小説:戦いの果てに (後編)

    
~前回までのあらすじ~
瑩は点を入れられてしまった。

 「真悟、やはり貴様はオレの認めた最高のライバルだ・・・」
 「いいから早くしろ」
(・・・・・・)
・・・・・・え? ちょっ、今の何?
 「えと、あの・・・真悟クン?」
オレは恐る恐る聞いてみる。
 「んぁ? どうした瑩?」
 「・・・いや、なんでもない」
どうやらオレの気のせいだったらしい。やれやれだぜ。
 「なんにせよ、開始早々やってくれるね、貴様は・・・」
このセリフにはいろんな意味を込めているがな・・・。
 「いくぜ、真悟ォア!!」
 「来いや! アキルァア!!」
オレは真悟の左側を狙い、タマをぶっ飛ばす!
 「タイガーショット!!」
別に虎が出てるわけでも、いや、虎は全く関係ないが・・・。
――カン! カン! カカカン!
オレの飛ばしたタマは、勢いよく反射を繰り返し、真悟のゴールへと迫る!
 「まぁ落ち着けって」
――ガシ!
真悟はそういうと、飛んできた玉を素手でつかんだ。
 「ちょっ、おまっ・・・それセコいだろ!」
 「あ、わり・・・ついクセで・・・」
 「どんなクセだよ!」
というか、セコいが・・・ある意味スゴいのでは?
 「んじゃ、一応ガードできたってことで・・・」
 「・・・まぁいいや」
オレはなんとなく釈然としないが、承諾した。
 「いくぜぇ・・・レーヴァティン!」
――ドガガガガッ!!
真悟の発射したタマが、すごい勢いで迫ってくる!
 (・・・って、この音ありえないだろ!!)
――カシャン!!
ヤツのタマが、またしてもオレのゴールへとぶち込まれてしまった!
 (・・・くそ! やはり1コスト・4ダメージは伊達じゃないぜ!!)
たぶん今オレが思ったことは過半数のヤツが元ネタわからないだろう。
 (いや、そんなことを思ってる場合じゃないでしかし!)
問題はヤツの尋常じゃないシュート力だ。あれをどうにかしない限りオレに勝利はない。
 (仕方ない・・・)
オレはラケット(?)をおもむろに右手から左手へと持ち替えた。
 「宇宙天地与我力量・・・降伏群魔・迎来曙光!!」
 「!!瑩・・・まさか・・・それは!!」
オレは左手に気合を入れる。 (ここで『あの』音楽が流れ始める)
 「はあぁぁああぁ~・・・!!」
 「ついに出したか、鬼の手!!」
・・・実際はただ力いれて血管浮かび上がらせて、それっぽく見せてるだけだが。
 「これで勝負は分からなくなったぜ?」
しかしこの技、持続力皆無なのだ。かなり疲れる、微妙に禁断っぽい技なのだ!
・・・・・・ネタ的にも。
 「お前を倒すには、オレは鬼になるしかない!」
いや、もちろんアレだよ? 本物の鬼になるんじゃなくて、気分的に・って意味だよ?
 「うおおぉぉぉおおっっ!!」
 「あ、瑩の妖力が・・・どんどん上がっていく!?」
そしてオレは、思いっきり力を込めて、タマをぶっ飛ばす!
 「無に帰れぇっ!!」
―――ズドドドド!!
またもやありえない音をたて、タマは真悟のゴールへと進んでいく。
 「くそ! ガードが間に合わない!」
――ガシャアァン!
皿でも割れたかのような音を立て、タマはゴールに入った。
 「どうだ、真悟!」
 「・・・へへ、やるなぁ、瑩!」
まだ1点しか入れてないが、気分的には6000点入れた気分だ。
 「だが・・・まだまだだね、瑩・・・。勝負はこれか・・・あれ?」
 「どうした、真悟?」
タマを取り出そうとしていた真悟が、何かを発見したような声をあげた。
 「・・・瑩ぁ・・・」
 「なんだ?」
真悟がかなり抜けた声でオレを見る。どうしたというのだ?
 「・・・タマ、割れてる・・・」
 「・・・マジで?」
やはりさっきの音はそうだったのか。ガシャアァン! ってなってたしな。
ていうか、普通アレ割れるのか? もっと強度あるはずだろ! ・・・オレのシュート力が強いのか?
 (・・・・・・)
いや、割れてしまった以上、さすがにこれはまずい・・・ような気がする。
オレは回りを見渡し、誰も見てないことを確認する。 どうやら気付かれてないようだ。
 (見つかって店員にとやかく言われるのは面倒だからな・・・)
そうしてさりげなく真悟の方へより、小声で、
 「とりあえずここから離れるぞ」
 「了解」
真悟も分かってくれたらしく、エアホッケーから離れる。
 (・・・あぁ、まだタイムアウトまで2分もあるのに・・・。しゃーねーか・・・)
このままこのゲーセンに長居しているのも危険なような・・・
 「真悟、どうする? まだなんかやる? それとも帰るか?」
オレは考えるのが面倒なので、真悟に決めさせる。(いるよね、こういうヤツ by作者)
 「ここで帰るのもなんとなくシャクだよな・・・」
真悟はそう言う。実際オレも同じことを思っていた。
 「あと1回なんかやって、帰るか?」
 「そうだな」
というか居続けること自体、結構危険なワケだが。かといって帰るのもシャクだ!
 「最後はやっぱ・・・あれだよな?」
 「・・・あれか・・・」
さっきからどのゲームをするにも、すべて「あれ」と呼んでいるオレたち。もはやテレパスィーだ。

