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小説:ちっちゃなお姉ちゃん(第2話)」(2005/10/23 (日) 21:15:41) の最新版変更点

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  当たり前のことだが、つい最近授業がスタートした。最初はウキウキしてたものの、 正直、中学校とあんまり変わらない。って変わっても困るけど。   そして今は昼休み。姉ちゃんが「学食の厳しさを教えてあげるわ」とか言ってたので、いざ学食に来てみたが、肝心の姉ちゃんが見つからない。   「それにしても、すごい人ごみだな」 何か物でも落としたらすぐになくなりそうな、そんな場所。バーゲン会場のおばはん軍団にも引けをとらないであろう。学食は比較的広い方だが、すでに満員だ。   「仕方ないな」   オレはケータイを取り出し、姉ちゃんに電話をかける。   「もしもし」   「あ、祐樹、今どこよ?」   「もう学食にいるけど」   「私のいる位置、分かる?」   「全然」   「今、手振ってるんだけど!」   「いや全ッ然見えないんだけど」 手振ってても、ちっちゃかったら意味ないしな。   「って、あ!」 人ごみのなか、必死に手を振って電話している姉ちゃんを見つけた。   「今、姉ちゃん発見できたから、そのままそこにいて」   「え? あ・そう、分かった」 そう言って電話を切る。そしてオレは姉ちゃんのいる位置まで、歩を進める。 かなりの量の人がいるので、歩きづらい。ヘタしたら別の方向へ行ってしまいそうだ。 そんな中、やっと姉ちゃんのいる位置までたどり着いた。   「姉ちゃん」   「うわ、びっくりしたぁ~・・・」 なぜか呼んだだけなのにびっくりされる。今さっき連絡もいれたのに、なんで?   「もう、あんた身長高いのよ!」   「いやそんなこと言われても・・・・・・」 身長が高いのはしょうがない。逆に、姉ちゃんが低いのもしょうがないのだろうけど。 やっぱり、ちっちゃいと色々と不便なんだろうなぁ。   「それより祐樹、まず定食系は無理だから、適当にパンでも買いましょ」   「パンかよ・・・・・・」 パンでは腹いっぱいにはならない。しかも高校初めての昼メシが、パンだとは。 ・・・・・・   パンを買い、学食内で食べるのは困難だ・と、中庭にあるベンチで食べることに。 学食とは違い、こちらは結構空いている。何人か座ってはいるが、それでも余裕だ。   ていうか、みんなこっちで食べればいいんじゃないのか? なんで無理して学食で食べる必要があるのだろうか? って、そうか、定食だもんな。   「祐樹、ここに座るわよ」 と、姉ちゃんはそう言ってベンチへ腰掛ける。うあ、足が地面に届いてない・・・・・・。 必死で笑いをこらえなければならない。機嫌を損ねたら、後が大変だ。   姉ちゃん、牛乳飲みなよ、と言いたい。だが言えない。言ったらまずいことになる。   「あ、ユッコ~!」 言うか言うまいか迷ってた最中、突然そんな声がする。てか「ユッコ」ってなに?   「トモミー!」 その声に姉ちゃんが反応する。どうやらユッコとは、姉ちゃんのあだ名らしい。   「あれ? ユッコ・・・」 トモミとかいう人が何かに疑問を抱いてるよう。まさかとは思うが・・・・・・   「お兄さんいたんだぁ~」 デジャヴ? しかも今度は「オレが兄貴」バージョン。前にも同じようなことが・・・・・・。   ふと隣に座ってる姉ちゃんを見る。やっぱり友達でも怒るものなのかな?   「トモミ・・・・・・」 淡々とした表情で言い放つ。内に秘めた恐ろしさが、今にも湧き出しそうだ・・・。   「もう、怒んないでよ! 弟さんでしょ?」   「・・・・・・そうよ」 姉ちゃんが必死に言いたいことを抑えてるようだ。言っちゃうと、自分がちっちゃいのを おもックソ肯定することになるからなぁ。かわいそうに。   ていうかトモミさん、分かってるのなら言わないで・・・。いや、言わないであげて・・・・・・。 [[第3話へ>http://www4.atwiki.jp/hayato0420/pages/34.html]] [[第1話へ戻る>http://www4.atwiki.jp/hayato0420/pages/32.html]] [[小説部屋へ戻る>小説部屋]] [[トップへ戻る>トップページ]]
