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 戦国武闘会の到来は、通算100度目を迎えた。
 参加者数万名を数えるこの、過去に類を見ない規模の大会は、全世界に多大なる影響を及ぼした。
 ……だが、影響を及ぼされていない部類もいた。
 戦国武闘会「不参加」を決め込む者たちである。
 元来より地上の文明を安く見ていた光文明の部隊は、戦国武闘会へ名を連ねる者がいるにはいるものの、意気揚々と参じる者は少ない。精霊の小休止である。この状況でも甲斐甲斐しく働くのは、文明運営を支える「予言者」たちくらいか。
 その堕落は光文明全土を覆う悪風となっており、その様はとても生存競争をしていた頃の面影を保っていない。
 これに頭を抱えた一部の、ヒューマノイドに酷似する外見的特長を持つ貴族「メカサンダー」が、光文明をなんとか盛り上げようと提案。……のちに名を高くする《破天后レヴェッカ》である。
 レヴェッカは貴族たちを集め、己が庭々で『誰が最も高貴かつ横暴に振舞えるか』という、唯我独尊貴族を気取って競い合う『大会』を提案したのだ。
 のちに、真・破天后の座争奪戦、などと非常に語呂の悪いネーミングで呼ばれる事になる、小規模な争い…いや諍いの幕開けであった。

  • 01
 中々話に取り合おうとしない《破天后ジェシカ》と《破天后エリザヴェータ》の説得のため、レヴェッカは彼女らの邸宅に向かう。
 エリザヴェータのカード遊びに一戦付き合い(⇒《ジンラミー・テーブル》)、見事勝利を得たレヴェッカはエリザヴェータを参戦させる。
 一方、行方すら掴めぬジェシカは既に破天后として振舞っていた。その排他的な自分勝手たるや、早々に《破天后ミリオネア》と仲良くなる始末。既に破天后としての自覚を持っている以上、レヴェッカは彼女らを容認し、争奪戦の参加者とした。

 その後も天空のモールで《破天后ミレイ》を見かけた瞬間に買い物に巻き込まれるなど(⇒《ショップ・パラダイス》)、そこそこ微笑ましい平和な『大会』という様相を呈していた。…ミリオネアの破壊行動は少し常軌を逸しているが、それはお目溢しをもらえたとか。
 同時に出会った《破天后サマンサ》の財産に対する意欲たるや相当のものだったが、これをレヴェッカが屈伏。そんな華麗な彼女は密かに《破天后エリザ》の尊敬を買っていたりする。

  • 02
 そしてとうとう開幕の火蓋。
 参加者は総勢200名。
 ほとんどが始まる前にレヴェッカに負けていたりする。

 会場は、光の聖なる力を結集して作り上げた聖域《シャンデリア・サンクチュアリ》。ここには参加者しか入れず、見物人は場外からの観戦だ。
 破天后の為に用意された舞台のはずだが、緊張と、場所そのものによる威圧のためか、いつも通りに振舞えない破天后たちが続出。

 対決方法は主に、他の光の住民たちによる意見・文句・酷評・人気投票を総合集計してのものだった。
 開戦予告も何もない、ほんの遊びのような、祭りみたいな大会。光の世界を一部、歓声が包む。

  • 03
 結局頂点を争ったのは、『強欲』のレヴェッカ、『唯我』のエリザヴェータ、『支配』のミリオネア、以上の3名。
 惜しくも『唯我』に敗れたジェシカは、後続との対決を迎えることになる。同じような属性の破天后である《破天后リュドミラ》に易々と勝利を収め、結果として上位3名の直下に納まる好戦果となった。
 ちなみに《破天后マリネ》は逃げ出していた。

 ……こうして、世界で最も平和な争いは、平和なまま終結を迎えようとしていた。



 …………敗者たちの、闇に漬かった影が訪れるとも知らないで。



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