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とある吸血鬼の受難」(2012/01/29 (日) 15:55:19) の最新版変更点

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ここは迷いの竹林。 その名の通り何も知らないものが通ると一度迷ってしまう広大な竹林である。 そこに殺し合いの開始を告げるかのように朝日が―― 「あちちちち!いきなりこんなとこに放り出すなんて馬鹿じゃないの!?」 彼女はレミリア・スカーレット。スカーレットデビルと呼ばれる吸血鬼である。 だが吸血鬼は様々な作品の例に洩れず日の光に弱い。たまらずレミリアは竹林で影ができているところに隠れる。 ここが竹林でなければどうなっていたことか。レミリアはほっと胸を撫で下ろす。 こんなことで脱落していたらスカーレットデビルの名折れだ。 「まぁまずは支給品の確認と行きましょう。何か日の光を遮るものが欲しいけど・・・。」 (少女確認中....) 「……銃ねぇ。」 支給品一式の他に出てきたのは銃でであった。説明書には【S&W M39】と書かれていた。 レミリア自身も『バトル・ロワイアル』は確認しているので銃の存在も危険性も把握していた。 普段の自分ならどうということもないだろうが今の自分が受けるとひとたまりもないだろう。それは他の参加者にも言える。 それだけに悪い支給品ではない。しかし結局の所最大の問題はそこではない。 「一応竹林を伝っていけば森に行けないことはないけど・・・。こんなところでアテにできるか!」 始めに説明した通りここは迷いの竹林である。レミリアは特にここの地理に詳しいわけではない。 参加者の中でもどこぞの兎ならば道が分かるだろうが、居るはずもなく迷うこと請け合いだ。 レミリア本人としては出たくて仕方ないのだがこの体がそれを許さない。 幸い竹林であれば日の光は遮れるだろうし、なんとか永遠亭に行くことも出来るだろうがただでさえここは地図の隅っこ。 医療施設としての需要はあるかもしれないが、参加者が好んで来ようとはしないだろう。 夜になって動こうとしてもまた迷いの竹林であることが足を引っ張る。中心にいくまでにいくら時間がかかるだろうか。 レミリアが思うように、主催としてもあまり無駄な時間は割かせたくないためか迷いの竹林の迷い度(?)は若干緩和されている、のだが……。 そのような事を知る由もなくレミリアはただ苛々を募らせていた。 ◇ 「これが竹林ですか。生前も見たことはありますがここまで素晴らしいのは初めてです。」 幻想郷で蘇った聖人ははゆったりと竹林の中を歩く。 その姿は聖徳王としての風格を感じさせるものだった。 元々彼女が参加したのは新興勢力として、かの命蓮寺にもあったような直々の参加要請があったからである。 これを幻想郷に溶け込むチャンスとし、布都を連れ参加することになった。 『バトル・ロワイアル』はその予習として読んでいる。ちなみにそれを読んだ青娥が目を輝かせていたため、参加させなくて良かったと思ったのは別の話。 支給品の確認を軽く済ませ、聖人、もとい豊聡耳神子はこの殺し合い(ごっこ)における自分の立ち回りを考えていた。 参加したのはいいのだが、立場的に私が悠々と殺しまくるというのもどうだろうか。襲われた場合は流石に対応するが。 しかし、そうなると立ち回りに悩む。やっぱり屠自古などのほうが良かった……というのは流石にいけない。今更遅い。 となると…とりあえず何か戻った時に繋がるような動きをしたい。折角来たからにはそうしなければ。 戻った時に繋がる動きは……やはり。 その時に竹林に声が響く。 『――アテににできるか!』 「……あら?誰かいるようね。」 こういう場所で大声を出すのは非常に危険な行為じゃないのかしら。 そう思いつつ、神子は接触することを決めた。 ◇ 「……状況を整理しましょう。」 レミリアは冷静になって状況を整理する。 まずは当面の目標は日の光を防げるものを探すこと。永遠亭が近くにあるためその中に何かあるかもしれない。 また永遠亭は確認する限りガチャポイントのため、最悪運命頼みになるか。 丁度いいし何か医療品があれば回収しておくのもいいだろう。いずれにせよ永遠亭に行くことは確定だ。 「まぁじっとしていても仕方ない。動ける範囲で動くか。」 