慢性髄膜炎(肥厚性硬膜炎),Wegener肉芽腫症疑い


頭部CTにて左眼球内のmassがみられ,MRIでは前頭部の軟膜が造影されている。
胸部では空洞を伴う多発陰影があり、

この時点で鑑別として
       Wegener肉芽腫症
       副鼻空炎から眼窩内と頭蓋内への炎症の波及
       (グラム陽性球菌、アクチノマイコーシスノカルジア、真菌)と海綿静脈洞炎
       結核
       サルコイドーシス
       悪性リンパ腫
などが考えられた。

食事もほとんど取れない状態であったため脳圧亢進と軟膜の炎症に対しステロイドパルスと
グリセオールを開始したところ翌日には劇的に改善。同時に抗生剤と抗真菌剤、抗結核剤も
開始した。眼窩内腫瘍か肺内腫瘤の生検を予定したが様々な理由で出来ず。PR3-ANCAは50
と高値でありWegener肉芽腫症を最も疑ったが組織診断ができていない。
現在ステロイドとMTXの併用で経過良好。肺内・眼窩内腫瘤とも消失傾向。抑うつは
前頭葉の症状であったと考えた。なお経過中に鞍鼻が出現してきた。   


                               2000.8.29 西垂水
最終更新:2006年08月24日 22:46