*ちっちゃなお姉ちゃん 第2話   当たり前のことだが、つい最近授業がスタートした。最初はウキウキしてたものの、 正直、中学校とあんまり変わらない。って変わっても困るけど。   そして今は昼休み。姉ちゃんが「学食の厳しさを教えてあげるわ」とか言ってたので、いざ学食に来てみたが、肝心の姉ちゃんが見つからない。   「それにしても、すごい人ごみだな」 何か物でも落としたらすぐになくなりそうな、そんな場所。バーゲン会場のおばはん軍団にも引けをとらないであろう。学食は比較的広い方だが、すでに満員だ。   「仕方ないな」   オレはケータイを取り出し、姉ちゃんに電話をかける。   「もしもし」   「あ、祐樹、今どこよ?」   「もう学食にいるけど」   「私のいる位置、分かる?」   「全然」   「今、手振ってるんだけど!」   「いや全ッ然見えないんだけど」 手振ってても、ちっちゃかったら意味ないしな。   「って、あ!」 人ごみのなか、必死に手を振って電話している姉ちゃんを見つけた。   「今、姉ちゃん発見できたから、そのままそこにいて」   「え? あ・そう、分かった」 そう言って電話を切る。そしてオレは姉ちゃんのいる位置まで、歩を進める。 かなりの量の人がいるので、歩きづらい。ヘタしたら別の方向へ行ってしまいそうだ。 そんな中、やっと姉ちゃんのいる位置までたどり着いた。   「姉ちゃん」   「うわ、びっくりしたぁ~・・・」 なぜか呼んだだけなのにびっくりされる。今さっき連絡もいれたのに、なんで?   「もう、あんた身長高いのよ!」   「いやそんなこと言われても・・・・・・」 身長が高いのはしょうがない。逆に、姉ちゃんが低いのもしょうがないのだろうけど。 やっぱり、ちっちゃいと色々と不便なんだろうなぁ。   「それより祐樹、まず定食系は無理だから、適当にパンでも買いましょ」   「パンかよ・・・・・・」 パンでは腹いっぱいにはならない。しかも高校初めての昼メシが、パンだとは。 ・・・・・・   パンを買い、学食内で食べるのは困難だ・と、中庭にあるベンチで食べることに。 学食とは違い、こちらは結構空いている。何人か座ってはいるが、それでも余裕だ。   ていうか、みんなこっちで食べればいいんじゃないのか? なんで無理して学食で食べる必要があるのだろうか? って、そうか、定食だもんな。   「祐樹、ここに座るわよ」 と、姉ちゃんはそう言ってベンチへ腰掛ける。うあ、足が地面に届いてない・・・・・・。 必死で笑いをこらえなければならない。機嫌を損ねたら、後が大変だ。   姉ちゃん、牛乳飲みなよ、と言いたい。だが言えない。言ったらまずいことになる。   「あ、ユッコ~!」 言うか言うまいか迷ってた最中、突然そんな声がする。てか「ユッコ」ってなに?   「トモミー!」 その声に姉ちゃんが反応する。どうやらユッコとは、姉ちゃんのあだ名らしい。   「あれ? ユッコ・・・」 トモミとかいう人が何かに疑問を抱いてるよう。まさかとは思うが・・・・・・   「お兄さんいたんだぁ~」 デジャヴ? しかも今度は「オレが兄貴」バージョン。前にも同じようなことが・・・・・・。   ふと隣に座ってる姉ちゃんを見る。やっぱり友達でも怒るものなのかな?   「トモミ・・・・・・」 淡々とした表情で言い放つ。内に秘めた恐ろしさが、今にも湧き出しそうだ・・・。   「もう、怒んないでよ! 弟さんでしょ?」   「・・・・・・そうよ」 姉ちゃんが必死に言いたいことを抑えてるようだ。言っちゃうと、自分がちっちゃいのを おもックソ肯定することになるからなぁ。かわいそうに。   ていうかトモミさん、分かってるのなら言わないで・・・。いや、言わないであげて・・・・・・。 [[第3話へ>http://www4.atwiki.jp/hayato0420/pages/34.html]] [[第1話へ戻る>http://www4.atwiki.jp/hayato0420/pages/32.html]] [[小説部屋へ戻る>小説部屋]] [[トップへ戻る>トップページ]]

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