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 闇文明の地下牢獄に幽閉されていたデーモン・コマンド「ティガブロスト」は、自分を封印したダークロードたちへ復讐の怒りを燃やしていた。
 ある日、自然文明からの使者を名乗る「ヴェネチア」というスノーフェアリーが来訪。敗残兵であるナイトたちを集め、自分の復讐を果たすための軍団を作り上げようと持ちかける。
 ティガブロストはその提案を受諾。スノーフェアリーは彼を牢獄から解放する。
 各所のナイトを募り、ルイヴィジョン家(《赤烏の騎士ルイヴィジョンI世》)やブルボンカーズ家(《赤烏皇ブルボンカーズIV世》)など有力な家系から有志を招集、それらを結託させた第5の名門「赤烏」を立ち上げるティガブロスト。自分のカリスマ性による総統を行うため、自らの名を「覇王ティガモナーク」と改めた。
 柔軟かつ鋭い戦術を求めたティガモナークは、火文明の地を訪問し、ドラゴノイドその他有力な戦闘種族を引き抜く。
 封印により十分な力が戻らないティガモナークは、自らの回復に専念することに。時間稼ぎのため、まずは「赤烏」のナイトたちを地上に放ち、ナイトの復興宣言を掲げ、各地に攻撃を開始する。



 オリジンたちとの激戦を終えたばかりの世界に、赤烏を敵に回すだけの余力は残されていなかった。
 全国から容赦ない搾取を繰り広げ、続々と力を増していく赤烏のメンバーは、次々に新たな力を身に付けていった。
 世界の興味関心は、新たな力「ソウル」や「覚醒」よりも、その赤烏の脅威に向けられていた。
 そこへ謎の存在、各文明最強の生命体と名高き「天蓋柱(てんがいばしら)」:別名「4大コマンド」(《神羅シャングリラ・ムーン》《サイバー・OO・ビーナス》《爆裂カルデラハール》《奇跡の大地アムハラ》)が降臨。彼らは物語の歪曲を修正するため、この世に顕現したのだ。曰く、世界の発展の流れを堰き止めるのはこの星のためによくないのだという。
 4大コマンドと赤烏との激戦が幕を開ける。ティガモナークは機械の凶獣《暴走の機械キング・レックス》を向かわせ、赤烏一門へ玉砕覚悟の捨て身攻撃を命じた。
 ルイヴィジョンI世、戦死。



 あまりにも無謀なティガモナークの命令に、赤烏の騎士たちはティガモナークの正気を疑うも、それしか危機を切り抜ける方法はないと一致団結。
 無敵ともいうべき4大コマンドの戦闘能力に、壊滅寸前まで追い込まれる赤烏一門。いくら攻撃を仕掛けようと、《神羅シャングリラ・ムーン》がもたらす絶対防御が4大コマンドを護っているのだ。
 ついに赤烏の滅亡かと思われた時、ついにティガモナークの完全復活が完了。ダークメシアの座を得、《皇帝神ティガモナーク》として君臨する。
 ダークメシアの能力により、暗黒の次元「ディストピア」を展開するティガモナーク。そこで放った闇の波動はシャングリラ・ムーンの絶対防御魔力もろとも4大コマンドを一撃で葬り去る。……赤烏の残党もろとも。
 確かに4大コマンドとの決戦はティガモナークが勝利し、赤烏は壊滅の危機を免れた。だが、ティガモナークはあまりにも仲間を省みず、まるで赤烏のナイトを駒としてしか見ていないようであった。
 これに騎士たちは、プライドというものを思い出す。自分たちは使役される存在ではないとし、次なる標的に、今まで自分たちを導いてきた総統であるティガモナークを選択したのだった。
 これまで忠実に仕えてきた《赤烏の火縄銃ティラノベント》や《赤烏の超人》などを筆頭とし、ティガモナークと存続を賭けた一大決戦を開幕させる。
 世界の物語が凍結する時にしか咲かない、といわれる、停滞の花「アイスメイト」も加わり、世界はティガモナークを完全なる敵とする。ティガモナークはこれを、嬉々として受け入れ叩き潰す。



 4大コマンドとの激戦にて大ダメージを負っている赤烏の騎士たちは、ティガモナークに大苦戦を強いられる。だがここで、かつて戦死したルイヴィジョンが復活。《大赤烏T・ルイヴィジョン》として赤烏一門を率い、先頭に立ってティガモナークと戦う。
 三日三晩、昼夜を問わず大地を抉りあうような猛攻撃。
 そこへ、決着の一閃。
 ティガモナークをあっさりと両断し、この戦いに終止符を打ったのは、ナイトの敵であるサムライ。《超竜アーサージャック・神雷》率いる「神雷(ジンライ)」という軍団であった。
 彼らは赤烏に対抗して結成された軍団であり、ティガモナークを討伐したことで目的を果たしたという。もう戦う理由はないと、鞘を収めるサムライたち。
 ……だが、そこに古き本能が蘇る。
 長きに渡り、誇りを賭けあい戦った「戦国武闘会」の因縁。語らずとも、サムライとナイトの間の未練は誰しもが抱いている感情だった。
 そこに、剣をとらぬ理由は無く。
 平穏を取り戻したかと思われた世界は一転、ナイトとサムライの意地をかけた最終決戦へと展開する。
 T・ルイヴィジョンが率先して魔弾を乱射し、それを《蒼狼皇グリギンダム・神雷》の「奇跡の力」が迎え撃つ。
 ルイヴィジョンが復活したとはいえ、やはり赤烏は消耗しすぎていた。劣勢に追いやられる赤烏。
 だがそこへ、停滞の化身ともいうべき種族アイスメイトたちが再び加勢する。赤烏はアイスメイトの強力を得、武力では完全に勝っているはずの神雷サムライたちを押し始める。
 アイスメイトは停滞の化身。物語が凍結することをよしとする。そのため、世界の発展を停止させてしまうような影響力を持つ赤烏に力添えをしたのだ。
 これによって力は互角。
 その拮抗状態の中、何が起こったのか大地が緑に輝く。
 そして、赤烏の騎士たちも、アイスメイトも、神雷の軍団も、誰をも問わず無差別に、木々たちが彼らを大地へ飲み込んでいった。
 突然の天変地異に戸惑うも、最後の決着の機会を逃すわけにはいかない、と剣を構え、また銃を構えるナイトとサムライ。
 T・ルイヴィジョンの魔弾と、アーサージャックの覇剣は、……わずかに、サムライの一撃が勝った。