・・・・・・
 「さて、どっちから先にいく?」
オレたちはモグラたたきの前で、どちらが先攻いくか決め・・・
 「・・・オレにいかせてくれないか?」
・・・今回は真悟の方からスタートになった。って別に順番関係ないんだけど。
補足だが、このモグラたたきのモグラには名前が付いている。「ストレイト」と「スパイラル」だ。
って結構・・・いや、かなりどうでもいいことだな・・・。 ちなみにモグラは「土竜」と書く。ドラゴンかよ。
そして真悟はコインを投入し、横にあるハンマーに目をやる。 (やりたいネタ分かりそう・・・)
 「ハンマー・コネクトォ!!」
といっても本当に何かとコネクトするわけではないが。要するに気合入れだな、この電波野郎。
叫び声のあと、真悟は手をプルプルさせながらハンマーを握りしめ、
 「ゴルディオン・・・ハンムアアァァアァ――――ッ!!!」
 「なぁ真悟、もう始まってるぞ」
オレは一応、注意としてこいつに呼びかける。が、
 「光になれええぇぇ――――――っ!!」
・・・こいつ聞いてねえ~。もう自分の世界に入っちゃってるよ・・・。
――ドガ! ドゴ! ガス! ドス! ドム!
何秒かロスしたにもかかわらず、真悟は次々と点を稼いでいく。
 『ゲヒュッ! なかなかやるね。次はどうだぁ~?』
電子的な音声とともに、次のステージに進む。このもぐらたたきは、2ステージ制だ。
このステージでは、先ほどより動きが30倍くらい速くなる(オイ)。常人ならまず2ヒットが限界だ。
 「真悟、お前にこれが越せるのかい?」
 「瑩、オレを誰だと思ってる? オレは地上最強のサイボーグだぜ!」
 「・・・さいですか」
そういってる間に、第2ステージは始まっていた。こいつ、いつもこんなんばっか・・・。
 「オラァ!」
――ガス! ブゥン! ブウゥン! シャ! ドス!
よけられながらも、一応ヒットはしている。さすが真悟だな。
 (ふむ・・・どうやらそこらのヤツらとは一味違うようだな・・・)
 「くそ、まるでモンスターBOXだ!」
だがやはり苦戦しているようだ。タイムアウトも近い・・・。
 『メリル――――――――ッ!!』
最後に意味不明な電子音を鳴らし、ゲームは終了した。さて、得点は・・・
――149点! すごい!
そう表示された。「すごい!」だってよ。
 「ふうぅ~・・・。瑩、この記録を抜けるか?」
真悟が余裕綽々な表情でオレに語りかけてくる。
 「忘れたのか真悟・・・勝利するのは・・・勇気あるものだ!!」
そしてオレはコインをぶち込み、ハンマーを構える。今回は鬼の手は使えない(疲れるから)。
 『準備はいい~?』
殴られるってのに、ノンキなもんだな。ってゲームに言ってもしゃーないけど。
 『よ~い、START!』
やけに「スタート」だけ発音がよかった。が、今はどうでもいい!
 「死、あるのみ!」
――ドゴ! ズン! ドス! バキ! メシャ! メメタァ!
オレも真悟と同じく、点を稼いでいく。順調なペースだ。
 (だが、このままでは真悟の点には追いつけない・・・)
実際ペースはいいが、点数に絶妙な差が出ている。
 (・・・まずいな・・・負ける・・・)
 『ゲヒュッ! なかなかやるね。次はどうだぁ~?』
先ほどと同じ電子音が響き渡る。第2ステージ開幕だ。
 「瑩ぁ、もしかして負けるんじゃね?」
真悟が不敵な笑みを浮かべている。上等じゃないか!
 「・・・見せてやる、本当の勇気の力を!」
ハンマーを深く握り締め、オレは立ち向かう。
 (・・・仕方ないが、あのやり方しかない!)
すでに第2ステージは始まっており、変態モグラが素早い動きで攪乱している。
 (・・・・・・)
オレは神経を集中させ、頃合いをハカる。
 「・・・瑩、なにボーっとしてるんだ?」
真悟が話しかけてくる。だが、ここで乱されるわけにもいかない。
 (悪いがスルーさせてもらう・・・)
そうすると案の定、真悟が
 「・・・インパクトスルー?」
そんなツッコミはいらん・・・。てかもう黙っといてくれ!
 (!!)
よし、もう少しだ・・・。もう少し、あと少し・・・3・2・1・・・
 「ここだぁ!」
――ガシイィッ!!
オレは素早く出入りするモグラのうち一匹を掴み取った! そして握力を込める!
――ギ・・・ギギギ・・・ミシ・・・ギギギギ・・・
なにかと不安な音を立てまくってやがるが、気にしないでおく。こいつを逃さないためだ。
そして握力が解ける前に、こいつを叩きまくって点数を稼ぎまくらねばならない。
 「覚悟はいいか・・・ペガサス!」
そしてオレは、掴んだモグラへと、ハンマーの雨を振り降ろす!
―――ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!
みるみるうちにポイントが加算されていく。他のモグラは無駄に出入りしているだけだ!
 「ちょっ、瑩・・・おまっ・・・それセコ・・・」
―――ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!
オレは真悟の言葉を無視し、さらにポイントを稼ぐ!
―――ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!
 「あ、瑩・・・壊れちまうよ!」
―――ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!
 「落ち着けって!」
―――ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!
 『メ、メメ・・・メリ・・・メリル―――――――ッ!!』
タイムアウトともに、さっきとは調子が悪いような音をたて、ゲームは終了した。
・・・なぜか後ろから煙が出ているが・・・気にしないでおこう。
 「さて、何点だろうね・・・」
――382点! ナマ言ってスイマセンでした・・・
 (なんか謝られてるよ・・・機械に・・・)
やはりこのゲーセンは謎が多いな。謝る機能付きとは・・・
――バチ! シュ~・・・ バリバリ!
 「ん?」
なにかいやな予感が・・・。煙の量、多くなってるし・・・。
 「真悟!」 「瑩!」
二人とも、マナカナのようにハモった。どうやら考えてることは同じようだ。
 「「逃げるぞ!」」
そしてオレと真悟は、そそくさとゲーセンから出て行った。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・

