Bブロック第一戦場「血の池地獄」講評

早見 歩(はやみ あゆむ)【ゆとり】

  • 『置いてきた白、身についた黒。冷たい青~』
 直前の赤と合わせた色彩の列挙が美しいです。
  • 『「忘れ物だよ。シンデレラ」』
 走る事が生き甲斐であり、武器でもある少女。その足がもぎ取られている描写を先に見せることで読者の興味を否応なく引いています。
  • 戦闘領域の捉え方は目から鱗です。確かに無理のない解釈ですね。
  • 文字数9934

静間千景(しずま ちかげ)【ドM】

  • 「大地を走るあたしじゃなあいと」⇒「大地を走るあたしじゃないと」?

  • 『ラーメン野郎が味の秘訣を自ら客に明かせば、世界法則により爆裂、死す定めだ。』
 そ、そうなんですか…………定めなら仕方がないですね。
  • 文章力が高く、それぞれのキャラクターに見せ場と能力の応用性を用意しているのは素晴らしいです。
  • 文字数12841

ラーメン野郎・有村 大樹(らーめんやろう・ありむら だいき)【ゆとり】

  • ラーメンとはいったい……。
  • 開幕、ポジティブ少女とネガティブ少女の対比構造はいいですね。
  • 文字数9551

Bブロック第二戦場「修羅界」講評

月読茎五(つくよみ けいご)【ドM】

  • 『暴走バイクのような音と~』
 暴走バイクのような喧しい走行音(モーターの駆動音)、というように具体性を持たせればより良く見えると思います。
  • 『爆発物の音!』
 前の行で爆発が起こっている事は描写されているので、逆に爆発という言葉を使わない方が幅広いかと思います。例えば、「~それにも増して耳をつんざく、地獄に響き渡る不快な炸裂音」のような。
  • 『ダメージ無視で突っ込んでくるケイゴ』
 特に叙述演出上の理由が無ければ、登場人物の表記は統一した方が良いと思います。ケイゴ⇒茎五。
  • ロダンがツェペリさんに見えてしまいました……。ロダンの能力と修羅界のミスマッチを共闘にうまく落とし込んでいます。
  • 最後の茎五VSロダンは、能力戦は抜きにしてももう少し格闘描写があればもっと良かったと思います。せっかくのホーリーランド繋がりなので。
  • 文字数2989

ロダン(ろだん)【ドM】

  • 「加速はあまり載っていなかったが」⇒「加速はあまり乗っていなかったが」
  • 「ロダンが体制を整えて」⇒「ロダンが体勢を整えて」
  • 「どうやら自分をの~」⇒「どうやら自分の」

  • 最後の茎五VSロダンは、能力戦は抜きにしてももう少し格闘描写があればもっと良かったと思います。せっかくのホーリーランド繋がりなので。
  • 全体的にあまり小細工や捻りを加えない構成なので、それを生かしてそれぞれのシーンの描写を濃くしてみるのも良いかと思います。
  • 文字数3464

曼珠沙華 深奈(まんじゅしゃげ しんな)【ドM】

  • 「大小様々な形のの」⇒「大小様々な形の」
  • 「今じゃなんとも無くってはいるけどよ」⇒「今じゃなんとも無くなってはいるけどよ」
  • 「ロダンは一気に茎五の目前まで一気に前進」⇒「ロダンは茎五の目前まで一気に前進」
  • 「茎五が言葉詰まらせる。」⇒「茎五が言葉を詰まらせる。」
  • 「突如紫色の巨大な表面に無数の刃物のような外殻を纏ったタイヤのような物体が頭上から飛び出てくる!」⇒「紫色の巨大な表面に無数の刃物のような外殻を纏ったタイヤのような物体が、突如として頭上から飛び出てくる!」
 こちらの方がスムーズかと思います。
  • 「ロダンを轢肉にしようと~」⇒「ロダンを挽肉にしようと~」
  • 「ロダン腕の肉を」⇒「ロダンの腕の肉を」
  • 「ロダンは自分が轢かる」⇒「ロダンは自分が轢かれる」
  • 「近くにあった岩の影へと」⇒「近くにあった岩の陰へと」
  • 「この三つ巴の戦いに置いて」⇒「この三つ巴の戦いに於いて」
  • 「しかしてこれっおて二人で」⇒「しかしてこれってお二人で」
  • 「悲痛な声を漏す」⇒「悲痛な声を漏らす」

  • 『茎五は拳をロダンめがけ振り下ろし迎撃』
 ここから暫くスピード感と勢いのある単発描写が続くので、例えば比良坂兄弟の実況形式、という形でも面白かったかも。
  • 『超速轟進殺戮車輪に轢かれれば魔人ファイターも一撃で御陀仏だ!!』
 言葉の意味は良く分かりませんが、とにかく凄い説得力です。
  • 『パラサイトフォースはシンナの体の一部ではないので』
 この解釈は他二名にはなく、能力作成者ならではだと思います。
  • 文字数6917

