小説:ちっちゃなお姉ちゃん(第4話)

    

ちっちゃなお姉ちゃん 第4話

  オレの家は学校から近い方だ。歩きでも十分間に合う。変に寝坊しない限りだが。
  しかし、歩きでも通えるから別にいいんだが、なぜか自転車を使わない。理由は、姉ちゃんが自転車通学を嫌がってるからだ。
  自転車だと若干だが、寝ていられる時間が増える。ほんの2、3分だろうけど。
  「姉ちゃん、自転車通学にしないの?」
一応、家が近くても学校側に申請すれば可能なことだ。実際、生徒のほとんどが自転車通学だ。
  「いやよ」
さらっと否定される。何がそんなにイヤなのだろう?
  「少しでも寝ていたい、とか思わないの?」
  「・・・・・・」
オレの質問に、姉ちゃんは黙り込んだ。答えにそこまで悩む必要ないだろう。と、
  「・・・言っても笑わない?」
  またこの返答だ。笑わない、と聞くってことは、笑える話なんだろうか。
  「笑わないよ」
ここで笑う・なんて答えると、絶対話してくれないだろう。・・・って誰でもそうか・・・。
  「えとね、私が自転車乗っちゃうと、余計ミニに見えるというかなんというか・・・」
  「身体のサイズが、ってこと?」
  「それ以上言わないで・・・・・・」
  どうやら当たったらしい。先程笑わないで・みたいなことを言われたが、もう大概慣れているので、笑おうにも笑えない。面白いことは確かだが。
  「まぁ姉ちゃん、ちっちゃ・・・・・・」
  「もうゆーな!」
  そして、オレを見上げ睨み付けてくる。それを優しい目で見下すオレ。見下してる時点で、普通はオレの方が視線がきつくなるはずなんだが、なぜか不思議と見上げてる姉ちゃんの方がきつい。そう感じるのはオレだけかも知れんけど。
  「第一私、自転車うまく乗れないのよね・・・・・・」
  「そういえば昔から嫌いだったね、自転車」
  「うん・・・」
  ていうか、ヤケクソになったのだろうか、そこまでカミングアウトせんでも・・・・・・。
もういい加減、自分がちっちゃいのを素直に受け止め始めたのだろうか?
  「でも、祐樹の後ろに乗るのは嫌いじゃないわよ?」
  「それはよかった」
  昔から自転車に乗れない(?)姉ちゃんは、いっつもオレと二人乗りだった。当然、オレが前で姉ちゃんが後ろ。逆になったことは1度も無い。というか不可能だ。
  「また今度二人でどこか行こうか」
  「久々に、それもいいわね」
  了承する姉ちゃん。なぜか仕方ないなぁ的口調。運転するのはオレなのに。
・・・・・・
  「このままいくと姉ちゃん、車にも乗れないんじゃ?」
  「うるさいわね、そういうのはどうにかなるもんよ」
  「だといいけど」
  仮に乗れたとして、身長がアレだから何回も白バイに止められそうだな。
・・・・・・なんて口にしたら殺されそうだし、黙っておこう・・・。


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