RADEN

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&bold(){国家防衛支援生体}(こっかぼうえいしえんせいたい、[[英]]:Reinforcement A-Life for Defending Nation,&bold(){RADEN})は、 [[夜雲]]の封立[[夜雲バイオ産業技術総合研究所]](夜雲バイオ産技研)が中心となって研究開発された人工生体ロボット。 開発時のコードネームはプロジェクト名(&bold(){R}einforcement &bold(){A}-Life for &bold(){DE}fending &bold(){N}ation)の頭文字を取って「&bold(){RADEN}」(ラデン)と呼称された。 攻殻 䰹ソク 魷ユウ 鰇ジュウ *概要 RADENの本格的な開発は、飛鳥の封立開発法人飛鳥バイオ産業技術総合研究所(飛鳥バイオ技研)によって2000年(平成12年)に開始された。 飛鳥バイオ技研は、海部の打ち立てた生体兵器構想を発展させた「国家防衛支援生体開発計画」(RADENプロジェクトプロジェクト)を発足。 これは生物の細胞が持つ自己増殖機能を再現・利用することで生産コストを抑えつつ、現代兵器に対抗可能な能力として「&bold(){音響トラクター能力}」を持たせるという極めて野心的なプロジェクトであった。 開発初期の実証では、培養したダイオウイカの幹細胞にコンピュータシミュレーションを用いた命令を与えることで 幹細胞を任意の形状に自己組織化させて成長を促すボトムアップ形式での作成に成功した。 浮揚能力に必要な体組織の構造が割り出されると、浮揚器官を反映した実証体が十数タイプ作成された。 2004年(平成16年)の屋外実証実験では高度130mまで浮揚し、距離200mの飛行に成功した。 その後、揚力増加のために浮揚器官を含む体構造の肥大化や、大気中での活動時間の延長のための改良がなされ、2012年(平成24年)に初となる試作体1号「螺鈿」が誕生した。 螺鈿は後に作成される制空支援生体のプロトタイプとなり、2014年(平成26年)には現在運用中の[[S-01>>S-01 毘蘭樹 (制空支援生体)]]の検証体であるX-01が作成され、初飛行テストが行われている。 なお、X-01は2020年(令和1年)に正式採用が決定され、S-01 毘蘭樹として2021年より正式に配備されている。 *特徴 本種は、ダイオウイカの幹細胞から作成された開発後期型の細胞をそのまま受け継いでいる。 そのため、形態的にも遺伝子構造的にも頭足類に類似した特徴を持つ。 最大の特徴として、通常は水中で浮遊生活をするが、大気中を浮揚して移動する能力が付加されている。 頭部に比べて腕部が非常に大きく発達しており、頭部下の左右側面と下部に計10本の腕を持つ。 頭部に近い4本の腕は触腕と呼ばれる細長く伸びた構造になっており、しなやかに伸縮する。 一方、下部に伸びる残りの6本の腕は短く、付随する外套膜を動かす際に用いられるのみである。 全身がクチクラ質の発達した巨大な殻(外套膜)で覆われている。 これらの殻はその複雑な空洞構造によって地磁気や電磁気を超高密度で収束させる効果を持つ。 また、体を覆う外套膜は強誘電体となっており、触手や体表に備わる発電器官によって強力な静電誘導を起こし、体外に電子線を放出する。 この電子線を自身の外套膜の空洞構造に通すことで周囲に高周波数電磁場を発生させ、収束させた地磁気や電磁気による磁場と反発させることにより、空中を浮揚する。 地上や海底に留まる際には、細胞を収縮させて外套膜を偏向することで磁気の収束作用を相殺し、触腕で周囲の構造物に絡みつくことで体を固定する。 活動には数十%の湿度とある程度の深度がある海などの水辺を必要とするが、陸海空全てにおいて一定時間の運用が可能であり、 龍然の公安二部陵群、水群、天群に加え、公安一部(警察に相当)でも正式採用されている。 一体当たりの量産コストは日本円で約1億7000万円と比較的安価で、成熟期間も短いため、現在1年間に1000体まで繁殖可能な体制が整えられている。 