第二回戦第一戦場「賽の河原」講評

戸次 右近大夫 統常(べっき うこんだゆう むねつね)【ドM】

  • 「この子の安全を第一したいけど」⇒「この子の安全を第一にしたいけど」

  • 奪衣婆と獄卒、NPC視点でのストーリー展開。強力な自キャラを怪物的に描写する手法としては効果的です。一回戦でもそうでしたが、主人公的視点にしづらい戸次のキャラ造形を上手く補完しています。ただ、少し獄卒達が実力不足かな、という気はします。母性テーマは鉄板構成で、ラストシーンには微かな救いがあります。

肉皮リーディング(にくかわ りーでぃんぐ)【ゆとり】

  • 開幕からの能力使用で予想通りの展開と思いきや、敢えて王道を外しての奪衣婆変化。戦術的にはあまり効果はありませんでしたが、戸次の戦闘力描写には一役買っています。肉体強化設定を防御的ではなく攻撃に用いたのは見事です。

二回戦第二戦場「風殺紅蓮地獄」講評

右手首の怨念(みぎてくびのおんねん)【ゆとり】

  • 鬼無瀬の剣技の弱点等、流派創設者ならではの視点による設定描写が光ります。あまり多くを語らない自キャラの難点を、実況・解説役を導入する事でスムーズに説明の補足も出来ています。

安全院 綾鷹(あんぜんいん あやたか)【ドM】

  • 「その間、5分も立っていなかったはずだが」⇒「その間、5分も経っていなかったはずだが」
  • 「ご丁寧に一人づつ」⇒「ご丁寧に一人ずつ」こちらの方が無難です。
  • 「ドッキリティクチャー」?
  • 「カンズイテルカモネ~。」⇒「カンヅイテルカモネ~。」感づく。
  • 「きちんんと存在しているか」⇒「きちんと存在しているか」
  • 「風速が1増すごとに」⇒「風速が1m増すごとに」
  • 「指の間接に至るまで」⇒「指の関節に至るまで」
  • 「なんと鬼無瀬に相応しい絵ズラか」⇒「なんと鬼無瀬に相応しい絵ヅラか」絵面。
  • 「間髪いれず踊りかかる影」⇒「間髪いれず躍りかかる影」
  • 「伸びやがった四肢が」⇒「伸びあがった四肢が」
  • 「斬撃を交わしてから振るわれた鞭打」⇒「斬撃を躱してから振るわれた鞭打」
  • 「貯めた剣気が」⇒「溜めた剣気が」貯める、は金銭的な意味が主かと思われます。
  • 「感情に盗り憑いた怨念」⇒「感情に取り憑いた怨念」? 著者の意図次第では訂正不要か。
  • 「活心流・ニ刀路プラス白蘭”」⇒「活心流・ニ刀路プラス”白蘭”」?

  • マッチングへの小細工は自分の試合には直接影響して来ませんが、綾鷹の抜け目の無さを語る上では良いアプローチです。実際この切り口は他では見られません。また、キャラ設定の根幹となる右手首の怨念の正体についても独自の解釈で踏み込み、刀の弱点と合わせて攻略しています。

二回戦第三戦場「交通地獄」講評

夜魔口工鬼&夜魔口断頭(やまぐちぐれむりん あんど やまぐちでゅらはん)【ドM】

  • 「一色線に」⇒「一直線に」
  • 「戦闘を走る」⇒「先頭を走る」
  • 「ピップライン」⇒「ヒップライン」
  • 「声をかける」⇒「声をかける。」

  • オープニングからアクション要素満点の視覚に訴えかける構成。ここで充分に引き込んでいるので、その後に少し説明が続いても読者を飽きさせません。相手の土俵に乗って戦う所謂王道のストロングスタイルを踏襲しながら、インスタントラーメンや料理魔人のような邪道ギリギリの要素まで計算高く盛り込んでいます。ただ、『マリーアントワネットの断頭斧』がトマホークとして絶対命中属性も付与されているのですが、これは少し便利過ぎるかな、という印象を受けました。斧二本持ちなのでそれぞれに散らしても良かった気はします。

ラーメン野郎・有村 大樹(らーめんやろう・ありむら だいき)【ゆとり】

  • (o⌒∇⌒o)

二回戦第四戦場「無間地獄」講評

不破原 拒(ふばはら こばみ)【ドM】

  • 「体液に沈静成分を」⇒「体液に鎮静成分を」沈静……自然に。鎮静……人為的に。
  • 「違和感を感じたときには」⇒「違和感を覚えたときには」

  • 月読への対策として用意した精神安定剤は他の能力バトルではあまり見られないギミックで、自分自身に働いても致命的にならず逆に有益な一石二鳥のものです。単純に毒物系にしなかったところが◎。館椅子への攻撃もグロテスクで狂科学者らしく、前回の戦闘を有効利用しています。欲を言えば一回戦で回収したキョスェを何らかの形で使っても良かったとは思いますが、それは次回以降の隠し玉でしょうか。

月読茎五(つくよみ けいご)【ドM】

  • ワンアイディアで押し切る構成。シンプルながらも意外に盲点だった読者も多いのではないでしょうか。惜しむらくは対戦者に同じ展開を用意されていた事。独自性が保てていれば更に良かったと思います。

舘椅子神奈(たていす かんな)【ドM】

  • 「ワタシの特性筋弛緩剤でス!」⇒「ワタシの特製筋弛緩剤でス!」
  • 「全て叩き落とせる自身はある」⇒「全て叩き落とせる自信はある」
  • 「たいたいを寝て過ごしていたが」⇒「だいたいを寝て過ごしていたが」

  • 蜂は刺すだけではなく噴射も可能という描写、流石に蜂の生態をよく調べています。メスカマキリたち(性別は♂)で少しクスッと来ました。不破原への月読の攻撃が通る事が計算ずくだったのか偶然だったのかが少し不鮮明に感じました。陰毛については、幕間SSの一言説明でもう少しだけ具体的効果を上げておけば唐突感が薄れたかと思います。


最終更新:2012年08月08日 19:29