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小説:ガーディアン (後編)」(2005/08/21 (日) 22:41:38) の最新版変更点

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・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・ チュンチュンチュン・・・  「お兄ちゃん、朝だよ」 ・・・・・・んん?もうそんな時間なのか・・・。  「・・・眠い・・・」 こんなときこそ世界使いたくなるよ・・・。時よとまれ~って・・・。  (かったり~・・・起きたくねーよ・・・)  「朝~、朝だよ~。朝ごはん食べて、学校行くよ~?」  (・・・オイ・・・) ・・・雪音がなにやら強力なボケをかましてオレの目を覚まそうとしてる。  「ホラ、お兄ちゃん、起きて!」  「・・・ぬー・・・」 ま、このまま寝ててもしゃーねーし、起きるとするか。  「ふあぁ・・・朝か・・・」 オレはまだ眠気が残る身体を起こす。カーテン越しの日の光がまぶしい。  「やっと起きたね。おはよう、お兄ちゃん」  「ン~・・・おはよ~・・・」 眠気が残ってるのだろう、間の抜けたあいさつだ。  「それじゃ私、朝ごはん作ってるからね」  「あいよ~・・・」 雪音はそういってオレの部屋から出て行く。  (さて、さっさと支度するか・・・) オレは制服に着替え、雪音のいるリビングへと行く。 ・・・・・・ ――カシャン  「ん?なんだ?」 ドアの郵便受けからの音だ。新聞が来たにしては遅すぎるし、こんな音もしない。 とりあえずリビングに行くついでに、見ておくことにする。 ――ゴソゴソ  「・・・これは・・・」 中に入っていたのは、ハートのシールで封をされた手紙だった。  「まさか・・・またヤツ(ストーカー)からか!?」 オレは封を開け、なかの手紙を読む。 『雪音タン、僕は貴方に夢中で仕事中でもハァハァ( ´Д`)シテマス。  僕は貴方を本当に愛してます。好きです。大好きです。  この気持ち、受け取ってください。 ~雪音タン命より~』  「・・・・・・ああ、痛いほど受け取ってやったよ・・・・・・」 こいつを殺さずして、雪音に平和は訪れない。  「ゆるさねえ・・・」 と、手紙を握りつぶそうとした瞬間、  「なんだこれ?」 封筒の中からなにやらチケットらしきものが。しかも2枚。  「ほ~う、雪音を誘ってデートでもしようってのか? そんなことさせねーよ!」 オレは封筒を握りつぶす。もったいないのでチケットはもらっといたが。  (オレと雪音でこのチケットは使ってやるさ・・・) ・・・・・・ そして朝メシを食い終わり、雪音と家を出る。 ・・・・・・・ ・・・・ 学校へ続く通学路の中、少しの沈黙が続いた。  「お兄ちゃん、昨日はありがとう・・・」  「ん?ああ・・・」 沈黙を破ったのは雪音だった。  (礼を言いたいのはオレもなんだけどな・・・) 天国へ逝きそうな、いい思いをしたし。  (むしろ謝りたいかも・・・) そう思うと、背徳感が募ってくる。  (・・・オレ、もしかしてストーカーと同類なんじゃ・・・?) いや、そんなことない! というか認めたくねえ!!  (雪音を想う気持ちは、同じところがあるかもしれ・・・・・・)  「・・・ぬっ!?」 オレは人の気配・・・、そして冷たい視線を感じた。  「え?どうしたのお兄ちゃん?」 いや、ここで雪音に悟られてはいけない!  「・・・・・・なんでもねえ・・・」 まさか、つけられてる!? だがここで雪音を怯えさせるわけにはいかない。  (・・・気のせいなんかじゃない、あの気配は・・・) これは今夜が山場だ。オレの第6感がそういっている・・・・・・。 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・ ・・・そして無事に学校へ着き、いつもどおりに過ごした。なにも問題はなかった。 今は放課後。オレの第6感では、今日これから、何か重大なことが起こると予感している。 