なお、深度1,000mを超える深海での能力は限定的であり、潜航用途に特化された次なる生体の開発が待たれる。 非常に巨大で、ダイオウイカ、ダイオウホオズキイカと並ぶ世界最大級の無脊椎動物である。 体の下部には3対6本の「足腕」と呼ばれる発達した腕を持ち、発達した筋肉と硬い外套膜を支えとして、陸上や海底に直立する。 根本から大きく可動するが、体重を支えるための硬い外套膜に覆われているため、ほとんど伸縮はせず、歩行することはできない。 体の上部(胴体)両側面には、触手状に発達した2対の「上腕」と呼ばれる腕を持ち、しなやかに伸縮し、自在に可動する。 体は軟体部と呼ばれ、殻軸筋と呼ばれる筋肉が体表の殻部を固定している。体表が厚い鱗と複雑に発達した外套膜に覆われているため、 他の頭足類や腹足類と異なり乾燥に強く、長時間陸上で活動することができる。 「大背殻」、「大胸甲」と呼ばれる楯状構造の殻が、背と胸を挟むようにして発達しており、外敵に対する防御や直立時の姿勢バランスを取る上で重要な役割を担っている。 触覚は持たないが、頭部によく発達した眼が1対ある。この眼は脊椎動物と同様の構造を持つ、いわゆるカメラ眼で、視神経が網膜の外側を通っており、 視力にすぐれ盲点も存在しない。目は体の前方と後方にそれぞれ1つずつ向いている。また、眼球間に「眼間窩」と呼ばれる様々な感覚器官が集まった箇所があり、 ヘビのピット器官やサメのローレンツ器官のように赤外線や微弱な電流、電波までもを感知することができる。 こうした複雑な器官を外界から保護するため、頭部全体が複雑な形状の鱗や外套膜に覆われている。 眼球など器官は普段はこうした構造の内部に収納されており、外部から見ることはできなくなっている。 下肢部の中心には口があるが、皮膚や全身の外套膜の組織に渦鞭毛藻類の褐虫藻を共生させ、生活に必要な栄養素の多くを褐虫藻の光合成に依存しているため、 摂食の必要がほとんどなく、口は外見からその位置が確認できないほどに退化している。口は食道から胃へとつながり、下肢部の中央にある肛門へとつながっているが 消化器官も退化しているため、固形物を摂食することはできない。 胸部にはふさ状に発達した2対の鰓ふさがあり、水中での呼吸に用いる。陸上では有肺類と同じく、外套腔が肺の役割を果たすため、 鰓ふさは胸部の皮膚と大胸甲との隙間にある「ポケット」に収納される。 血中に銅タンパク質であるヘモシアニンを含むため、血液が青色に発色する(ほとんどの脊椎動物血液中に含まれる鉄タンパク質のヘモグロビンは赤色)。 ・頭部外套膜 ・目 ・口 ・後頭外套膜 ・肩甲外套膜 ・上腕 ・大胸甲 ・鰓房 ・大背殻 ・触腕 ・腹部外套膜 ・背面外套膜 ・下肢外套膜 ・足腕 ・肛門 *生態 皮膚や全身の外套膜の組織に渦鞭毛藻類の褐虫藻が共生しており、生活に必要な栄養素の多くを褐虫藻の光合成に依存しているため、 摂食の必要がほとんどない。消化器官も萎縮してしまっており、固形物を摂取することはできなくなっている。 また、外部刺激が無い限り、日中・夜間問わず殆ど活動せず、大型ながら極めて少食で飢餓に強い性質を持つ。 カイコなどと同じく、野生回帰能力を失っているため、人間による管理なしでは繁殖はおろか、移動することもほとんどない。 軍用生物としての運用は、遠隔で操作可能な電極端子を体内に埋め込み、脳神経節に直接電気信号を送ることで行う。 数百にも及ぶ電気信号パターンにより、些細な移動から繁殖まで全て人の手で管理を行っている。 *生育過程 同一個体が卵子と精子を持つ雌雄同体であり、他の個体と相互に交尾することで受精し産卵する。 自発的に繁殖行動を行うことがないため、現在は電極装置を用いて脳神経系を刺激し、人為的に繁殖を行わせている。 受精すると海底に着底し、下肢の下にマメの鞘のような寒天質の卵鞘を産卵して死亡する。卵は直径約1cmほどで、卵鞘には5000個以上もの卵が入っている。 卵鞘の中にはバクテリアがおり、魚が嫌がる物質を出しているため、産み付けられた卵が魚に食べられる事は無い。 幼生は卵の中で生まれると親の死体の養分を根こそぎ吸い尽くし、そのまま幼生期を卵の中で過ごす。