+ユートピア―夢幻の楽園+ +光の姫君+影の皇子+

もくじは
ありません。


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 昔々、ずーっと昔。今から、すんごく昔の話。

 あるところに2つの世界があったんだ。それが、光の世界と影の世界だよ。
光と影は、共に共存することしかできなかった。
―――ん?何でって?光と影は、表と裏。コインみたいな存在だから。

 光と影の世界が誕生した5年後、ぐらいだったかなぁ‥‥。
その頃、光の世界と影の世界に後継者が生まれたんだ。
光の世界の後継者は、姫君で、薔薇色の頬に透き通った真珠のような肌で綺麗な緑色のアオサイを着ていた。
影の世界の後継者は、皇子で、血色の瞳にサラサラと靡く白銀の髪を持ち、淡い水色の服を着ていたんだ。
光の世界の姫君は、ミリシア・ドレスト・リフェラ姫と言って、通称ミドリ姫と呼ばれてたんだって。
影の世界の皇子は、ルシラ・フェルンア・エルフ皇子と言って、通称ルファ皇子と、呼ばれてたんだって。

 さてさて、光の姫君と影の皇子。正反対の世界で暮らしていた二人は、互いの存在を風の便りで知っていたんだ。
そして、互いに、会ってみたいなぁ。と、思ってたんだって。
光と影の王様は、姫君と皇子を会わせてみようと、機会を与えたんだって。

 二人が会うことになったのは、光と影の狭間(はざま)である天命の極。
王族しか入れないこの場所は、皇子と姫君の出会いの場としてぴったりだったんだね。
―――どんなところか?、って?‥‥とても素敵なところだよ。
季節の花々が咲き乱れ、花の精達が毎日舞曲を踊り、活気に満ちあふれているところでね、
とても優しく温かい雰囲気を持ったところなんだ。

 そんな場所で出会うことを定められていた皇子と姫君。
本人達は、王の企みを知らずに、言われた通りに天命の極に行ったんだって。
皇子と姫君が出会った時、季節は、夏で、向日葵が咲き乱れていて、とても綺麗だったそうだよ。

「ぁ‥‥貴方は‥‥」

「‥‥‥真逆(まさか)‥‥‥」

 それが二人が出会った時の一言だったんだって。

 ミドリ姫君は、緑色の髪を腰まで伸ばし、姫君の翡翠の瞳は、森のように優しかった。
姫君は、皇子と出会った日、淡い緑色のアオサイを着ていたそうだよ。
皇子は、ミドリ姫君を見て〝妖精――?〟と思ったくらい、素敵だったそうだよ。


「貴男は、影の皇子‥‥?」

 ミドリ姫君は、信じられない、と言う口調でルファ皇子に問いかけたんだって。

 ルファ皇子は、さらさらとし、腰まで伸びた白銀の髪を、後ろで1つに結ってたんだって。
皇子の瞳は、血色の瞳で、見ているモノを惑わす魔力があるんじゃないかって言われてたくらいなんだ。
姫君は、皇子を一目見て、〝夢かしら――?〟と、自分を疑ったくらい、嬉しかったそうだよ。

「そう言う貴女は、光の姫君ミリシア・ドレスト・リフェラ様ですね。」

 皇子は、優しい口調で微笑みながら姫君に話しかけたんだって。
姫君も、皇子に優美な微笑みを見せながら、話してたんだって。

光と影は、コインの表と裏って言ったでしょ。つまり、正反対ってことだね。
正反対のモノが一緒にいることは、本当は、無理。―――姫君と皇子もそれと同じだよ。

「父様っ!何故、‥‥何故っ、ルファ皇子と一緒にいてはならないのですか!?」

「父上っ、どうして、ミドリ姫では駄目なのですかっ――!?」

 二人は、必死に自分の父である王に、理由を問いかけたんだって。‥‥‥…でも、無理だったんだ。
皇子は、その事を嘆き、姫君は、毎日、涙を流した。―――それを見かねた王は、最後に一度だけ「もう二度と会わない。」と言う約束を取り付けて、二人を会わせることにしたんだって。

 二人は、最初で最後の再会で、抱き合い、涙を流した。
「自分が、王族でなければ‥‥」「正反対の世界でなければ‥‥」と、自分たちの立場を悔いたんだって。


「ルファ皇子‥‥」

「ミドリ姫‥‥‥」

 哀しみ 嘆き 涙を流し―――皇子を姫君は、1つの決断をしたんだ。
それは、『二人で逃げる』と言うこと。―――うん、今で言う『逃避行』だよ。

 二人は、互いを一目見て好いた。――でもね。それは、許されないことだったんだ。

 二人は、最後の再会の翌日、深夜頃かな。まぁ、そんな時間帯に城を抜け出したんだ。――『愛のために』
二人は、この世界の唯一の出口である狭間を目指した。狭間は、光と影を繋ぐ天命の極だけじゃなくて、もう一つ、哀愁の湖、と言うところがあるんだ。皇子達は、哀愁の湖を目指したんだ。
 でも、天は、皇子達を見放した。
皇子と姫君が城を抜け出したのが、すぐに城中にばれ、直ぐさま、世界中に指名手配の紙が撒かれた。
皇子と姫君は、あともう少しで、哀愁の湖に着くところで、通報された。

 すぐに、光と影の世界の兵士達が皇子と姫君を取り囲んだ。
皇子は、姫君を抱き寄せ、事の成り行きを見守った。―――そして、兵士達のまとめ役である将軍が処罰を告げた。
処罰は――『死刑』。兵士達は、姫君を殺した。その光景を見ていることしか出来なかった皇子は、涙を流し、
姫の亡骸を抱き、哀愁の湖へと沈んだ。

 哀愁の湖は、死者と共に入ると、湖の奥底に連れ込まれちゃうんだって。―――怖いよね。


 さて、この話は、もうお終い。

 皇子と姫君は、決して結ばれることはなかった。――でも、二人の亡骸は、哀愁の湖の奥底で、共に眠っている。――


――――――――――光の姫君、影の皇子 end....



         +    +    +

ふへっ…。殆ど衝動的にルミドが書きたくなり…(ぁ
これ、実は気に入っております。(笑
これ書き下ろすのに2時間以上…疲れましたけどね。
お伽話語り、光と影。禁断の恋…vv(ぁ
楽しかったですーっ♪(蹴

【H17.8.13 魁羅魅櫻】