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*ちっちゃなお姉ちゃん 第5話   夜11時。風呂上り、何か飲みたくなってくる。   が、冷蔵庫を見ても何もない。飲めるモノといったら「めんつゆ」くらいだ。   「うわ、マジかよ」   さすがに「めんつゆ」は飲む気になれない。どんな罰ゲームだよ。   「あれ、祐樹、どったの?」   「あっ、姉ちゃん」   冷蔵庫の前で一人悩んでいると、背後から姉ちゃんが声をかけてくる。振り向いても視界に人物が映らなかったので少しビックリした。   「姉ちゃん、なんか飲み物ない?」   「え、何もないの?」   「めんつゆしかない」   「むぅー」   姉ちゃんが腕を組んで唸る。なんていうか、すごく滑稽だ。   「困ったわね。私ものど渇いてるのに」   そして、数秒の沈黙が流れた。   「祐樹、あんたちょっとそこの自販機で買ってきてよ」   「オレもそれ、姉ちゃんに言おうと思ってたんだけど」   「む、生意気な弟め」   ならば貴方は生意気な姉ですよ、なんて言ったら絶対に買ってきてくれそうにないので、この発言は控えることにする。   「姉ちゃん、もうジャンケンで決めない?」   「うーん、そうね、そうしよっか」 このままだと平行線なので、ここでフェアな勝負を持ち込む。   「1回勝負よ」   「望むところだ」 そっちの方が早く決まるし、時間を食わない。好都合だ。   「「ジャーンケーン・・・」」   オレと姉ちゃんの手が、宙を舞い、振り下ろされる。   「「ポン!」」   互いの手が場に召喚される。   姉ちゃんの手はグー。よほどオレを殴りたかったのだろうか。   オレの手はパー。結果、   「あ、勝った」   「むむ・・・」 不満そうな顔をする姉ちゃん。そんなに買いに行くのがイヤなのか。   「姉ちゃん、オレ『マッチョ』頼むね」   「祐樹ぃー、こんな夜中に出てって、もし私が襲われたらどうすんのよー」   「いや、自販機まで1分もかからないじゃん」   「そういう問題じゃないのよ!」   「どういう問題なんだよ!」   「もう、とりあえずあんた行きなさい!」 ちょ、勝負に負けてなんてことを言い出す御方だ、ウチのミニ姉は!   「そんなことを言うのはこの口かぁーっ!」 少しカッチーンと来たオレはそう言い、姉ちゃんの両ほっぺたを、ぷにぃ~と軽くツネる。   「は、はあひにゃはいお~!」 バタバタと暴れる姉ちゃん。動きがすごくコミカルだ。   暴れた反動で、オレの手がほっぺたから離れる。   「分かったわよ、行きゃあいいんでしょ!」 なぜかキレ気味で家を飛び出す姉ちゃん。ちゃんと『マッチョ』買って来てくれるだろうか。 あれから3分ほど経過、姉ちゃんが帰ってきた。   「ただいまー」   「おかえりー・・・ってあれ?」 姉ちゃんが手に持ってたのは、姉ちゃんが好きなコーラと、『飲むヨーグルト~カシス風味~』。ホワイ?なぜ?   「姉ちゃん、『マッチョ』は?」   「届かなかった」   「え?」   「届かなかったの!」   「あぁー、ハイハイ・・・なるほどね」 大方、自販機の最上部にマッチョが配置されてたのだろう。そんで姉ちゃんはそこのボタンに届かなかった、と。   「まぁ、姉ちゃん、ちっちゃいもんな」   「ちっちゃいゆーなって!」 最近このやり取りが日常になってきている気がする。   「でも、なんで『飲むヨーグルト』かなぁ。しかもカシスって」   「ムカついたから適当に押したのよ。そしたらそれが出てきたの」   「適当って。せめて『アクエリオス』とかにしてくりゃいいものを」   「だったら自分で行きなさいよ」   「・・・・・・ま、いいや」 なんだかんだ言って買ってきてくれたし(指定のモノではなかったが)、ここは折れとくとしよう。ていうかオレ、なんだか姉ちゃんに甘いような・・・。 [[第4話へ戻る>小説:ちっちゃなお姉ちゃん(第4話)]] [[小説部屋へ戻る>小説部屋]] [[トップへ戻る>トップページ]]
