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神経疾患クリティカルケア −神経救急の手引き−

第5章 重症神経症候・疾患管理の方法
45.重症神経疾患の血液浄化療法
     8000字 8P
     Neurocritical care pearls 本文 文献
   1. Neurocritical care pearls
   2. 適応の確認。
      神経疾患における健康保険上の血漿交換の適応
      血液浄化療法を安全に施行するために各種検査を行う。
   3. 他の内服状況を確認する。
   4. ブラッドアクセスの確保と管理
      カテーテルと挿入部位
      穿刺
   5. 管理
   6. 血液浄化療法の方法には、PE,DFPP,IATがある
      PEを行う場合の置換液の選択
      脱血不良時の対応
      血圧低下時の対応
      PE
      吸着

1. Neurocritical care pearls


  神経疾患領域における血液浄化療法の試みは多岐にわたるが、medical urgencyとして施行される状況は
 ギランバレー症候群と重症筋無力症における急性期や重症例に限られる。ギランバレー症候群と重症筋無力
 症どちらも指針とすべき治療ガイドラインが存在する。血液浄化療法を選択する際には、患者の状態を安定
 化させ、血液浄化療法を安全に施行できるかどうかの評価を行い、患者に合併症や他の治療との比較を十分
 に説明する。

2. 適応の確認


     神経疾患における健康保険上の血漿交換の適応
     慢性炎症性脱髄性多発根神経炎   一連につき月7回、3月
     ギランバレー症候群
     重症筋無力症   一連につき月7回、3月
     多発性硬化症

       ギランバレー症候群と重症筋無力症、CIDPについては治療ガイドラインに沿って適応
       があるかどうかを確認する。

     血液浄化療法を安全に施行するために各種検査を行う。
       末梢血、生化学、電解質 凝固能 心電図 胸部レントゲン 血液浄化療法が施行できなくなった
       場合にIVIgへ変更が可能な場合は、IgAの測定も行っておく。(IgA欠損症の時にはIVIgは投与
       してはいけない)

3. 他の内服状況を確認する


     ACE阻害薬を服用している場合には〜〜すべきである。 また血液浄化療法施行時に、それぞれ
     の薬剤について確認を行う。

     脱水があれば是正すべきである。心疾患が疑われる場合には心機能評価のために心エコー
     などを追加する。

4. ブラッドアクセスの確保と管理


  カテーテルと挿入部位
     中心静脈にダブルルーメンカテーテルを挿入しブラッドアクセスを確保する。マルチルーメン
     カテーテルはシングルルーメンカテーテルより感染率が高いが、血液浄化療法では一般的に
     ダブルルーメンカテーテルが用いられている。
     ダブルルーメンカテーテルでは脱血側と返血側に内腔がわかれており、再循環を最小限にする
     ために返血側がカテーテル先端部分にあり脱血側は先端より末梢に側孔として設けられている。
     挿入時にラインを確認し(一般的に返血側には青色のマークがついている)、脱血用側孔の
     血管壁へのへばりつきを予防するために、返血用側孔が動脈へ接しないように、ダブルルーメン
     カテーテルを挿入するしたほうが良い。
     中心静脈カテーテルでは、内頸静脈や大腿静脈に挿入するよりも鎖骨下静脈へ挿入したほうが
     感染率が低い。ダブルルーメンカテーテルでは感染率を下げるための皮下トンネルの作成は
     できない。神経疾患領域では治療のための短期間だけの留置になることが多いが、糖尿病性腎症
     などの基礎疾患があり将来的に内シャントの可能性がある場合には、静脈高血圧を起こさないよ
     うに鎖骨下静脈穿刺は避ける。内頚静脈穿刺は大腿静脈穿刺に比べてADLを保つことが出来る。
     大腿静脈穿刺の場合は深部静脈血栓症のリスクを評価し、必要なら予防を行う。

