プロローグ(遠坂凛)

777 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:16:06.04 ID:b4B9k1x9o
聖杯戦争解体事件


十にも満たない
そんな小規模の組織の集合体に、魔術協会が敗北した

そんな事件を貴方は知っているだろうか?

きっと、その事件が永遠に続く聖杯戦争の原因なのだろう

779 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:19:09.19 ID:b4B9k1x9o
愛を失った一回目の聖杯戦争、愛を手に入れた二回目の聖杯戦争



魔術師として、人として―――


【凛編、開始】

780 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:22:29.66 ID:b4B9k1x9o
始まりは、何だったのだろうか?


魔術の家に生まれた瞬間?
魔術師を志した瞬間?

それとも、あの運命の夜に
触媒を忘れるというミスを行ったのが始まりだろうか?


あの日の馬鹿との約束は、守れているだろうか?



大聖杯の解体
魔術師である貴女にそれはどんな意味をもたらすのか……

782 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:23:23.06 ID:b4B9k1x9o
冬木、円蔵山
そこに広がる大空洞が最後の戦場であった

■ン「…やっと、たどり着いたわね」

貴女は、溜息混じりにそう呟いた
それもそうだろう、此処に辿り着くまでの障害は大きかった

1つの対象のため封印指定の執行者が同時に数人も動くなど、異常
こちらに『彼女』が居なければどうなっていたか

シロ■「バ■ット達が時間を稼いでくれているんだ、早く行こう」

そこに居る4人は、大きく頷いた

大聖杯さえ、解体してしまえばこちらの勝利だった

783 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:29:01.45 ID:b4B9k1x9o
貴女を囲むように、陣形が組まれる

先陣を切るのは貴女の使い魔であるセイ■ー
それに続く貴女が続きに、ロー■、そして殿の士■

真っ直ぐ大空洞を進んでいく
警戒を怠らない
聖杯は既に、聖杯戦争を開始できる程の魔力を蓄えているのだか

リ■「……嫌な予感ばかり当たるわね」

貴女は、中心に立っていたにもかかわらず
周囲に人間を見失った

リ■「あんな事、口にするんじゃなかったかしら?」

軽く髪を掻き上げ、嘆息

マ■ウ「……殺してあげるわ、ワタシ」


そこに居たのは、自分…いや、幻影か


―――最後の敵が、自分とは

784 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:35:33.93 ID:b4B9k1x9o
あれは貴女の恐怖心か
可能性としての、自分

自分が恐れていた事態

マト■「――――」

その場にはもう貴女と敵しか居ない
きっと聖杯か、敵の罠
きっと、セイ■ーも士■も、戦っているのだろう

自分が『最も戦いたくない相手』と



貴女はこの街に入った時に呟いたのだ

――何が起きても、おかしくない雰囲気ね

それがこれだとは…

787 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:38:41.82 ID:b4B9k1x9o
だからこそ、貴女は恐れはしない
これを越える術を、貴女は思っている

恐怖
それを越えるすべを貴女は理解している

立ち向かう
ただそれだけでいい


貴女は

1.その手に最強を
2.その傍らに最強を

↓4

791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 19:39:06.98 ID:0CmSg2Xlo
2

792 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:42:39.06 ID:b4B9k1x9o
相手が迫る
魔術を練り、迫り来る恐怖

だが、貴女は動かない
その必要がない

魔術が貴方に迫る、その瞬間

光が一閃

それだけで、幻影は砕け散った
貴女に降り注ぐ魔術は、花弁の盾によって防がれる

それこそ最強

アーチャー「すまない、少し遅れた」

凛「…まあ良いわ、行くわよ『アーチャー』」

793 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:50:35.88 ID:b4B9k1x9o
貴女は真っ直ぐ歩き続ける
幻影と共に、『彼』も消えてしまった
それでも、真っ直ぐ真っ直ぐ


大聖杯へ元に辿り着いたのは貴女が一番だったようだ
その後に現れたのは士郎

これで、目的は達成することが出来る

凛「……士郎、やれるわね?」

血塗れの彼
今動けば、彼自体がどうなってしまうのか
それでも

士郎「……ああ、『固有結界』で大聖杯を―――」

彼は魔術を構築する
ソレのためだけの魔術回路を起動する

大聖杯を、世界から隔離し、破壊する
どう隔離するか?
『他の世界に移してしまえば良い』
霊地に根深く入り込んでしまったこれを破壊する術は、それしかない

794 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:54:25.89 ID:b4B9k1x9o
魔術が組み上がる

塗り潰される世界
作り上げるのは士郎の心象風景

剣の丘、剣の墓場
燃える空に浮かび上がる、魔方陣

士郎が、よろめきながら一本の剣を作り上げる

宝石剣、これだけの魔術を砕くための―――



世界が暗転する

795 : ◆8NYroe5tmA [saga]:2012/02/21(火) 19:57:13.32 ID:b4B9k1x9o




それはきっと、ある男の暇つぶし




それはきっと、ある男の気まぐれ




それはきっと、ある男の――――




彼は、歪んだ笑みを浮かべる
これでしばらく、退屈せずに済みそうだ

【凛編、終了】
最終更新:2012年02月21日 21:21
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