*ちっちゃなお姉ちゃん 第5話   夜11時。風呂上り、何か飲みたくなってくる。   が、冷蔵庫を見ても何もない。飲めるモノといったら「めんつゆ」くらいだ。   「うわ、マジかよ」   さすがに「めんつゆ」は飲む気になれない。どんな罰ゲームだよ。   「あれ、祐樹、どったの?」   「あっ、姉ちゃん」   冷蔵庫の前で一人悩んでいると、背後から姉ちゃんが声をかけてくる。振り向いても視界に人物が映らなかったので少しビックリした。   「姉ちゃん、なんか飲み物ない?」   「え、何もないの?」   「めんつゆしかない」   「むぅー」   姉ちゃんが腕を組んで唸る。なんていうか、すごく滑稽だ。   「困ったわね。私ものど渇いてるのに」   そして、数秒の沈黙が流れた。   「祐樹、あんたちょっとそこの自販機で買ってきてよ」   「オレもそれ、姉ちゃんに言おうと思ってたんだけど」   「む、生意気な弟め」   ならば貴方は生意気な姉ですよ、なんて言ったら絶対に買ってきてくれそうにないので、この発言は控えることにする。   「姉ちゃん、もうジャンケンで決めない?」   「うーん、そうね、そうしよっか」 このままだと平行線なので、ここでフェアな勝負を持ち込む。   「1回勝負よ」   「望むところだ」 そっちの方が早く決まるし、時間を食わない。好都合だ。   「「ジャーンケーン・・・」」   オレと姉ちゃんの手が、宙を舞い、振り下ろされる。   「「ポン!」」   互いの手が場に召喚される。   姉ちゃんの手はグー。よほどオレを殴りたかったのだろうか。   オレの手はパー。結果、   「あ、勝った」   「むむ・・・」 不満そうな顔をする姉ちゃん。そんなに買いに行くのがイヤなのか。   「姉ちゃん、オレ『マッチョ』頼むね」   「祐樹ぃー、こんな夜中に出てって、もし私が襲われたらどうすんのよー」   「いや、自販機まで1分もかからないじゃん」   「そういう問題じゃないのよ!」   「どういう問題なんだよ!」   「もう、とりあえずあんた行きなさい!」 ちょ、勝負に負けてなんてことを言い出す御方だ、ウチのミニ姉は!   「そんなことを言うのはこの口かぁーっ!」 少しカッチーンと来たオレはそう言い、姉ちゃんの両ほっぺたを、ぷにぃ~と軽くツネる。   「は、はあひにゃはいお~!」 バタバタと暴れる姉ちゃん。動きがすごくコミカルだ。   暴れた反動で、オレの手がほっぺたから離れる。   「分かったわよ、行きゃあいいんでしょ!」 なぜかキレ気味で家を飛び出す姉ちゃん。ちゃんと『マッチョ』買って来てくれるだろうか。 あれから3分ほど経過、姉ちゃんが帰ってきた。   「ただいまー」   「おかえりー・・・ってあれ?」 姉ちゃんが手に持ってたのは、姉ちゃんが好きなコーラと、『飲むヨーグルト~カシス風味~』。ホワイ?なぜ?   「姉ちゃん、『マッチョ』は?」   「届かなかった」   「え?」   「届かなかったの!」   「あぁー、ハイハイ・・・なるほどね」 大方、自販機の最上部にマッチョが配置されてたのだろう。そんで姉ちゃんはそこのボタンに届かなかった、と。   「まぁ、姉ちゃん、ちっちゃいもんな」   「ちっちゃいゆーなって!」 最近このやり取りが日常になってきている気がする。   「でも、なんで『飲むヨーグルト』かなぁ。しかもカシスって」   「ムカついたから適当に押したのよ。そしたらそれが出てきたの」   「適当って。せめて『アクエリオス』とかにしてくりゃいいものを」   「だったら自分で行きなさいよ」   「・・・・・・ま、いいや」 なんだかんだ言って買ってきてくれたし(指定のモノではなかったが)、ここは折れとくとしよう。ていうかオレ、なんだか姉ちゃんに甘いような・・・。 [[第6話へ>小説:ちっちゃなお姉ちゃん(第6話)]] [[第4話へ戻る>小説:ちっちゃなお姉ちゃん(第4話)]] [[小説部屋へ戻る>小説部屋]] [[トップへ戻る>トップページ]]

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