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「大体この日の為に勉強そっちのけで剣技頑張ってきたんだぞ?
 今更勉強したって身につかねーし、女に戻れって言われてもほぼムリ!」
最初のうちはレイスが女だと気づいた両親は女としてレイスを育てていたのだが、
周りの目があったせいでそれも出来なくなった。
なるべく服は男物でもすこし可愛いデザインの物を着させていたのだが、その服と
レイスの幼い頃の『自分は女』という両親から埋め込まれた認識によって同じ歳の子供やその親から
変な目で見られた時には「限界」だと思った。
たとえ童顔だとしても、姿形は男の子だったのだから。
「てか、どんな呪いだよ・・他人には男に見えて、家族には女に見られるってよ・・」
この自分を蝕む呪いは、何を自分にさせたいのだろう?
こんなヘンテコな呪いは聞いた事も見た事もない、と両親もお手上げだった。
それをはっきりさせる為と、自分の性別を決定づけるためにレイスは旅にでると宣言したのだ。
最初は反対していたセシウスもその勢いに折れて、最初は遊びとして教えていた剣技も
本格的な実戦方に変えていったのである。


「とにかく、旅立ちはセシウスに勝ってからなんだし、まだ時間はあるわ。
 今の内に旅支度しておかないとね」
カナンは食器を片づけ終わると、レイスの服を作りはじめる。
父との剣の勝負はまだついておらず、父を乗り越えて初めて旅にでるという約束だった。
今日の朝の雄たけびは、そんな勝負からきている。
勝負を始めて2ヶ月だが良い線までいって結局の所は踏み出しの甘さで負けていた。
身軽な動きは得意な方だが、時々剣の重さに振り回される。
それのおかげでバランスをくずしてしまったりしていた。
「絶対明日は勝ってやるっ!」
それがここ最近のレイスの口癖である。


一週間後。

「っ・・・」
剣が空に舞った。
「よっしゃーっ!一本!!」
「あーあ・・・、剣折れてる」
同じ所ばかり打ち込んでいたせいか、二人の剣は見事に折れてしまった。
折れた衝撃に驚き、セシウスの動きが一瞬とまり、その隙を突いてレイスは折れた剣先でセシウスの喉元を取ったのだ。
「これも立派な一本だよな?」
「・・・・わかったよ、認める」
大きくガッツポーズを決めた娘に、セシウスは溜め息をついた。
それと同時に、誇らしくも思えた。
「旅立ちは二日後。
 剣の事もあるけど、まだ通行証とか発行し終わってないからね。
 レイス、後で父さんの部屋に来なさい」
「?うん、わかった」
折れた剣を地面に突き刺すと、セシウスは自室に戻っていった。




後の祭り。
そろそろようやく旅が始まります。
旅と言っても王都で足止めをくらうからあまり長くないけど。
その前に町が一つあるくらいで。
その町が中心かな。