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Evidence-based treatment of the common cold        2000.2.24


1.眼前の患者における疑問点の定式化

   かぜの治療には何が良いか?

2.文献検索


   教科書    Harrison  Cecil  Mandell
   二次的情報  Cochrane  ACP Journal club Evidence-Based Medicine
   検索システム PubMed SPIRS

   common cold (MESH) / therapy / drug therapy / diet therapy  825
   Limits Clinical trial, AIM              92
   Limits Review, AIM                15

3.文献の批判的吟味(Critical appraisal)


   Cochraneについては行わなかった.
   他の文献についてはreviewではほとんど十分な検討がされていなかった.
   対象患者はいわゆるかぜ(膿性痰,GAS pharyngitisなどは省く)か,Rhino virusなどを使用した
     人工的なかぜ.
   成人も小児も含む,他に大きな合併症を持たない患者.

Antihistamines

  Antihistamines and the common cold: a review and critique of the literature JGIM 1996;11(4):240-244
    Total symptom scores:6つのstudyで検討.有意な効果なし.
                ただしstudyそのものが不十分.
    Sneezing(くしゃみ):5つのstudyで検討.有意な効果なし.
    Nasal discharge(鼻水):7つのstudyで検討.有意な効果なし.
                ただしstudyそのものが不十分.
    少なくともterfenadineなどのlong actingな抗ヒスタミン剤などは無効.

Anticholinergics

  Treatment of the common cold BMJ 1998;317:33-36
  SneezingとNasal dischargeには有効.スプレーが良い?

Alpha-adrenergic agonists

  有効?だが,長期使用後のリバウンドあり.

Steam inhalation (42-44℃で鼻を暖める)

  英国では有効(症状に).米国では無効.手技の違い?

Mast cell stabilisers (chemical mediatorsの放出の抑制とICAM-1のdown regulation)

  クロモグリク酸ナトリウム(インタールなど)
  効果ありとの報告2例あるが,evidence不十分.比較的安全.

NSAIDs

  鼻汁の悪化,ウイルス量の増加,抗体価の低下の報告あり.
  naproxen(ナイキサン)では改善という報告あり.ただしどちらもevidence不十分.

Vitamin C

  The Cochrane Library -1999 Issue 4
   30の文献を検討.
   予防的効果はない.
   症状の軽減(8-24%)と期間の短縮(-0.07-39%)が認められる.
   1g/日以上は必要.

Zinc

  The Cochrane Library -1999 Issue 4
   7つの文献で検討されているが,現段階では不明.

Glucocorticoid

  経鼻,全身投与ともに無効.

Antibiotics

  The Cochrane Library -1999 Issue 4
   7つの文献で検討.
   治療効果なし.(odds ratio 0.95, 95%CI 0.70-1.28)
   副作用は多い.(odds ratio 2.72, 95%CI 1.02-7.27)
   鼻咽頭の分泌液内にH.Influ, Moraxella, Pneumococcusがいる場合のみ20%に有効という文献が
    1つあり.
   風邪に処方される抗生剤の費用は35億.卒後年数が高い医者ほど多くだす.
   小児科より一般内科医が多くだす.いなかの医者ほど出す.週末や時間外に多い.
    開業医の方が多くだす.

その他

  Interferon alfa:予防効果あり?治療としては効果なし.
  抗ウイルス剤:効果なし.
  Soluble ICAM-1:症状の軽減あり.ただし1文献のみ.
  合剤:alpha-agonist,anticholinergics,antihistaminの合剤:無効
  市販薬?:有効?

4.目の前の患者に使えるか?

   明らかに有効といえる治療法はなさそう.
   少しでも症状を改善させたいのであれば,Vitamin Cを1g/日以上か.
   鼻汁の強い人には抗コリン剤など.クロモグリク酸ナトリウムも良いか?

   薬を処方した方が患者は安心するんだというのは,医者の勝手な思いこみ.
   それよりも薬剤の効果とその適切な使用時期を説明した方が,患者は満足する(JAMA 1983;250:1986-9)
   予防的抗生剤を出して副作用を起こしたり,抗生剤神話を助長するよりも,2-3日しても調子が悪い
    ようならまた来るように伝えた方が良い.BMJ 1998;317:33-36

その他

   かぜの後に合併するsinusitisのほとんどは,非細菌性なので症状がひどくなければ,抗生剤やレントゲン
    などは必要ない.J Allergy Clin Immunol 1998;102:403-8
   治療は24時間以内に始めた方が良いだろう.evidenceは? BMJ 1998;317:33-36
   入浴による悪化はない.(国内の文献のほとんど)朝日新聞
   感冒薬でも過度の眠気(高齢者では意識障害の原因にも)や喘息誘発,緑内障,前立性前立腺肥大に注意

主な風邪薬

ダン・リッチ:ヨウ化イソプロパミド(抗コリン),
フェニルプロパノールアミン(交感神経刺激),
ジフェニルピラリン(抗ヒスタミン)の合剤   
PL:サリチルアミド,アセトアミノフェン,無水カフェイン,
メチレンジサリチル酸プロメタジン(抗ヒスタミン)の合剤