多くは約1ヶ月ほどで孵化する。 約1年程で親と同じ形態となり、3年ほどで成体となる。寿命は4年前後。 RADENは世界初の人工生体兵器で、生物の自己繁殖能力を利用することにより、費用対効果で現存主力戦闘機を上回る新しい防衛能力を持たせようとしていた。 RADENの目標は、コスト面や技術面の問題で困難とされる日本の国産戦闘機を代替するという、軍事的側面の大きい、野心的なプロジェクトであった。 完成した試作型は1迎撃辺りのコストが低く、陸海空からの脅威に対して、費用対効果に優れた低コストな防御策となった。 RADENはエディタブルゲノムコードによって3種の試作型が製作され、2003年に運用試験を行い、初期作戦能力の獲得は2004年と計画されていた。 結果、一部計画の見直しによって1年の遅れが発生したものの、2005年に初期作戦能力の獲得に成功した。 最初の遺伝子デザインにはかなりの重量、サイズ、航続距離および陸上活動時間の制限があり、現代の流動的な戦闘には適していなかった。 これに対し、新型は現在の主力戦闘機である第五世代型戦闘機を迎撃可能な防衛能力を有しており、外皮の露出面積の削減により、体内水分の蒸発が少ない。 世界初の軍用人工生物として、「&bold(){国家防衛用人工生体計画}」に基づき、島津バイオ技研によって極秘に開発された。 全長約45m、全高約7m、質量は13t程度。固有振動制御による超音速飛行能力や、ミサイルや砲弾などの封じ込めによる高い防衛能力を特徴とする。 固有振動制御は、体内に備わる制御器官によるもので、任意の粒子に対して電磁波を送ることで行われる。 飛行や浮遊の他、静止した物体を持ち上げたり、飛来した物体を任意の方向へ逸らすことも出来る。 この器官によって、浮遊・飛行する様子が幾つかの動画共有サイトに掲載され、まるで地球外生命体の様な異質な容姿が話題を呼んだ。 *開発の経緯 世界初の人工多細胞生物の開発者である日向時雨(旧名:海部時雨)は、ノーベル医学生理学賞受賞した時点で、国産生体兵器の開発を開始していたという。 国家防衛支援生体(RADEN)の構想は、日向がアメリカのマサチューセッツ工科大学生の学生であった際に、たまたま見たSF映画の生体兵器から着想を得たという。 この計画の目的は、世界初の人工生体兵器の開発のみならず、コスト面や技術面の問題で困難とされる日本の国産戦闘機を代替し、 生物元来の繁殖力を利用することにより、費用対効果で現存主力戦闘機を上回るといった、軍事的側面の大きい、野心的なプロジェクトであった。 とはいえ、日向や島津バイオ技研においても、人工脊椎動物の短期開発は非常に困難であり、計画時点で生物の最終形態は「水陸両生の軟体動物」とされていた。 上層部で計画が承認されると、同社とスカウトメンバーで構成された特別開発チームが発足し、極秘に開発が開始された。 *国家防衛特化生体の一覧 セ...&bold(){セ}イタイ、生体  シ...&bold(){シ}ケン、試験 ハ...&bold(){ハ}ンヨウ、汎用 キ...&bold(){キ}ュウシュウ、急襲 **技術実証体 **XGS-1 &bold(){XGS-1}は、龍然の海部技術研究本部が開発した人工生体運用実証用の技術試験体。 2体の試作体が存在し、試作1号は「螺鈿」、試作2号は「鼈甲」の愛称で呼ばれる。 XGS-1以前の生物実験から体組織を見直し、高い耐乾性能を備え、陸上活動時間の大幅な延長に成功した。 運用及び味方の識別は、外殻内部に取り付けた信号受信端末からの電気刺激によって行われる。 ***性能諸元 &bold(){全長}:32.13 m(触腕含む) &bold(){全高}:8.75m &bold(){胴体幅}:6.77m(肩甲外套膜含む) &bold(){体重}:14,600 kg &bold(){超過禁止速度}   (空中):M 2.47   (水中):17 ノット &bold(){実用上昇高度}:2,0140 m &bold(){航続距離}:471km &bold(){上昇率}: 機密 (非公表) &bold(){偏向有効範囲}: 1592 m **GS-1(巡視生体) &ref(140909-0002.png) &bold(){GS-1 弁天}は、龍然の海部技術研究本部が「国家防衛用人工生体計画」に基づいて開発した、世界初の多目的巡視生体。 