竹林の影から出ないように永遠亭を目指し歩き出す。あの永夜異変の時に一度訪れたことはある。 少し迷うかもしれないがそこまで時間はかからないだろう、と踏んで。と思ったところで 「少しよろしいかしら?」 「……ん。」 (……始めて見る顔ね。) その風格からただ者ではないことは分かった。だが誰なのかは分からない。 私が知らないとするともしかしたら噂の最近蘇った聖人とやらか。私に何の用なのやら。 まぁ邪魔をする気なら殺せばいいまで、と銃を構える。 「私に何の用だ。用件によっては………なんの真似だ。」 「交渉というのは対等な立場でないと駄目でしょう?それを実行したまで。」 レミリアが銃を突きつけた時。同時に相手によって刀を突きつけられていた。 いくら銃いえども近づかれていては刀と立場は変わらない。少しでも撃つ素振りを見せればいつ斬られてもおかしくない。 交渉をしたいということなので、強引に動いて下手に怪我する必要もないか。 (聖人と聞いていたがただの生温い奴でもないみたいだな。) 若干感心したが、一体何のためにここまで? 「それで?そこまでして結局私に何の用だ?ただ殺し合うだけならこの形に持ち込む必要はないだろう?」 「……なるほどなるほど。ですが君も目的はただ殺し合うだけじゃないですね?」 「質問を質問で返すな。今はそんなことはどうでもいい。」 「いえ、私にとっては重要なの。殺し合いの場いえど、やはり様々な考えが妖怪でもあるようだから。」 ――気に入らない。それが単純な感想であった。 もう後先の事はいいからこいつを撃ってしまおうか。最初に出会ったのがこんな相手とは。気が削がれる。 そう思った頃である。 「さて、私はまだ見て回ることがあるけど……。君の欲に逆らうとそれも叶わない。大人しく君についていくことにしましょう。」 「……は?」 何を言っているんだこいつは。というかさっき人の心を読んだような言動ばかりでイライラする。 パチェから心を読む妖怪については聞いたことがあるがまさかこいつも?いや、だがそんなことはないはずは……。 「君は邪魔する者には容赦しないけど、協力するものは迎え入れるつもりみたいだし、それで構わないでしょう?」 「おい、待て。何勝手に」 「君についていけば様々な妖怪の欲も見られそうだし。」 本当になんなんだこいつは。何が目的なんだ。 協力するとは言っているが信用しろというのかこういうのを。 「当面の君の目的は日を防ぐもののようね?そのために永遠亭という建物に行く。それで私も問題ないと思います。」 「……。」 駄目だ。もう疲れた。反論する気にもならん。 「拠点の奪還についてはまだ情報が必要でしょう。本拠地な以上守りが薄いわけがありません。協力者が必要なのも頷けます。」 「……もういい分かった。永遠亭に行くぞ。」 もう良いとばかりに銃を下ろし歩き出す。神子も刀を仕舞い続く。 頭は働くようだし、最初の交渉の大胆さから使えない奴ではない。使えない奴ではないが……。 神子がさらっと呟いているがレミリアの最終目標は拠点、本拠地、つまり紅魔館の奪還である。偽りとはいえ紅魔館の名を語ったものが他の奴の手にあるのが許せなかった。 だがレミリアもそう簡単に奪還できるものとは思っていない。そう簡単に奪還できるならゲームとして成り立たない。彼女も楽しみ所は分かっている。 ならば簡単なことだ。主催を捻りつぶす軍団を作る。最悪咲夜だけでもいいが協力しようとする奴を切るほど懐は狭くない。 逆に邪魔をしようとするなら殺す。これはバトロワごっこなのだから。 だが…… (こいつはどちら側に扱えばいいのか分からないわ。) これでいて使えなかったら流石に私でも切っている。 使えるから困る。私の心を読んだような発言は流石に少動揺せざるを得なかった。 仕方ないので一応は受け入れることにしておく。少なくとも咲夜と合流するまでは。 パチェの代わりとか思っておきましょう。思っておかないと私の身が持たない。 そう納得することにした。 ◇ で、結局神子は何がしたかったのかと言うと。 このバトロワごっこには様々な妖怪が参加している。幻想郷の至るところからだ。参加理由も様々だろう。 一部例外もあるが基本的には自主性のため様々な欲を持って参加したに違いない。 まだ私は幻想郷で蘇ってから日が浅い。妖怪のことをまだ深くは知らない。 ならばここで様々な妖怪の欲を読み、妖怪というものを知るのが戻った時に一番成果となるのでは。 神子はそう思ったのだ。 