オレと雪音は帰りもいっしょだったが、そのときは気配を感じなかった。  (用心しているのか・・・? それとも・・・・・・) なんにせよ、ヤツに感付かれてはならない。  「お兄ちゃん、どうしたの?」  「んへぁ?」 考え事をしているときに話しかけられたので、意味不明な返事をしてしまった。  「今日はなんか変だよ?」  「気にするな・・・」 変に見えるのは仕方ないかもしれない。常に見られてる・って感じるなんて、まるでアレだ・・・。その・・・アレだ。  「・・・・・・雪音、怖くないのか・・・?」 ふとオレは雪音に問いかけてみる。  「うん・・・お兄ちゃんがいるから・・・」  「雪音・・・」 ・・・ああ、オレはこの笑顔を守りたいんだ。そのために戦っているんだ・・・。  「雪音、その笑顔があれば、オレは負けない・・・」  「え?えと・・・うん・・・」 雪音はよく意味が分かっていないようだ。いや、分かられても困るが・・・。  (・・・妹に萌えてしまうとは・・・不覚・・・だな・・・) まぁ雪音はかわいいし、そうなるのも仕方ないかもしれないが。 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・ そして日も暮れ、夜になっていく。晩飯時だ。  「お兄ちゃ~ん、ゴハンできたよ~」  「あいよ~」 晩メシができたらしく、オレはリビングへと行く。  (・・・結局なんも起こらなかったか・・・) カンがハズれたからなのか、妙に気分がいけ好かない。  (なんか舞い上がってたのがアホみたいだ・・・) と、そう思ってたとき、 ―――ガタッ! ガタンッ!! 「痛てっ!」  玄関の向こうで物音、そして人の声がした!  「まさか・・・!」 オレは急いでドアを開け放つ!が、そこには・・・  「・・・は、花束!?」 そう、ドアを開けるとそこには花束が置いてあった。  「ヒイィ~!」 そして、オレの登場に驚いたのか、人の声が!しかもアレっぽい!  (やっぱりオレのカンは当たってたんだ!!) オレが少し喜んでる間に、ヤツは逃亡をはかる!  「逃がすかよ!」 オレは急いでイークイップし、靴を履く!  「よし! 逃げようったって、そうはいかねーぜ!」 こう見えても脚力には自信があるんでね・・・(50m走、5秒8) オレはヤツを追うべく、ロケットスタートを切った。  (たしかヤツは右に・・・おっ、いたぜ!) 家の角を右に曲がると、そこには必死で走るヤツがいた!  「待てぇ!!」  「!? ヒ、ヒイィ~!!」 まぁ、待て・って言って待つやつなんかいないだろう。ヤツはさらにスピードを上げた。  (そんなもん、チョロいぜ!!) オレは本気で追いかけた!  「ヒイィ! こ、こいつ速っ・・・」 ―――ガシ!!  「ヒイィ!?」 オレはヤツの服をつかみとり、その場に倒す。ストーカーの捕獲に成功したぜ!  「さぁて、覚悟はできてんだろうな・・・?」  「お、おぉお前は一体?」 ―――ゴッ!  「ヒイィ!い、痛い~!!」 オレはこいつを殴った。野郎、オレに向かって「お前」だと・・・?  「てめぇ、覚悟はできてるのか聞いてるんだ・・・」  「す、すす、すみませんでした!」 ―――ガスッ!!  「うぐぅ・・・」 オレはコイツをぶん殴り、胸倉をつかんだ。  「この場で血祭りにしてやろうか? あぁ?」  「ご、ごごごめんなさい! もうしません! 誓います! だからもう殴らないで・・・」 ストーカーは半泣きだ。・・・やれやれだぜ・・・  「・・・もう雪音に手を出さないと誓えば、何もしないと約束しよう・・・」  「!! わ、分かりました・・・もう何もしません・・・」 そういうとストーカーは泣きながら、その場を立ち去ろうとする。 ―――ドムッ!!  「い、痛い!」 ストーカーはオレに殴られ、驚いた顔をしている。  「さ、さっき、な・・・なにもしないって、い・・・言ったくせに・・・・・・」 涙と鼻水で顔をグチャグチャにしながら、ストーカーはオレに訴えかけてくる。  「自分を知れ・・・そんなオイシイ話があると思うのか? お前のような人間に」 そしてストーカーもカチンときたのか、オレに刃向かってくる!  