・・・オレと真悟は、帰路についていた。
 「ふぅ、あぶなかったねえ・・・」
 「まったくだよ」
アレでバレていたら「ヤバい」では済まないだろう。
 「なんにせよ、少し期間あけないとあのゲーセンには入りづらいな」
 「・・・やれやれだぜ」
そして互いの家へ続く道の分岐点へと差し掛かり、
 「じゃーなぁー、瑩~!」
 「またな~、真悟!」
お互いに、自分の家へと、帰還してゆく。

・・・・・・
・・・

 「ただいま~」
ゲーセンで腹も減ったし、早く飯が食いたいところだ。
 「あ、お兄ちゃん、おかえり」
義妹の雪音(ゆきね)が玄関まで出迎えに来てくれた。やはりかわいいのぉ~。
 「雪音、メシできてる?」
・・・なんて言うと、飯炊き女みたいな扱いっぽく思われがちだが、そうではないぞ。
 「あのね、お兄ちゃん・・・」
 「んぁ? どうした?」
雪音がなにか言いたそうにしている。また何かあったのか?
 「炊飯器のスイッチ・・・入れるの忘れちゃってて・・・」
 「・・・・・・」

―――オレの一日が、終わってゆく。 また明日も、がんばろう。


~あとがき~
前編からだいぶ期間をあけてしまいましたね。マコトにスマソ。
今回は今までに比べ、終わり方が1番まともかつ、円滑になっていると思います。
まぁ、あとがきっても書くことがほとんど無いのでアレですが、それではあんまりなので、
せめて予告でも。次は新キャラが出ますよ。ってこれだけだけど・・・。ではまた。
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