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「うぅっ、私は……どうしてここに」
見渡す限り広がるは荒野。空は黄色く、東の空に太陽が昇っていることから夜明けらしい、と彼女――[[月光の精霊アルディアナ]]は判断した。
「にしても静かですわね…… 見渡す限り何も……」
だが、次の瞬間、その静寂を貫く何かが迫ってくると感じた彼女は身構えた。
「暁を切り裂け主の魔弾、[[因果弾エンドレス・ループ]]」
「うわっ! 何をするんですか!」
と言いつつ弾道を読んで上へ飛び上がって避け、その勢いで相手―見た所、騎士のように見えたが―との間合いを詰めてゆく。
そして、そのまま懐から刀を抜き、落ちる勢いで切りかかったが、防がれてしまう。
それを好機と騎士は後退するが、攻撃を仕掛けてはこない。
罠かと思った次の瞬間、騎士は口を開いた。
「おい、小娘。どうやら天雷・魔光財閥の者じゃないな。
ここはガキの遊び場じゃない、帰れ」
「小娘じゃありません! ってかいきなり撃ってきて何が『帰れ』なのよ!?
というか何、テンライとか、マコウって!?」
「はぁ……?」
何言ってるのお前、と思い切り変な目で見る騎士。
「私が何か可笑しい事でも言った?」
ふん、と彼女は威張った。
「……記憶喪失か? 呆けか?
天雷も魔光も知らないって……どうゆう了見なんだ?」
新中央荒野に風は吹いてゆく。空は未だ、暁のまま。
----
「ああ いつの日か 誰かが この道を
ああ いつの日か 誰かが この道を」
[[啓示の龍霊プレアデス]]は己の目覚めた辺境樹海を南下し、三叉路を通って南、海沿いの寂れた道を進んでいた。
目覚めた瞬間、自分は何なのかは分からなかったが、ただ分かった…というより、頭に浮かんできたフレーズがあった。
「ああ いつの日か 誰かが この道を
もう道は返せず ただ進むのみ 我は振り返らず 星の海を
我は振り返らず 星の海を 果てしない銀河を 彷徨うのみ」
それが何かの警告であり、使命と感じて歩き始めて五日。
この大陸は相当広いらしい。道の先が曲がることもなく地平線に進んでいる。
それに、この道で未だに誰も遭遇していない。
右には海、左には荒野。
「ああ いつの日か ああ いつの日か……ってか歩くの疲れた……」
と言いながらも彼は歩み続ける。
いつか、誰かと会えると信じて。
……………というか会えるのか?
----
「はぁ…信じ難い話だが…」
うーむ、と唸る騎士は因果の三騎士の一人・[[大因果アルファ・プラトニス]]
「何よ! 『帰れ』とか『呆け』とか言われても、『信じる』と言うからこっちも信用して話したのに! 嘘だと思ってるの!?」
レディーファーストってもんを知らないの? レディーには優しくしろってママに言われなかったの! と説教が魔弾の如く続く。
「いや、ってか誰が信じるんだよぉぉぉぉ!! 普通信じないだろ! 記憶喪失って何だよ!? 悪い夢でも見てるのかよぉぉぉ!!」
「さっき『……記憶喪失か?』って言ったのは誰なのよ!? 嘘つき男は嫌いッ!」
「あれは言葉のあやだ、許すんだ貴婦人!」
「結婚してねぇし! 嫌だぁぁぁこの男ぉぉぉぉ! お巡りさんHELP Me!!!」
「うわぁぁぁぁ! 面倒だぁぁっ! クリスタル・Aよ助けてくれぇぇぇ!
あんたのモテぶりに嫉妬して『リア充乙wwwwテラワロスwww』とか言った件は謝るからぁぁっ!」
----
「はて、ここは何処かな」
と呟くのは[[追憶の精霊フェイトン]]。
「周りには私めの出てきたカプセルと…むむ!? もう一つあるぞ!
救わなければ!」
と、カプセルに駆け寄るが、その扉は既に放たれていたと気付く。
「むむ… 遅かったようじゃ…既に目覚めていたらしい…残念じゃ…無念なりっ!」
悲しさのあまり地面に伏せ込むが、ちなみに扉に書かれていた文字は「啓示」。
あれ、プレアデスさん、もしかしてカプセルがもう一個あったことに気付かないまま……
場所は辺境樹海、時刻は未だ暁。
世界は永遠に―青い空をを迎えない。精霊は未だ―目覚めたばかり。
----
「ヘックシュン! 誰か噂をしているのかな……
ああ いつの日か……って本気で疲れた……
そのくせ宿が無いって何、いじめですかそうですか。
今日は太陽が沈んだらやめよう、うん。てかもう野宿でいいや。陽が沈みそうだし」
プレアデスさん、これは黄昏じゃなくて暁です!
