ホーミー

モンゴルに伝わる、一人で2つの声を同時に出す歌唱法。

というのが一般的な認識だし、知らない人には分り易いんで別にいい。
だが、ロシア連邦トゥヴァ共和国やアルタイ山脈周辺に古くから伝わる喉歌であるホーメイの方が起源である。
モンゴルでこのホーメイを元にした、俗に言うホーミーが活発になったのは、1950年頃であり、ホーメイとは異なり近代の文化である。

ホーメイとは、倍音成分を多く含んだ、喉の奥を締めた時に出る声を基底とし、口内の容積を「オ」「エ」「ウ」等と変化させる事で倍音の共鳴をコントロールする歌唱法であり、メロディよりは響きに表現の軸がある。
他に、喉の奥にある仮声帯を随意的に振動させる事で低い音を鳴り響かせる歌唱法を、カルグラと呼ぶ。
深く咳をした時に喉の下の方が震えるが、この時に動いている筋肉を随意的に動かす事になり、普段からドスの効いた声を出している人でなければ、習得には長い期間を要する。
逆に、ホーメイの発声と似ているが、口を「イ」の形にし、基底音の響きを抑えながら倍音を共鳴させる事で、まるで口笛の様な音を発する歌唱法があり、これをスグットと呼ぶ。
これらの歌唱法の総称としても、ホーメイと呼ばれる。
他にもボルバンナディルエゼンキレルと呼ばれる歌唱法、それらの組み合わせによる表現が可能である。

なお、日本には「日本トゥヴァホーメイ協会」が存在し、ヒカシューの巻上公一氏を中心に活動している。
http://www.asahi-net.or.jp/~XF3K-MKGM/index.html

モンゴルのホーミーは、中国等の他文化との交流により、ホーメイとスグットの中間の様な声を旋律に軸を動かして演奏される。
最近ではHanggai等のフォークロックバンドが人気を集め、来日公演も実現させている。

アルタイ共和国では、ホーメイの歌唱法により英雄叙事詩を歌いあげる事をカイと呼び、名手であるボロット・バイルシェフは何度も来日公演を行っている。
カイでは通常、トプショールという2本弦の弦楽器の弾き語りという形で演奏される。

「ホーメイ」と「ホーミー」。
その関係は例えるならば、空手とテコンドーの様なものであり、文化的背景や民族意識等の観点から、明確に区別して扱うのが現地の人達への礼儀である。
よって、現地の人や知っている人同士の会話では明確に区別すべきであるが、日本ではまだまだ知らない人の方が圧倒的多数なので、筆者は分り易く「ホーミー」と呼んでいる。(勿論知っている人同士では区別する)

え?じゃぁテルミンくんのは何って?
そりゃまぁ、そのままやってもショウガナイ(フリップ先生乙)ので、バンドのサウンドに合う様にちょっとずつ変えながらやってるよ。
「フリーミー」とでも名付けようかな!

by テルミンくん

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最終更新:2012年03月01日 22:13