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死血編背景番外 本家は[[こっち>死血編背景ストーリー(小説風)]] デギアとエミリア かくして、[[エンペラー・タレット]]の主導で始まった新型クロスギア開発計画。 ピレーナによってマシン・イーターたちの協力を得たタレットは、それまであった技術上のハードルを火独自の科学力によってクリアし、完成までの道のりをいっきに進めた。 一方、そんなタレットの研究を快く思わないものもいた。 [[サイバー・XD・デギア]]である。 次元院に所属していないデギアにとって、若い研究者がなにをしようと知ったことではない。 だが、「ある程度の未来を知ることができる」デギアは、その研究が完成したとき、この惑星になにか新たなる脅威が訪れ、新たな戦いが始まることを知った。 (この未来はまずい。何とか修正しなければ…) 危機感を感じたデギアは、「運命を変える悪魔」という別名でよばれている紅のサイバー・コマンド、[[サイバー・R・エミリア]]が住む館「[[スカーレット・マンション]]」を訪れることにした。 同じ水文明の建造物だというのに、不気味に赤く輝く館。まがまがしい雰囲気に気おされながらもその前まで来たデギアは、その門の前に[[1人の少女>サイバー・HM・リン]]が仁王立ちしているのを見つけた。そういえば、とデギアは思い出す。 (悪魔の館の門を護るは、その身に竜を宿した闘士。) ひょっとしたら門前払いを食らってしまうかもしれないが、ここまできて引き下がるわけにもいかない。デギアは覚悟を決めて少女に話しかけた。 「この館の門番とお見受けする。私はデギア。この館の主に謁見したい」 だが、目の前の少女からの返事はない。 拒否されてしまったかと焦り始めるデギアだったが、何の前触れもなくいきなり門番が前のめりに倒れてきた。 突然の出来事に状況を理解できないデギア。 門番の頭にはナイフが突き刺さっている。すると、 「リン、またあなたは門番をサボっていたのね」 謎の声がすると同時に、今までだれもいなかった空間に突然少女が現れた。メイドの格好をした少女は、門番の頭に刺さっているのと同じナイフを持っている。 「我が主の館にようこそ。私は[[イザヨイ>サイバー・SKY・イザヨイ]]。この館で主のお世話や雑務をしております。どうぞこちらへ。エミリアお嬢様が中で御待ちしております」 イザヨイに促されるまま、デギアは館の中へ。 門番のことは大丈夫なのかと聞こうとしたが、館に入る直前に起き上ったのを見たような気がしたので、放っておくことにした。 「ようこそ客人。私はこの館の当主、エミリアよ」 そう名乗ったのは、どう見ても門番よりも、メイドよりも幼い、紅色のサイバー・コマンドの少女。その背中からはデーモン・コマンドの如き、漆黒の翼が生えていた。おそらくこれが二つ名の由来だろう。 デギアはこれまでの経緯、自分はここに何をしに来たかなどを伝えた。 「…というわけなのだが、なんとかすることはできないだろうか」 一通り話し終えたデギアは、改めてエミリアのほうに向きなおる。 エミリアはエミリアでイザヨイが淹れた紅茶を飲んだりしていたのだが、デギアが話し終わったのを確認するとティーカップを置いた。 「結論から言わせてもらうと、無理ね。私が操れる運命は個人の運命。世界の運命を変えることなんて、できないわ」 エミリアはまるで他人事のように返答すると、再びカップを手に取る。 「!貴様ぁぁぁぁ!!」 そのあまりの態度に、デギアは思わず身を乗り出し、エミリアに掴みかかりそうになった。だが… 「…これ以上動くなら、私のナイフがあなたを貫きます」 デギアの首先2cmにナイフを近づけて、静止を促すイザヨイ。エミリアは相変わらずティータイム。 この館の住人は自分ではかないそうにない。 一瞬でそれを悟ったデギアは、おとなしく椅子に座りなおした。 「まあ、運命を変えるのは無理でも、抗うことならできるわ。イザヨイ、客人を図書館に通して。ノーレッジのあれが使えるかもしれない」 「かしこまりました、お嬢様。それではこちらへ」 イザヨイに促されるままに、デギアは部屋を後にした。 つづきは[[こちら>背景(小説風) 番外2]]
