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『宇宙の孤児』  ロバート・A・ハインライン


舞台は巨大な宇宙船の中。大昔に、別の星へ移住するために地球から出発したのだが、あるとき船内で反乱的なものが起こり、全ての知識が失われる。主人公らにとって宇宙船こそ世界の全てであり、それで当たり前だと思っている(例えば、重力は円筒状の船体を回転させることで遠心力を発生させているのだが、当然円筒の中心軸付近は遠心力が弱く、重力が低い。だが住人にとってはそれで普通で、逆に地球の本に書かれている「万有引力の法則」等は理解できない)。
「エネルギーやメンテナンスはどうするのよ?」といった当然の疑問についても十分な説明があるが、もったいないのでここでは触れない。

SFの世界ではこういった「巨大宇宙船」のアイデアは定番の一つで珍しく無いようだが、こっちはそんなの知ったことじゃない。これこそSF的な「センス・オブ・ワンダー」だと思う。
この小説は二部構成なのだが、元は『大宇宙』という第一部のみの短編だった。元が短編なだけに話の展開がものすごく速く、それも魅力の一つだ。個人的には第二部の話の展開が最高なのだが。
また全編で200ページ程度とSF長編にしては短く、SF入門用としても最適だろう。