続く
***コメント
- ・・・・・精霊達って一部を除いて・・・天n(アポカリプス・デイ!! -- マイルス (2011-01-27 22:05:34)
#comment
「うぅっ、私は……どうしてここに」
見渡す限り広がるは荒野。空は黄色く、東の空に太陽が昇っていることから夜明けらしい、と彼女――[[月光の精霊アルディアナ]]は判断した。
「にしても静かですわね…… 見渡す限り何も……」
だが、次の瞬間、その静寂を貫く何かが迫ってくると感じた彼女は身構えた。
「暁を切り裂け主の魔弾、[[因果弾エンドレス・ループ]]」
「うわっ! 何をするんですか!」
と言いつつ弾道を読んで上へ飛び上がって避け、その勢いで相手―見た所、騎士のように見えたが―との間合いを詰めてゆく。
そして、そのまま懐から刀を抜き、落ちる勢いで切りかかったが、防がれてしまう。
それを好機と騎士は後退するが、攻撃を仕掛けてはこない。
罠かと思った次の瞬間、騎士は口を開いた。
「おい、小娘。どうやら天雷・魔光財閥の者じゃないな。
ここはガキの遊び場じゃない、帰れ」
「小娘じゃありません! ってかいきなり撃ってきて何が『帰れ』なのよ!?
というか何、テンライとか、マコウって!?」
「はぁ……?」
何言ってるのお前、と思い切り変な目で見る騎士。
「私が何か可笑しい事でも言った?」
ふん、と彼女は威張った。
「……記憶喪失か? 呆けか?
天雷も魔光も知らないって……どうゆう了見なんだ?」
新中央荒野に風は吹いてゆく。空は未だ、暁のまま。
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「ああ いつの日か 誰かが この道を
ああ いつの日か 誰かが この道を」
[[啓示の龍霊プレアデス]]は己の目覚めた辺境樹海を南下し、三叉路を通って南、海沿いの寂れた道を進んでいた。
目覚めた瞬間、自分は何なのかは分からなかったが、ただ分かった…というより、頭に浮かんできたフレーズがあった。
「ああ いつの日か 誰かが この道を
もう道は返せず ただ進むのみ 我は振り返らず 星の海を
我は振り返らず 星の海を 果てしない銀河を 彷徨うのみ」
それが何かの警告であり、使命と感じて歩き始めて五日。
この大陸は相当広いらしい。道の先が曲がることもなく地平線に進んでいる。
それに、この道で未だに誰も遭遇していない。
右には海、左には荒野。
「ああ いつの日か ああ いつの日か……ってか歩くの疲れた……」
と言いながらも彼は歩み続ける。
いつか、誰かと会えると信じて。
……………というか会えるのか?
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「はぁ…信じ難い話だが…」
うーむ、と唸る騎士は因果の三騎士の一人・[[大因果アルファ・プラトニス]]
「何よ! 『帰れ』とか『呆け』とか言われても、『信じる』と言うからこっちも信用して話したのに! 嘘だと思ってるの!?」
レディーファーストってもんを知らないの? レディーには優しくしろってママに言われなかったの! と説教が魔弾の如く続く。
「いや、ってか誰が信じるんだよぉぉぉぉ!! 普通信じないだろ! 記憶喪失って何だよ!? 悪い夢でも見てるのかよぉぉぉ!!」
「さっき『……記憶喪失か?』って言ったのは誰なのよ!? 嘘つき男は嫌いッ!」
「あれは言葉のあやだ、許すんだ貴婦人!」
「結婚してねぇし! 嫌だぁぁぁこの男ぉぉぉぉ! お巡りさんHELP Me!!!」
「うわぁぁぁぁ! 面倒だぁぁっ! クリスタル・Aよ助けてくれぇぇぇ!
あんたのモテぶりに嫉妬して『リア充乙wwwwテラワロスwww』とか言った件は謝るからぁぁっ!」
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「はて、ここは何処かな」
と呟くのは[[追憶の精霊フェイトン]]。
「周りには私めの出てきたカプセルと…むむ!? もう一つあるぞ!
救わなければ!」
と、カプセルに駆け寄るが、その扉は既に放たれていたと気付く。
「むむ… 遅かったようじゃ…既に目覚めていたらしい…残念じゃ…無念なりっ!」
悲しさのあまり地面に伏せ込むが、ちなみに扉に書かれていた文字は「啓示」。
あれ、プレアデスさん、もしかしてカプセルがもう一個あったことに気付かないまま……
場所は辺境樹海、時刻は未だ暁。
世界は永遠に―青い空をを迎えない。精霊は未だ―目覚めたばかり。
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「ヘックシュン! 誰か噂をしているのかな……
ああ いつの日か……って本気で疲れた……
そのくせ宿が無いって何、いじめですかそうですか。
今日は太陽が沈んだらやめよう、うん。てかもう野宿でいいや。陽が沈みそうだし」
プレアデスさん、これは黄昏じゃなくて暁です!
続く
***コメント
- ・・・・・精霊達って一部を除いて・・・天n(アポカリプス・デイ!! -- マイルス (2011-01-27 22:05:34)
- コメントありがとうございます! って俺も巻き込まれ( -- 楼砂 (2011-01-27 23:04:43)
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