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*若い女性の急性下腹部痛 ***はじめに    多くのマニュアルでは(自分の病院の)婦人科をコールすることを前提にしているため、    簡易すぎるか詳しすぎるため、分院の自分のレベルでまとめてみた。   (画像は超音波が1st choiceなのに、まだ子宮付属器の同定が出来ない低レベルなので)    参考文献は、OCH、中部徳州会、Copeなど ***よくある一言シリーズ    若い女性の消化器症状のない下腹部痛なら→まず婦人科から。    ただし、妊娠悪訴は嘔吐を主訴とする。また、腹腔内出血による腹膜刺激症状で、吐気、便意、    肩の痛みが生じる。    腰痛だけの場合婦人科疾患の可能性は、極めて低い。    外科疾患より筋性防御が出にくい。「〜のわりにはお腹がやわらかい」らしい。    婦人科考慮したらKUBも。X-p、CTの前には妊娠反応を。    CTはorientationつけるのに造影CTがよい。    Stool impactionでも激しい左下腹部痛。    検尿で、妊娠反応と尿管結石を。浣腸でstool impactionを。(浣腸についてはどうでしょうか?)    LMP 最終月経 / PMP 2回前の月経 / Last sexual contact 最後の性行為 / PIDリスク /既往歴     / 同席者には外してもらうようにお願いする。 ***婦人科急性腹症の99%はこの8つのどれか。        子宮外妊娠    黄体性卵巣出血    卵胞性卵巣出血    チョコレート嚢胞の破裂    子宮付属器の茎捻転    子宮筋腫    骨盤腹膜炎(PID)肝臓周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)    排卵痛    (虫垂炎)    判らない時は上から順番に当てはめていけばいいらしい。 ***月経〜月経後数日以内なら(本当に生理か?聞いておく)    1. 子宮内膜症      i 初発だったり、最近の婦人科受診歴がなければ紹介状?。CTは他疾患の可能性との検討で?    2. チョコレート嚢胞破裂      i 月経困難症があり、急激な腹痛。炎症反応ないのに腹膜刺激症状がある(Chemical peritonitis)。       画像でもあまり出血はないのに腹痛は強い。      ii CT      iii 産婦人科へ送る。 ***月経終わって排卵日(13-15日)の間    1. 卵胞出血(卵巣出血)      i 通常、数時間で症状軽快。エコー:ダグラス フリースペース(少量) ***排卵日(13-15日)    1. 排卵痛・排卵出血      i この時期に突然発症する。ほぼ絶対に片側の痛み。帯下や性器出血があってもよいが        生理2日目よりも量は少ない。これ以上なら排卵出血ではない。数時間以内に軽快。 ***排卵後より月経前まで    1. 黄体出血(卵巣出血)      i ただし黄体出血の25%は妊娠反応陽性。正常妊娠も合併しうる。        薬やレントゲンは使えない→妊娠反応陽性なら妊娠、外妊評価のため産婦人科へ。                     妊娠反応陰性なら、大半の黄体出血は24時間以内に                     自然止血するためちょっと安心。         卵胞出血とちがいショックになることもある。 性交後の発症もポイント。      ii 中部徳州会によれば、出血量が少なければ保存療法。      iii Torsionとの鑑別はこちらは腹水や腹腔内出血がはっきりしていること、凝血塊が        あることだろうか。Torsionも卵巣腫瘤の周りがHighになる。 ***月経が始まるはずの頃    1. 子宮外妊娠    2. 妊娠可能年齢の女性の突発する下腹部痛。      i 妊娠反応は陽性になる。      ii 血性/茶褐色の帯下      iii 最終月経が普段の生理と様子が違っていた(量が少ない、期間が長い)という場合が        しばしばみられる。これは本当の生理ではなく、外妊に伴う不正性器出血。      iv 産婦人科へすぐに送るしかない。      v 前述のとおり、妊娠反応が第一歩だが、陽性でも正常妊娠+黄体出血の可能性があるため        薬物、X線の使用には注意。 ***発熱+炎症反応陽性で…    1. PID      1.腹痛の割には全身状態が良く、元気。      2.発症後24時間たてば両側下腹部痛となる。      3.圧痛点 両側下腹部      4.食欲 良好(NPO にすると、空腹を訴えるのが特徴)      5.悪心・嘔吐 少ない。    ただしクラミジアの場合は平熱〜微熱。    ABx開始後48-72時間経ってもSx改善しない時は、卵巣卵管膿瘍を形成している場合がある。    どちらにせよ手術適応の前に48時間は経過をみる。(抗生剤を使ったほうが膿瘍がlocarizeされて    よい)。だから婦人科に送る前に抗生剤で一日は粘れる。虫垂炎や憩室炎を誤診してても同じ。    膿瘍がraptureしては困るので最終的には産婦人科へ紹介される。 ***いつでも起こりうるもの    1. 卵巣茎捻転      i 婦人科領域の腹痛では子宮外妊娠に次いで多い。      ii 妊娠反応は陰性。      iii 一側の急激な(30分以内)下腹部痛と嘔気、嘔吐など。尿管結石にも似る。      iv 似たような発作の既往がある。      v Copeによれば発熱もあり。痛みは座位の方が軽減される。      vi エコーで腹腔内に腫瘤がある。導尿後のエコーもあり?。教科書の画像を見ていると        卵巣出血との鑑別も難しそうだが… ***急性腹症で来ないもの。     ・Fitz-Hugh-Curtis症候群(肝臓周囲炎Perihepatitis )       急性PID の発症後、数週間後に発症する。       突然の右季肋部〜上腹部痛で発症。       痛みは、深呼吸・体動・咳・しゃっくり等により 増強するのが特徴。       微熱、上腹部圧痛、右CVA knock painを伴う事あり。 ***高齢なら      閉経後性器出血+帯下(悪臭、量↑)+下腹部痛→子宮溜膿腫

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