外殻と外套膜は鈍い光沢を持った乳白色を帯びる。試験体XGS-1をベースに、高効率量産・低コスト運用・多用途性を目的として調整された量産型。 一体当たりの繁殖コストは1億2000万円。現在計画されている繁殖予定個体数は780。 重力偏向器官及び全体の小型化によって生育期間を大幅に短縮している他、繁殖力が高く、量産コストが抑えられている。 ***性能諸元 &bold(){分類}:多用途支援生体 &bold(){全長}:約32.13 m(触腕含む) &bold(){全高}:約9.09 m &bold(){胴体幅}:約6.77m(突起部含む) &bold(){体重}: 約17,370 kg &bold(){超過禁止速度}   (空中):M 1 .12   (水中):17 ノット &bold(){実用上昇高度}:1,1170 m &bold(){航続距離}:481 km &bold(){上昇率}: 機密 (非公表) **GS-1S &ref(140909-0001.png) &bold(){GS-1S 弁天改}は、龍然の海部技術研究本部が開発した高高度領空巡視生体。 これまでの海中・海上での運用とは異なり、高高度での運用を前提としている。 そのため、陸上の活動時間、航続距離、航行速度などが大幅に改良されている。 ***性能諸元 &bold(){全長}:約28.57 m(触腕含む) &bold(){全高}:約8.97 m &bold(){胴体幅}:約6.05m(突起部含む) &bold(){体重}: 約17,100 kg &bold(){超過禁止速度}   (空中):M 23.08   (水中):56 ノット &bold(){実用上昇高度}:2,0120 m &bold(){航続距離}:571 km &bold(){上昇率}: 機密 (非公表)
&bold(){国家防衛支援生体}(こっかぼうえいしえんせいたい、[[英]]:Reinforcement A-Life for Defending Nation,&bold(){RADEN})は、 [[夜雲]]の封立[[夜雲バイオ産業技術総合研究所]](夜雲バイオ産技研)が中心となって研究開発された人工生体ロボット。 開発時のコードネームはプロジェクト名(&bold(){R}einforcement &bold(){A}-Life for &bold(){DE}fending &bold(){N}ation)の頭文字を取って「&bold(){RADEN}」(ラデン)と呼称された。 攻殻 䰹ソク 魷ユウ 鰇ジュウ *概要 RADENの本格的な開発は、飛鳥の封立開発法人飛鳥バイオ産業技術総合研究所(飛鳥バイオ技研)によって2000年(平成12年)に開始された。 飛鳥バイオ技研は、海部の打ち立てた生体兵器構想を発展させた「国家防衛支援生体開発計画」(RADENプロジェクトプロジェクト)を発足。 これは生物の細胞が持つ自己増殖機能を再現・利用することで生産コストを抑えつつ、現代兵器に対抗可能な能力として「&bold(){音響トラクター能力}」を持たせるという極めて野心的なプロジェクトであった。 開発初期の実証では、培養したダイオウイカの幹細胞にコンピュータシミュレーションを用いた命令を与えることで 幹細胞を任意の形状に自己組織化させて成長を促すボトムアップ形式での作成に成功した。 浮揚能力に必要な体組織の構造が割り出されると、浮揚器官を反映した実証体が十数タイプ作成された。 2004年(平成16年)の屋外実証実験では高度130mまで浮揚し、距離200mの飛行に成功した。 その後、揚力増加のために浮揚器官を含む体構造の肥大化や、大気中での活動時間の延長のための改良がなされ、2012年(平成24年)に初となる試作体1号「螺鈿」が誕生した。 螺鈿は後に作成される制空支援生体のプロトタイプとなり、2014年(平成26年)には現在運用中の[[S-01>>S-01 毘蘭樹 (制空支援生体)]]の検証体であるX-01が作成され、初飛行テストが行われている。 