Dynareを用いた応用マクロ経済学

要約

この講義はDynareを用いたDSGEの簡単な導入講義です。講義の目的はDynareを用いることで、学生が自分でDSGEを解きシミュレートすることが出来るようになることです。

Dynareとは

  • 合理的期待モデルをシミュレートし、推定するためのプログラム群です。
  • 1994年からMichel Juillardを中心とした応用マクロ経済学者によって開発されてきました。
  • プラットフォームはMATLABやScilab、Gaussです。
  • 200以上の関数群で構成されています。
  • 中央銀行やIMF,学術的な研究や院生の教育用としてなど幅広く活用されています。
  • より詳しくはhttp://www.cepremap.cnrs.fr/dynare/

特徴

  • D(S)GEの定常状態を計算します。
  • 非確率モデルの解を求めます。
  • 線型・非線型モデルの一次・二次近似を計算します。
  • 最尤法またはベイズ的な手法を用いてパラメータを推定します。
  • LQ(二次線型)経済の最適ポリシーを導出します。
  • 単純な回帰を行います。
  • 解の存在条件を簡単に確認できます。
  • ほとんどプログラミングスキルを必要としません。

具体例:単純な閉鎖経済のニューケインジアン(NK)モデル

家計

最適化問題
\max E_0\sum^\infty_{t=0}\beta^t\{U(C_t)-V(N_t)\}
where,
U(C_t)=\frac{C_t-hC_{t-1}^{1-\sigma}}{1-\sigma}
and
V(N_t)=\frac{N_t^{1+\psi}}{1+\psi}.
subject to
\int^1_0P_t(i)C_t(i)di+E_t\{Q_{t,t+1}D_{t+1}\}
\leq D_t+W_tN_t
一次条件
C_t-hC_{t-1}^{-\sigma}\frac{W_t}{P_t}=N_t^\psi
\beta R_tE_t \left\{\frac{P_t}{P_{t+1}}\left(\frac{C_{t+1}-hC_t}{C_t-hC_{t-1}}\right)^{-\sigma}\right\}=1

Cho and Mrleno(JMCB)

工事中。。。
最終更新:2011年12月30日 18:22