これまで三角頭蓋は形の問題であって、それ以外には特別な問題は生じないとされてきました。 従って、手術(頭蓋形成術)は明らかに三角頭蓋であって見た目に問題があるとされる時だけにその形を矯正するための手術が行われてきました。 しかし、当院において、1994年以後、もともとはそのような美容的な矯正の目的で手術を行った子供達の中に、手術前に見られていた重い多動や対人的な接触の障害、言葉の遅れなどの発達上の問題が驚くほど軽くなった子供達が数人いました。 そこから出発してこのような発達の問題(特に言葉の遅れ、多動や対人関係)と三角頭蓋が何か関係が有るのではないかと考えるようになりました。 1999年以降、発達障害を持つ児たちの面倒を見ている小児科の先生たちの協力を得て、これまでに約280例(2005年12月時点)の手術を行ってきました。 ここではっきり申し上げて置きますが、自閉症の手術ではありません。
★ 手術は、脳の置かれている窮屈な環境(※)を改善することに意味がある。 ※前頭部の狭小化・頭蓋内圧が亢進している状態
★ 術後の子どもの成長を見るには、適切な療育こそが不可欠である。 子どもにとっての良好な環境の整備と療育無くして更なる成長は期待できない。
★ 一般に広く受け入れられている治療とは言い難く、批判が絶えない。
★ 手術を受けずに自然な成長に任せるのもひとつの選択肢になる。