なお、X-01は2020年(令和1年)に正式採用が決定され、S-01 毘蘭樹として2021年より正式に配備されている。 *特徴 本種は、ダイオウイカの幹細胞から作成された開発後期型の細胞をそのまま受け継いでいる。 そのため、形態的にも遺伝子構造的にも頭足類に類似した特徴を持つ。 最大の特徴として、通常は水中で浮遊生活をするが、大気中を浮揚して移動する能力が付加されている。 頭部に比べて腕部が非常に大きく発達しており、頭部下の左右側面と下部に計10本の腕を持つ。 頭部に近い4本の腕は触腕と呼ばれる細長く伸びた構造になっており、しなやかに伸縮する。 一方、下部に伸びる残りの6本の腕は短く、付随する外套膜を動かす際に用いられるのみである。 全身がクチクラ質の発達した巨大な殻(外套膜)で覆われている。 これらの殻はその複雑な空洞構造によって地磁気や電磁気を超高密度で収束させる効果を持つ。 また、体を覆う外套膜は強誘電体となっており、触手や体表に備わる発電器官によって強力な静電誘導を起こし、体外に電子線を放出する。 この電子線を自身の外套膜の空洞構造に通すことで周囲に高周波数電磁場を発生させ、収束させた地磁気や電磁気による磁場と反発させることにより、空中を浮揚する。 地上や海底に留まる際には、細胞を収縮させて外套膜を偏向することで磁気の収束作用を相殺し、触腕で周囲の構造物に絡みつくことで体を固定する。 活動には数十%の湿度とある程度の深度がある海などの水辺を必要とするが、陸海空全てにおいて一定時間の運用が可能であり、 龍然の公安二部陵群、水群、天群に加え、公安一部(警察に相当)でも正式採用されている。 一体当たりの量産コストは日本円で約1億7000万円と比較的安価で、成熟期間も短いため、現在1年間に1000体まで繁殖可能な体制が整えられている。 なお、深度1,000mを超える深海での能力は限定的であり、潜航用途に特化された次なる生体の開発が待たれる。 非常に巨大で、ダイオウイカ、ダイオウホオズキイカと並ぶ世界最大級の無脊椎動物である。 体の下部には3対6本の「足腕」と呼ばれる発達した腕を持ち、発達した筋肉と硬い外套膜を支えとして、陸上や海底に直立する。 根本から大きく可動するが、体重を支えるための硬い外套膜に覆われているため、ほとんど伸縮はせず、歩行することはできない。 体の上部(胴体)両側面には、触手状に発達した2対の「上腕」と呼ばれる腕を持ち、しなやかに伸縮し、自在に可動する。 体は軟体部と呼ばれ、殻軸筋と呼ばれる筋肉が体表の殻部を固定している。体表が厚い鱗と複雑に発達した外套膜に覆われているため、 他の頭足類や腹足類と異なり乾燥に強く、長時間陸上で活動することができる。 「大背殻」、「大胸甲」と呼ばれる楯状構造の殻が、背と胸を挟むようにして発達しており、外敵に対する防御や直立時の姿勢バランスを取る上で重要な役割を担っている。 触覚は持たないが、頭部によく発達した眼が1対ある。この眼は脊椎動物と同様の構造を持つ、いわゆるカメラ眼で、視神経が網膜の外側を通っており、 視力にすぐれ盲点も存在しない。目は体の前方と後方にそれぞれ1つずつ向いている。また、眼球間に「眼間窩」と呼ばれる様々な感覚器官が集まった箇所があり、 ヘビのピット器官やサメのローレンツ器官のように赤外線や微弱な電流、電波までもを感知することができる。 こうした複雑な器官を外界から保護するため、頭部全体が複雑な形状の鱗や外套膜に覆われている。 眼球など器官は普段はこうした構造の内部に収納されており、外部から見ることはできなくなっている。 下肢部の中心には口があるが、皮膚や全身の外套膜の組織に渦鞭毛藻類の褐虫藻を共生させ、生活に必要な栄養素の多くを褐虫藻の光合成に依存しているため、 摂食の必要がほとんどなく、口は外見からその位置が確認できないほどに退化している。口は食道から胃へとつながり、下肢部の中央にある肛門へとつながっているが 消化器官も退化しているため、固形物を摂食することはできない。 胸部にはふさ状に発達した2対の鰓ふさがあり、水中での呼吸に用いる。