「なんてひどい野・・・」  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッ!!  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ドゴドゴドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコッ!!  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ!!  「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」 ―――ドゴドムドムドムドゴドゴドゴドムドムドムドゴドゴドムドゴドゴッ!!  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!  「無駄アアァァアァッ!!!」 ―――ドグシャァア!  「ヤッダーバァアァァァァアアアアア!!」 ストーカーは意味不明な奇声を発し、近くのゴミ清掃車にぶっ飛んでいった。  「燃えるゴミは月水金」 オレの雪音を守る戦いは、これで幕を閉じた・・・。 ・・・かに思えた・・・。 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・ 次の日・・・。 ――カシャン またもや郵便受けに手紙が。  (野郎・・・こりてねーのか・・・?) オレは封をあけ、中の手紙を読む。  『この前はどうもすいませんでした。僕が雪音さんを求めたがゆえに、こんなことになってしまって・・・  この想いはもう届かないようなので、残念だけど胸にしまっておきます ~裏面へ続く~』  (ほう、謝罪の手紙か・・・って裏もあんのか・・・) あんまり読む気は起きないが、一応読んでおく。  『だから、これからは気持ちを切り替えて、新しい恋を見つけたいと想います。  新しい恋・といえば、雪音さんを想うあなたが、すごくかっこよかったです・・・ ~瑩クン命より~』  (・・・この展開はもしや・・・) いや、待て。落ち着けオレ・・・。よく考えるんだ・・・。  「あれ? お兄ちゃん、玄関で突っ立って、どうしたの?」  「ゆ、雪音!?」 まずい・・・! こんな手紙を見せるわけにはいけない!!  「いや、なんでもないよ・・・」  「そう? ならいいけど」  「アハハ・・・」 雪音には昨日、ストーカーを捕らえたことは言ってあるので、とりあえず安心させることはできた。 ・・・が、この手紙を見せた瞬間、別の意味でまた怯えだすだろう・・・。  (これが・・・最後の真実・・・なのか?) こんなエンディング、オレは認めない!!  「こんな、ヒロインは助かったけど自分は死ぬ・みたいなエンディングなど!」 オレは訴えかけた。誰に向けてかは分からないが、とにかく訴えた!  「・・・お、お兄ちゃん、大きな声出して・・・大丈夫?」  「はぅあっ!?」 またもや急だったので、意味不明な返事をしてしまった。  「・・・さっきから変だよ?」  「いやぁ、なんでもないんだ・・・。えと、お前を守りぬくことが出来て、少し舞い上がっているだけなのかもしれないけどな・・・」 とっさに思いついた言い訳を言う。おもックソ早口で何言ってるか自分でもあまり分からなかったが。  「お兄ちゃん・・・」  「そういうことだ」 何がそういうこと・なのか、自分でもわかってないが。  「ありがとう、お兄ちゃん♪」  「・・・ああ」 何かその一言で、全てが吹き飛んだ気がした。と思いたい。  (大切な人を守れたんだから、別にいいじゃないか!) 半分、無理矢理に納得した点もあるが、気にしないでおこう。  (そう、大切な人を守れたんだから・・・) ―――勇気ある誓いとともに・・・進め! ~あとがき~ 別にそんなに書くことないんですが、強いて言えば後半、とくにラスト、いいかげんな終わり方ですねw まぁそこはいつもどおり、ってことで割愛。またお会いしましょう。短っ! 