ここでの結果を本来の幻想郷に繋ぐ。バトロワごっこでなければ普通ありえない思考ではあろうがバトロワごっこなのでありえてしまった。 (まぁ繋ぐと言っても、そう簡単に脱落するつもりもないですけど。) 支給品の刀は質はそこまで良さそうではないが護身用には十分だろう。実際交渉の時に役立った。 対等な立場に持ち込み話を進める。欲を読んで相手の本質が分かってる以上弁論で負ける気はない。 レミリアについて行くことにしたのは、実際にレミリアがそういうスタンスな以上ここから戦闘に入る恐れがあったのもあるが、 やはり妖怪について知るには一緒に行動したほうが早い。また協力するものであれば受け入れるとのことなので一緒に行動する妖怪が増える可能性もあるからだ。 ですがこの彼女が脱落することがあるなら改めて動きを考えていかないといけませんね。と付け加える。 問題は (やはり能力を使うと少し疲れます。継続して使うと持ちそうにないです。) 相手の本質が分かれば本業には敵わないものの軽い読心能力のようなものだ。 あとは相手の本質に応じた行動をすれば概ね問題ない。 所々穴はあるが強力な能力には違いない。当然と言える。 (まぁ使う時はちゃんと見極めないと。) そう考えながら吸血鬼、もとい妖怪の後をついて行くのであった。 【D-6・迷いの竹林・朝】 【レミリア・スカーレット】 [状態]:精神的疲労 残り体力(95/100) [装備]:S&W M39(8/8) [道具]:オーブ×2、支給品一式 [思考・状況] 基本方針:紅魔館の奪還 1:永遠亭で日の光を防ぐものを探す 2:……咲夜と早く合流したい 3:邪魔するものには容赦しないが、協力するものは迎え入れる ※神子の能力を心を読む能力、もしくはそれに準ずる能力だと思っています 【豊聡耳神子】 [状態]:疲労(小) 残り体力(90/100) [装備]:庭師の長刀(楼観剣の劣化品) [道具]:オーブ×2、支給品一式 [思考・状況] 基本方針:妖怪の欲を見て回る 1:レミリアについていく 2:自分からは殺さないが、流石に自衛はする 3:そういえば布都は何をしてるのかしら ※迷いの竹林の迷い度(?)は若干緩和されています **ページをめくる(時系列順) Back:[[アイデンティティー]] Next:[[さまよう刃]]
ここは迷いの竹林。 その名の通り何も知らないものが通ると一度迷ってしまう広大な竹林である。 そこに殺し合いの開始を告げるかのように朝日が―― 「あちちちち!いきなりこんなとこに放り出すなんて馬鹿じゃないの!?」 彼女はレミリア・スカーレット。スカーレットデビルと呼ばれる吸血鬼である。 だが吸血鬼は様々な作品の例に洩れず日の光に弱い。たまらずレミリアは竹林で影ができているところに隠れる。 ここが竹林でなければどうなっていたことか。レミリアはほっと胸を撫で下ろす。 こんなことで脱落していたらスカーレットデビルの名折れだ。 「まぁまずは支給品の確認と行きましょう。何か日の光を遮るものが欲しいけど・・・。」 (少女確認中....) 「……銃ねぇ。」 支給品一式の他に出てきたのは銃でであった。説明書には【S&W M39】と書かれていた。 レミリア自身も『バトル・ロワイアル』は確認しているので銃の存在も危険性も把握していた。 普段の自分ならどうということもないだろうが今の自分が受けるとひとたまりもないだろう。それは他の参加者にも言える。 それだけに悪い支給品ではない。しかし結局の所最大の問題はそこではない。 「一応竹林を伝っていけば森に行けないことはないけど・・・。こんなところでアテにできるか!」 始めに説明した通りここは迷いの竹林である。レミリアは特にここの地理に詳しいわけではない。 参加者の中でもどこぞの兎ならば道が分かるだろうが、居るはずもなく迷うこと請け合いだ。 レミリア本人としては出たくて仕方ないのだがこの体がそれを許さない。 幸い竹林であれば日の光は遮れるだろうし、なんとか永遠亭に行くことも出来るだろうがただでさえここは地図の隅っこ。 医療施設としての需要はあるかもしれないが、参加者が好んで来ようとはしないだろう。 夜になって動こうとしてもまた迷いの竹林であることが足を引っ張る。中心にいくまでにいくら時間がかかるだろうか。 レミリアが思うように、主催としてもあまり無駄な時間は割かせたくないためか迷いの竹林の迷い度(?)