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FUO (Fever of Unknown Origin) check list     1999.10.21  一般内科 西垂水

  Classic FUO:3週間以上続く、38.3℃以上の発熱で1週間の入院でも診断がつかない。
  最近ではNeutropenic FUO、Nosocomial FUO、HIV-associated FUOなどに分けて考えたり、
  より期間の短いものもFUOとしていることが多い。
  一般に感染症(30-40%)、腫瘍(20-30%)、リウマチ疾患(10-20%)、その他(5-15%)、
  診断できず(5-15%)という頻度であるが、施設により異なる。また最近では画像診断の
  発達により固形腫瘍の頻度が減り、HIVや医原性のimmunocompromised hostが増え、
  相対的に感染症の頻度が増加している。
原則
 #稀な疾患よりも通常の疾患が変な形ででてきている場合が多い。
  →年齢、性、地域、既往歴なども考慮してcommon diseaseから探す。
 #繰り返し、病歴・理学所見・検査を行うことで見つかる場合が多い。
 #血液培養は全例に行う。(最低3回?)
 #全身の画像検査は早目に行なう.造影CT PETなど。
 #Drug feverはどの薬でもおこる。疑ったら全て中止を。(通常中止後72時間以内に解熱する。)
 #一つでもfocal signや手がかりがあればそこを集中的に。
 #悪性疾患を恐れるあまり不必要な検査を重ねない。
  #problem listだけ並べて診断すると間違うかも。時系列を考慮する。
 #異物は全て取り除く。
 #発熱後に開始した薬も止めてみる.(抗菌剤も含め・・・どうせ効いていないなら止めてみる)
 #貧血なし、炎症反応なし、蛋白分画正常、再発性発熱などは診断に結びつかない
  risk factorであるが、この場合診断がつかなくとも予後が良いことが多い。
 #診断がつかなくとも、followし続けることが大切。
 #安易にステロイドや抗生剤を投与しない。
 #本人・家族が疲れるので,十分に説明を.(あらかじめ時間がかかることを説明)
 #データ・画像の偽陽性,専門家のマイナー発言,自分のあきらめに注意!
病歴
    Drug:あらゆる薬剤、健康食品などが原因となる。マリファナ、エクスタシーなども。食事以外に口にしているものは?
    Occupation:過敏性肺炎(農夫、塗装、プラスチック加工、木屑、空調)ニッケル episodic feverになる
    Travel:海外(マラリア、結核その他)、山(ツツガムシ、ライム病)、
        河(レプトスピラ、寄生虫)、海(Vibrio vulnificus)
    Tick bite(ツツガムシ 日本紅斑熱)
    Animal:鳥(オーム病、クリプトコッカス)、猫(猫ひっかき病、トキソプラズマ)、
        いのしし(寄生虫)、うさぎ(野兎病)、ねずみ(鼠咬症)
    Familial:家族性(家族性地中海熱)
    Past medeical history:手術歴、癌の既往
    Sexual Hx: STD HIV ヘルペス初感染
    人工物:感染

VItal sign
    高血圧:褐色細胞腫  低血圧:副腎不全  
    脈の左右差:高安病、解離性大動脈瘤
    熱型:malaria、Hodgikin病、周期性好中球減少症
    頻脈:亜急性甲状腺炎
    比較的徐脈:腸チフス、レジオネラ、オーム病、レプトスピラ、ツツガムシ、drug fever、マラリア
        亜急性壊死性リンパ節炎(Kikuchi's disease)、腫瘍熱、詐病熱、central fever
身体所見
    Eye : dry eye(シェーグレン症候群、RA、SLE、PN)
      uveitis(サルコイドーシス、原田氏病、強直性脊椎炎、Behcet病、結核)
      conjunctivitis(レプトスピラ、バルトネラ、SLE、Tb、クラミジア)
      petechiae(感染性心内膜炎)
      band keratopathy(Behcet病、サルコイドーシス、still病)
      眼底(感染性心内膜炎・Roth斑、カンジダ血症、血管炎、網膜炎CMV・トキソプラズマ、癌転移)
    副鼻腔、唾液腺 :顔面叩打痛。人工呼吸管理下での発熱。シェーグレン症候群、IgG4関連。
        &bold(){口腔内}:歯肉圧痛:歯根部膿瘍 アフタ:Behcet、SLE、扁桃白苔:伝染性単核球症 舌痛:側頭動脈炎
    Skin :四肢、体幹だけでなく粘膜、手掌、陰部、へそ、頭皮などすべて観察。
    rash(成人Still病、Stevens-Johnson症候群、Sweet病、トキシックショック症候群、川崎病、
      Drug fever、血管炎症候群、ウイルス性疾患、HIV,リンパ腫,カンジダ血症、粟粒結核、血管内リンパ腫)
    petechiae(髄膜炎菌敗血症、グラム陰性菌敗血症、感染性心内膜炎、異型麻疹、血管炎、
      Drug fever)
    刺し口(ツツガムシ、Drug?)
