小説:ちっちゃなお姉ちゃん(第1話)

    

※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

ちっちゃなお姉ちゃん 第1話

  オレの名前は加藤祐樹(かとう ゆうき)、はれて志望校に入学できた、
新・高校1年生だ。
  入学式も無事に終え、今日からついに高校生活スタートだ!
  「祐樹、これから登下校時は私と一緒に歩きなさいね」
  さわやかな朝が気持ちいい、そんなオレの真横からそんな声が。
今は8時ちょっとすぎくらい、オレは隣を歩く姉ちゃんと通学路を進んでいる。
姉ちゃんは(言っちゃ悪いが)身長が低いので、オレは目線を下げて話さねばならない。
  「なんで、一緒に歩く必要があるのさ」
別に姉ちゃんとは仲が悪いわけでもないが(むしろ仲はいいほうだ)、オレだってこれから
友達と帰ったりするだろうに、何故?
  「・・・・・・たまに職務質問とかされるのよ・・・」
そんな格好悪い答えが返ってくる。笑いをこらえるのが必死だ。
  「まぁ、姉ちゃん、ちっちゃいもんな」
  「ちっちゃいゆーな!!」
そう言って姉ちゃんはオレを見上げて、睨みつけてくる。だが、姉ちゃんはちっちゃいので
全然怖くない。ていうか、どっちかと言うと面白い。
  実際、オレの身長は182cm、姉ちゃんは139cm。実に43cmもの差がある。
はたから見ると、オレが兄貴、姉ちゃんは妹に見られる。・・・・・・まぁ、当たり前か。
  「姉ちゃん、これからはいっそ、妹で通してみたら?」
  「あんた私をバカにしてるわね・・・・・・」
またオレを見上げて睨みつけてくる。すごくマヌケっぽいのが面白い。
  「ま、これから大きくなるって」
オレはそう言い、姉ちゃんの頭にポンッと手を当て、少しなでる。
  「あーもうっ! 頭なでるな!」
  「はははっ」
これじゃホント、どっちが上なのか分からないな。見た目ではオレが上だろうけど。
  「もう、これでもちょっと気にしてるんだからね?」
  「悪い悪い」
  姉ちゃんはご機嫌ナナメのよう。まぁ、あんだけボロボロに言われりゃそうなるわな。
今は普通だけど、たまにものすごく怒って怖いときもあるから、変に逆撫でしないほうが
身のためだ。
  と、もうすぐ学校に到着する。家からそう遠くないので、歩きでも十分ラクだ。
  「よっ、加藤! おは~」
入学早々、知り合いなどいないはずのオレにあいさつが。
  「ってなんだ、木野か」
こいつは入学式の時に友達になった、木野祥太郎(きの しょうたろう)だ。
会って間もないのに、もう40年くらいのダチのように感じられる。それが木野だ。
  「祐樹、もう友達できたんだ?」
  「うん、まあね」
隣を歩いていた姉ちゃんがそう聞いてくる。どうやらさっきまでのことは
流れてくれたらしく、姉ちゃんの機嫌は安定しているようだ。やれやれ。
  「・・・・・・あれ?」
  「ん? どうしたんだ木野」
なぜかきょとんとした表情をして、木野がこちらを見ている。
  「お前、妹なんかいたんだな」
  今この場で言ってはならないであろう禁句を、こいつはさらっと言い放ちやがった・・・。
やばい。見ず知らずの、しかもちょっと軽そうなヤツにこれを言われたら・・・・・・。
  「・・・・・・あんたねぇ~・・・」
嗚呼、やっぱり・・・。木野よ、あとあと被害を受けるのは最終的にオレなんだ。
頼むから姉ちゃんを怒らせないでくれ・・・・・・。

|新しいページ|検索|ページ一覧|RSS|@ウィキご利用ガイド | 管理者にお問合せ
|ログイン|
  

更新履歴

取得中です。