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脳梗塞急性期のCT所見


Ⅰ.Hyperdense MCA sign (HMCAS)

 赤色血栓により閉塞した中大脳動脈それ自体が、単純CTで高吸収を示す所見。
 脳梗塞の超急性期CT所見として診断的意義が高い。
 通常虚血域の淡い低吸収域の出現に先行する。
 石灰化との判別が困難な場合もある。(石灰化の方がCT値は高い)
 HMCAS陽性例は陰性例に比して、最終的に大きな梗塞巣を生じ、予後が不良であることが多いとされる。

Ⅱ.Early CT sign

 発症6時間頃より血管性浮腫(vasogenic edema)を反映して、CT上の淡い低吸収域として認められるが、
 発症1~3時間の超急性期では細胞性浮腫(cytotoxic edema)が主で、以下のようなCT所見を示す。
   1.レンズ核境界の不鮮明化
      レンズ核辺縁、皮質髄質境界が不鮮明になる所見。
      脳塞栓の急性期に脳血流の低下が虚血閾値を下回る
      と神経細胞の密な灰白質に細胞性浮腫を生じ、
      発症1~3時間の単純CTで上記所見を呈する。

   2.島皮質の不鮮明化(Insular ribbonの消失)
      島の皮質髄質境界が不鮮明になって均一で僅かな
      低吸収域を示す所見。
      Reil島、外包、前障を含む部分はInsular ribbon
      と呼ばれており、この部分が不鮮明になるので、
      Insular ribbonの消失と表現される。

   3.脳実質の吸収値の僅かな低下
      レンズ核境界の不鮮明化に僅かに遅れて、梗塞領域
      の白質、灰白質が全体に淡く低吸収化する所見。

   4.脳溝の消失
      淡い低吸収域と並行して、もしくは若干遅れて観察
      される脳溝の消失。

超急性期CT所見の客観性

 発症6時間以内の33例の中大脳動脈領域梗塞のCT所見を12例の正常例と合わせて、無作為に経験豊富な6名の神経放射線科医に各々臨床情報を伏せて診断させた報告では、 全員が一致して正しく診断されたのは、HMCASが70%、腫脹性変化が60%、淡い低吸収域が50%、6名中5名が一致した例はそれぞれ90%であった。
 実際は、臨床情報を踏まえたうえで慎重に診断すると、更に正しく評価できると考えられる。


参考文献
1) Tomsick T: Sensitivity and prognostic value of early CT in occlusion of the middle cerebral artery trunk. AJNR 15:9-15.1994
2) Kummer R, Holle R, et al: Interobserver agreement in assessing early CT signs of middle cerebral artery infarction. AJNR 17:1743-1748.1996




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