死血編背景番外 本家は[[こっち>死血編背景ストーリー(小説風)]] デギアとエミリア かくして、[[エンペラー・タレット]]の主導で始まった新型クロスギア開発計画。 ピレーナによってマシン・イーターたちの協力を得たタレットは、それまであった技術上のハードルを火独自の科学力によってクリアし、完成までの道のりをいっきに進めた。 一方、そんなタレットの研究を快く思わないものもいた。 [[サイバー・XD・デギア]]である。 次元院に所属していないデギアにとって、若い研究者がなにをしようと知ったことではない。 だが、「ある程度の未来を知ることができる」デギアは、その研究が完成したとき、この惑星になにか新たなる脅威が訪れ、新たな戦いが始まることを知った。 (この未来はまずい。何とか修正しなければ…) 危機感を感じたデギアは、「運命を変える悪魔」という別名でよばれている紅のサイバー・コマンド、[[サイバー・R・エミリア]]が住む館「[[スカーレット・マンション]]」を訪れることにした。 同じ水文明の建造物だというのに、不気味に赤く輝く館。まがまがしい雰囲気に気おされながらもその前まで来たデギアは、その門の前に[[1人の少女>サイバー・HM・リン]]が仁王立ちしているのを見つけた。そういえば、とデギアは思い出す。 (悪魔の館の門を護るは、その身に竜を宿した闘士。) ひょっとしたら門前払いを食らってしまうかもしれないが、ここまできて引き下がるわけにもいかない。デギアは覚悟を決めて少女に話しかけた。 「この館の門番とお見受けする。私はデギア。この館の主に謁見したい」 だが、目の前の少女からの返事はない。 拒否されてしまったかと焦り始めるデギアだったが、何の前触れもなくいきなり門番が前のめりに倒れてきた。 突然の出来事に状況を理解できないデギア。 門番の頭にはナイフが突き刺さっている。すると、 「リン、またあなたは門番をサボっていたのね」 謎の声がすると同時に、今までだれもいなかった空間に突然少女が現れた。メイドの格好をした少女は、門番の頭に刺さっているのと同じナイフを持っている。 「我が主の館にようこそ。私は[[イザヨイ>サイバー・SKY・イザヨイ]]。この館で主のお世話や雑務をしております。どうぞこちらへ。エミリアお嬢様が中で御待ちしております」 イザヨイに促されるまま、デギアは館の中へ。 門番のことは大丈夫なのかと聞こうとしたが、館に入る直前に起き上ったのを見たような気がしたので、放っておくことにした。 「ようこそ客人。私はこの館の当主、エミリアよ」 そう名乗ったのは、どう見ても門番よりも、メイドよりも幼い、紅色のサイバー・コマンドの少女。その背中からはデーモン・コマンドの如き、漆黒の翼が生えていた。おそらくこれが二つ名の由来だろう。 デギアはこれまでの経緯、自分はここに何をしに来たかなどを伝えた。 「…というわけなのだが、なんとかすることはできないだろうか」 一通り話し終えたデギアは、改めてエミリアのほうに向きなおる。 エミリアはエミリアでイザヨイが淹れた紅茶を飲んだりしていたのだが、デギアが話し終わったのを確認するとティーカップを置いた。 「結論から言わせてもらうと、無理ね。私が操れる運命は個人の運命。世界の運命を変えることなんて、できないわ」 エミリアはまるで他人事のように返答すると、再びカップを手に取る。 「!貴様ぁぁぁぁ!!」 そのあまりの態度に、デギアは思わず身を乗り出し、エミリアに掴みかかりそうになった。だが… 「…これ以上動くなら、私のナイフがあなたを貫きます」 デギアの首先2cmにナイフを近づけて、静止を促すイザヨイ。エミリアは相変わらずティータイム。 この館の住人は自分ではかないそうにない。 一瞬でそれを悟ったデギアは、おとなしく椅子に座りなおした。 「まあ、運命を変えるのは無理でも、抗うことならできるわ。イザヨイ、客人を図書館に通して。ノーレッジのあれが使えるかもしれない」 「かしこまりました、お嬢様。それではこちらへ」 イザヨイに促されるままに、デギアは部屋を後にした。 つづきは[[こちら>背景(小説風) 番外2]] [[TOP>ペケ エキスパンション背景ストーリー]]

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