診断 急性浸襲性肺アスペルギルス症 Acute Invasive Pulmonary Aspergillosis
Invasive Pulmonary Aspergillosisは
通常骨髄移植後や無顆粒球症の患者に起こる事が多く、AIDSや糖尿病、アルコーリズム、COPD
などではこの慢性型がみられるが、骨髄移植後や重篤な免疫不全状態では本例のように急性の肺炎像
となる。
臨床症状は胸痛、咳、微熱など非特異的。急性型では両肺野にdiffuseな浸潤影がみられ、低酸素血症
となる。慢性型は胸膜を底辺としたwedge状の陰影で空洞を伴うことが多い。
診断は組織診。喀痰でのアスペルギルス培養陽性は通常すぐには感染とはいえないが、(多くは感染
ではない)基礎疾患をもつ患者の場合、それがInvasive Pulmonary Aspergillosisの診断のヒントと
なることがあるため、積極的にTBLBなど施行すべきである。
なお本症例のように血液培養が陽性となるのはきわめて稀。
治療はAmphotericin Bだが、それでも成功率34%。
2000.10.20 西垂水
近年,L-AMBやVRCZなど治療に有用な薬剤も増えてきました. 2006.9.7 松木薗
最終更新:2006年09月07日 21:50