  穿刺
     ギランバレー症候群などで自律神経障害がある場合には、血管迷走神経反射も含め、脈拍、血圧
     などバイタルサインの変化に特に注意する。
     挿入時に手袋、マスク、ガウンなどによるマキシマルバリアプリコーションを確実に行うことで
     感染率を低下させることができる。必ずしも手術室で挿入する必要はない。
     内頚動脈穿刺 胸鎖乳突筋の胸骨枝と鎖骨枝が形成する三角の頂点から乳頭へ向けて穿刺を行う。
     各穿刺部位における合併症は以下のとおり

5. 管理


     免疫抑制剤による治療が行われている場合には、特に感染症予防について留意する。

     カテーテル挿入部のドレッシングは半透明性の透明ドレッシング材を用いる。ポビドンヨード
     軟膏をカテーテル挿入部に塗布することは推奨されない。透明なドレッシングは7日間間隔で
     交換しても安全であるといわれるが、挿入部の皮膚の状態を持続的に観察し、発赤や腫脹などの
     早期発見に努める。重症筋無力症など血液浄化療法前に免疫抑制剤にて治療されている患者では
     特に注意を払うべきである。
     ヘパリンロックのエビデンスは存在しないが、通常血液浄化を行わない日は、カテーテル内腔
     閉塞予防のためにヘパリンによるフラッシュを行う。
       まず生食の入った注射器にて陰圧をかけ、血液の逆流がスムーズであることを確認する。
       次にヘパリン(1000単位/ml) 2mlを注入しヘパリンロックを行う。
     カテーテルを他の輸液などに用いることは避ける。血栓による内腔閉塞と感染症のリスクが
     高まると予想される。

     発熱時に菌血症が否定し得ないときにはカテーテル抜去を行う。一般的なガイドラインを以下に
     示す。 免疫抑制剤の時にはより注意する。

6. 血液浄化療法の方法には、PE,DFPP,IATがある


     保険適応を以下に示す。 抗ガングリオシド抗体除去能の比較を以下に示す。 PEが最も抗体除去能
     にすぐれているが置換液を必要とするデメリットがある。
     吸着療法としてはフェニルアラニンカラム、改良型トリプトファンカラムの除去能が低い。

PEを行う場合の置換液の選択


     アルブミン溶液を用いる
     FFPを用いるのは凝固因子の補給を必要とする病態が合併している時のみである。

脱血不良時の対応


     カテーテルを少しずつ引き抜き位置をずらすことで、血管壁へのへばりつきをなくす。
     場合によってはカテーテルを回転させる。
     回路接続の際に脱血側と返血側を逆にして接続する。再循環による透析効率低下は10%であり
     透析時間を延長する。
     Hypovolemiaがあれば是正する。
     血漿処理がすすんだところで、顔面紅潮などアナフィラキシー様症状がでる場合には、
     ブラジキニンによるものと考えられる。血漿処理速度を下げて対処するが、症状が強い場合は
     中止し他の治療へ切り替えるべきである。

血圧低下時の対応


     アナフィラキシー様症状の有無をチェック
     脱血によるhypovolemia,血管迷走神経反射として対処
     ブラッドアクセスを確保するための穿刺後であれば、合併症としての気胸、血胸を除外する。

PE


     60-100ml/min NS 500 ヘパリン2000 回路内の洗浄、充填 フサン(50mg)2V+5%Glu20ml
     時間40mg 体重の4-5% 同量の5%アルブミン液で置換

吸着


     全血50-100ml/min 分離血漿10-30ml/min 血漿処理は2lを目標に行う(概ね2時間)
     TR350はフィブリノーゲンもよく吸着されるため連日使用は行わない。改良型としてTR-350S
     があるが前述のとおり抗ガングリオシド抗体除去能が劣る。
     ブラジキニンが吸着材より産生されるためACE阻害薬との併用を避ける。 血漿処理量が2Lを
     越えると、吸着材から自己抗体の解離がおきる可能性がある。 カラムの返血漿は空気により
     置換する。
     メディソーバMG-50 返血漿が生理食塩液でも可能なため安全である。 〜抗体は除去できない.