第一話「はじまりの国」
登場人物
- マシュリ(主人公)…女
- アクラ(王女)…女
- シエル…女
- ミスト…女
- マオ…オス
- ヤッカラ…オス
- リオ…オス
- レクラ(王)…女
- ミテノグ…男
- 占い師…女
- 兵士
- マモノ
ー竜族の集落ー
(ヒュウウウ/風の音)
リオ:皆…死んだ。人間のせいで。皆殺しにしてやる…!!
(オープニングの曲のようなものがあれば良いが、無いので
風の音停止、ガレキが落ちる音、炎の音、マモノの声)
ーマホラ国南西ー
兵士:マモノだ!
兵士:数が多いぞ!
住民は至急避難を!
兵士:マシュリさんが来るまで耐えるんだ!
マシュリ:炎魔法、レイラ。燃え散れ!
(ドォ、ドォ/炎がはじける音)
(ざわめき)(「一瞬で…」)
マシュリ:怪我人の救助を頼む、シエル。
シエル:はっ。おいミスト、行くぜ。
ミスト:ひゅー、やっぱりマシュリさんはすごいねぇ。
建国からずっと一人で国守ってるだけあるわ。
シエル:だからって守られてるだけじゃ情けねぇよ。
おれはいつか強くなってマシュリさんの力になるんだ。
ミスト:魔力無いシエルじゃキビしいんじゃない?ひゃははうごふッ!
(ごづ!/鈍い音・・・剣柄で殴る)
シエル:殺スぞ。少なくともお前よりは強ええよ。
アクラ:あ、マシュリちゃーん!いたいたぁ、お疲れ様!一緒に帰ろう!
マシュリ:王女、こんな所で何してるんですか?
(ギリギリギリ/腕を巻きつけて首を絞める)
アクラ:あははー、首締まってるしまってる、死ぬよーあたし
マシュリ:(↑重なって)マモノが出たら近辺は立ち入り禁止なんですがー?
アクラ:で、でも、もう倒したんだよね?お城まで一緒に帰ろ…
マシュリ:駄目だよ。まだ出てくるかもしれない。私はここに残る。
アーちゃんは「王女」なんだから、皆に心配かけない内に城に戻…
アクラ:分かってるよ!もういい、マシュリちゃんのバカ!
マシュリ:あっ!アーちゃん
シエル:マシュリさん!こっちにもマモノが!
マシュリ:分かった、今行く。
(マモノの声、ざわめき)
マシュリ:私だって分かっているさ、このままじゃいけない事くらい。
…後で、謝りに行こう。
(炎の音)(ガレキの音)
ー森ー
(鳥の声、木の葉、風、虫など、森の音)
マオ:どう思う?ヤッカラ。
このマシュリが強すぎて、本来マモノの地だったここにニンゲン共が
のさばっているのだ。こうしてマモノを送り込んでも皆一人で
倒されてしまう。ヒト型のお前なら悪知恵が働かないか?
ヤッカラ:あぁ、作戦ならすぐ思いついた。馬鹿なお前と一緒にすんな。
マオ:あぁ?!
ヤッカラ:盆暗、暗愚、愚劣、劣等のお前とは頭の出来が違うんだ。
知ってる単語あったか?
マオ:クビにすんぞ!
ヤッカラ:お前等はこのままマシュリを引き付けておけ。
(ザッ/ヤッカラが去る音)
ー川ー
(水の音)
アクラ:マシュリちゃんの、バカ(泣きながら)
ヤッカラ:アーちゃん
アクラ:え、マシュリちゃん?
ヤッカラ:クックック、マホラ国王女、アクラだな?
アクラ:あ…あなた、誰
マシュリ?:マシュリのトモダチにして、国民的アイドル、そんなお前が
アクラ:なっ、草が!
(しゅるしゅる音/草魔法)
(キーンという高い音/魔法陣)
ヤッカラ:城からの逃亡中、マシュリと口ゲンカ、誰にも目撃されず人気のない所へ
到達。――捕獲成功。
(アクラの悲鳴)(バクン!/草魔法が飲み込む)
ヤッカラ:コピー完了。…ちぃっとカラダ借りるぜぇ
ー占いの間ー
占い師:影?
(ピシッ、バーン!/水晶)
占い師:キャァアア!…す、水晶が爆発するなんて、不吉な…!
(足音と衣擦れの音/占い師)
占い師:王様!
レクラ:む
占い師:不吉の報せが!
レクラ:あぁ、南西にマモノが出たらしい。マシュリが対処しているから
問題ないだろう。
占い師:しかし王!これは…!
(コツコツ足音/王)
占い師:「既に手遅れ」という報せでは…
ーマホラ国南西ー
(パチパチ/火)
兵士:す、すごい。さすがマシュリさん。あんな数のマモノを一人で退治しちゃったよ
マシュリ:終わりか。じゃ、私は帰る。後は頼む。
兵士:はっ!お疲れ様です!
(足音/マシュリ)(だんだん速くなる)(ヒョイ/路地裏に引っ込む)
マシュリ:もう誰もいないな?よし、
はー、はー、つ、疲れたぁ。…!?
