住む市民がお互いの顔が見える範囲で自分たちの問題に対する解を見つけそれを実行していく以外に、現在の日本社会が抱える問題を解決する方法は見あたらない。仮にセーフティネットの強化が必要という結論に達したとしても、それは国が一律に行うセーフティネットではなく、地域ごとのニーズを地域自らが考えて実行に移していくことが重要になる。政治にできることがあるとすれば、そうした枠組み作りくらいだろうと浜氏は言う。

    サンデープロジェクトの地方議会特集を見ました。元鳥取県知事・片山善博氏の「地方議会は八百長と学芸会」発言に基づいた北海道庁のルポ特集でした。地方自治体に身を置く側からの率直な感想を書きたいと思います。   
    まず、ちょっと長いですが片山氏の2007年の発言を引用してみます。   
    全国の自治体は約1,800 ありますが、ほとんどの自治体の議会では「八百長と学芸会」をやっています。「八百長」というのは、結論を「全国の自治体は約1,800 ありますが、ほとんどの自治体の議会では「八百長と学芸会」をやっています。「八百長」というのは、結論を決めてから試合をすることです。議会で議論をして物事が決まっていくのが本来の議会制民主主義ですが、結論を決めてから議会を開く。それは先程の国会でも、法案を通すことを決めてから参考人から意見を聞くというやり方については同じです。「学芸会」というのは、シナリオを決めてそれを読み合うということで、一字一句すり合わせをしたものを読む自治体もあります。一番ひどいのは北海道ですね」   
    まったくそのとおりです。まさに「八百長と学芸会」を粛々とやっています。(無駄なシナリオ作り。無駄な残業)ただ片山氏や番組のスタンスに違和感を抱いたのは、「八百長と学芸会」を止めてフリートーキングにすれば議論が闊達になって物事がうまく進む、という主張です。   
    個人的見解としては、「八百長と学芸会」に問題があるのは当然としても、かといってフリートーキングにしてしまうと議論が散漫になり、要点を得ないまま場当たり的な揚げ足取りだけが延々と続いてしまうような気がします。だいたい議員の一般質問には要領を得ないものが多くて、所管すら分からないものとか、そもそも国所管のものを平気で質してきたりするわけで。まあぶっちゃけて言えば一般質問自体、意味がないわけです。支援者の手前、「議会で役所に言ってやったぞ」くらいのレベルです。それすらまだマシな方で、サンデープロジェクトでも流れていましたが、「福田総理辞任に対する知事の所見」とか、「八百長」「学芸会」うんぬん以前にそんなやりとりは本当にどうでもいい。まったく意味のないことです。   
    それよりも議会運営で問題なのは、住民に直結するような重要な案件が委員会で審議され(実質的に)決定するという点だと思います。建前上は本会議で議決しますが、委員会で可決されたものは「異議なし」の一言で終了するので、実質的には、傍聴席も数席しかないような委員会で少数の委員で決定されるわけです。結果、根回しが横行します。   
    では、今のような密室議会じゃなくて、開かれた議会にするにはどうすればいいのか。まず下らない一般質問は止めて、議員も意見を述べたいならば、条例案を持ってくるようにすればよいと思います。また、役所側は否決されることを恥だと考えるのを止める必要があります。そして議員もしくは役所が上程した議案をすべて本会議で審議する。ですから半分くらい否決でも良いと思います。出来レースではなくて、まずは議論を俎上に乗せる、ということが重要だと思います。   
    なぜそれが重要かというと、衆目に晒すことによって、多くの人間が関わるからです。数名だけで議論をすると利害だけの議論になってしまいますが、大多数が議論に加わると、どうあるべきかという本質的な議論になって、より正しい方向に流れる可能性が高まります。(ウィキペディアはだいたい正しいのと同じ理屈です。)   
    田中康夫氏に始まり、東国原知事、橋下知事といわゆる「スター首長」が出てきています。彼らの政策や方法論、人間性に対し、個人的には賛同できない部分が多くありますが、ただ彼らの存在によって議論が巻き起こるということは、ものすごく重要なことで、有能な「スター首長」でなければ、沈没に向けて疾走を続ける地方自治体を変えていくことは不可能な時期にきていると思います。

「八百長と学芸会」
   
    国政で起きた初の本格的な政権交代。自民など保守系会派が第1党を占める大半の地方議会が直面する「ねじれ現象」は、じわじわと影響を広げる。選挙で支援した地元の国会議員を通じて要望を陳情する手法が壁にぶつかり、新たな「自治」を問うているためだ。   
    「自民党は袖にできない」。9月上旬、民主党本部で同党幹部と会談した全国都道府県議会議長会の金子万寿夫(かねこ・ますお)会長(鹿児島県議会議長)は漏らした。ただ「地方議会も変わるんじゃないか」とも続け、揺れる胸の内を明かした。
   

    ▽「学芸会以下」
   
    「ほとんどの議会は八百長と学芸会」。2年前、片山善博(かたやま・よしひろ)前鳥取県知事の政府会合での発言に一部議会が猛反発する騒ぎがあった。しかし、ある県の部長は「議員の質問もこっちが考える。学芸会以下だ」と話し、言葉通りの実態を認める。   
    全国市議会議長会の調べでは昨年、全国で市長が提出した条例など約10万4千件の議案のうち、99%超は原案通りの可決。議員提案の条例案は約1200件に過ぎない。   
    地方自治体では制度上、首長が優位に立つ。議会による予算案修正に制限がある上、首長には拒否権や、議会を招集せずに執行できる専決処分が認められている。議員をサポートする議会事務局も少人数のケースが大半で、職員は数年で執行部へ異動してしまう。   
    愛知県議と同県犬山市長を務めた石田芳弘(いしだ・よしひろ)衆院議員は「地方議員は与党の首長に万年野党として賛成するだけ。政策に生かせないのにあちこち視察するのは壮大な無駄遣い」という。国政のような議院内閣制とし、議員が政策と予算に責任を持つ仕組みをと訴える。
   

    ▽今こそ好機
   
    国の地方制度調査会は6月、議会の機能強化を答申した。しかし、首長側の消極姿勢などから、具体的な改革項目では先送りが目立った。ただ、今村都南雄(いまむら・つなお)中央大教授は「独自の運用で工夫できることも多い」と指摘する。例えば、議員も予算を伴う条例を提案することができ、乳幼児医療費の助成を広げた北海道余市町など実現例もある。   
    全国初の議会基本条例を制定した北海道栗山町で、議会事務局長を務めた中尾修(なかお・おさむ)東京財団研究員は「条例提案など今の武器を使いながら、議員は住民の中へ出て行く努力をすべきだ。住民も変わっていくはず」と話す。   
    通年議会や大学との協定、市民調査会など各地で変化が芽吹き始めた。今村教授は「中央が変わろうとする今こそ、地方議会を見つめ直すチャンス」とみる。「チェンジ」を生かすため、住民も無関心ではいられない。(共同通信社、文・岡部智也)

http://www.47news.jp/localnews/chiikisaisei/

◆新しい公共

最終更新:2010年12月11日 15:31