は若干緩和されている、のだが……。 そのような事を知る由もなくレミリアはただ苛々を募らせていた。 ◇ 「これが竹林ですか。生前も見たことはありますがここまで素晴らしいのは初めてです。」 幻想郷で蘇った聖人ははゆったりと竹林の中を歩く。 その姿は聖徳王としての風格を感じさせるものだった。 元々彼女が参加したのは新興勢力として、かの命蓮寺にもあったような直々の参加要請があったからである。 これを幻想郷に溶け込むチャンスとし、布都を連れ参加することになった。 『バトル・ロワイアル』はその予習として読んでいる。ちなみにそれを読んだ青娥が目を輝かせていたため、参加させなくて良かったと思ったのは別の話。 支給品の確認を軽く済ませ、聖人、もとい豊聡耳神子はこの殺し合い(ごっこ)における自分の立ち回りを考えていた。 参加したのはいいのだが、立場的に私が悠々と殺しまくるというのもどうだろうか。襲われた場合は流石に対応するが。 しかし、そうなると立ち回りに悩む。やっぱり屠自古などのほうが良かった……というのは流石にいけない。今更遅い。 となると…とりあえず何か戻った時に繋がるような動きをしたい。折角来たからにはそうしなければ。 戻った時に繋がる動きは……やはり。 その時に竹林に声が響く。 『――アテににできるか!』 「……あら?誰かいるようね。」 こういう場所で大声を出すのは非常に危険な行為じゃないのかしら。 そう思いつつ、神子は接触することを決めた。 ◇ 「……状況を整理しましょう。」 レミリアは冷静になって状況を整理する。 まずは当面の目標は日の光を防げるものを探すこと。永遠亭が近くにあるためその中に何かあるかもしれない。 また永遠亭は確認する限りガチャポイントのため、最悪運命頼みになるか。 丁度いいし何か医療品があれば回収しておくのもいいだろう。いずれにせよ永遠亭に行くことは確定だ。 「まぁじっとしていても仕方ない。動ける範囲で動くか。」 竹林の影から出ないように永遠亭を目指し歩き出す。あの永夜異変の時に一度訪れたことはある。 少し迷うかもしれないがそこまで時間はかからないだろう、と踏んで。と思ったところで 「少しよろしいかしら?」 「……ん。」 (……始めて見る顔ね。) その風格からただ者ではないことは分かった。だが誰なのかは分からない。 私が知らないとするともしかしたら噂の最近蘇った聖人とやらか。私に何の用なのやら。 まぁ邪魔をする気なら殺せばいいまで、と銃を構える。 「私に何の用だ。用件によっては………なんの真似だ。」 「交渉というのは対等な立場でないと駄目でしょう?それを実行したまで。」 レミリアが銃を突きつけた時。同時に相手によって刀を突きつけられていた。 いくら銃いえども近づかれていては刀と立場は変わらない。少しでも撃つ素振りを見せればいつ斬られてもおかしくない。 交渉をしたいということなので、強引に動いて下手に怪我する必要もないか。 (聖人と聞いていたがただの生温い奴でもないみたいだな。) 若干感心したが、一体何のためにここまで? 「それで?そこまでして結局私に何の用だ?ただ殺し合うだけならこの形に持ち込む必要はないだろう?」 「……なるほどなるほど。ですが君も目的はただ殺し合うだけじゃないですね?」 「質問を質問で返すな。今はそんなことはどうでもいい。」 「いえ、私にとっては重要なの。殺し合いの場いえど、やはり様々な考えが妖怪でもあるようだから。」 ――気に入らない。それが単純な感想であった。 もう後先の事はいいからこいつを撃ってしまおうか。最初に出会ったのがこんな相手とは。気が削がれる。 そう思った頃である。 「さて、私はまだ見て回ることがあるけど……。君の欲に逆らうとそれも叶わない。大人しく君についていくことにしましょう。」 「……は?」 何を言っているんだこいつは。というかさっき人の心を読んだような言動ばかりでイライラする。 パチェから心を読む妖怪については聞いたことがあるがまさかこいつも?いや、だがそんなことはないはずは……。 「君は邪魔する者には容赦しないけど、協力するものは迎え入れるつもりみたいだし、それで構わないでしょう?」 「おい、待て。何勝手に」 「君についていけば様々な妖怪の欲も見られそうだし。」 本当になんなんだこいつは。何が目的なんだ。 協力するとは言っているが信用しろというのかこういうのを。 「当面の君の目的は日を防ぐもののようね?