H17. 7.15 東京簡易裁判所 平成16年(ハ)第14772号 自動車引渡等請求

平成17年7月15日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成16年(ハ)第14772号 自動車引渡等請求事件
口頭弁論終結日 平成17年6月24日
判    決
主    文
1 被告は,原告に対し,275万3467円を支払え。
2 訴訟費用は,被告の負担とする。
3 この判決は,仮に執行することができる。
事実及び理由
第1 請   求
   主文同旨
第2 事案の概要
1 請求の原因
   別紙請求の原因記載のとおり。
なお,別紙物件目録記載の自動車等(以下「本件車両」という。)の引渡しを受け,査定後20万円を換価充当したので,主たる請求金額から控除し,本件請求を,270万4800円及び290万4800円に対する平成16年8月26日から同年10月6日まで年14.6パーセントの割合による遅延損害金4万8667円,計275万3467円に減縮する。
2 被告の主張の要点
請求原因事実は認めるが,本件車両の引上げに伴う査定金額は適正ではない。
3 争点
本件車両の換価のための評価は相当か。
第3 争点に対する判断
 1 証拠及び弁論の全趣旨によれば,本件車両の換価については,第2回口頭弁論期日以降,販売店が本件オートローン契約の残債務が完済になるような価格で本件車両を引き取り,本件訴訟を解決したいとの被告の希望で話が進んでいたが,念のため原告が確認したところ,そのような話はなく,やむなく原告が引き取った上で換価充当することとなり,被告はこれに同意したこと(甲9),その後,被告が,本件車両は現状では5,60万円の価値があるはずなので,調べたいとの希望があったため若干の期限の猶予を与えたが,何らの進展がなかったため,平成17年1月25日,原告において本件車両を引き上げ,査定を行うことになったことが認められる。
2 そして,前記の経緯で行われた本件車両の査定価格については,証拠及び弁論の全趣旨によれば,原告が依頼した株式会社A(認定査定士担当)が20万円(本体価格)と評価したこと(甲10),さらに,一般の中古車価格の査定,解約車両の評価等中古車の価格に関する種々の事業を行い,経済産業省及び国土交通省の許可のもとに設立された全国組織を持つ第三者機関であるB協会は,原告の依頼を受け,換金相当額は18万円であるとの査定を行ったこと(甲11)が認められる。これらは,各自動車が有するであろう内外装及び全般的機能の減耗衰退状態を検討し,総合的に算定した結果出されたものであることが認められ,特段の反証がない限り,原告の換価充当した価格は清算金額として相当なものとみるべきである。
3 被告は,本件口頭弁論再開の申立書において,本件車両の査定は稚拙で,信用性が低く,適正価格の主張・立証が尽くされていないと主張する。
しかしながら,証拠によれば,原告がその後販売店に確認したところ,本件車両は150万円から200万円の修理を行わなければ商品価値がなかったことが判明したこと(甲13),被告自身当初から本件車両自体の評価額がかなり低いことは認識していたこと,そして,本件車両を他の車両と混同して査定評価している事実はないことが認められる。加えて被告は,以後本件車両の評価について,特別の調査・検討をしていることは窺われず,査定価格が単に低過ぎるというのみで,特に新たな価格を根拠づける資料の提出もない。したがって,前記査定協会の評価した額を修正する必要性があるとは認められない。
4 以上の事実に基づいて判断すると,原告の請求は理由があるので,主文のとおり判決する。
東京簡易裁判所民事第2室

裁 判 官   中  島     寛


(別紙請求の原因及び物件目録省略)

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最終更新:2005年10月25日 15:02
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