店 : お仕事でお使いですか。
   お仕事用といえば、よく選ばれるのは職業用ミシンなんですがね、縫う量や、何を作るかによっては、
   家庭用の実用縫いコンピュータミシンの方が適している場合もあります。
主 : え、あの……?
店 : ああ、いきなり言われてもわかりませんよね。
   では、本人たちに説明させましょう。
主 : 本人?

プレイヤーが疑問に思っていると、店長が店の奥の棚に声をかける。

店 : おおい、ちょっと出てきてくれ。
実用ミシン(以下「実」) : はい。

声がしたかと思うと、髪の長い、スーツを着た青年がすうっと現れる。
プレイヤーに、にっこり笑って一礼し、店長に向き直る。

実 : お呼びですか?
店 : ああ。こちらのお客さんがミシンをお探しだ。
   仕事でミシン使うが職業用を買うまでもないケースについて説明してさしあげてくれ。
実 : わかりました。

以下はプレイヤーに向かって。

実 : ミシンを使うお仕事といってもいろいろあるんです。
   同じ物――パーツを大量に縫うわけではなく、例えば一着の洋服をすべて最後まで縫うという条件でしたら、
   「家庭用ミシン」というクラスの物でも十分な場合があります。
主 : 家庭用、ですか?
実 : はい。
   家庭用ミシンとは文字通り、一般家庭で使われることを前提に考えられているミシンです。
   それ一台で様々なことができますし、音が静かだったり、持ち運びもしやすいように作られています。
   ただ、同じ形の物を大量に、ひたすら真っ直ぐ縫うとか、端がほつれてこないようにひたすらかがる、
   といった作業でしたら、残念ながら僕たち家庭用では少々手に余るので、そういう機能に特化して作られて
   いる職業用というクラスの方が向いています。
主 : (職業用、って、そういう意味だったんだ!)

店 : もっと大がかりに、それこそ量産、っていうレベルで縫うんでしたら、もっと専門的な工業用という
   クラス――私みたいなのが向いているんですがね。
主 : えっ、店長さんもミシン、なんですか?
店 : ええ、まあ。
   その場合は、工房のような場所で職業として行うでしょうし、ミシンを売るにも専門店がありますんで、
   うちのような店では商品としては取り扱っていません。

実 : ここではとりあえず、僕たち――家庭用ミシンができることをご紹介しますね。
主 : はい、お願いします。

実 : 先ほども言いましたが、例えば一着の洋服を最初から最後まで縫う、というような用途でしたら、
   お仕事として行う場合でも、僕たち家庭用ミシンで十分な場合があります。
   その場合、まず確認していただきたいいのは、ミシンの大きさです。
主 : 大きさ、ですか?
実 : はい。横幅が40cm程度あるミシンを選んでいただくことが大事になってきます。



実 : 写真の左側が家庭用ミシン、右側がコンパクトミシンと呼ばれるものです。
   だいぶ大きさが違うでしょう?
主 : そうですね。
実 : こぶしを置いたスペースを作業スペースといいます。イラストだと「2」のところですね。
   ここのスペースが狭いと、布の向きを変えたり、しっかり持って作業する、ということが
   しにくいんです。
   この大きさに関しては機能でカバーできるものではないので、まず一番に確認してください。
   その際は、横幅が40cm程度あるかどうか、を目安にしていただくといいかと思います。

実 : 大きさを確認した上で、価格重視でとにかく安く、ということでしたら、家庭用の中から
   電子ミシンを選ばれたら、比較的安価に購入できると思います。ね?

実用ミシンが振り向くと、そこには、実用ミシンより少し年上の青年が腕組みして立っている。
髪が短く、シンプルな服装で、一見無表情にさえ見える静かな顔つき。
実用ミシンの問いかけに、僅かに顎を引いて答える。

実 : ただまっすぐ縫うだけではなく、ジグザグ縫いも出来るので、模様としてワッペンの周りのような刺繍縫いを
   したい場合など便利かと思います。ただ――

実用ミシン、電子ミシンを見て苦笑。

実 : ご覧になっておわかりかもしれませんが、とにかく電子ミシンはしゃべらないんです。
   つまり、なにかトラブルが起きた場合に、エラーメッセージを表示する、といった機能がないんです。
   ですので、トラブルが起きても、その原因を自分で見つけ、解決しないといけなくなってきます。
   まあ、お仕事でお使いになられる方ならミシンにも慣れていらっしゃるでしょうから、
   例えエラーメッセージが出なくても、使いこなすことが出来るのではないでしょうか。

実 : もし、
   ・ボタンホールをただ四角ではなくハトメ穴で開けたいとか、
   ・ついうっかり下糸がなくなったまま縫ったりしがちとか、
   ・糸調整って実はよく分からないのよね、
   という場合は、僕のようなコンピュータミシンですと、例えば下糸がなくなりかけると警告メッセージを
   出してお知らせすることができます。

   ・縫うのは好きなんだけど、ミシン自体には詳しくないのよね。
   ・でもボタンホールをかがるとか、直線縫い以外でも使いたいの。
   ・仕事で使うものだからある程度いいものがほしいわ。
   という方は、コンピュータミシンが良いかもしれません。

店 : 電子ミシンと違って、こいつ――実用縫いコンピュータミシンはよくしゃべるでしょう。
   つまり、何かトラブルが起きたときや、あまり慣れていない人が困りそうなポイントでいろいろと
   丁寧にアドバイスをしてくれるんです。
   まあ、丁寧すぎて逆に煩わしいと思われる方も、中にはいらっしゃるかもしれませんがね。
実 : ……店長。

実用ミシン、笑っている店長を睨む。
店長、慌てたように笑いを消す。

実 : (気を取り直したように)ただ、家庭用ミシンの中には押さえの圧力調整がついていないミシンがあるんです。
主 : 押さえ、ですか?
実 : 押さえというのは、縫うときに布を押さえて、針の動きに合わせて後ろに送っていく役目の部品です。
   布を何枚も重ねたりして厚くなったとき、薄い布を縫うときと同じ圧力で押さえて縫うと、圧力が強すぎて
   上手く布を後に送ることが出来ず、布の裏がぼろぼろになったり、送り歯の跡が残ってしまったりします。
   それを軽減させるのが押さえの圧力調整の機能です。
店 : この機能は後から足してつけることが出来ないんです。
   ですので、必ず押さえの圧力調整のあるミシンを選んでくださいね。

【サンプル画像】

実 : そして、何度も言うようですが、サイズの欄をみて横幅が40cm位のものから選択するといいと思います。


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