    purpura(血栓性血小板減少性紫斑病、血腫の吸収熱?、leukemia)
    livedo reticularis(膠原病、血管炎、敗血症)
    結節性紅斑(主に下腿前面に圧痛を伴う、Behcet、サルコイドーシス、炎症性腸炎、SLE、薬剤、
      感染症、結核、悪性リンパ腫、血管炎)
    panniculitis(皮下結合組織炎・Weber-Christian、悪性リンパ腫、髄外白血病)
    edema(POEMS、脚気,深部静脈血栓症,パルボウイルス、蜂窩織炎)
    nail bed(感染性心内膜炎)
    色素沈着(POEMS、副腎不全、Whipple病)
    手術痕(膿瘍,色素沈着Addison)
    (再発性多発性軟骨炎 Ramsay-Hunt)
    lymphadenopathy
     局所性:結核、転移、伝染性単核球症、猫ひっかき病、亜急性壊死性リンパ節炎、
         トキソプラズマ、悪性リンパ腫、Castleman's disease、Adult Still's disease、
         局所感染症
     全身性:膠原病、薬剤性、血液悪性腫瘍、EB/CMV、HIV、Castleman's disease、
         Inflammatory pseudotumor、angioimmunoblastic lymphadenopathy
    organomegaly
         肝:lymphoma、granulomatous hepatitis、肝癌、転移、アルコール性肝炎、Q熱 
         脾:lymphoma、各種感染症、骨髄腫、malignant histiocytosis、MDS、VAHS、SBE、叩打痛:脾梗塞)
    甲状腺 (亜急性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症)
    歯肉 (歯髄炎:症状ないことも多い. 膿胸)
    側頭動脈、後頸部筋 (側頭動脈炎、血管炎、リウマチ性多発筋痛症)
    頚静脈部の痛み ? 圧痛(頚静脈炎:Lemierre's disease)
    Carotidynia (頚動脈部圧痛:大動脈炎症候群、大血管炎)
    頚部の痛み (乳突蜂巣炎、可動制限を伴う:Crowned dens synd 石灰沈着性頚長筋腱炎)
    mass (悪性腫瘍 腫瘍熱をおこす固形腫瘍:腎癌、肝癌、胆管癌、肺癌、転移性肝癌、
      腸管leiomyosarcoma)
    heart murmur (体動による変化、感染性心内膜炎、心房粘液腫)
    心音Ⅱp音の亢進 (慢性肺梗塞)
    心膜摩擦音 (心外膜炎)
    胸骨痛 (白血病・癌性骨髄症 流行性筋痛症)
    (側頭動脈炎)
    胸膜痛 (胸膜炎、心外膜炎、家族性地中海熱、横隔膜下膿瘍)
    knock pain
      deep abscess:実質臓器 肝膿瘍 胆管炎 化膿性筋炎、腸腰筋膿瘍
      骨などfocal signのある場所:骨髄腫、椎体椎間板炎、schnitzler症候群、
      椎体:化膿性脊椎炎、ブルセラ症、腸チフス、心内膜炎、Pott病
      女性の右上腹部痛:Fitz-Hugh-Curtis症候群、検尿正常の腎盂腎炎・腎周囲膿瘍、横隔膜下膿瘍)
      クローン病
    prostate (急性・慢性前立腺炎、癌) 
    精巣上体 (結核、PN、lymphoma、EB)
    子宮 (pyometra 筋腫の変性)
    肛門 (肛門周囲膿瘍:特に糖尿病と白血球減少症の患者、直腸炎)
    関節炎、筋肉痛 (痛風・偽痛風、膠原病、Whipple病、家族性地中海熱、DVT、筋膿瘍)
    カテーテル挿入部 (血栓性静脈炎・・局所感染無い方が多い)
    錐体外路兆候 (悪性症候群、セロトニン症候群、代謝性脳症)
   中枢熱?(視床下部、多系統萎縮症)
    その他神経学的異常 、頚部硬直(脳膿瘍、トキソプラズマ、脳炎、Intravascular lymphomatosis、
      Behcet病、サルコイドーシス、HIV、住血吸虫症、Whipple病)しびれ(血管炎)
検査
  血液培養(抗菌薬使用中ならいったんoffにしてから行う)
    明らかなfocal signのない細菌感染症:サルモネラ症、梅毒、播種性淋菌症、野兎病、
        エルシニア感染症、慢性髄膜炎菌菌血症、ブルセラ症,whipple病、レプトスピラ、
        猫ひっかき病
  尿培養、喀痰培養、便培養、髄液培養などあらゆる検体
  結核(喀痰、胃液、尿、便、髄液、胸水、リンパ節、骨髄、肝、PCR)
  末梢血 スメア(幼若細胞、好酸球、マラリア、異型細胞、好中球減少、左方移動、リンパ球減少:HIV
  粟粒結核、サルコイドーシス)
  検尿(蛋白、好酸球:間質性腎炎、潜血:ANCA関連腎炎、LDH:腎梗塞)
  便寄生虫(生、虫卵、特殊染色)便潜血 CDトキシン
  炎症反応(赤沈、CRP)生化学(肝、LDH、腎、電解質、CK、ALP:肝癌、結核・リンパ腫・血管炎・Still病)
  蛋白分画 M蛋白、ベンスジョーンズ蛋白(骨髄腫、POEMS)
  抗核抗体、補体
  抗好中球細胞質抗体(ANCA)
  クリオグロブリン
  フェリチン(Adult still's disease、VAHS)
  各種感染症抗体(HTLV-1、HIV、EB、CMV、梅毒、レジオネラ、クラミジアなど)
  ACE(サルコイドーシス)
  ホルモン(副腎皮質・髄質、甲状腺、下垂体)
  遺伝子検査(家族性地中海熱など)
  画像検査・その他
  胸写、腹部エコー、胸腹部骨盤CT、骨硬化像、副鼻腔撮影、IVP、歯のパノラマ撮影
  シンチ(Gaシンチ、白血球シンチ、In-111-IgG、骨シンチ、換気・血流シンチ)PET
  消化管内視鏡
  心エコー(心内膜炎、粘液腫、膿瘍)
  PPD(ツベルクリン反応)QFT
  生検(肝臓、骨髄、腸管、側頭動脈、リンパ節:病理と培養に,皮膚:ランダム生検はIVL診断に有用)
  眼科的検査、皮膚生検、髄液検査、腹腔鏡、試験開腹