映画≪ルナシー≫
チェコのアニメーション作家ヤン・シュヴァンクマイエルの新作映画≪ルナシー≫を観てきました。屑屋先生はもう観ましたか?
この「哲学的ホラー」を観に行くのはかなりの覚悟が必要だった。だいたいタイトルからしてただでは済まされない感じだ。
この「哲学的ホラー」を観に行くのはかなりの覚悟が必要だった。だいたいタイトルからしてただでは済まされない感じだ。
舞台は精神病院。これは精神病院の対立する二つの在り方をめぐる物語である。
つまり一方には完全なる自由,放蕩(libertin)がある。これは侯爵(もちろんサド侯爵に着想を得ている)の立場に代表される。そしてもう一方には管理・処罰,抑圧,操作がある。この二つの在り方が対立している。
つまり一方には完全なる自由,放蕩(libertin)がある。これは侯爵(もちろんサド侯爵に着想を得ている)の立場に代表される。そしてもう一方には管理・処罰,抑圧,操作がある。この二つの在り方が対立している。
恐ろしいことに,ふつう狂気とは「正常」との対比で語られるのだが,ここには正常/狂気の区別がない。何が正常か分からなくなるし,そもそも正常なんてあるのかも分からなくなる。
そして正常/狂気の区別のないところでは,「健全な人たち」と狂者を隔てる精神病院の壁もなくなり,この世界全体が精神病院となる。シュヴァンクマイエル曰く,この精神病院は現代文明の象徴に他ならない。
それゆえ冒頭に流れたフランスの革命歌=国歌≪ラ・マルセイエーズ≫と,エンディングに流れたロシアの革命歌≪同志は倒れぬ≫(君は英雄的に倒れた)は意味深である。
そして正常/狂気の区別のないところでは,「健全な人たち」と狂者を隔てる精神病院の壁もなくなり,この世界全体が精神病院となる。シュヴァンクマイエル曰く,この精神病院は現代文明の象徴に他ならない。
それゆえ冒頭に流れたフランスの革命歌=国歌≪ラ・マルセイエーズ≫と,エンディングに流れたロシアの革命歌≪同志は倒れぬ≫(君は英雄的に倒れた)は意味深である。
うーん,しばらく肉は食べたくないな…。
新宿K'sシネマ,渋谷シアターイメージフォーラムで上映中。
毎週土日に先着30名,「13の体罰カード」をプレゼントだそうです!
新宿K'sシネマ,渋谷シアターイメージフォーラムで上映中。
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