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(side - UFO)


  • 序 /side UFO
 大昔。超旧型システム、大月来(だいげつらい)が完成した。
 大月来とは月へ至るための、人造・宇宙船系生命体である。水文明はかなり早期から、文明発展の為に「月」の力を吸収するという作戦に着手していたのだ。
 幻の現象「銀環月食」によって、夜空に浮かぶ月が銀色のリングとなる。この瞬間に限り、大月来は月の翳(かげ)りに紛れ、他の文明に気づかれず魔の月へと到達できるのだ。
 大月来初号機《大月来ムーンロード・ギルトガデスク》が宇宙へと解き放たれた。サイバーロードの最古参技術者「電脳老弩(でんのうろうど)」を乗せ、宇宙の海を駆ける。
 宇宙空間を飛行する大月来の軌道は、水文明の開発部区域で管制されていた。だが宇宙空間の月面直前にて、突如通信が途絶え、軌道がレーダーから消滅してしまった。
 その原因調査のため、二号機《大月来ムーンロード・バイラトバスク》を起動。宇宙空間へ飛び出す。月面付近でギルトガデスクの残骸を発見。そして、見た事もない飛行物体を観測。
 球体をした飛行生命体。水文明はこれを「UFO」と名づけた。
 バイラトバスクを帰還させ、水文明は宇宙の危険性を認識し、月への進出を断念する。

  • 01 /side UFO
 ワルケール・ヘヴンスという人物の知能は常識を超えていた。
 彼は「アスタシウルス」という、前例の無い機構で構成された飛行船をたった1人で製造し、銀環月食の隙に宇宙空間への旅に出た。彼はもうこの地上に興味を失ったのである。
 なんとなく月の周りをうろついていると、不審な飛行体を発見。アスタシウルスを用いてこれを撃墜、月面へと突き落とす。月には異様な魔力が満ちており、撃墜された飛行体「ムーンロード・ギルトガデスク」は生きてなどいられない。
 この事で、後にこのアスタシウルスが「UFO」などと呼ばれるようになるが、彼の知った事ではない。
 ワルケールはそのまま飛行を続け、ある惑星に到達する。小さな星だ。そこは3つの文明だけが存在する、発展途上の星だった。
 そこに生息する、鉄文明を最初に発見したのが、天才ワルケール・ヘヴンスである。

  • 02 /side UFO
 鉄文明の頑強さに目をつけたワルケールは、彼の持つ知識と技術を駆使して、鉄と共存する火と水の力を融合。異惑星にて蒸気機関を発足させた。
 ワルケールによって《蒸気伝鉄ポーター・ヘヴィオス》が惑星中を駆け巡り、材料を運搬する手段が発達して、惑星はたちまち発展した。鉄文明はワルケールに敬意を示す。
 だがワルケールはアスタシウルスに乗って星を去り、故郷へと帰還した。余りに小さすぎる星である為、ワルケールの興味も小さかったのだ。
 アスタシウルスから惑星を見ると、どれも小さく見える。ふとワルケールは思う。いつかこの世界を自分のものに出来るのでは?
 ワルケールは自分の知能を分析する。不可能ではない。作戦が失敗する要素が見当たらない。そのためには絶対戦力を確保する必要があるが、その候補も思い当たる。
 「魔吏」というどこぞの民族出身の実力派集団がいたが、それも最近姿を消したらしい。彼ら民族は平和を乱すものを良しとしない。もう邪魔者はいないのだ。
 ワルケールの、天才ながらの歪んだ思想が加速する。

  • 03 /side UFO
 アスタシウルスは帰還し、ワルケールはアスタシウルスを封印。
 同時に、地上で新たな飛行体の製造を独自で開始。ワルケールはその他に、彼の趣味であった不死貴族の研究を、なんとなく完成させてしまった。ワルケールは不死体となった。
 彼は研究を続行。
 ワルケール・ヘヴンスという天才が地上に居た。

 その後、遥か未来。クロスギア同士の激突の余波により、世界が滅んだ瞬間、同時にワルケールの姿も無くなった。


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