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ふきだまりな話2:桃源郷としての映画


今年の夏の映画は「異界」で熱い!
まずは『姑獲鳥の夏』である。ご存知京極夏彦の同名の「妖怪小説」の映画化である。映像化不可能と言われた(「見え」についての自己言及的な不可能性についての話だもんねぇ)目眩く異形の世界が目の前に!監督はあの『帝都物語』の実相寺昭雄!・・・・・・不安だ。
そして『妖怪大戦争』!水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきという当代きっての妖怪フリークたちがブレーンとなって作った、これまた『姑獲鳥の夏』とは別の意味で映画化不可能といわれた映画である。美少年・神木隆之介が主人公となり、妖怪たちを率いて、魔人・加藤保憲(『帝都物語』の悪玉)操る機怪軍団と全面戦争を行うという、今時ありえないほどの大時代的なストーリー。上記の四人と大極宮のメンバー、大沢在昌もワキとして登場する、どう見ても彼らのオナニー映画のにおいがプンプンする怪作である。
と、今年は局地的(コアなファンだけ)に「異界」映画の夏となりそうな訳だが、考えてみれば映画というメディア自体、そもそも一つの「異界」の入り口であった。1895年12月28日、巴里のグラン・カフェでルイとオーガストのリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフの初上映の瞬間、地獄のものとも天国のものとも言える門が人間の眼前に開かれたのだ!
その後、兄弟が作ったリュミエール商会のカメラマンは世界中で映像を撮影し、上映した。観客は見たこともない映像の渦にその好奇心を満たし、エキゾティズムに酔った。
リュミエールらはもっぱら日常風景をネタに観客を惹きつけたが、映画のもう一人の始祖、奇術師ジョルジュ・メリエスは映画の映像が必ずしも本物である必要はないことを看破していた。『月世界旅行』を観れば一目瞭然、映像トリックも取り入れた奇想天外・荒唐無稽な夢幻劇の幕開けである。
彼らの作った映画は観客の飽くなき好奇心と欲望に訴え、観客から金をまき上げるために作られた。芸術性など欠片もない搾取=エクスプロイテーション映画である。柳下毅一郎は『興行師たちの映画史』(青土社,2003)において、大胆にも映画史をこのエクスプロイテーションの面から再構成している。とても刺激的な記述に満ちているが、その中でもセックスを武器に観客を搾取することだけを目的に作られたセクスプロイテーション映画について取り上げてみようと思ったが、著作権侵害のような気がするし、大体面倒なのでしない。興味のある方は是非一読をば。
蛇足として言えば、チェスティ・モーガンのものが本物だろうとゼナ・フルゾムのものが偽物だろうと劣情の前ではどうでもいいということだ(屑)

追記

『姑獲鳥の夏』を観た。作り物の世界観が存外いい出来でなかなかよかった。ただ、事前に原作小説を読むなど予備勉強をしておかないと、理解に苦しむ場面はあろうかとぞ思う。
  

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