陸上では有肺類と同じく、外套腔が肺の役割を果たすため、 鰓ふさは胸部の皮膚と大胸甲との隙間にある「ポケット」に収納される。 血中に銅タンパク質であるヘモシアニンを含むため、血液が青色に発色する(ほとんどの脊椎動物血液中に含まれる鉄タンパク質のヘモグロビンは赤色)。 ・頭部外套膜 ・目 ・口 ・後頭外套膜 ・肩甲外套膜 ・上腕 ・大胸甲 ・鰓房 ・大背殻 ・触腕 ・腹部外套膜 ・背面外套膜 ・下肢外套膜 ・足腕 ・肛門 *生態 皮膚や全身の外套膜の組織に渦鞭毛藻類の褐虫藻が共生しており、生活に必要な栄養素の多くを褐虫藻の光合成に依存しているため、 摂食の必要がほとんどない。消化器官も萎縮してしまっており、固形物を摂取することはできなくなっている。 また、外部刺激が無い限り、日中・夜間問わず殆ど活動せず、大型ながら極めて少食で飢餓に強い性質を持つ。 カイコなどと同じく、野生回帰能力を失っているため、人間による管理なしでは繁殖はおろか、移動することもほとんどない。 軍用生物としての運用は、遠隔で操作可能な電極端子を体内に埋め込み、脳神経節に直接電気信号を送ることで行う。 数百にも及ぶ電気信号パターンにより、些細な移動から繁殖まで全て人の手で管理を行っている。 *生育過程 同一個体が卵子と精子を持つ雌雄同体であり、他の個体と相互に交尾することで受精し産卵する。 自発的に繁殖行動を行うことがないため、現在は電極装置を用いて脳神経系を刺激し、人為的に繁殖を行わせている。 受精すると海底に着底し、下肢の下にマメの鞘のような寒天質の卵鞘を産卵して死亡する。卵は直径約1cmほどで、卵鞘には5000個以上もの卵が入っている。 卵鞘の中にはバクテリアがおり、魚が嫌がる物質を出しているため、産み付けられた卵が魚に食べられる事は無い。 幼生は卵の中で生まれると親の死体の養分を根こそぎ吸い尽くし、そのまま幼生期を卵の中で過ごす。多くは約1ヶ月ほどで孵化する。 約1年程で親と同じ形態となり、3年ほどで成体となる。寿命は4年前後。 RADENは世界初の人工生体兵器で、生物の自己繁殖能力を利用することにより、費用対効果で現存主力戦闘機を上回る新しい防衛能力を持たせようとしていた。 RADENの目標は、コスト面や技術面の問題で困難とされる日本の国産戦闘機を代替するという、軍事的側面の大きい、野心的なプロジェクトであった。 完成した試作型は1迎撃辺りのコストが低く、陸海空からの脅威に対して、費用対効果に優れた低コストな防御策となった。 RADENはエディタブルゲノムコードによって3種の試作型が製作され、2003年に運用試験を行い、初期作戦能力の獲得は2004年と計画されていた。 結果、一部計画の見直しによって1年の遅れが発生したものの、2005年に初期作戦能力の獲得に成功した。 最初の遺伝子デザインにはかなりの重量、サイズ、航続距離および陸上活動時間の制限があり、現代の流動的な戦闘には適していなかった。 これに対し、新型は現在の主力戦闘機である第五世代型戦闘機を迎撃可能な防衛能力を有しており、外皮の露出面積の削減により、体内水分の蒸発が少ない。 世界初の軍用人工生物として、「&bold(){国家防衛用人工生体計画}」に基づき、島津バイオ技研によって極秘に開発された。 全長約45m、全高約7m、質量は13t程度。固有振動制御による超音速飛行能力や、ミサイルや砲弾などの封じ込めによる高い防衛能力を特徴とする。 固有振動制御は、体内に備わる制御器官によるもので、任意の粒子に対して電磁波を送ることで行われる。 飛行や浮遊の他、静止した物体を持ち上げたり、飛来した物体を任意の方向へ逸らすことも出来る。 この器官によって、浮遊・飛行する様子が幾つかの動画共有サイトに掲載され、まるで地球外生命体の様な異質な容姿が話題を呼んだ。 *開発の経緯 世界初の人工多細胞生物の開発者である日向時雨(旧名:海部時雨)は、ノーベル医学生理学賞受賞した時点で、国産生体兵器の開発を開始していたという。 国家防衛支援生体(RADEN)の構想は、日向がアメリカのマサチューセッツ工科大学生の学生であった際に、たまたま見たSF映画の生体兵器から着想を得たという。 