Bブロック第三戦場「阿鼻叫喚地獄」講評

二三一(したなが さい)【ドM】

  • 「ゴーグルから声が聞こえる。三一の魔人能力により」⇒「三一の魔人能力により、ゴーグルから声が聞こえる。」
  • 「攻め立てられる」⇒「責め立てられる」
  • 「余りも威力が高すぎて」⇒「余りにも威力が高すぎて」
  • 「今回自分が活躍できる機会ができて」⇒「今回自分が活躍できる機会ができて、血が騒いでいるのだろう」等。
  • 「うっせえあ。いつも三一と」⇒「うっせえな。いつも三一といちゃいちゃ慣れ合いやがって」等。
  • 「目の前に一人少女の姿が」⇒「目の前に一人の少女の姿が」
  • 「白髪で毛先が髪に届くぐらい」⇒「白髪で毛先が肩に届くぐらい」
  • 「気がつくと少女が三一が接近している」⇒「気がつくと少女が三一のすぐ傍へと接近している」等。
  • 「なお彼らの声は少女には聞こえていない。能力によるもので」⇒「なお彼らの声は少女には聞こえていない。能力によるものである為、言わば三一の脳に直接響いているのだ」等
  • 「よけ続けられ様なものではない。」⇒「よけ続けられる様なものではない。」
  • 「少女の魔人能力か」⇒「少女の魔人能力か。」
  • 「さらしで巧妙に課されていますね」⇒「さらしで巧妙に隠されていますね」
  • 「一人でわめいて様にしか」⇒「一人でわめいている様にしか」
  • 「きずなが傷口からとりだしたハンマーを」⇒「そんな中、きずなが傷口からとりだしたハンマーを」等。簡単な接続で焦点の変更を意識させると良いかと思います。
  • 「身体を非実態化させ」⇒「身体を非実体化させ」
  • 「反撃の体制に」⇒「反撃の体勢に」
  • 「怨念の剣が絆を斬り裂く」⇒「怨念の剣がきずなを斬り裂く」
  • 「今度の攻撃は直撃する」⇒「今度の攻撃は直撃する。」

  • 他キャラでもそうなのですが、会話の出来る相棒をパートナーとして配していると無理なく状況設定が説明でき、独り言の不自然さを消せるキャラ設計です。また、それが複数存在している為に個性をそれぞれに持たせられるのも強みです。
  • 彼らの声、と表記がありますが、三一の主人公性を考えると機械の声は全て女性パーソナルでも良かったかもしれません。
  • 『隠れ巨乳と見ました』
 シリアスの中に緩みを混ぜるのは、効果的に働けば良いアクセントとなります。あまり長すぎては興ざめしてしまうのですが、この場面ではぎりぎりの長さといったところでしょうか。
  • 時間の関係だと思いますが、最後はここからもう一展開欲しいところです。三一の魔人能力がほぼ会話のみの使用なので、ポテンシャルをフルに引き出す方向、或いは戦場ギミックである拷問道具と組み合わせた展開があればもっと良くなったかと思います。
  • 文字数2506

千坂ちずな/きずな(せんざかちずな/きずな)【ドM】

  • 「三一は断頭台の影に隠れつつ」⇒「三一は断頭台の陰に隠れつつ」
  • 「成人女性に匹敵する程のそれを」⇒「成人女性に匹敵する程の重さのそれを」?
 匹敵する程の重さ(或いは大きさ?)かと思いますが、記述すればより親切かと思います。
  • 「うっすら笑みさえ浮かべるきずなに少女はいぶかしんでいた」⇒「うっすら笑みさえ浮かべるきずなを少女はいぶかしんでいた」
  • 「思い切り刀身を蹴り上げた」⇒「思い切り刀身を蹴り上げた。」
  • 「ぐったりとうなだれて動かなくたった」⇒「ぐったりとうなだれて動かなくなった」

  • 三一の一次離脱後のきずなVS右手首の怨念では過去形描写が続くので、現在形での戦闘描写も多少混ぜると臨場感が増すかもしれません。
  • 単純な斬り合いでは右手首の怨念が三一に大きく勝りそうですが、ネットランチャーの使用によってその実力差を埋めているのが相手の設定回収も含めて好判断だと思います。
  • 派手な一撃で勝負が決まるSSが多い中、執拗な拳での殴殺は独自性を感じさせます。
  • 三一の最期のシーンは寂寥感甚だしく、とても素晴らしいと思います。
  • 文字数5733

右手首の怨念(みぎてくびのおんねん)【ゆとり】

  • 二三一がぎりぎりまで主人公ポジションで熱いです。鬼無瀬時限流の必殺剣にも強さの説得力があります。
  • ゴーグルの自我の描写は同戦場においても随一かと思います。
  • 文字数6675


最終更新:2012年06月24日 18:27