14話

放課後、俺達は急ぎ足で学校を出た。

「じゃあ一旦みんな家に帰ってから集合で。」
「わかったよ。」
「また後でね。」

俺としては恵の言った「あなたに危険は少ない」という台詞を信じたい。だが仮にそうでも石居を見捨てるわけにはいかない。乗り掛かった船だ。とことん行ってやろうじゃないか。

「ただいまー。」
「あ、兄さんおかえり。」

家に帰ると妹がいた。

「あれ?お前いつギリシャから帰って来たんだ?」
「今日の朝。昨日兄さんに電話したのに出なかったんだもん。」

ああ、あの連れ拐われたときか。そういやあの時から携帯見てないな。

「まあいいや。日本にはいつまでいる?」
「しばらくいるよ。兄さんなんか困ったら相談してね。」
「了解だ。」

俺は自分の部屋に向かいながら携帯を見た。

「うわ…着信履歴28とか。…あれ?でもアリスからのは4回だけだ…。」

なんか謎の番号から大量着信が来ている。

「…まあいいか。こんなこと気にしてられないな。」

俺は携帯をしまって部屋に入った。と、その瞬間チャイムが鳴った。

ピンポーン

「お、来たな。」

俺は階段を降りた。するとアリスが既に来客と話していた。

「結構早かった…え?」

俺はアリスと話すそいつの顔を見て唖然とした。


最終更新:2012年04月22日 12:19