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死血編 背景ストーリー 本編5

デギアの協力で次元院を脱出しようと通路を進むピレーナとタレット。
「…大丈夫かしら、あの人」
「…あいつのことが心配なのは俺もだが、今は生き残ることが先決だ」
そう言って再び歩き出したタレットに続こうとしたピレーナだったが、ふと足を止める。
「そういえば、他の場所はどうなっているのかな?」
「他の場所?」
「他の研究室よ。たとえばグオリアの研究室とか」
「……確かあそこの研究室って、超次元ゲートの閉じ方の研究してたよな?」
「うん。ひょっとしたらこの状況を何とかできるかも」
「確かに妙案だが、ピレーナ、お前怪我は大丈夫か?」
タレットはピレーナの肩の傷を心配そうに見る。
「…こうすれば大丈夫よ」
ピレーナはスカートの端を裂き、それを傷口付近に巻きつけて縛った。
「これでよし、と。助けられてばかりじゃ、いやだしね。それじゃ…っとと」
歩き出そうとして再びふらついたピレーナを、タレットが支える。
「お前が行くってんなら俺もついてくさ」


「おのれ未知の獣どもめ…!」
一方、二人を逃がし、ディメンジョン・クラッシャーで獣達をなぎ倒していたデギアであったが、倒しても倒しても超次元の穴を開いてやってくる獣たちに、さすがに疲れを見せ始めていた。
(このままではまずい…、せめて次元の穴さえ封じることができれば…!)
そう思いながらコンソールを見回すデギアの目にとびこんできたのは、「FINAL WEAPON」と書かれたボタン。
「……」

デギアには「視えて」いた。この武器を使えば一気に敵を倒すことができるが、同時に自分は命を落とすと。
(…エミリア殿…)
その時、デギアの脳裏に一瞬浮かんだのは、このクロスギアを自分に託した真紅の少女。
自分にこの星の未来をゆだねた幼い悪魔。
(………)

デギアの一瞬の思案により機能を一時停止させるディメンジョン・クラッシャー。
それを待っていたといわんばかりに、周囲の獣たちが一斉に牙をむいてその魔導具に襲いかかった。
獣によって覆い尽くされるディメンジョン・クラッシャー。
しかし、その場に機械の動作音が響いたかと思うと、周辺の獣は一瞬にしてその姿を消してしまった。

(……願わくば、幻想の果てで逢いましょう。エミリア殿、さらば!)

ガシャーン!
同時刻、スカーレット・マンションにてティータイム中だったエミリアは、紅茶のカップをもった瞬間に、何かを感じ取ったかのように表情を曇らせ、カップを落としてしまった。
「いかがなさいました?お嬢様」
イザヨイが尋ねるがエミリアは顔を下に向けたまま、
「…何でもないわ。それよりイザヨイ、着替えをもってきてちょうだい」
と少し小さな声で言った。
イザヨイは少し首をかしげたが、すぐに
「かしこまりました」
と了承して姿を消した。
一人残されたエミリアは、顔を上げることもなく声を押し殺し、涙を流していた。
(…ごめんなさい、デギア…)

「…ついた」
「ここがグオリアの研究室か…」
タレットとピレーナがたどり着いたのは、ディメンジョン・コネクターよりも規模の大きい装置がいまだに音を立てて動いている部屋。
「えっと…あった!これだ」
ピレーナがコンソールを操作すると、装置の概要がディスプレイに表示された。
それによると、この装置はホールが予定していた覚醒者たちと違うもの達を呼び出してしまったときに、その超次元ホールをいったん閉じ、新たなホールを自動的に生成してくれるらしい。
「これを使ってコネクターが開いたホールを閉じることができれば…!」
「よし、その設定は俺に任せろ。ピレーナは装置の点検を頼む」
「オッケー!」
そして設定を終え、
「よし、超次元チューナー、きど…」
タレットがスイッチを押そうとしたのと同時に、次元院全体に爆発音と激震が響きわたった。
「!?何!?」
「今はこっちが優先だ!超次元チューナー、起動!!」

最終兵器を使用し、バラバラとなったディメンジョン・クラッシャー。
その中で命尽きようとしていたデギアは、薄れゆく意識の中で部屋全体が暖かな光で満たされていくのを感じていた。
(あぁ、これが天への光か……)

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↓感想
  • デギアさんに敬礼!!(;ω;´)ゝビシッ -- ペペロン (2011-02-23 16:55:17)
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