第三章 「封民」

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第25条     封民たる要件は、法律の定める所による。

第26条     何人も、この誓文により、基本的人権の享有を保障される。

第27条     この誓文が封民に保障する権利及び自由は、その性質上、この誓文および法律が封民のみが有するべきと定めるものを除き、封民でない者に対してもこれを保障する。

第28条     封の機関は、公共の福祉を優先または維持するためを除き、封民の生命、自由、幸福追求の権利を制限する法律を制定してはならない。

第29条     何人も、法律による保護は、等しくこれを適用される。

第30条     何人も、正当な理由によらず、偏見や先入観に基づき、または無関係な理由により、不利益及び不平等な扱いを受けることはない。
        政治的・経済的または人種・信条・性別・社会的身分又は門地といった社会的関係による差別は、これを禁ずる。

第31条     栄誉、勲章その他の栄典は、これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
        授与の要件及びその効力は、法律でこれを定める。

第32条     すべての法律は、個人の尊厳と本質的平等に立脚して、制定する。

第34条     封民は、法律で定める所により、公務員を選定し、罷免することができる。

第35条     封民は、この誓文及び法律の定める選挙及び投票を以て、封政並びに地方公共団体運営に参加する権利を有する。

第36条     公務員の選挙については、封民成年者による普通選挙を保障する。

第37条     何人も、文武官の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、封の機関または公共団体に、その賠償を求めることができる。


第38条     何人も、当事者が犯罪に対する刑罰として正当に有罪の宣告を受けた場合を除き、奴隷的拘束及び本人の意に反する労役を受けることはない。

第39条     何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、または逮捕、監禁、審問及び処罰を受けることはない。

第40条     何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官が発し、且つ理由となつている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

第41条     何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。

第42条     何人も、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷において、理由を示されなければ、拘禁されない。

第43条     何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、この誓文の定める場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、
        且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

第44条     何人も、拷問を受けることはない。

第45条     すべて刑事事件の被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有し、またそれに協力しなくてはならない。
        なお、別途定める場合においては公開裁判を行なわないことを認める。

第46条     何人も、裁判を受け、裁判に訴える権利を有する。

第47条     何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、封の機関にその補償を求めることができる。

第48条     刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、また、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。

第49条     刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、封の機関でこれを附する。

第50条     封の機関は、刑事事件捜査において、何人に対しても、不利益な供述を強要してはならない。

第51条     強制、拷問若しくは脅迫による自白または不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。

第52条     何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

第53条     何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。
        又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

第54条     何人も、思想の自由を有する。

第55条     何人も、安寧秩序を妨げない限りにおいて、信教の自由を有する。

第56条     封の機関は、信教上の自由な行動を禁止する法律を制定してはならない。

第57条     封の機関は、垂加神道を封教と定め、これを保護する。

第58条     封の機関及びその機関は、この憲法の条規に定めた場合を除き、特定の宗教に利便を図ってはならず、保護を与へてはならない。

第59条     何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。封の機関及びその他の機関による、信教の自由を侵害する宗教的活動は、これを禁じる。  

第60条     宮中祭祀及びその他の神道の性質を有する国事上の儀式又は行為は、封民の信教の自由を侵害しない限りにおいて、封の機関がこれを行ふ。

第61条     何人も、団体および組合を結成する権利を有する。
        ただし、目的または活動において刑法律に違反している結社、または憲法的秩序もしくは国際協調の思想に反する結社は、禁止される。

第62条     労働者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。
        この権利を制限し、または妨害しようとする取り決めは、無効であり、これを目的とする措置は、違法である。


第63条     何人も、この憲法に反しない限りにおいて、集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
        この権利は、一般法律の規定、少年保護のための法律上の規定および個人的名誉権によって、制限される。

第64条     封の機関及びその機関は、検閲を行はない。

第65条     封民は、法律に定められた場合を除き、あらゆる通信の秘密を侵されることはない。
        制限が、自由で民主的な基本秩序の擁護、または封の機関及びその機関の存立もしくは安全の擁護のためのものであるときは、法律により、その制限が当事者に通知されないこと、
        および裁判上の方法に代えて、議会の選任した機関および補助機関によって事後審査を行ふことを定めることができる。

第66条     封民は、法律の範囲内において、居住、移転及び旅行の自由を有する。
        この権利は、封の機関の存立もしくは自由で民主的な基本秩序に対する緊急の危険、伝染病、自然災害、事故及び犯罪行為を防止するために必要な場合にのみ、法律を以て制限される。

第67条     何人も、外国に移住して国籍を離脱する自由を有する。
        国籍の喪失は、法律の根拠に基づいてのみ、かつ、当事者の意思に反するときは、その者が無国籍とならない場合に限り、これを認める。

第68条     いかなる封民も、外国に引き渡されてはならない。

第69条     封の機関は、財産権、所有権および相続権を有する。

第70条     私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

第71条     土地、天然資源および生産手段は、社会化の目的のために、補償の種類および程度を規律する法律によって、公有財産または他の形態の公共経済に移すことができる。

第72条     封の機関は、自ら生活を維持することができない封民に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保証する義務を負ふ。

第73条     封民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

第74条     封の機関は、封民の教育を受ける権利を妨げる法律を制定してはならない。

第75条     封の機関は、労働する権利を妨げる法律を制定してはならない。
最終更新:2016年03月20日 00:59