安全院 綾鷹(あんぜんいん あやたか)


『現世への執着』

なるほど、一つ質問だ。
では「自分が優勝しても地獄行きでいい、代わりに○○を生き返らせてくれ」
というのは通じるかな?。…いや、そんなところだろう。現時点での明快な回答は、期待していない

キャラクター設定

壮年の日本人男性。黒髪黒眼、身長はやや高。
物腰は柔らかいが、どこかカタナのような粘りのある鋭さを感じさせる人物。
自称「しがないサラリーマン」。
生前は世界各国を飛びまわっていたらしい。安全院家の婿入り養子。力より技タイプ

一人称:私 語尾:だ。だな
身体スキル:【ジャパニーズ・サラリーマンLv.4】*1【古武術Lv3】
知的スキル:【ジャパニーズ・サラリーマンLv.3】*1【 剥奪 LV-2】*2
固有スキル:【禁止句域[魔]】
オプション:【鞭】【アタッシュケース】

レッテル:『大罪人』

*1)「24時間戦えますか?」														
ニポンの企業戦士に必要なスキル全般を含む包括スキルです。
身体スキルで、護身、サバイバル、隠密術
知的スキルで、経営、話術、諜報、宴会芸など含有します。

何より、家族を愛し、企業に忠誠を誓い働くことが強く求められます。
セプクやケジメは時代設定上しません。ドゲザはするかもしれません。

*2)「LOST」														
何者かに自分の記憶・パーソナリティーを奪われており、そのため生前の個性に
欠落が発生しています。
開催時点、LV-4相当(行動不能LV)からLV-2(一部欠損)に回復しています。

特殊能力『禁止句域』

言霊術。
動作+否定の言葉で命じることで「半径5m領域内」ないし「1対象」に1つの動作の
禁止を強制する能力。
影響は対象次第、術者の狙った行為が必ずしもでるとは限らない

例:
「喋るな」「探すな」等

(効果)
強制力は動作の持つ意味の『範囲』による。
一般的により応用範囲が狭い動作ほど補正力が強く働き、10~100%程度の幅で率に差が出る
また同対象に二つ以上の『禁止』を強いることはできない。その場合は先のもの優先
ただし同じ言葉を重ねがけして強制力を強化していくことは可能。

ほぼ禁止:対象は該当の行動がとれなくなります(跳ねるな、突くな、泣くな)
強制力大:意思抵抗に成功すれば補正を受けつつ実行可能(走るな、逃げるな)
ほぼ効果なし:若干しにくくなるくらいです(動くな、害するな、呼吸するな

(射程)
範囲型の場合:自分から半径5m内領域。
1対象の場合:言霊が届く範囲。おおまか5mくらい、近ければ近いほど効果は高い。

(補足)
現在「思い出すな」という一句のみ、使用不能。
なお禁止する動作(モーション)は行動全般を意味しており、「探す」などの精神活動にも及ぶ。
「コトダマ…WHY?ワタシ、ニホンゴワカリマセーン」といって効果半減は有り
『肉体言語』は有り。ただし拳で語れる、そういう類の何かアレ、アレな展開が必要。

プロローグSS


『安全院綾鷹プロローグSS』


「しかし、でもお父様は、一体どこにいってしまわれたのだろう」

                         (安全院ゆらぎ)

===================================

その店は、ソウルサイタマの薄汚れた路地にある、看板も掲げられていない
ような場末の店だった。
入口に小さく書かれた名はBER『MAZIN/HAKA』。
男はそれを確認すると、何事か小さな声で呟き、店の扉に手をかけた。

扉の中には…
そこには久しく感じ得ることのできなかった、光があった。
眩しさがあった。
そこはヒトが感じる、実に懐かしい喧騒がひしめいていた。

店内には『ココントウザイ品揃え』『セキトリレスラー殺し』『ダイズ入りトウフ
あります』などと垂れ幕が足らされ、大型魚拓が壁一面に張られている。
客は男性客ばかり10~12人ほど。彼らは扉の開く音を耳聡く聞き逃すことなく
新しく入ってきた来客に視線を向け、品定めを始める。

性別、男。 年齢のほど、壮年。
身長は180近くある。スーツ姿にコート、アタッシュケース持参という井出達が
様になっている。容姿は「苦みばしったいい男」という表現がよく似合うだろうか、
よく鍛えられた身体をしている。何か武術を修めている可能性が高い。
裏世界特有の崩れた印象は見受けられない。etcetc

(…かといって完全な堅気でもない。)
(ま、ここに来るような連中、誰それまともな訳もねーがな)
(…死死死死死…苦苦苦苦…)