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・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・ チュンチュンチュン・・・  「お兄ちゃん、朝だよ」 ・・・・・・んん?もうそんな時間なのか・・・。  「・・・眠い・・・」 こんなときこそ世界使いたくなるよ・・・。時よとまれ~って・・・。  (かったり~・・・起きたくねーよ・・・)  「朝~、朝だよ~。朝ごはん食べて、学校行くよ~?」  (・・・オイ・・・) ・・・雪音がなにやら強力なボケをかましてオレの目を覚まそうとしてる。  「ホラ、お兄ちゃん、起きて!」  「・・・ぬー・・・」 ま、このまま寝ててもしゃーねーし、起きるとするか。  「ふあぁ・・・朝か・・・」 オレはまだ眠気が残る身体を起こす。カーテン越しの日の光がまぶしい。  「やっと起きたね。おはよう、お兄ちゃん」  「ン~・・・おはよ~・・・」 眠気が残ってるのだろう、間の抜けたあいさつだ。  「それじゃ私、朝ごはん作ってるからね」  「あいよ~・・・」 雪音はそういってオレの部屋から出て行く。  (さて、さっさと支度するか・・・) オレは制服に着替え、雪音のいるリビングへと行く。 ・・・・・・ ――カシャン  「ん?なんだ?」 ドアの郵便受けからの音だ。新聞が来たにしては遅すぎるし、こんな音もしない。 とりあえずリビングに行くついでに、見ておくことにする。 ――ゴソゴソ  「・・・これは・・・」 中に入っていたのは、ハートのシールで封をされた手紙だった。  「まさか・・・またヤツ(ストーカー)からか!?」 オレは封を開け、なかの手紙を読む。 『雪音タン、僕は貴方に夢中で仕事中でもハァハァ( ´Д`)シテマス。  僕は貴方を本当に愛してます。好きです。大好きです。  この気持ち、受け取ってください。 ~雪音タン命より~』  「・・・・・・ああ、痛いほど受け取ってやったよ・・・・・・」 こいつを殺さずして、雪音に平和は訪れない。  「ゆるさねえ・・・」 と、手紙を握りつぶそうとした瞬間、  「なんだこれ?」 封筒の中からなにやらチケットらしきものが。しかも2枚。  「ほ~う、雪音を誘ってデートでもしようってのか? そんなことさせねーよ!」 オレは封筒を握りつぶす。もったいないのでチケットはもらっといたが。  (オレと雪音でこのチケットは使ってやるさ・・・) ・・・・・・ そして朝メシを食い終わり、雪音と家を出る。 ・・・・・・・ ・・・・ 学校へ続く通学路の中、少しの沈黙が続いた。  「お兄ちゃん、昨日はありがとう・・・」  「ん?ああ・・・」 沈黙を破ったのは雪音だった。  (礼を言いたいのはオレもなんだけどな・・・) 天国へ逝きそうな、いい思いをしたし。  (むしろ謝りたいかも・・・) そう思うと、背徳感が募ってくる。  (・・・オレ、もしかしてストーカーと同類なんじゃ・・・?) いや、そんなことない! というか認めたくねえ!!  (雪音を想う気持ちは、同じところがあるかもしれ・・・・・・)  「・・・ぬっ!?」 オレは人の気配・・・、そして冷たい視線を感じた。  「え?どうしたのお兄ちゃん?」 いや、ここで雪音に悟られてはいけない!  「・・・・・・なんでもねえ・・・」 まさか、つけられてる!? だがここで雪音を怯えさせるわけにはいかない。  (・・・気のせいなんかじゃない、あの気配は・・・) これは今夜が山場だ。オレの第6感がそういっている・・・・・・。 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・ ・・・そして無事に学校へ着き、いつもどおりに過ごした。なにも問題はなかった。 今は放課後。オレの第6感では、今日これから、何か重大なことが起こると予感している。 オレと雪音は帰りもいっしょだったが、そのときは気配を感じなかった。  (用心しているのか・・・? それとも・・・・・・) なんにせよ、ヤツに感付かれてはならない。  「お兄ちゃん、どうしたの?」  「んへぁ?」 考え事をしているときに話しかけられたので、意味不明な返事をしてしまった。  