そのために永遠亭という建物に行く。それで私も問題ないと思います。」 「……。」 駄目だ。もう疲れた。反論する気にもならん。 「拠点の奪還についてはまだ情報が必要でしょう。本拠地な以上守りが薄いわけがありません。協力者が必要なのも頷けます。」 「……もういい分かった。永遠亭に行くぞ。」 もう良いとばかりに銃を下ろし歩き出す。神子も刀を仕舞い続く。 頭は働くようだし、最初の交渉の大胆さから使えない奴ではない。使えない奴ではないが……。 神子がさらっと呟いているがレミリアの最終目標は拠点、本拠地、つまり紅魔館の奪還である。偽りとはいえ紅魔館の名を語ったものが他の奴の手にあるのが許せなかった。 だがレミリアもそう簡単に奪還できるものとは思っていない。そう簡単に奪還できるならゲームとして成り立たない。彼女も楽しみ所は分かっている。 ならば簡単なことだ。主催を捻りつぶす軍団を作る。最悪咲夜だけでもいいが協力しようとする奴を切るほど懐は狭くない。 逆に邪魔をしようとするなら殺す。これはバトロワごっこなのだから。 だが…… (こいつはどちら側に扱えばいいのか分からないわ。) これでいて使えなかったら流石に私でも切っている。 使えるから困る。私の心を読んだような発言は流石に少動揺せざるを得なかった。 仕方ないので一応は受け入れることにしておく。少なくとも咲夜と合流するまでは。 パチェの代わりとか思っておきましょう。思っておかないと私の身が持たない。 そう納得することにした。 ◇ で、結局神子は何がしたかったのかと言うと。 このバトロワごっこには様々な妖怪が参加している。幻想郷の至るところからだ。参加理由も様々だろう。 一部例外もあるが基本的には自主性のため様々な欲を持って参加したに違いない。 まだ私は幻想郷で蘇ってから日が浅い。妖怪のことをまだ深くは知らない。 ならばここで様々な妖怪の欲を読み、妖怪というものを知るのが戻った時に一番成果となるのでは。 神子はそう思ったのだ。 ここでの結果を本来の幻想郷に繋ぐ。バトロワごっこでなければ普通ありえない思考ではあろうがバトロワごっこなのでありえてしまった。 (まぁ繋ぐと言っても、そう簡単に脱落するつもりもないですけど。) 支給品の刀は質はそこまで良さそうではないが護身用には十分だろう。実際交渉の時に役立った。 対等な立場に持ち込み話を進める。欲を読んで相手の本質が分かってる以上弁論で負ける気はない。 レミリアについて行くことにしたのは、実際にレミリアがそういうスタンスな以上ここから戦闘に入る恐れがあったのもあるが、 やはり妖怪について知るには一緒に行動したほうが早い。また協力するものであれば受け入れるとのことなので一緒に行動する妖怪が増える可能性もあるからだ。 ですがこの彼女が脱落することがあるなら改めて動きを考えていかないといけませんね。と付け加える。 問題は (やはり能力を使うと少し疲れます。継続して使うと持ちそうにないです。) 相手の本質が分かれば本業には敵わないものの軽い読心能力のようなものだ。 あとは相手の本質に応じた行動をすれば概ね問題ない。 所々穴はあるが強力な能力には違いない。当然と言える。 (まぁ使う時はちゃんと見極めないと。) そう考えながら吸血鬼、もとい妖怪の後をついて行くのであった。 【D-6・迷いの竹林・朝】 【レミリア・スカーレット】 [状態]:精神的疲労 残り体力(95/100) [装備]:S&W M39(8/8) [道具]:オーブ×2、支給品一式 [思考・状況] 基本方針:紅魔館の奪還 1:永遠亭で日の光を防ぐものを探す 2:……咲夜と早く合流したい 3:邪魔するものには容赦しないが、協力するものは迎え入れる ※神子の能力を心を読む能力、もしくはそれに準ずる能力だと思っています 【豊聡耳神子】 [状態]:疲労(小) 残り体力(90/100) [装備]:庭師の長刀(楼観剣の劣化品) [道具]:オーブ×2、支給品一式 [思考・状況] 基本方針:妖怪の欲を見て回る 1:レミリアについていく 2:自分からは殺さないが、流石に自衛はする 3:そういえば布都は何をしてるのかしら ※迷いの竹林の迷い度(?)は若干緩和されています **ページをめくる(時系列順) Back:[[偽りのフォーク]] Next:[[さまよう刃]]

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