※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

話は、レイスが生まれた瞬間まで遡る・・・。


最初はカナンのお腹の中で暴れていた赤子も、カナンが宥めると収まった。
その直後にあまり痛みもなく彼女は赤子を産んだ。
そこにいた産婆は赤子を取り上げ、清潔な布で拭いた。
「おめでとう、カナン、セシウスさん。
 元気な男の子よ」
「えっ・・」
だが、セシウスが見るにそれはどう見ても「女の子」で。
「どうしたの?」
「い、いえ・・」
もしかしたら、まだ生まれたてだから自分には分からないだけかもしれない。
薄く赤茶の髪の毛の赤子は、産湯に入れるためセシウスの腕に移された。
「セシウス、見せてちょうだい」
「うん」
セシウスがカナンに見えるよう、赤子をカナンの目線に合うよう腰を落とした。
「・・・可愛い・・・・」
彼女の微笑みで、セシウスの頭にあった先程の疑問は消し飛んでしまった。




彼等と彼等の両親であるセシウスとカナンは、小さいのどかな農村に住んでいた。
他の町との交流はあっても、この町はほとんど自給自足の家が多い。
セシウス達の家も例外でなく、この農村に住みはじめてから村を出る事は少なかった。
セシウスは剣の腕がたつ為、よく狩りをする際に頼られていたが大抵は家の近くに耕した田畑で生計をなりたたせている。
金自体は、狩りをした際にかなりの報酬をもらえるので困った事はない。
ただこの農村は他の地域との交流が薄い為、医者などもいなかった。

「産婆の方が、『凄く健康だから安心しなさい』って言ってたわ。
 あの言葉はきっと当たらなかったのよ」
あの言葉、とは、カナンとセシウスが王都にて結婚したときに、王都を訪れていた占い師の言葉だった。
その占い師が全く無名だったならばあまり気にする事ではなかったのだが、その占い師は王宮に仕えていた程の
有名な占い師だったのでその言葉は二人の胸の内に深く残っていた。

『この子は・・・とても過酷な道を辿る事になる。
 呪いであり、呪いではない・・。
 だけれど、その『何か』は確実に、ゆっくりと身体を蝕んでゆく。
 背中に痣が見える・・それはこの子が『個人』としての確立と、父親の記憶を呼び戻すきっかけとなるだろう』

セシウスが記憶喪失だという事を知らぬはずなのに、彼女はそれを言い当てた。
しかも、その記憶は子供が生まれてから戻るという。
最初は自分の記憶を取り戻すために出た旅だったセシウスは、成り行きでシグルド達に手を貸す事になり
本来の目的はまだ終わっていなかった。
カナンを連れて旅を再開させようと思っていた矢先、カナンは懐妊。
結婚をすませ、落ち着いたら二人で旅にでよう・・そう、決めたのだ。
だが結婚式当日に子供の事と、自分の記憶に対して『いくら探しても今は見つかる事はない。今は行くべきではない』といわれた。
占いを完璧に信じたワケでもなかったが、カナンが懐妊したので先送りにした。

そして、今に至るのだった。





後の祭り(あとがき)

うわ、無理矢理~っ
我ながら呆れます、この文面。
そのうちいっぺんに書き直そう・・。