「今日はなんか変だよ?」  「気にするな・・・」 変に見えるのは仕方ないかもしれない。常に見られてる・って感じるなんて、まるでアレだ・・・。その・・・アレだ。  「・・・・・・雪音、怖くないのか・・・?」 ふとオレは雪音に問いかけてみる。  「うん・・・お兄ちゃんがいるから・・・」  「雪音・・・」 ・・・ああ、オレはこの笑顔を守りたいんだ。そのために戦っているんだ・・・。  「雪音、その笑顔があれば、オレは負けない・・・」  「え?えと・・・うん・・・」 雪音はよく意味が分かっていないようだ。いや、分かられても困るが・・・。  (・・・妹に萌えてしまうとは・・・不覚・・・だな・・・) まぁ雪音はかわいいし、そうなるのも仕方ないかもしれないが。 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・ そして日も暮れ、夜になっていく。晩飯時だ。  「お兄ちゃ~ん、ゴハンできたよ~」  「あいよ~」 晩メシができたらしく、オレはリビングへと行く。  (・・・結局なんも起こらなかったか・・・) カンがハズれたからなのか、妙に気分がいけ好かない。  (なんか舞い上がってたのがアホみたいだ・・・) と、そう思ってたとき、 ―――ガタッ! ガタンッ!! 「痛てっ!」  玄関の向こうで物音、そして人の声がした!  「まさか・・・!」 オレは急いでドアを開け放つ!が、そこには・・・  「・・・は、花束!?」 そう、ドアを開けるとそこには花束が置いてあった。  「ヒイィ~!」 そして、オレの登場に驚いたのか、人の声が!しかもアレっぽい!  (やっぱりオレのカンは当たってたんだ!!) オレが少し喜んでる間に、ヤツは逃亡をはかる!  「逃がすかよ!」 オレは急いでイークイップし、靴を履く!  「よし! 逃げようったって、そうはいかねーぜ!」 こう見えても脚力には自信があるんでね・・・(50m走、5秒8) オレはヤツを追うべく、ロケットスタートを切った。  (たしかヤツは右に・・・おっ、いたぜ!) 家の角を右に曲がると、そこには必死で走るヤツがいた!  「待てぇ!!」  「!? ヒ、ヒイィ~!!」 まぁ、待て・って言って待つやつなんかいないだろう。ヤツはさらにスピードを上げた。  (そんなもん、チョロいぜ!!) オレは本気で追いかけた!  「ヒイィ! こ、こいつ速っ・・・」 ―――ガシ!!  「ヒイィ!?」 オレはヤツの服をつかみとり、その場に倒す。ストーカーの捕獲に成功したぜ!  「さぁて、覚悟はできてんだろうな・・・?」  「お、おぉお前は一体?」 ―――ゴッ!  「ヒイィ!い、痛い~!!」 オレはこいつを殴った。野郎、オレに向かって「お前」だと・・・?  「てめぇ、覚悟はできてるのか聞いてるんだ・・・」  「す、すす、すみませんでした!」 ―――ガスッ!!  「うぐぅ・・・」 オレはコイツをぶん殴り、胸倉をつかんだ。  「この場で血祭りにしてやろうか? あぁ?」  「ご、ごごごめんなさい! もうしません! 誓います! だからもう殴らないで・・・」 ストーカーは半泣きだ。・・・やれやれだぜ・・・  「・・・もう雪音に手を出さないと誓えば、何もしないと約束しよう・・・」  「!! わ、分かりました・・・もう何もしません・・・」 そういうとストーカーは泣きながら、その場を立ち去ろうとする。 ―――ドムッ!!  「い、痛い!」 ストーカーはオレに殴られ、驚いた顔をしている。  「さ、さっき、な・・・なにもしないって、い・・・言ったくせに・・・・・・」 涙と鼻水で顔をグチャグチャにしながら、ストーカーはオレに訴えかけてくる。  「自分を知れ・・・そんなオイシイ話があると思うのか? お前のような人間に」 そしてストーカーもカチンときたのか、オレに刃向かってくる!  「なんてひどい野・・・」  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッ!!  