(どすどすどす!/足元に突き刺さるナイフ)
マシュリ:なッ!何者だ!ッ、アーちゃん?
アクラ?:ごめんごめん、ナイフ落しちゃったぁ
マシュリ:疲れてる所見られたかな…ま、まだ戻ってなかったのか
アクラ?:んー、ねぇマシュリちゃん、お前
ヤッカラ:(↑重なって)お前馬鹿だろ
(カサカサ音/草魔法)
マシュリ:なぁッ!?何だこれは!は、離せ!
ヤッカラ:ナイフ投げつける奴を信用するなよ。
マシュリ:くっ、レイ…
ヤッカラ:遅い。
(どす!/腹部強打)
マシュリ:っ…
ヤッカラ:…殺すなと言われてる。
マシュリ:(不覚…)
ヤッカラ:仲間には甘いんだな。一緒に来てもらおうか、マシュリ。…さて
(しゅるしゅる/草魔法)
ヤッカラ:おいマオ、マシュリを殺した。今映像送る
マオ:むぅ?確かに…まさか本当に倒すとは。
マモノ軍、進撃開始!!
マモノ:人間を追い出せ!
(ギャアギャア/鳥の声)
ーマホラ国南西城壁付近ー
(地鳴り)
シエル:ん?何だこの揺れ…。ッ!!?(息をのむ)ミスト起きろ!
ミスト:んぁ
シエル:寝ボケてんじゃねーよ!ま、マジかよ!大量のマモノが一斉に攻撃してきた!!
(マモノの声)(炎の音)
(↑重なって)(足音/シエル)
シエル:急げ!皆に知らせないと!
ミスト:シエル待って、縄がこんがらがって…
シエル:このアホ!早くしやがれ…あっ!アクラ様!マシュリさん!ご無事で…
大変です!マモノが
(どす!/心臓を突き刺すナイフ)
シエル:え?なん…
(どさっ!/倒れるシエル)(カラン!/剣)
ミスト:シエル!!王女、何故…!
アクラ?:さぁ?そいつが弱かったからじゃねーの?どちらにせよ
守る者のいない国は滅びるだけだ。潔く死ね。
ー城上階ー
(ズン/大きな地響き)
レクラ:む?
(足音/レクラ)
レクラ:何だ、この揺れは!いったい何が…、!!!?
(風の音)(城以外さら地と化している)
レクラ:何も、無い。人も、家も。…国が、…
リオ:見つけたぞ、すべての元凶
レクラ:!…子ども?
リオ:マホラ国王、レクラ。オレの一族のカタキ…
レクラ:仇?…何の事だ
リオ:しらばっくれるな。キサマ等ニンゲンのせいでオレの一族は…
ー回想ー
(風の音)(銃声)
リオ:やめて!殺さないで!殺さないでぇええ!やめてよ、やめて!!
(竜の鳴き声)
リオ:殺さないでよおおお!!
リオ:悲しい…くやしい…憎い。憎いッ!!
(最後の銃声)
ー回想終わりー
リ
オ:復讐の為にオレは、角を取られ、、羽をもがれても生き残り、呪いを受け入れた。
レクラ:お前…竜族の子か!
(べしゃっ/背後で草魔法がマシュリを吐き出す音)
レクラ:!?
リオ:遅いぞヤッカラ
ヤッカラ:スミマセン。意外に手間取って
(べちゃ/アクラも吐き出される)
レクラ:アクラ!マシュリ!
リオ:こいつにはオレの器になってもらう
レクラ:器…?(ハッ)まさか!やめろ!…うぐぅ!!
(ゴバッ、ドカッ/リオの攻撃音)
リオ:黙れ。クク、心配せずとも、「利用」した後は処分してやる
マシュリ:う…?王さ、
(グシャ/王がリオの魔法で握りつぶされる)(王の悲鳴)
マシュリ:ま
(どくん/心臓の音)
マシュリ:…(不吉な金属音)
リオ:次は、…うぐっ!?かは!な…あッ?
ヤッカラ:ッ!?
(ボタボタ/リオの体が急速に腐る)(どっ/ヤッカラが倒れる)
リオ:呪いが…!く…あと、一歩で!退くぞヤッカラ!…チッ、外れたか。
ニンゲン共、覚えておけ。これは「はじまり」だ。器は必ず、手に入れる。
(ザッ/リオが去る)
マシュリ:王様!
レクラ:…ッ、マシュリ!私の事は良い!アクラとそこの少年、
二人を連れて奴を追ってくれ!
マシュリ:し、しかし
レクラ:行ってくれ!この国は…もう駄目だ…
マシュリ:!!
レクラ:アクラを…頼む。はは、頼んでばかりだな、私は
マシュリ:…命に代えましても!
(ガラガラガラ/崩れていく城)
レクラ:ありがとう
(ガラガラガラ)
ーマホラ国が見える崖ー
(どご…ん/城が崩れ去る)↓
(鳥の声)(砂利の音)(バサッ/傘をとじる音)
ミテノグ:こいつぁ…大事(オオゴト)っスね
ーつづくー
最終更新:2012年01月20日 14:56