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告白」(2006/08/16 (水) 00:39:03) の最新版変更点

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放課後、私は屋上にいた。 6時間目の終わるちょっとだけ前に保健室から抜けだして、男君の下駄箱に手がみを入れておいた。 「話したいことがありますから、放課後、屋上に来てください。荒鷹」 名前を書いたのは、自分なりのけじめ。 もう、逃げない。そう決めたから。 私には、2人からもらった力がある。 なぜか迷いはなくて、きれいな青空を楽しむ余裕すらあった。 ガチャリ ドアが開いた。 そこにいたのは--- 男「や、やあ、こんにち荒鷹さん」 私の、好きな人だった。 「こんにちは、男君」 うわ私、なんか冷静じゃない? まるで他人事のように、自分自身が変わったことを自覚した。 男「か、体はもう大丈夫?」 「大丈夫。優しいね」 男「いや、優しいというか、普通のことだろ、これは」 それが普通と思えるから、やっぱり男君は素敵な人。 男「で、さ」 「うん」 男「話って、なに?」 ---きた。 この瞬間は、きっと、私の人生の転機点になる。 そして、どんな結果になろうとも、私は変われたというこの記念日を生涯忘れることはないだろう。 「私は」 ………日和ちゃん 「私は」 ………ぎぜんしゃさん 「私はぁっ!」 スーッと、唐突に涙が流れてきた。 この涙は、うれし涙。 ここまで来れた事の、自分自身への賞状みたいなもの。 でもまだ、賞品を手に入れてない。 こんなところで泣いてる暇は 男「ど、どうしたんだ荒鷹さん?体、本当に大丈夫なのか?」 ねえ、男君、どうしてそんなに優しいの? 本当に優しすぎて、今にもあなたの胸の飛び込みたいよ。 でも、1つだけ、 優しくないところがあるよ? 「さんって、つけないでよ」 男「え?」 涙を流したまま--- 「もう見てるだけのは、嫌だから」 あふれ出た想いが、言葉になっていく--- 「私も、側にいたい」 ねえ、受け取ったかな--- 「あなたが、好きです」 私の想い--- 時が、止まったような気がした。 と、思ったのは本当に一瞬だった。 ヒート「男ォォォ!!!もう我慢できないィィィィィ!!!!!!」 ツン「こらぁ!でちゃいけないって言われてたでしょ!」 クール「いや、もはやここまできたら開き直るしかないだろう」 狂う「今日のイライラは、惨殺何人分かしらねぇ………(クスクス」 シュール「ピシッ!パシッ!(男に米を投げつけている。)」 男「うわ何をするやめ(ry」 と、いつもそろっている5人組がドアから男に向かって突進してきた。 そしてまた、大騒ぎが始まった。 私も近くにいるのに、なぜか取り残されている気がしてポツンとしていると、ドアのところにゆうや君と日和ちゃんがいるのを発見した。 そして日和ちゃんは笑いながら、あのパンツの見えてしまう不器用な「あらぶるたかのぽ~ず~」をした。 また少しゆうや君が赤面していたけど、視線はしっかりと私に向いていた。 ああ、そうか。今、やっとわかった。 私はもう、男君の周りの輪の中に入っていいんだ。 ここにいる6人は、みんな想いは伝えた。 あとは、男君が誰を選ぶかだけなんだ。 もしかしたら誰も選ばれないかもしれないけど、男君のまんざらでもなさそうな顔から見ると、それはないと思う。 やっと、同じ舞台で戦えるんだ。 これからは、今回とはまた違うような大変なことがたくさんあるだろう。 でも、もう大丈夫。 だって男君のことに関しては、もう誰にも遠慮はしないし、自分を偽ることもない。 幸せ、掴むために。 ただ、その前に、 ありったけの感謝や気持ちをこめて、 ヘ○ヘ   |∧      / 日和ちゃんに、「あらぶるたかのぽ~ず~」そっくりの、不器用な、でもこれからの私を表すような、「荒ぶる鷹のポーズ」を返した。 「おめでとう」 彼女はみんなの死角になるような柱の陰に隠れていた。 荒鷹さんの幸せそうな笑顔。 それを見ているだけで、彼女は、ああ、良かった、と心から祝福していた。 しかし、すぐにはっと何かに気づいたような顔をして、 「うん、これは偽善。偽善」 そう、誰かに伝えることのない言葉をつむぎだした。 そして胸ポケットから小さなノートを取り出して、器用にすらすらと文章を書いた。 「○月×日、荒鷹さんが幸せになった。できるなら、これからもずっと」 書き終えると、一番後ろにはさんである写真を見る。 そこには、小さな彼女と、同じく小さな男の子。 互いの手はしっかりつながれていて、女の子の左手の薬指には、おもちゃの指輪が。 それを見る彼女の目はとてもやさしくて--- 「うん、そうだ。これでよかったんだ」 何かを吹っ切るように少し勢いをつけてノートを閉じて、胸ポケットに戻した。 「少し、眠ろうかな………」 また誰にも伝わることない言葉をつむいで、彼女は眠りはじめた。 子守唄は、男と、その周りのいつもの5人と、今日入った1人、計7人の、当分終わらないであろう大騒ぎをチョイスして。 胸ポケットから少し出てしまったノートの表紙に書かれている文字は「偽善」 けれどなぜか「偽」の文字には、まだ新しい修正液のあとがあった。 そして、新しく書かれたであろう「偽」と言う文字は、なぜか人べんと為の部分が少し離れていて、 人によってはそれを 「人」の「為」の「善」 と読めてしまうのは、偶然ではないだろう--- FIN

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