舐めるように絡みつく視線にも”企業戦士”風のスーツ男は臆した様子もなく、
受け流すとカウンター席に歩み寄り、ごく自然な様子で座る。
そこで『男』への品定めが一応済んだのか客達は、視線を自らのグラスの元に戻す。

「兄さん、ここスゲェぜ。」
ただ、それに終わらず話しかけてきた者もいた。2つ隣りの席で飲んでた顎の
尖った男だ。顎をしゃくり棚を指す。

「…ほう。」

見れば棚には古今東西の名酒が揃いに揃っている。
右から左に並んだ酒は、全て男の”知っている”酒だ。酒飲みであれば、垂涎の的
といっていいラインラップがそこにはある。
その意味をじっくり3秒考えてから、男はオーダーを発する。

「ではウーロン茶を。」
「 MYGOD!てめぇ、そのナリで下戸かよ。」
「いや十二分に飲んべぇだ。…"だった"か…」
「?」

スーツ男は少し天を仰いだ。訝しむ顎男。
「どうも”飲めなくされた”らしいな。嫌われてたのか…二重の意味で衝撃だ。」
「???…まあいいや」
その様は本気で嘆いているように見受けられ、同情を禁じえない。
酒好きで、酒が飲めないとは、どんな地獄だ。例え明日は敵の身であろうとも
いや敵だからこそか。

「ま、いいや。茶じゃ、しまらないけど乾杯といこうぜ。話は聞いてるだろ?
明日には俺達全員敵同士。
殺し合いを始めるんだと、せいぜいお手柔らかにな」

我ら、ブッタの蜘蛛の糸に縋った憐れな亡者どもサ!!
そういってグラスを差し出す顎男。その邪気のない台詞に男は微笑む。

「一か八かのくそったれな夢に」
「『希望』と言う最後に残った悪夢に」

乾杯。
リ―ンとグラスが鳴る。

「夢か…
そうだな夢なら”醒める・な”。そう醒めるな、だな。」
琥珀色の液体に浮く氷を眺めつつ男はそう呟いた。

†††

―数時間後―
店の大型TVのスイッチが突如入り、下品な笑い声が店内に響き渡る。
画面に映るは、弑、葬、沈の三妖の面々。

「「「さて宴もたけなわですが 実は本選にすら選ばれてなかった残念な
皆さんに朗報です。欠員出てます。オメデトー
というわけで、ここは一席かけてキチキチ殺し合いをおっぱじめたいと…
てぇぇぇっぇええええええええええええええ、
どういうことだおいいいいいいいいい。全員死んでるじゃねぇか」」」

TVの「弑」「葬」「沈」の絶叫が1mmのズレもなくハモった。
いや死んではいない。
確かに店内は死屍累々という言葉は当て嵌まる惨状を呈していたが、
ここでは比喩的表現な死んでる…つまり…ここの全員が…

『揃い』もそろって『酔い潰れている』

いびきをかいて寝ている者もいる。
そうでないものも前後不覚になるまで酔い潰れ、机に突っ伏してたり
床にへたり込んでしまっている。
共通なのは泥酔しており、覚醒状態とはとてもいえないということ。
健在なのはカウンター席にいるスーツの男と店のマスターぐらいのもの。

ここでスーツの男はすっと立つ。
「声に応じた者は」
コートを羽織り、続ける。
「『魔人墓場』に霊体のまま送られると説明を受けた。そして地獄で生身を
持って戦うと。ならば、ここは地獄なのだろう。察するに補選か…
性質の悪い真似をする。」

隣の男に聞いたところ酒以外を頼んだ者は自分が初めて。
揃って酒好き。これだけいて下戸が一人もいないのも不自然な話だった。
つまり別の意図で片寄っていたといえる。例えばそう今のように争う場として。

時刻は正午を指し示していた。
初老のマスターが席を立った男にレシートを差し出す、そこには一枚のカードが、
本選出場のためのプレートが差し込まれていた。

「「「あーあー欠員でたから…と、思ったら…
             補欠どもーっ起きやがれ―。」」」
「あれだけ飲んだんだ、醒めんよ。」

三兄弟に男は冷たく言い放つと店を後にする。
今だカウンターに突っ伏したまま眠る気のよい男に、最後となる別れの言葉をおくりながら。

「せめて醒めない夢を。」


==================================
トーナメント大会・補選 [ 酔水地獄―別名二日酔い地獄―]
全員、戦闘不能。
不戦勝につき
安全院・綾鷹、本選出場。

==================================

MPおよびGKスタンス

キャラ 能力 SS ボーナス 増減 仕様
2 3 1 6 ドM


最終更新:2012年05月29日 21:12