 アイスメイトたちも溶けて海へ帰った。
 あの、緑の発光とともに起こった天変地異は、地上を破壊しすぎた彼らに対して向けられた、大地の怒りだったのかもしれない。
 僅かばかりに残った赤烏の敗残兵たちは、いつのまにか、どこかへと姿を晦ました。彼らには、これから訪れるであろう新たな時代を生き抜いていかなければならない、という試練が待っている。
 それは神雷のサムライも同じ。
 天変地異によって緑に覆われた大地に、アーサージャックの剣が墓標のように聳え立つ。
 その切っ先にはルイヴィジョンの魔銃と。……かの絶大なる覇王、ティガモナークの骸の破片が突き刺さっていた。
 長きに渡る、ナイトとサムライの因縁が、ここに決着したことを表す墓標。
 それだけが、この戦いの後に残され、……また、時代は動き出してゆくのだった。


  • 05 /???

 メルポメネは憂う。
 物語(イストリア)は常にひとつの旅路。其は決して阻まれない。それは悲劇であると。
 タレイアは悦ぶ。
 物語(イストリア)は常にひとつの旅路。其は決して阻まれない。それは喜劇であると。
 物語は常にひとつの旅路。時が巡り、生命が営み、歴史を育んでゆく。それは壮大なる、この星の物語。
 阻んではいけない、美しき物語。
 ゆえに赤烏は消滅するが必至。
 物語を阻もうとした赤烏は消滅するのが道理。
 物語を改変する事は誰にもできない。それは、この世の絶対性を示す悲劇。
 物語を改変する事は誰にもできない。それは、あらゆる不条理を覆す喜劇。
 メルポメネとタレイアは唄う。
 調和の願いを唄う。
 《悲劇神メルポメネ》と《喜劇神タレイア》を訪れた、緑の妖精が、この事件の発端。
メルポメネとタレイア。ふたりとも神ぶってるけどさー、結局のところワルケールに利用されただけだよねー。
 ふたりの神はそれを否定する。
 彼らも、いや彼女らもその眼で拝みたかったのだ。
 悲劇と喜劇入り混じる、世界の混沌という物語を。
それって何? ワルケールの企みにかこつけて、観劇きめ込もうっていう部外者精神? サイコーじゃない!
 ふたりの神はそれを肯定する。
 ……緑の妖精《邪飽妖精ヴェネチア》は、彼女らの指示でティガモナークを牢獄から放った張本人。
 全ての作戦はあらかじめ用意され、あの天変地異に見せかけた崩壊魔法も最初から用意済み。
 全てはシナリオ通り。
 邪悪な笑みを浮かべ、満足に浸るヴェネチアと、ふたりの神。
 …………そこへ、ひどく弱弱しい魂が。
 見ればそれは、みすぼらしい姿になったティガモナークの魂。自らを牢獄から救出した本人が、実は裏で糸を引いていたという事実を知ったティガモナークは、怒りの罵倒をぶちまける。
 それを涼しい顔で受け流し、ヴェネチアは事のあらましを1から説明してやった。

 ……始まりは宇宙からの訪問者。
 どこの惑星から来たのか知らないが、科学者と思しき「ワルケール・ヘヴンス」と名乗る人物は、メルポメネとタレイアに相談を持ちかけた。
 それは、未知の領域「エルドラード」への道を開くという実験だった。
 エルドラードは透明のバリアによって周囲を塞がれ、存在が隠されている。これはマナによって守られているのと同じであり、ゆえに、その実験の成功には、世界のバランスを大きく崩す必要があった。
 そのため、ワルケールは「天蓋柱」すなわち4大コマンドを倒し、その魂の炸裂によって世界を歪ませるという実験方法を提示したのである。
 これに賛同したのが、やけに各文明の裏事情に詳しいヴェノムキュート。その種族であるヴェネチアが率先し、ティガモナークたちを利用する作戦を打ち立てたのであった。
 作戦通り、ティガモナークの軍団とその本人は見事、4大コマンドと激突して勝利。これでエルドラードの道が開かれたことを確認したワルケールは、満足して帰っていった。今後、調査団をこの惑星に送り込むつもりだとか。
 ティガモナークは全てを知り、プライドを粉々に砕かれた。
 最後の抵抗にと、ヴェネチアに襲い掛かろうとする。しかし弱弱しいただの魂のカスと成り果てた彼に、何をなしえるはずもなし。
 ヴェネチアに踏み潰され、無残に踏みにじられながら、最後の言葉を耳にする。
そうよ私よ? 私がすべて仕込んだのよ? 気づくの遅ぇよ世間知らず。牢屋生活で頭トンじまってたかなぁ、 くきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ
 …………無様に砕け散ったティガモナークの魂に、その声が最後まで届いていたかは、誰も知らない。




お読みいただき、ありがとうございました。
まじまん