この計画の目的は、世界初の人工生体兵器の開発のみならず、コスト面や技術面の問題で困難とされる日本の国産戦闘機を代替し、 生物元来の繁殖力を利用することにより、費用対効果で現存主力戦闘機を上回るといった、軍事的側面の大きい、野心的なプロジェクトであった。 とはいえ、日向や島津バイオ技研においても、人工脊椎動物の短期開発は非常に困難であり、計画時点で生物の最終形態は「水陸両生の軟体動物」とされていた。 上層部で計画が承認されると、同社とスカウトメンバーで構成された特別開発チームが発足し、極秘に開発が開始された。 *国家防衛特化生体の一覧 セ...&bold(){セ}イタイ、生体  シ...&bold(){シ}ケン、試験 ハ...&bold(){ハ}ンヨウ、汎用 キ...&bold(){キ}ュウシュウ、急襲 ト...&bold(){ト}クベツ、特別 **技術実証体 セハ- **XGS-1 &bold(){XGS-1}は、龍然の海部技術研究本部が開発した人工生体運用実証用の技術試験体。 2体の試作体が存在し、試作1号は「螺鈿」、試作2号は「鼈甲」の愛称で呼ばれる。 XGS-1以前の生物実験から体組織を見直し、高い耐乾性能を備え、陸上活動時間の大幅な延長に成功した。 運用及び味方の識別は、外殻内部に取り付けた信号受信端末からの電気刺激によって行われる。 ***性能諸元 &bold(){全長}:32.13 m(触腕含む) &bold(){全高}:8.75m &bold(){胴体幅}:6.77m(肩甲外套膜含む) &bold(){体重}:14,600 kg &bold(){超過禁止速度}   (空中):M 2.47   (水中):17 ノット &bold(){実用上昇高度}:2,0140 m &bold(){航続距離}:471km &bold(){上昇率}: 機密 (非公表) &bold(){偏向有効範囲}: 1592 m **GS-1(巡視生体) &ref(140909-0002.png) &bold(){GS-1 弁天}は、龍然の海部技術研究本部が「国家防衛用人工生体計画」に基づいて開発した、世界初の多目的巡視生体。 外殻と外套膜は鈍い光沢を持った乳白色を帯びる。試験体XGS-1をベースに、高効率量産・低コスト運用・多用途性を目的として調整された量産型。 一体当たりの繁殖コストは1億2000万円。現在計画されている繁殖予定個体数は780。 重力偏向器官及び全体の小型化によって生育期間を大幅に短縮している他、繁殖力が高く、量産コストが抑えられている。 ***性能諸元 &bold(){分類}:多用途支援生体 &bold(){全長}:約32.13 m(触腕含む) &bold(){全高}:約9.09 m &bold(){胴体幅}:約6.77m(突起部含む) &bold(){体重}: 約17,370 kg &bold(){超過禁止速度}   (空中):M 1 .12   (水中):17 ノット &bold(){実用上昇高度}:1,1170 m &bold(){航続距離}:481 km &bold(){上昇率}: 機密 (非公表) **GS-1S &ref(140909-0001.png) &bold(){GS-1S 弁天改}は、龍然の海部技術研究本部が開発した高高度領空巡視生体。 これまでの海中・海上での運用とは異なり、高高度での運用を前提としている。 そのため、陸上の活動時間、航続距離、航行速度などが大幅に改良されている。 ***性能諸元 &bold(){全長}:約28.57 m(触腕含む) &bold(){全高}:約8.97 m &bold(){胴体幅}:約6.05m(突起部含む) &bold(){体重}: 約17,100 kg &bold(){超過禁止速度}   (空中):M 23.08   (水中):56 ノット &bold(){実用上昇高度}:2,0120 m &bold(){航続距離}:571 km &bold(){上昇率}: 機密 (非公表)

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