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ドゴドゴドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコッ!!  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ!!  「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」 ―――ドゴドムドムドムドゴドゴドゴドムドムドムドゴドゴドムドゴドゴッ!!  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!  「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」 ―――ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!  「無駄アアァァアァッ!!!」 ―――ドグシャァア!  「ヤッダーバァアァァァァアアアアア!!」 ストーカーは意味不明な奇声を発し、近くのゴミ清掃車にぶっ飛んでいった。  「燃えるゴミは月水金」 オレの雪音を守る戦いは、これで幕を閉じた・・・。 ・・・かに思えた・・・。 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・ 次の日・・・。 ――カシャン またもや郵便受けに手紙が。  (野郎・・・こりてねーのか・・・?) オレは封をあけ、中の手紙を読む。  『この前はどうもすいませんでした。僕が雪音さんを求めたがゆえに、こんなことになってしまって・・・  この想いはもう届かないようなので、残念だけど胸にしまっておきます ~裏面へ続く~』  (ほう、謝罪の手紙か・・・って裏もあんのか・・・) あんまり読む気は起きないが、一応読んでおく。  『だから、これからは気持ちを切り替えて、新しい恋を見つけたいと想います。  新しい恋・といえば、雪音さんを想うあなたが、すごくかっこよかったです・・・ ~瑩クン命より~』  (・・・この展開はもしや・・・) いや、待て。落ち着けオレ・・・。よく考えるんだ・・・。  「あれ? お兄ちゃん、玄関で突っ立って、どうしたの?」  「ゆ、雪音!?」 まずい・・・! こんな手紙を見せるわけにはいけない!!  「いや、なんでもないよ・・・」  「そう? ならいいけど」  「アハハ・・・」 雪音には昨日、ストーカーを捕らえたことは言ってあるので、とりあえず安心させることはできた。 ・・・が、この手紙を見せた瞬間、別の意味でまた怯えだすだろう・・・。  (これが・・・最後の真実・・・なのか?) こんなエンディング、オレは認めない!!  「こんな、ヒロインは助かったけど自分は死ぬ・みたいなエンディングなど!」 オレは訴えかけた。誰に向けてかは分からないが、とにかく訴えた!  「・・・お、お兄ちゃん、大きな声出して・・・大丈夫?」  「はぅあっ!?」 またもや急だったので、意味不明な返事をしてしまった。  「・・・さっきから変だよ?」  「いやぁ、なんでもないんだ・・・。えと、お前を守りぬくことが出来て、少し舞い上がっているだけなのかもしれないけどな・・・」 とっさに思いついた言い訳を言う。おもックソ早口で何言ってるか自分でもあまり分からなかったが。  「お兄ちゃん・・・」  「そういうことだ」 何がそういうこと・なのか、自分でもわかってないが。  「ありがとう、お兄ちゃん♪」  「・・・ああ」 何かその一言で、全てが吹き飛んだ気がした。と思いたい。  (大切な人を守れたんだから、別にいいじゃないか!) 半分、無理矢理に納得した点もあるが、気にしないでおこう。  (そう、大切な人を守れたんだから・・・) ―――勇気ある誓いとともに・・・進め! ~あとがき~ 別にそんなに書くことないんですが、強いて言えば後半、とくにラスト、いいかげんな終わり方ですねw まぁそこはいつもどおり、ってことで割愛。またお会いしましょう。短っ! 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