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第一話

昨日のスーツ男は最後に、俺に呪いをかけた的なことを言っていたが一体何なんだ。
俺は別段変わった症状はない……気がする。
いつもどおり、ベッドの上で寝そべりながら考え事をする。
無論朝は弱いので、そうやって何度も眠りついては起きを繰り返しているのだが。
今日は違った。
なんか引っかかるものがあったので、すっかり目が覚めてしまった。
──シャワーでも浴びるか。
頭をすっきりさせるにはシャワーを浴びるのが一番いい。
嫌なことも何もかも洗い流してくれる。
ジークはベッドを降りて、なぜかいつもと違った風に見える自室を歩いた。
一枚のドアを挟んで隣同士にある浴室に足を踏み入れると、やはりいつもと違う光景。
入った正面には、190cmを超えるジークの全身を写しだせる大きさの鏡があった。
鏡の中の自分と目を合わせること数秒──。
「う、うわぁああああああああ」
悲鳴とも聞き取れる奇声。
目の前の自分。
いつもは鏡いっぱいに写る自分が、いない。
これは、夢か。
自分の身長が、半分くらい縮んでいる。
頬を思い切り抓ってみる。
……痛い。
どうやら夢じゃない。
「これがあいつの言ってた呪いってやつか」
さっき激しい奇声を発していた割には冷静に分析。
俺は相当寝ぼけていたのか。
なぜこんな、シマウマにライオンが食われるくらい有り得ないことに今まで気づかなかった。
呪いの謎が解けて頭がすっきりしたので、シャワーは浴びずにベッドに戻る。
あからさまに黒い魔法剣に手を伸ばすと、あることに気づいた。
──この剣、俺よりでけぇ。
あいつ、殺してやる。
そう勇んではみたものの、居場所どころか名前すらもわからない。
わかっているのは、俺を仲間にしろと誰かに命令されていたということだけ。
あと顔。
これでは探そうにも探しようがない。
ジークは自分の置かれた状況の最悪さを、しみじみと感じていた。